【お墓参りの基本マナー】作法や手順まとめ!持ち物や服装・意味も徹底解説します

墓参り アイキャッチ

「子どもの頃から親と一緒にお墓参りをしてきたけれど、改めてお墓参りの仕方を確認しておきたい」という方は多いのではないでしょうか。

お墓参り当日にあたふたせず、心を込めてご先祖様に感謝の気持ちを伝えるため、正しい作法を覚えておきましょう!

この記事では、
・お墓参りの意味
・適した時期や時間帯
・服装等のマナーや作法
・正しい手順
・お墓参りのタブー
を、わかりやすく解説します。

【はじめに】お墓参りの意味を再確認しよう

お墓に手を合わせる女性

一般的に「お墓参り=故人の冥福を祈り供養する行為」といったイメージがあるかもしれません。

しかし、私たちが今存在しているのは、ご先祖様が代々命をつないでくれたお陰でもあります。

そのためお墓参りには、すべてのご先祖様に日頃の感謝を伝え、今後の幸せや繁栄を願うことに本当の意味があるとも言えるでしょう。

また遺族にとってお墓は、故人と心を通わせられる特別な場所です。

お墓に向かって手を合わせることで、大切な人を亡くした悲しみと向き合い、気持ちを和らげることにつながるという見方もあります。

お墓を故人やご先祖様との心のつながりを感じるための場所と考えれば、今まで何気なく行なっていたお墓参りに対する気持ちも、変わってくるのではないでしょうか。

お墓参りに適した時期・時間帯・頻度

疑問を浮かべる男性

お墓参りは基本的にいつ、どのようなタイミングで行なっても問題ありません。

ここでは、一般的によいとされる時期・時間帯・頻度を解説します。

お墓参りに適した時期

お墓参りの代表的な時期としては、お盆お彼岸が挙げられます。

お盆は新暦の8月13~16日、お彼岸は3月と9月に行われるのが一般的です。

これらの時期のお墓参りは故人をより身近に感じられる行事でもあるため、積極的にお参りをしましょう。

また、供養の節目となる故人の命日回忌法要などの法事も、お墓参りに適したタイミングです。

年末年始をはじめ、ゴールデンウィークやシルバーウィークなどの大型連休も、親族が集まりやすく、お墓参りに向いているでしょう。

最近ではご先祖様に感謝の気持ちを伝えることを目的に、進学・就職・結婚・出産といった人生の節目でお墓参りをする方も多いようです。

お墓参りの時期について詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。

▼お墓参りに適した時期を詳しく解説

お墓参りに適した時間帯

お墓参りは午前中に行くと、掃除がしやすく時間的にも余裕をもってお参りできます。

仏教では、亡くなった方を優先することがよりよい供養につながると考えられているため、1日の中で時間をしっかり取ってお参りすることが大切です。

ただし、重要なのは故人を想う心であるため、帰省シーズンで遠方から家族が集まる場合は、午後に行なっても構いません。

またお盆のお迎えや送りの際は、15〜18時の夕方にお参りする人が多くみられます。

ただし、夏なら日も長いため問題ありませんが、安全面や防犯面からもできるだけ日が出ているうちにお参りを済ませましょう。

なお、施設によっては開園時間が決められている場合もあるため、注意が必要です。

お墓参りの時間帯について詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。

▼お墓参りに適した時間帯を詳しく解説

お墓参りの頻度

お墓参りの頻度についても特明確な決まりはありませんが、お盆やお彼岸を含め年に2〜3回お参りをするのが一般的です。

なかには、祥月命日や月命日ごとにお参りをする人もいます。

ただし、頻度が多くても義務化してしまってはご先祖様に失礼なため、上記の回数はあくまで参考程度に捉えて、自分が行きたいと思ったタイミングでお参りをしましょう。

お墓参りの基本マナー・作法

お墓参りのイメージ

お墓参りの服装や持ち物についても厳格に決められていませんが、守るべき基本マナーや作法があります。

実際のお墓参りで困らないためにも、しっかりと確認しておきましょう。

お墓参りの服装

お墓参りの際は、初盆や法要などのかしこまった場でなければ、普段着でも問題ありません。

ただし、あくまでも故人やご先祖様を弔い、感謝するのがお墓参りの目的であるため、派手な色合いや露出の多い服装は避けたほうが無難です。

なるべく黒やグレー、紺などの落ち着いた色合いで、デザインもシンプルな服装を選びましょう。

またお墓の掃除をすることもあるため、動きやすく汚れてもよい服がおすすめです。

施設によっては足場が悪かったり階段や斜面を登ったりすることもあるため、ヒールのあるものは避け、歩きやすい靴を履くようにしましょう。

