部屋が散らかり、ゴミ屋敷のようになってしまうには、いくつかの原因があります。
単純に性格の問題だけではなく、うつ病や認知症などの精神疾患、社会の利便性の向上も原因の一つです。
自分の部屋がゴミ屋敷となってしまった場合でも、ポイントを押さえて掃除すれば綺麗にすることができますよ。
本記事では、ゴミ屋敷の部屋を自力で片付ける方法や清掃業者の選び方について紹介します。
目次
これってゴミ屋敷?!ゴミ屋敷の基準とは
どれくらいゴミがある状態をゴミ屋敷というのか、はっきりとした基準があるわけではありません。
一般的には、家の外からでも見えるくらいゴミを溜め込んでいる状態を指す事が多いですが、その他にもゴミ屋敷状態と判断される家にはいくつか特徴があります。
・足の踏み場がないほどゴミが散乱している ・ゴミが膝の高さくらいあって床が見えない ・ゴキブリやウジ虫、ねずみなど害虫・害獣が発生している ・異臭がする ・トイレやお風呂などにもゴミが詰まっていて使えない |
家の中だけでなく、外へも影響を及ぼすゴミ屋敷は社会問題となっています。
まずはゴミ屋敷レベルを診断してみよう
ゴミが溜まっていて普段の暮らしの妨げになっている状態は、早く改善すべきです。
そんな自分の部屋は一体どれくらいのレベルのゴミ屋敷なのかを確認してみましょう。
①軽度 | 常にゴミが多い状態で、ゴミ袋が2~3個溜まっている |
②中度 | 床がゴミで埋まっていて、必要なものがあっても見つからない |
③重度 | 足の踏み場がなく、部屋には異臭が漂っている |
④最重度 | 住人だけでなく近隣へも悪影響がでて、クレームが入る |
それぞれのレベルについて詳しく見ていきましょう。
①軽度:ゴミが2~3袋分ある
コンビニのお弁当の容器や空き缶、ペットボトルなどが溜まって、いつもゴミが多い状態です。
部屋全体というよりも、部分的にゴミが集積しているので床は見えていて、自分で捨てることさえすれば改善できるレベルと言えます。
②中度:床がゴミで埋まりものが見つからない
中度になると、ゴミが散乱する範囲が広がり、床が見える部分が少なくなっています。
毎日何かを探しているような状態で、生活に支障をきたすレベル。
物が多いので掃除もできず、食べ残しなどの生ゴミも放置されているので不衛生な状態です。
③重度:足の踏み場がない・悪臭漂う
ゴミにつまづいて転ぶくらい部屋の中にゴミが溜まっていて、床が見えない程になっています。
あきらかなゴミだけでなく、不用品や服、家財道具などさまざまな物が溢れかえっているので、片付けるのは容易ではありません。
悪臭や害虫が発生しているケースも多く、清掃業者などプロに対処の依頼をする必要があるレベルです。
④最重度:生活環境に悪影響・苦情
何か月もゴミを捨てることなく溜め込んでいるので、家の中ではいつでもゴミを踏んで移動するような状態です。
悪臭や害虫が発生して、家の中だけでなく外へも影響が出るレベルになるので、近隣からの苦情が出るケースも。
健康被害が出る可能性もあるので、早めに対処する必要があります。
片付けるだけでなくハウスクリーニングや害虫駆除なども必要なので、清掃業者などに依頼してゴミ屋敷を改善しましょう。
そもそもなぜゴミ屋敷になるのか
精神疾患や発達障害が原因
病気や障害が原因で、ゴミを捨てたり片付けをしたりすることができないという人がいます。
・ADHD(注意欠陥・多動性障害) ・ASD(自閉症スペクトラム症) ・セルフネグレクト ・うつ病 |
その他にも、認知症や統合失調症の人がゴミ屋敷にしてしまうこともあります。
精神疾患や発達障害によってゴミ屋敷になるのは、ゴミが溜まっている状態は良くないと分かっていても片付けられないケースや、清潔な部屋に住みたいという欲求がなくて掃除をしなくなるケースなどその理由もさまざまです。
精神疾患が原因で陥るゴミ屋敷について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼精神疾患でゴミ屋敷に陥る原因と対処法
忙しすぎる・ストレスが大きい
日常の生活に支障が出るほどに仕事などが忙しくてゴミ屋敷にしてしまう、という人がいます。
たとえば、看護師のように勤務時間が不規則な人の場合、ゴミ捨ての時間に出せなくて溜まっていってしまうようです。
また、仕事などのストレスによって買い物が増える人の部屋がゴミ屋敷状態というケースも。
一見、毎日バリバリと仕事をして普通に生活しているように見えて、実は部屋がゴミ屋敷になっているという人の中にはマンション住まいの人も多いです。
