終活の一つとして、持ち家の整理方法を考えておく必要があります。
不動産がトラブルの引き金になる場合もあるため、自身のためにも家族のためにも最適な方法を選択しましょう。
本記事では、持ち家を整理する際の選択肢や考えるべきポイントを解説します。
不動産の終活に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産の終活で持ち家はどうすべき?
持ち家を整理する際の選択肢は、主に以下が挙げられます。
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順に解説します。
1.売却する
不動産は、生前のうちに売却しておくことで遺産相続がしやすくなります。
特に複数の遺族に分配する場合、不動産での分配は難しいため、事前に売却しておくという方も少なくありません。
また、不動産を相続して持ち続けると、固定資産税や維持管理費が必要になりますが、売却しておけばそういった負担が少なくなります。
売却する場合は、下記のように生前に住む場所を確保しておきましょう。
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人生の最期を快適に過ごせるような環境を整えつつ、適切なタイミングで不動産を売却しましょう。
2.生前贈与する
生前贈与は、生きているうちに相続人に不動産を贈与しておく方法です。
不動産を相続させたい人を選べるうえ、その人に確実に渡すことができます。
また、これから価値が上がりそうな不動産の場合は、遺産相続で支払う相続税よりも、生前贈与で発生する贈与税のほうが少なくなる可能性が高いです。
さらに、生前贈与すると相続財産が減るため、相続税の課税額を減らすことにもつながります。
3.住み続ける
不動産を相続する予定の人が住むのであれば、空き家になってしまうこともないため住み続けても問題はありません。
老後も住み慣れた家で暮らせるのは、大きなメリットと言えます。
しかし、不動産を相続する人以外の遺産相続人がいる場合は、他の遺産を分配する形になるため注意しましょう。
4.2世帯住宅に建て替える
不動産を引き継ぐ人が決まっている場合は、住宅を2世帯住宅に建て替えるという手段もあります。
土地と建物を遺産として相続するよりも節税ができ、子どもの住宅購入の負担が軽減します。
5.賃貸にする
不動産を複数持っている場合や、子どもと同居して自宅を手放せる場合には、所有している不動産を賃貸物件として活用することができます。
定期収入を確保できるため、老後も安定した収入が得られるでしょう。
6.リースバック
売却した自宅を自分で賃貸し、住み続けられるのが、リースバックというサービスです。
家を売ったあとも同じ場所で生活ができるので、住む場所を変えることなく、財産整理を進められます。
7.リバースモーゲージ
不動産を担保にしてお金を借りるリバースモーゲージは、家を所持したまま融資を受けることができる方法です。
毎月利息だけを払い、死後は現金で一括返済するか不動産を売却するかを選べるので、手元の資金が少なくても資産整理ができます。
不動産の終活で考えるべきポイント
ここからは、不動産の終活で考えるべきポイントを解説します。
自分がどうしたいのかを明確にする
自分のためだけでなく家族のためにも、不動産をどうしていきたいのか、下記のように意思を明確にしておきましょう。
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このように意思を明確にしておけば、万が一のときでも家族が困ることなく手続きを行うことができます。
相続人の意思を確認する
自分の財産とはいえ、不動産の扱いを勝手に決めると相続人が困ってしまう可能性があります。
不動産をどうしたいのか、下記のことを確認しておきましょう。
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遺産分割や相続税対策のためにも、配偶者や子ども、兄弟姉妹、甥、姪などに確認しておく必要があります。
活用や売却のタイミングを考える
不動産の活用や売却は、その方法だけでなくタイミングも大切です。
活用や売却は、下記のようなタイミングで行うことをおすすめします。
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不動産の活用や売却は、さまざまな業界や景気などの影響を受けます。
専門家に相談するなどして、適切なタイミングで不動産を活用・売却しましょう。
税理士に相談しておく
相続を考えている不動産に相続税がかかりそうな場合は、相続に詳しい知識を持っている税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