▼お墓参りに適した服装を詳しく解説

お墓参りの持ち物

お墓参りの際は、お供え物の他に掃除用具やお参り用品も持っていくと安心です。

ここでは、一般的に必要とされる持ち物を紹介します。

掃除用具

お墓参りの際は墓石を掃除できるよう、最低限タオルとバケツは持っていきましょう。

他にも、以下のような用具があると便利です。

なお、友人やお世話になった人のお墓にお参りをする場合は、基本的に掃除用具を持っていく必要はありません。

歯ブラシ 墓石の彫刻部分を掃除する際に便利
軍手 お墓周辺の草むしりで使用する
ゴム手袋 手が荒れやすい方におすすめ
ゴミ袋 掃除で出たゴミを捨てる際に使用する

お参り用品

お参り用品としては、以下のようなものを持参していくとよいでしょう。

施設によってはお参り用品一式を貸し出し、または販売している場合もあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。

ひしゃく・手おけ 水のお供えや墓石の水かけに使用する
はさみ お供えの花を切り揃える際に使用する
ライター ろうそくやお線香に火をつける際に使用する
数珠 お墓参りで左手にかけて使用する

お供え物

宗派による違いはあるものの、お墓には「ろうそく飲食(おんじき)」からなる五供(ごく・ごくう)を供えるのが一般的です。

供え方も異なるため、お世話になっている菩提寺や親族に宗派を確認し、事前に用意するようにしましょう。

お墓参りの持ち物やお供え物の詳細については、以下の記事で確認できます。

▼お墓参りの持ち物を詳しく解説

お墓参りのお供えにおすすめのお花

お墓にお供えする花の代表例として、の花が挙げられます。

菊の花には古くから邪気を払う力があると言い伝えられているほか、栽培しやすく長持ちするのもお供えにおすすめの理由です。

ただし、必ずしも菊である必要はないため、季節の花や故人が好きだった花をお供えしてみるのもよいでしょう。

また、トゲや毒がある花や香りの強い花は避けるのが一般的です。

お墓参りで供える花について詳しく知りたい方は、以下の記事もお読みください。

▼お墓参りでお供えする花を詳しく解説

宗派によるお参り作法の違いに注意

お墓参りをする際は、宗派や宗旨による作法の違いにも注意しましょう。

ここでは仏教、神道、キリスト教の作法について解説します。

仏教

前述したように、仏教は宗派ごとに決められたお墓参りの作法があります。

線香を例にとると、浄土宗などの場合は香炉の中心に1本立てますが、浄土真宗は折って寝かせるのが通例です。

お参りの進め方に大きな違いはありませんが、地域によっても異なるため、菩提寺や親族に確認しておくとよいでしょう。

神道

神道では、仏教の初盆に当たる「新盆祭」、別名「新御霊祭(あらみたままつり)」にお墓参りをするのが一般的です。

他にも故人の祥月命日や年忌法要となる式年祭など、仏教と同様のタイミングでお参りを行います。

またお墓参りの際は、お花の代わりとして榊や榊の枝に紙垂(しで)を垂らした玉串(たまぐし)を供えます。

他にも線香ではなく、酒・塩・水・米からなる神饌(しんせん)を供えるなど、お参りの作法は仏教と大きく異なります。

キリスト教

キリスト教には、仏教や神道のように定期的にお墓参りを行う習慣はありません。

なかには故人の命日にお参りをする人もいますが、故人やご先祖様ではなく神様にお祈りをします。

お供え物は、カーネーションなどの白いお花のみです。

お墓参りの正しい手順

お墓参りを進める様子

ここからは、お墓参りの正しい手順を解説します。

①お墓を掃除する

最初に墓石やお墓の周辺を掃除しましょう。

墓石の砂やホコリは水をかけて洗い流し、タオルやぞうきんで拭き上げます。

彫刻部分の汚れには、歯ブラシを使うと便利です。

硬いたわしなどは墓石に傷を付ける恐れがあるため、使用を避けてください。

周辺に雑草が生えていたり落ち葉が散乱していたりする場合は、軍手やほうきを使って取り除きましょう。

②お供え物やお花を供える

お墓に水鉢(水を入れるためのくぼみや器)がある場合は、溜まっている雨水や汚れをきれいにして、新しい水をお供えしましょう。

最近では水鉢が省略され、水のお供えを必要としない宗派もあります。

お花は必要に応じてはさみで茎部分を切り、左右対にお供えするのが基本です。

食べものをお供えする際は、半紙などを敷くとより丁寧です。

ろうそくは、地域によって本物のろうそくを備える場合と石灯籠を置く場合に分かれるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