仕事が忙しいことが原因で起こるゴミ屋敷はこちらの記事をお読みください。
▼ゴミ屋敷に陥りやすい職業と原因について
もったいなくて捨てられない
周りの人から見るとゴミだと思える物でも、もったいなくて捨てられないという人がいます。
使うことがない物や壊れた物、古い物でも捨てることなく取っておくため、物が溢れてゴミ屋敷状態になってしまいます。
とくに、がなかなか手に入らなかった時代を知っている年配層に多く、子どもたちが巣立った後の実家がゴミ屋敷になってしまうというケースは少なくありません。
実家がゴミ屋敷になってしまった際の対処法はこちらの記事をお読みください。
▼ゴミ屋敷が親に与える影響と改善するための方法
体力の低下でゴミが捨てられない
ゴミを捨てるというのは、体力のない高齢者にとって重労働です。
そのため、家にゴミを溜め込んでしまってゴミ屋敷になってしまう世帯は年々増えています。
自治体の支援や訪問介護、別居家族のサポートがない「ゴミ捨て困難」は社会問題の一つです。
高齢者がゴミ屋敷に陥ることで起こる問題と対処法はこちらの記事をお読みください。
▼ゴミ屋敷に陥りやすい高齢者の特徴と原因について
ゴミの分別が複雑
ゴミの分別ルールが複雑でゴミを捨てられず、ゴミ屋敷にしてしまう人がいます。
またゴミの分別方法は地域によって違うので、引越しをした先のゴミの分別ルールがわからず、捨てられなくて溜め込む人も。
中には近隣の住民に強く注意されてから、ゴミ出しがしづらくなってゴミが増えてしまった、というパターンもあります。
社会の利便性の向上
最近はコンビニなどのお店がたくさんあったり、通販を利用することが増えて買い物がしやすい環境にあります。
不要なものを捨てない人だと、物やゴミがどんどん増えてしまってゴミ屋敷状態に。
買ったものが散乱したり、パッケージやダンボールなどのゴミが増えてしまう人には、一人暮らしの人が多いのが現状です。
一人暮らしの方がゴミ屋敷に陥りやすい原因について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼一人暮らしでのゴミ屋敷の特徴と改善方法
放置すると危険!ゴミ屋敷になるリスク
火災のリスクがある
部屋の中にゴミが溜まり掃除もしない状態を続けていると、コンセントに埃が詰まってトラッキング火災が発生する可能性があるので気をつけなければなりません。
さらに家の外にもゴミが溜まっているゴミ屋敷は、放火犯にとっては格好の餌食です。
燃やす物が多いと狙われる危険性が高まるのです。
ゴミ屋敷で度々起こる火災の原因と対処法について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼ゴミ屋敷が火事になりやすい原因や対処法とは
害虫や埃により健康を損なう
ゴミを溜め込んだ状態で生活を続けると、ゴキブリやハエなどの害虫が原因で健康被害につながることもあります。
・感染症 ・アレルギー ・食中毒 |
また、ゴミだらけの室内が外から見えるのが嫌だったり、物が多いせいで窓が開けられない状態で換気をしない人も。
空気が入れ替わらない埃が溜まった部屋で生活するのは、体にとっても心にとっても良くない事と言えます。
ゴミ屋敷で起こりやすい害虫被害について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼ゴミ屋敷で大量発生してしまったゴキブリを根源から退治する方法
人を家に上げられない
家がゴミ屋敷では人を家に招くことはできません。
一人暮らしの部屋なら人を家に上げる必要がある時に片づけたり、訪問を避けるように外で会ったりと対処もできますが、困るのが実家がゴミ屋敷状態である時です。
結婚の挨拶のように、どうしても人を家に上げなければならない状況の時、ゴミ屋敷では来てもらうことが難しいでしょう。
実家がゴミ屋敷だと片付けるのも大変で訪問を断るしかないとなると、結婚自体が難しくなってしまう可能性もあります。
ゴミ屋敷の実家に婚約相手を呼べる状態へする方法について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼ゴミ屋敷状態の実家に結婚相手を呼ぶには?親の説得方法
子どもやペットにも悪影響を
ゴミ屋敷に住んでいるという人に対して良い印象は持ちにくいものですが、それは子どもも同じで、家がゴミ屋敷という理由でいじめにつながる事もあるのです。
自分が育った環境が将来大人になった時に影響するため、実家を出て一人暮らしや家庭を持った時に、自分でゴミ屋敷にしてしまうという人も。
