近年では三回忌を家族のみで行うことが多く、三回忌に参列した経験が少ない人が多いのではないでしょうか。
本記事では、三回忌の香典のマナーを詳しく解説します。
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三回忌に参列しないときの香典のマナーやお供えのマナーなども幅広く解説するので、不安な方はぜひお役立てください。
目次
三回忌を家族だけで行う場合の香典
三回忌を家族だけで行う場合、香典を用意しないケースもあります。
家庭によって考え方が異なるため、事前に家族へ確認しましょう。
なお、香典が不要な場合、故人のためにお供え物を用意するのもよいでしょう。
香典を用意する場合は、次章の相場を参考にしてください。
三回忌の香典の相場

香典の相場は、一般的に故人との関係性や法要後の会食の有無で金額が異なります。
なお、夫婦で香典を用意する場合は、2人分の金額を包むのがマナーです。
ここからは、故人との関係性別に香典の相場を解説します。
両親の場合
両親(父親・母親)または義両親(義父・義母)の三回忌の香典は、以下の金額が相場です。
会食がない場合 | 1~5万円 |
会食がある場合 | 1~5万円+5,000~1万円(食事代) |
自分以外に兄弟姉妹がいる場合は相談して決めましょう。
兄弟姉妹の場合
兄弟姉妹の三回忌の香典は、以下の金額が相場です。
会食がない場合 | 1~5万円 |
会食がある場合 | 1~5万円+5,000~1万円(食事代) |
一般的に、両親への香典よりも少ない金額を包みます。
祖父母の場合
祖父母の三回忌の香典は、以下の金額が相場です。
会食がない場合 | 5,000~3万円 |
会食がある場合 | 5,000~3万円+5,000~1万円(食事代) |
自分の年齢や祖父母との関係性を考慮して決めましょう。
親戚の場合
曽祖父母、叔父、叔母、甥、姪などの三回忌の香典は、以下の金額が相場です。
会食がない場合 | 5,000~3万円 |
会食がある場合 | 5,000~3万円+5,000~1万円(食事代) |
その他の親戚の香典も、上記の金額を目安にしましょう。
友人・知人の場合
友人または知人の三回忌の香典は、以下の金額が相場です。
会食がない場合 | 3,000~1万円 |
会食がある場合 | 3,000~1万円+5,000~1万円(食事代) |
血縁関係がなくとも親しければ、相場以上の金額を包む場合もあります。
同じような関係性で三回忌に参列する人がいる場合は、相談して決めるのもよいでしょう。
三回忌の香典袋の書き方

香典袋には表書き、名前、金額などを書き入れます。
なお、通夜、葬儀、告別式などの香典には薄墨を使いますが、三回忌では濃墨(こずみ)を使うのが一般的です。
ここからは、香典袋の書き方を解説します。
表書きの書き方(宗教別)
香典の表書きは、お供えする時期や宗教によって変わります。
仏教
三回忌の香典の表書きは「御仏前」または「御佛前」が一般的です。
仏教では四十九日を過ぎると、故人の霊は仏になると考えられているため、四十九日以降は「御霊前」を使えません。
キリスト教
キリスト教は、カトリックとプロテスタントに教派が分かれています。
共通して使える香典の表書きは「御花料」「御花代」「献花料」です。
また、「御ミサ料」「御霊前」はカトリックのみ、「忌慰料」はプロテスタントのみで使います。
神道
神道に使える香典の表書きは「御玉串料」「玉串料」「御神前」です。
仏教の四十九日にあたる五十日祭を終えると、故人の霊は神様になると考えられており、仏教と同じく「御霊前」は使えません。
名前の書き方
名前の書き方は、個人で用意する場合と連名で用意する場合で変わります。
見本画像を参考にして正しく書きましょう。
個人または連名(3人まで)で香典を用意する場合

個人または連名(3人まで)で香典を用意する場合、見本画像のように、上の部分に表書き、下の部分に名前を書きます。
2~3人で香典を用意する場合も、見本画像を参考にして香典袋の中央にバランスよく名前を書きましょう。
4人以上・夫婦・家族で香典を用意する場合

4人以上で香典を用意する場合は、代表者1名の名前を中央に書き「外一同」と左下に添えます。
別紙にお金を包んだ全員の名前を書き、中袋に同封するのがマナーです。
また、夫婦の場合は夫の名前を中央に書き、左側に妻の名のみを書きます。
子どもの名前を書く場合は、人数にかかわらず妻の名の横に並べても問題ありません。
会社・グループで香典を用意する場合