③お線香を供えてお参りする

火のついたお線香を香炉皿にお供えし、お参りをしましょう。

束で販売されているお線香などは、紙を剥がしてから使ってください。

お参りの際は、最初に家族全員で合掌と礼拝を行い、その後に1人ずつ墓前に手を合わせます。

数珠を左手にかけて合掌し、故人とご先祖様に哀悼や日頃の感謝を捧げましょう。

なお数珠の貸し借りは基本的にタブーとされているため、忘れてしまった場合は数珠を使わずに合掌してください。

④後片付けをする

お参り後はろうそくやお線香の火を消し、お花以外のお供え物は持ち帰りましょう。

掃除で出たゴミは、施設のゴミ箱に捨てるか自宅で処分してください。

【実はNG!】お墓参りのタブー

NG

ここからは、お墓参りで行なってしまいがちなタブーを解説します。

故人やご先祖様に対して失礼にあたったり、お墓を汚したりすることもあるため、しっかりと事前に確認しましょう。

ろうそく・お線香の火を口で吹き消す

ろうそくやお線香の火を口で吹き消すのは厳禁です。

仏教において人間の息は穢(けが)れたものと考えられ、お供え物に吹きかける行為は故人やご先祖様に対して失礼にあたります。

ろうそくやお線香の火を消す際は、必ず手で扇いで消すようにしましょう。

お酒やジュースを墓石にかける

故人が生前に好んでいたお酒やジュースを墓石にかけてあげたいと思う方もいるかもしれませんが、墓石にかけてもよいのは水のみです。

仏教において水は大切なお供え物の一つであり、墓石に直接かけることが供養につながると言われています。

また、水以外の液体を墓石にかけると、変色やシミの原因になったり表面のツヤを落としたりする可能性があります。

お酒やジュースをお供えしたい場合は容器のまま墓前に置き、かけてしまった場合はすぐに水で洗い流しましょう。

だたし、地域によっては、亡くなった方に水をかけるのは失礼という考え方もあるため、注意が必要です。

お供えした食べものを置いたまま帰る

お供えした食べものは、墓前でいただくか持ち帰るのがマナーです。

食べものを墓前に放置すると、動物に荒らされたり腐食してお墓が汚れたりする可能性があります。

またお酒やジュースなどの飲みものも、同様の理由で置いたまま帰らないようにしましょう。

トゲや毒のあるお花をお供えする

お墓に供える花は、故人への気持ちがあれば基本的に何でもよいとされていますが、トゲや毒のあるお花は仏教において殺生を連想させるため、控えたほうがよいでしょう。

また、ユリなどの香りが強い花も、お線香の香りを妨げてしまうという理由から敬遠されがちです。

【寺院墓地の場合】本堂より先にお墓にお参りする

寺院墓地は仏様によって守られた聖域であるため、お墓参りの前に本堂にお参りするのが基本です。

ご先祖様よりも先にご本尊に挨拶をして、日頃見守っていただいていることへの感謝を伝えましょう。

お墓参りに関するよくある質問

Q&A

最後に、お墓参りでよくある質問とその回答を紹介します。

お墓参りに関する疑問は、ぜひここで解決しておきましょう。

お墓参りに行ってはいけない日はある?

前述した通り、お墓参りはいつ行ってもよいとされているため、自分の好きなタイミングで問題ありません。

ただし、神道では死を不浄と考えているため、新年の多幸を祈る初詣の時期は避けるべきという見方もあります。

地域や家族で考え方が異なる場合もあるため、確認しておくと安心です。

雨の日のお墓参りはよくない?

