三回忌の香典袋のマナー(見本画像付き)書き方、選び方、お金の入れ方などすべて解説

三回忌香典袋アイキャッチ

三回忌をはじめとする年忌法要では、故人への追悼の気持ちや遺族への気遣いを表すために香典を渡します。

香典を包む香典袋にも意外と多くのマナーがあるため、失礼のないよう事前に確認しておくことが大切です。

本記事では、香典袋のマナーを解説します。

  • 香典袋の書き方(表書き、名前、中袋)
  • 香典袋の選び方
  • お金の入れ方
  • 香典袋の渡し方
  • 香典の相場金額

見本画像を用意しているので、香典袋の書き方がわからない方はぜひお役立てください。

三回忌の香典袋の書き方【表書き】

香典袋のイメージ

香典袋の上部には「表書き」を書きます。

表書きは故人の宗教によって異なるため、ここからは宗教別の表書きを解説します。

なお、三回忌のように予定されている法事では習字や書道で使われる濃墨(こずみ)を使いますが、住んでいる地域によって考え方の差があるので、どちらを使うかはあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

仏教

仏教では、以下の表書きが一般的です。

  • 御仏前
  • 御佛前
  • 御供物料
  • 御香料

仏教の教えでは、四十九日法要を境に故人は仏様になるとされ、四十九日よりあとに行われる三回忌では「御仏前」や「御佛前」が香典袋の表書きとして使われます。

また、お香やお供え物の代わりに金銭を包むという意味で「御供物料」や「御香料」と書くこともあります。

神道

神道では、仏式でいう年忌法要あたる儀式として式年祭が行われます。

その際に用意する香典の表書きは以下のようなものがあり、宗派による書き方の違いはありません。

  • 玉串料
  • 御玉串料
  • 御神前
  • お供え

キリスト教

キリスト教では三回忌という概念はなく、故人のために昇天記念日ミサといった形で集います。

昇天記念日やミサではお花をささげる習慣があり、香典ではなくお花代を包むため、表書きは以下が一般的です。

  • お花料
  • 御花料
  • 献花料

なお、教派ごとに使われる表書きもあります。

  • 御ミサ料(カトリック)
  • 御霊前(カトリック)
  • 忌慰料(プロテスタント)

三回忌の香典袋の書き方【名前】

香典袋の水引より下には、香典を包む人の名前を書きます。

個人で出す場合、複数人で出す場合、それぞれにマナーがあるため、ここからはケース別に名前の書き方を解説します。

個人で包む場合

個人で包む場合

個人で香典を包む場合、遺族にわかりやすいよう名前はフルネームで書くのがマナーです。

代理で香典を持参した場合は名前の左に「」、夫の代わりに妻が持参した場合は「」と書きます。

連名で包む場合

連名で包む場合

香典袋に連名できるのは3名までです。

4名以上は代表者1名のみを香典袋に書き、名前の左に「他○名」「外一同」などと書き添え、別紙に全員の名前を書いて同封します。

三回忌の香典袋の書き方【中袋】

市販の香典袋は、基本的に外袋と中袋の二重になっています。

中袋には、包んだ金額住所名前、を書きます。

金額の書き方(旧字体)

中袋の表面中央には、包んだ金額を書きます。

「1、2、3」などのアラビア数字や「一、二、三」などの漢数字ではなく、改ざん防止のために字画の多い旧字体(大字)を使って縦書きします。

なお、包む金額は「死」や「苦」を連想させる4万円や9万円などを避けるのがマナーです。

<香典によく使われる金額の旧字体(大字)例>

3,000円 参阡圓・参仟圓
5,000円 伍阡圓・伍仟圓
10,000円 壱萬圓
30,000円 参萬圓
50,000円 伍萬圓
100,000円 拾萬圓

ただし、市販品で金額欄が横書きの仕様になっている場合はアラビア数字でも問題はありません。

住所・名前の書き方

住所氏名の書き方

住所と名前は、中袋裏面の左側に縦書きするのが基本です。

郵便番号や番地などは漢数字を使いますが、ゼロは「零」ではなく「〇」と書きます

また、住所を2か所書く場合は中袋裏面の左右に、3か所以上書く場合は別紙に書きましょう。

1か所の場合 中袋裏面の左側
2か所の場合 中袋裏面の左右
3か所以上の場合 別紙

中袋のない香典袋はどう書く?