会社や部署で香典を用意する場合は、香典袋の中央に代表者の名前や役職を書き、右側に社名を書きます。
また、グループなどの場合は、団体名+一同と書き、お金を包んだ全員の名前を書いた別紙を中袋に同封すると親切です。
中袋の書き方
多くの香典袋には中袋がありますが、中袋には表面中央に金額、裏面左下に住所・氏名を書きます。
中袋に金額を書く際は、1、2、3のようなアラビア数字や、一、二、三といった漢数字ではなく、壱、弐、参などの大字を使用します。
大字は字画が多く複雑なことから金額の改ざん防止を目的に使われるものです。
<金額を表す大字一覧>
一 | 壱 |
二 | 弐 |
三 | 参 |
五 | 伍 |
十 | 拾 |
百 | 陌 |
千 | 阡・仟 |
万 | 萬 |
円 | 圓 |
金額の記載は縦書きで、先頭にお金を意味する「金」の文字を入れ、後尾は「圓」で締めくくります。
金 伍 萬 圓 |
市販の香典袋には、横書きで金額を書くようになっているものがありますが、その場合はアラビア数字で書いても問題ありません。
香典袋の書き方を詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
三回忌での香典袋のマナーまとめ!表書き・中袋・金額の書き方から水引の選び方まですべて解説
三回忌の香典のお金の入れ方

香典袋にお金を入れるときは、香典袋の表面に対してお札を裏向きにし、肖像画のほうから入れるのが一般的なマナーです。
また、複数枚のお札を入れる場合はお札の向きを揃えておきましょう。
きれいなお札を入れる
「不祝儀=古札」と考える人は今でも多く、不謹慎と思われないように香典には新札を使わないほうが無難でしょう。
とはいえ、ひどく汚れていたり傷んでいたりするお札を入れるのも失礼にあたります。
香典にはきれいなお札か、一度折り曲げた新札を入れましょう。
縁起が悪い数字を避ける
故人との縁が切れることを連想させる偶数(割り切れる金額)や、「死」や「苦」を連想させる「4」や「9」の数字(忌み数)は縁起が悪いと考えられています。
そのため、故人との関係性や相場を考慮しつつ、香典には奇数の金額を包みましょう。
三回忌の香典の渡し方

香典袋は袱紗(ふくさ)に包んで三回忌の会場まで持参するのがマナーです。
香典袋を袱紗に入れることで、水引が崩れないようにしたり法要を重んじる気持ちを表したりすることができます。
また、結婚式などの慶事では暖色系の袱紗を使いますが、三回忌などの弔事では青、青緑、紺、紫といった寒色系の袱紗がよいでしょう。
香典を施主に渡すときは、会場に到着してから法要が始まる前までに、「心ばかりですが、仏前にお供えください」「御花料としてお納めください」などと一言添えます。
三回忌に参列しないときの香典のマナー

やむを得ない理由で三回忌を欠席する場合は、香典を郵送しても問題ありません。
ここからは、三回忌を欠席する場合の香典のマナーを解説します。
欠席する場合の香典の相場
三回忌を欠席する場合も、相場を参考に用意して問題ありません。
会食も欠席となるため、会食がない場合の香典の相場を以下にまとめました。
両親の場合 | 1~5万円 |
兄弟姉妹の場合 | 1~5万円 |
祖父母の場合 | 5,000~3万円 |
親戚の場合 | 5,000~3万円 |
友人・知人の場合 | 3,000~1万円 |
欠席する場合の香典の送り方
先述の通り、三回忌を欠席する場合は香典を郵送しても問題ありません。
ただし、普通郵便などで現金を郵送するのは郵便法第17条で禁止されているため、香典を郵送する際は、必ず郵便局の現金書留を使ってください。
香典袋にお金を入れ、さらに現金書留専用の封筒に入れましょう。
なお、必須ではありませんが、お詫びの手紙を同封するとより一層丁寧な印象になります。
三回忌を欠席する場合のマナーは、以下の記事で詳しく解説しています。
三回忌に欠席する際の連絡や香典の金額・お供え物の選び方とは?
三回忌のお供えのマナー

地域の風習や法要の規模によって、香典とは別にお供え物を用意する場合があります。
お供え物を用意すべきかどうか悩んだら、事前に親族や地域の風習を知る人に確認すると安心です。
ここからは、お供え物を持参するときのマナーを解説します。
お供えの相場
香典とお供えの両方を用意する場合、お供えの相場は3,000~1万円です。
また、お供え物の代わりに現金を用意する場合もあります。
そのときは「香典」ではなく「御供物料」として現金を包みましょう。
お供えに適したもの
三回忌のお供え物は、以下のような後に残らない食べ物、飲み物、消耗品が適しています。
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お供え物の選び方を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
三回忌でお供えにおすすめの品物は?のしの書き方マナーから現金で渡す場合の金額の相場・お返しなど徹底解説
お供えに適さないもの
たとえ故人が好きだったものでも、以下のようなものはお供えとして適していません。
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施主に不快な思いをさせたり迷惑をかけたりしないよう、常温で保存できるもので、日持ちするお供え物を用意しましょう。
お供えの渡し方
お供え物は風呂敷または紙袋で持参し、法要が始まる前に「御仏前にお供えください」と一言添え、風呂敷や紙袋から出して施主に渡すのがマナーです。
また、受付があれば受付の係の人に渡す場合もあります。
故人と親しい関係性だったとしても、勝手にお供えしてはいけません。
まとめ
三回忌の香典に包む金額は、故人との間柄や法要後の会食があるかどうかで相場が変わります。
香典の表書きは宗教によって使われる言葉が違い、間違うと失礼にあたるので注意が必要です。
また、香典を持参するときは袱紗に包むなどのマナーを守って大切な法要に参加しましょう。
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