雨の日にお墓参りをすること自体は問題ありません。

ただし、雨の日は地面がぬかるんでいたり、思うようにお墓の掃除ができなかったりといったデメリットもあるため、できる限り晴れた日に行なったほうがよいでしょう。

どうしても予定が変更できない場合は、足元に十分注意して行なってください。

ご先祖様のお墓参りを怠ると、運気が下がる?

ご先祖様のお墓参りをしていないからといって、運気が下がることはありません。

お墓参りではご先祖様を想う気持ちが最も大切であるため、仕事などでお参りが難しい場合は、仏壇に手を合わせるだけで十分な供養になります。

ペットと一緒にお墓参りに行っても大丈夫?

ペット霊園やペットも一緒に眠れる墓地であれば可能なことが多いですが、施設によって異なります。

事前に確認し、同伴禁止の場合はペットホテルに預けるなどの対応をしましょう。

お墓で写真を撮っても大丈夫?

基本的には問題ありませんが、施設ごとに決まりが異なるため、事前確認が必要です。

写真撮影の際は、他の参拝者が映り込まないよう注意しましょう。

遠方にあるお墓を近所に引っ越してもよい?

移転先の許可があれば、墓石ごと引っ越し可能です。

遺骨やお墓を他の墓地に移動させることを「改葬」と言い、改葬する際には、現在の墓地管理者から改葬許可書を発行してもらうなどの行政手続きを踏む必要があります。

なお、改葬許可書は墓石単位ではなく、遺骨ごとに必要です。

手続き方法や必要な書類は自治体によって異なり、自分で墓石を移動させることは難しいため、専門業者に依頼すると安心でしょう。

お墓参りは1人で行ってはいけない?

お墓参りは1人で行っても構いません。

昔は山奥に墓地を作ることが多かったため、1人でのお参りは避けるべきと言われていましたが、現在は交通の便に優れた墓地も多くみられます。

ただし墓地によっては足場が悪く、夏場は熱中症の危険性もあるため、十分に配慮して行くようにしましょう。

手ぶらでお墓参りに行って手を合わせるだけでもOK?

お供え物を準備できないときや荷物が負担になってしまう場合は、手ぶらで手を合わせるだけでも問題ありません。

施設によっては、参拝者向けにお線香やお花を販売している場合もあります。

故人やご先祖様を偲び、気持ちを込めてお祈りしましょう。

年末年始のお墓参りはマナー違反にならない?

基本的にお墓参りをしてはいけない日はないため、年末年始のお参りも可能です。

年末年始は家族が集まりやすく、1年の締めくくりや新年の感謝を伝えるのによい機会と言えるでしょう。

ただし、故人やご先祖様は最優先すべき存在であるため、他の用事の後で立ち寄るついで参りをしないように注意が必要です。

また年末年始は道路や霊園が混みやすく、日が沈むのも早いことから、時間に余裕をもって行くことをおすすめします。

なかには29日が「二重苦」に聞こえる、31日の一夜飾りがお通夜を連想させるため縁起が悪いといった考え方も存在します。

施設の開園時間にも注意し、家族と話し合って日にちを決めましょう。

年末年始のお墓参りについて詳しく知りたい方は、以下の記事もお読みください。

▼年末年始のお墓参りについて詳しく解説

お墓参りの代行を頼んでもよい?

お墓参りを自分以外の人物が代わって行うことを「代参」と言います。

「お墓参りを代行してもらうのはご先祖様に失礼では?」と思われるかもしれませんが、代参は日本古来の風習であり、現代でも行うことに全く問題はありません。

代参を行う方法としては、知人にお願いする場合や代行業者に依頼するケースがあります。

代行業者なら、依頼者本人に代わって礼拝するだけでなく、お墓の清掃やお供え物の交換も対応してもらうことが可能です。

お墓がきれいになるうえに、状況確認や時間・費用の節約もできるため、利用するメリットは大きいと言えるでしょう。

お参りを先延ばしにしてお墓を荒らしてしまうよりも、代行を利用してお墓をきれいに保ったほうが、故人やご先祖様も喜ばれるはずです。

お墓参りの代行について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。

▼お墓参りの代行について詳しく解説

まとめ

気持ちを込めて参拝する様子

お墓参りで何よりも重要なのは、「故人やご先祖様に感謝する心」をもって手を合わせることです。

参拝者本人が穏やかな気持ちで過ごし、故人やご先祖様を安心させることが最もよい供養につながります。

作法を守ることも大切ですが、あまり気負いすぎずリラックスして臨みましょう。

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