不動産は遺産の中でも金額が大きいものなので、なるべく税金を低く抑える工夫をしましょう。
遺言書を作成する
自分の意思を周りに伝えられない状況になったとき、遺産や財産分与などについて何も言い残していないと、家族間でトラブルが発生してしまう可能性があります。
不動産について、具体的にどうしてほしいかをはっきりと記しておきましょう。
不動産の終活で事前に準備すること
不動産の終活の準備として、以下の手続きが必要な場合があります。
まずは不動産の評価額を調べる
相続税がかかるかどうかの確認をしたり、遺産の分け方を考えたりするためにも、事前に不動産の評価額を調べておく必要があります。
また、評価額を知っておくと、下記のようなメリットもあります。
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持っている不動産の評価額を知っておくことで、よりよい終活が進められます。
不動産の名義を確認する
不動産の名義が現在の所有者ではなく亡くなった親のままになっている場合があるため、事前に確認しておきましょう。
相続した不動産の名義変更(相続登記)は、令和6年4月1日から義務化されています。
もし名義変更がされていない場合は、令和9年3月31日までに現在の所有者へ変更する手続きが必要です。
境界の特定や測量を行う
昔から何代にも渡って相続されてきたような土地は、どこまでが自分の土地なのかがはっきりしていない場合があります。
特に古い住宅地や田畑などでは、近隣の土地との境目があいまいになっているケースがあるので、実際の面積と登記簿上の記載内容に違いがないか、終活の機会に確認しておきましょう。
不動産がトラブルの引き金になる要因
不動産の終活を行わないと、トラブルが発生する恐れがあります。
具体的な要因を紹介します。
子が相続して住む場合
遺産を相続する複数人の子どものうち、1人が実家を相続して住み続けることになったとしても、他の兄弟姉妹と遺産を均等に分けなければなりません。
相続する土地の評価額と同じくらいの遺産を他に持っていればよいのですが、不動産が自宅だけだったり、自宅以外の金融財産を持っていなかったりする場合、トラブルが発生する可能性があります。
そういった場合は、下記のような対応が必要です。
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複数の子どもの内、1人が相続して住み続ける場合は、対応が難しいでしょう。
誰も住まずに空き家になる
住む人が居なくなった家は、すべての相続人の意見がまとまった時点で相続されたり売却されたりします。
空き家になった不動産は、下記のように活用・売却することになります。
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なかには、思い出の詰まった実家を手放したくないという人もいます。
しかし、誰も使わないまま空き家にしておくと、老朽化や固定資産税の支払いなどの新たな問題が浮上してくるので、早めに決断することが大切です。
共有名義にして管理する
土地や建物を、相続人で現物分割して共有名義にするという相続方法は、トラブルの原因となるケースが少なくありません。
名義だけ共有にしても、実際に住む人と住まない人の間で意見が食い違ったり、売却時に名義人の意見を一致させなければならなかったりと、さまざまな問題が発生する可能性があります。
さらに次の世代に相続された場合には名義人が増え続けることもあり、利用や処分がますます難しくなってしまいます。
子どもや孫の世代にまで問題が続く可能性があるので、共有名義での管理は慎重に決断しましょう。
終活のお悩みは林商会へご相談ください
不動産の終活を含め、終活のお悩みや困りごとは林商会へご相談ください。
「終活カウンセラー」という終活のプロが、お客様に寄り添いながら終活全般のサポートを行います。
終活で考えるべきことは多岐にわたるため、「どのように進めればよいか」「本当にこれでよいのか」と不安なまま終活に取り組まれている方が少なくありません。
些細なことでも丁寧にお答えいたしますので、まずはお気軽に林商会までご相談ください。
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まとめ
動くお金が大きい不動産の相続では、事前の準備が非常に大切です。
どのように不動産を遺すのか、終活でしっかりと計画を立てておきましょう。
故人の意思が明確になっていれば、遺された家族間のトラブルも防ぐことができます。
自分がいなくなったあとも大切な家族が仲良く暮らしていけるように、相続人となる家族の意見も聞きながら、終活を進めていきましょう。