一周忌法要を迎える際は、法要の開催を知らせる案内状を遅くとも1か月前を目安に送ります。
案内状には特有の書き方やマナーがあり、知らずに送ってしまうと参列者に対し失礼ともなりかねません。
本記事では、宗教別に一周忌法要の案内状の例文をはじめ、書き方やマナーも解説します。
目次
一周忌法要の案内状は1か月前に送る
一周忌法要の案内状は、参列者の予定を考慮し、遅くとも1か月前を目安に案内状を送るようにしましょう。
法要後にお斎(会食)を行う場合は、参列者の人数に合わせて食事を手配する必要があるため、返信用のはがきを同封したり往復はがきを使用したりします。
案内状の準備は、1か月半前には始めておくとスムーズに一周忌法要を迎えられるでしょう。
身内のみで一周忌法要を行う場合の案内状
身内のみで一周忌法要を行う場合は、案内状を送らずに電話やメールなどで知らせても問題ありません。
ただし、勘違いを防ぐためにも日時や場所が正確に伝わっているかの確認は必要です。
なお、一周忌法要に招待しない方には、法要を無事に終えたら報告を兼ねて挨拶状を出しましょう。
一周忌法要の案内状の例文
ここからは、宗教別に一周忌法要の案内状の例文を紹介します。
仏式で執り行う場合
仏式で執り行う場合は、縦書きで句読点を使わずに記載します。
謹啓 ○○の候 皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます |
神式で執り行う場合
仏式で一周忌にあたる法要は、神式では「一年祭」と呼ばれています。
神式での一年祭の案内状の例文は下記の通りです。
謹啓 ○○の候 皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます |
キリスト式で執り行う場合
同じキリスト式でも、カトリックとプロテスタントでは文言が異なります。
カトリックでは「追悼ミサ」と、プロテスタントでは「記念集会」と書きます。
故〇〇が神の下に召されてから 一年が経ちました つきましては 左記の日程で追悼ミサ(記念集会)を行うことになりました お忙しい中恐縮ではございますが ぜひご来席していただきたく こちらにご連絡させていただきました 日時 ○月○日(○曜日) 午前○時より 場所 〇〇○ 住所 〇〇○〇〇○〇〇○ 電話番号 〇〇○-〇〇○-〇〇○○ 令和○年○月○日 喪主 ○○○○○(氏名) 住所 〇〇○〇〇○〇〇○ 電話番号 〇〇○-〇〇○-〇〇○○ お手数ですが、○月○日までに出席の有無のお返事をお知らせください |
キリスト教の場合、供養という概念はなく死ぬと神の元へ帰っていくという考えがあります。
仏教や神道などで使用する言葉は使用できないので、注意してください。
一周忌法要の案内状に記載する内容
ここからは、一周忌の案内状で記載すべき内容を紹介します。
一周忌の案内状に記載する内容は、下記の通りです。
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それでは各項目について詳しく見ていきましょう。
差出人(施主)と故人の関係・故人の氏名
誰の法要が行われるのかを明確にするために、差出人(施主)と故人の関係・故人の氏名を記載します。
差出人(施主)から見て、故人が母にあたる場合は「亡母 ○○ ○○」のように書きます。
また、一周忌を迎える旨も必ずお知らせしましょう。
頭語・結語
一周忌の案内状では、冒頭に「頭語」、文末には「結語」を記載します。
頭語には「こんにちは」、結語には「さようなら」のような挨拶にあたる意味合いが含まれており、これらは必ずセットで記載するというルールがあります。
頭語「拝啓」 | 結語「敬具」 |
頭語「謹啓」 | 結語「謹言」 |
時候の挨拶
頭語の後には、季節に合った「時候の挨拶」を書きます。
時候の挨拶とは、季節に合わせた心情を表すもので、改まった文章には頭語の後に記載することがマナーです。
また、時候の挨拶の後には相手の健康や安否を気遣う一文を書きます。
例:「皆様にはますますご壮健のことと拝察いたします」など
月ごとの頭語を2種ずつ紹介するので、一周忌を執り行う時期に合う時候の挨拶はどれか、チェックしてみてください。
1月 | 極寒の候・厳冬の候 |
2月 | 晩冬の候・余寒の候 |
3月 | 春分の候・早春の候 |
4月 | 春和の候・春風の候 |
5月 | 万緑の候・新緑の候 |
6月 | 入梅の候・小夏の候 |
7月 | 盛夏の候・仲夏の候 |
8月 | 晩夏の候・暮夏の候 |
9月 | 初秋の候・涼風の候 |
10月 | 秋晴の候・仲秋の候 |
11月 | 晩秋の候・向寒の候 |
12月 | 初雪の候・師走の候 |
法要の日時・会場
特に、一周忌法要の日時や場所はわかりやすく記載しましょう。
案内状を受け取った方は、この情報を見て参列のために予定や仕事を調整します。
また、このときに西暦では記載しないようにしましょう。
自宅で執り行うのであれば「自宅にて」でも構いません。
しかし、ホテルなどの会場で法要を行うのであれば、会場となる部屋の名前も加えて記載すると参列する方も当日迷うことなく、親切です。
そして、会場となる場所を記載するときは、会場の名称だけではなく住所・電話番号も記載するとよりよいでしょう。
お斎(会食)の案内
一周忌法要を行う場所と異なる会場で会食を行う際は、会食を行う会場名や住所、アクセス方法なども明確に記載しましょう。
一周忌法要をホテルで行なった場合など、移動がなくその会場内で会食をする際は「法要後は ささやかではございますが 粗宴をご用意いたしております」と一文付け加えるのみでも構いません。
差出人(施主)の住所・氏名
差出人の名前はフルネームで記載し、出欠の返信様に住所も記載します。
また、参列する予定だった方が何らかの事情で欠席しなければいけなくなってしまった際など、すぐに連絡がとれるように電話番号も記載しておくとよいでしょう。
宛名・宛先
一周忌に招く方(案内状の送り先)の宛名と宛先を記載します。
夫婦の場合や子どもがいるなど複数人の場合は連名で記載しましょう。
返信の依頼
一周忌の出席の有無、返信の期限を記載します。
相手方がスムーズに返事を出せるように、返信用はがきを用意することも忘れないようにしましょう。
返信用の宛先にあたる自身の名前の下には「行」と記載します。
一周忌法要の案内状を送るときのマナー
ここからは、一周忌の案内状を書くうえで、必ず押さえておかなければいけないマナーを紹介します。
句読点は使わない
法事や法要などの案内状を送る場合、「、」や「。」などの句読点は使用しません。
句読点がなく読みづらくなってしまう場合は、適度に文字の間隔をあける・改行するなどで対応すると良いでしょう。
二重封筒にしない
不幸が重なると言い伝えられている二重封筒は、使用しません。
一周忌の案内状に使用する封筒は、白い無地の封筒を利用しましょう。
往復はがきを使用してもよい
近年は往復はがきを利用して、一周忌の案内状を送る場合も増えてきています。
往復はがきで案内状を送ること自体がマナー違反というわけではありませんが、年配の方では不快な思いを抱く方がいるのも事実です。
親しい間柄でなければ、できるだけ使用するのは避けたほうがよいかもしれません。
まとめ
この記事では一周忌での案内状の書き方やマナーについてご紹介しました。
一周忌のような年忌法要を含む冠婚葬祭には気を付けるべきマナーが多く存在します。
招待される側が気持ちよく法要に参列していただけるよう、マナーには一層の注意を払う必要がありますので、ぜひ本記事を参考になさってくださいね。
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