香典袋には中袋のない略式タイプがあり、地域の習慣として二重の包みは「不幸が重なる」に通じるため、あえて中袋のない香典袋を使うこともあります。

中袋のない香典袋には、表書きした香典袋の裏側に住所氏名を書きます

書き方は、前章の「氏名・住所の書き方」を参考にしてください。

三回忌の香典袋の選び方

香典袋とお金

市販されている香典袋はいろいろな種類がありますが、使用する香典袋は宗教や包む金額に合わせて選びます。

三回忌に使用できる香典袋の種類

三回忌の香典袋は不祝儀袋を用いますが、水引の有無や絵柄などで使い分けられています。

水引は一度結んだらほどけにくいことから「繰り返さない」という意味で、結び切りが弔事用です。(あわび結び・あわじ結びは慶事・弔事両用)

また水引の色にも種類があり、一般的に三回忌では黒白、白銀、双銀のほか、関西でよく使われる黄白などが用いられます。

絵柄や型押しがあるものは宗教に関連するので、使うときは注意が必要です。

【宗教別】香典袋の選び方

三回忌を含む法要・法事では、香典袋は故人の宗教に合わせて選びます。

<宗教別:香典袋の特徴>

宗教 絵柄・型押し 水引
仏教 蓮の花もしくは無地 必要
(黒白や双銀、関西地方は黄白)
神道 無地 必要
(双銀、黒白、双白)
キリスト教 十字架、百合もしくは無地 無いほうがよい
(※1)

(※1)キリスト教で表書きを「御霊前」とする場合は、黒白か双銀の水引で白無地の香典袋が使えます。

【金額別】水引の選び方

水引がついた香典袋を使う際は、包む金額に合わせて水引を選びます。

<金額別:香典袋の特徴>

金額 水引の色や素材の特徴
~1万円 黒白、藍銀、黄白の水引が印刷された略式タイプ(※2)
1~3万円 結んである黒白、黄白の水引
3~5万円 結んである双銀、黒白、黄白の水引
5~10万円 結んである双銀の水引
中金封の香典袋
10万円以上 結んである双銀の水引
大金封や特大金封の香典袋

(※2)印刷された水引は黒の水引が青色っぽく印刷されることがあります。

三回忌の香典袋のお金の入れ方

1万円札

香典袋にお金を入れるときは、香典袋の表面に対してお札を裏向けて、肖像画のほうから入れます

複数枚のお札を入れる場合は、お札の向きを揃えるのもマナーです。

なお、昔から不祝儀の香典には使い古したお札が使われており、現在でもそれがマナーだと考えている人がいるため、新札は使わないほうがよいでしょう。

ただし、あまりにしわの多いお札だと受け取る側も気持ちのよいものではないので、できるだけキレイなお札か、折り目をつけた新札が適しています。

三回忌の香典袋の渡し方

香典を手渡すイメージ

三回忌では、香典袋の渡し方にもマナーがあります。

香典を渡すタイミング

三回忌の法要は受付を設けない場合が多いため、香典袋は法要が始まる前までに施主へ直接手渡します

いくら施主が忙しそうにしていても、香典袋を黙って祭壇や仏壇にお供えするのはマナー違反です。

法要が始まる寸前はバタバタすることもあるので、丁寧に香典袋が手渡せるよう時間に余裕をもって会場に向かいましょう。

香典を渡すときのマナー

香典袋は、三回忌の法要を重んじる、水引が崩れるのを防ぐ、などの理由から袱紗(ふくさ)に包んで持参するのがマナーです。

弔事に用いる袱紗は、青や紺、紫といった寒色系で無地のものを用意しますが、準備できない場合は、黒や紫の無地のハンカチなどで代用しても問題ありません。

香典袋を渡す際は、香典を取り出した袱紗を畳んでから、施主から見て表書きが正面を向くようにして両手で渡します

「本日はお招きいただきありがとうございます」「お供えください」など、一言添えるのも忘れないようにしましょう。

三回忌に参列しないときはどう渡す?

三回忌の法要にやむを得ず参列できない場合は、現金書留で香典袋を送っても失礼にはなりません

現金を普通郵便で送るのは郵便法で禁止されているため、必ず現金書留を利用してください。

現金書留の封筒には差出人の住所と氏名を書きますが、同じ内容であっても香典袋に記載する住所と氏名を省略しないようにしましょう。

また、香典袋を送る際はお悔やみの手紙を同封し、受け取る側の都合を考慮して配達日を指定すると丁寧です。

三回忌の香典の相場金額早見表

香典の相場金額は故人との関係性や、法要後の会食の有無などによって変わります

法要後は施主の意向や地域のしきたりによって、仕出し料理やお寿司などが用意されたり、料理店やホテルなどの広間でコース料理が振る舞われたりします。

いずれの場合も1人分の会食代の相場は5,000~1万円となるため、会食がある場合にはその金額を香典に加算するのが一般的です。

故人との関係性 会食なし 会食あり
両親 1~5万円 左記に5,000〜1万円を加える
兄弟姉妹 1~5万円
祖父母 5,000~3万円
親戚 5,000~3万円
友人・知人 3,000~1万円

まとめ

三回忌の香典袋は、使用できる不祝儀袋や表書きが宗教ごとに異なり、うっかり間違えると失礼にあたるので注意が必要です。

また、中袋の書き方や水引の選び方などにもルールがあり、慣れない作業に戸惑う人も少なくありません。

香典とはそもそも故人や遺族のためにお供えするものなので、受け取る側の気持ちになって丁寧に準備するよう心がけてください。

 

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