また、ペットを飼っている家がゴミ屋敷だと、エサや糞尿の処理といった世話が行われず病気になる事があります
重度のゴミ屋敷の場合、たくさんのゴミに埋もれて死んでしまうということにもなりかねません。
ゴミ屋敷が子供やペットに与える影響について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼ゴミ屋敷が子供に与える影響とすぐに改善すべき理由
▼ゴミ屋敷で起こりやすい猫屋敷の実態について
最悪の場合孤独死につながる
ゴミ屋敷の住人は、近隣の住民や家族、親戚と交流することがないという人が多いです。
ゴミ屋敷に人を招くことは少なく、外に出ることもないため社会から孤立してしまい、よりゴミ屋敷化が進んでしまいます。
配偶者に先立たれていたり、身寄りがないといった高齢者だと、孤独死につながってしまう事もあります。
孤独死とは何か?詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼孤独死が起こる原因と未然に防ぐためにすべきこと
隣家がゴミ屋敷で困る!行政には頼れる?
現在のところゴミ屋敷を取り締まることはできませんが、社会問題となっているゴミ屋敷に対処する条例を制定している自治体は多くあります。
・住人への指導を行う ・文書での戒告を伝える ・行政代執行によるゴミの撤去 |
などを行政で行う事で、火災リスクや周囲の景観や衛生面での悪影響といった住民の不満や不安に対応してくれます。
ゴミ屋敷問題で行政を頼る際はこちらの記事をご参照ください。
▼ゴミ屋敷問題で知っておくべき自治体別の条例や対応
ゴミ屋敷の片付け(掃除)方法
まずは道具をそろえる
たくさんのゴミが溜まっているゴミ屋敷の片付けや掃除を行うためには、一般的な「家の掃除」とは違う道具も必要になります。
必要な道具 | 目的・理由 |
燻煙剤 | ゴキブリやダニなどの害虫を駆除するため |
養生テープ | 手で切れて壁に貼っても剥がせるので便利 |
殺虫スプレー | 害虫駆除に使う |
マスク | 埃対策 |
軍手 | ケガをしないようにするため |
汚れても良い服 | 部屋の悪臭が強い場合は捨てても良いくらいの服がおすすめ |
新聞紙 | 割れた食器やガラスなどを包む |
スニーカー | 割れ物を踏んだり、上から物が落下した時のケガを防ぐ |
紐 | 本やダンボールなどをまとめる |
ゴミ出しの日のチェック
ゴミ屋敷の片付けでは、大量のゴミを捨てることになります。
可燃、不燃それぞれのゴミ回収のスケジュールに合わせて掃除を行いましょう。
また、自治体に連絡をして粗大ゴミを回収してもらう際には、時期によっては混んでいることもあるため、回収までの日数が長くかかることを想定して事前に連絡するようにしましょう。
片付けが円滑に進むように計画を立てることが重要です。
作業手順を決める
どこから手を付ければいいかわからないゴミ屋敷の片付けは、あらかじめ手順を決めて進めます。
害虫駆除をする
作業中にゴキブリなどの害虫があらわれると、作業が止まり時間がかかってしまいます。
そのため、ある程度ゴミを片づけたら、燻煙剤などを使って先に害虫駆除をするのが効果的です。
その際に、ゴキブリの逃げ道でもある換気扇や排気口を養生テープを使って塞いでおきましょう。
ゴミを捨てる
明らかにゴミだと言えるものを捨てます。
ゴミを運び出すことができるように、最初に玄関入り口付近から始めて、家の中のゴミを減らしていくのがポイントです。
家具などを捨てる時は殺虫剤を持って
大きなものを運び出せるルートが確保できたら、処分したい家具などを動かします。
この時、虫が出てくる可能性があるので殺虫スプレーを用意しておくのがおすすめです。
残しておくものと捨てるものを分ける
ゴミではないけれど捨てるか迷うようなものを分別します。
ゴミ屋敷の片付けでは捨てることを優先しますが、絶対に必要で残しておくものは一か所にまとめておきます。
掃除
不要なものを捨てて、必要なものだけが残ったら最後に掃除をして片づけていきます。
細かいゴミを捨てて、埃や汚れなどをすっきり掃除しましょう。
業者に任せるのも一つの手
ゴミ屋敷の掃除は、ゴミを捨てても水回りが汚れていたり、床や天井にカビが発生していたりするので簡単ではありません。
個人では手に負えないと思ったら、ゴミを処分した後にハウスクリーニングに清掃をお願いしたり、最初から清掃業者に依頼するのも賢い方法です。
ゴミ屋敷清掃業者を正しく選ぼう!
どんな業者がゴミ屋敷を清掃してくれる?
個人では片付けきれないようなゴミ屋敷は、清掃のプロにお願いしましょう。
・不用品回収業者 ・遺品整理を行なっている会社 ・特殊清掃を行なっている会社 ・便利屋 |
そのほか、ゴミを捨てた後の家の掃除ならばハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
ゴミ屋敷における便利屋のサービスについて詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼ゴミ屋敷の清掃における便利屋と清掃業者の料金やサービスの違い
業者選びのコツ
安心して任せられる業者を選ぶためのコツをチェックしておきましょう。
・見積もりは細かく丁寧に書かれていてわかりやすいか ・清掃の立会い無しでも依頼できるか ・対応がスムーズか |
業者によってサービス内容や金額などの違いがあるので、複数社の相見積もりをして選ぶのがおすすめです。
ゴミ屋敷清掃の料金相場
間取り | 料金相場 |
1K | 30,000〜80,000円 |
1LDK | 70,000〜200,000円 |
2LDK | 120,000〜300,000円 |
3LDK | 170,000〜500,000円 |
4LDK以上 | 220,000〜600,000円 |
同じ部屋の大きさでも、ゴミの量や作業人数などによっても金額は異なります。
ただし、業者によっては料金と質が一致しておらず、不要な作業まで上乗せしてくる場合もあるので注意が必要です。
見積もりの際に「どこまで作業するのか」を具体的に提示してくれる業者を選びましょう。
ゴミ屋敷清掃は恥ずかしくない!
他人にゴミ屋敷を見せて掃除をしてもらうことが恥ずかしい、と感じる人は多いです。
しかし、業者の方はゴミ屋敷の清掃を請け負うのが仕事ですので、ゴミ屋敷を見慣れている人たちです。
むしろゴミ屋敷に住み続ける方が恥ずかしいと感じる時がくるので、早めにプロの力を借りてゴミ屋敷を卒業しましょう。
男性にゴミ屋敷を見られるのが恥ずかしいという人であれば、女性スタッフを希望できる業者もありますので、女性でも安心して依頼することができます。
ゴミ屋敷に清掃業者を呼ぶのが恥ずかしいと感じる方へ
▼ゴミ屋敷化した家を見られるのが恥ずかしい?いま一歩を踏み出すべき理由
ゴミ屋敷の清掃なら林商会へ
自宅がゴミ屋敷になってしまって困っている。
自分ではどうすればいいかわからない。
そのような時は林商会にお任せください!
林商会では、不用品回収や特殊清掃を通して学んだノウハウや経験を活かし、お客様に気持ちに寄り添ったサービスでお客様のお部屋を綺麗にさせていただきます。
またお客様にご満足いただくため、高い質を提供すると同時に無駄な作業を除いた、お客様にとって最善の内容でお見積りさせていただいております。
もちろん、お見積り後に追加料金を頂くことは一切ございませんのでご安心ください。
まずはお気軽に無料相談、無料お見積りからご利用ください。
まとめ
片付けられないという性格的な理由からストレス、精神的な特性、病気などのいろいろなきっかけで住んでいる部屋はゴミ屋敷になってしまいます。
ゴミ屋敷にしてしまった部屋を元に戻すのは簡単なことではないですが、対策はあります。
業者に依頼して、快適に暮らすことができるように、ゴミ屋敷を清掃するのも一つの手です。