お墓参りに必要な持ち物って?お墓参りの作法・服装・順番など基本のマナーも解説

お墓参り 持ち物 アイキャッチ

お墓参りの機会はお盆をはじめ、お彼岸やお正月、故人の命日など1年に複数回ありますが、いざとなると持ち物に迷いがちです。

忘れ物をしないよう、事前に準備しておくとスムーズでしょう。

本記事では、お墓参りに必要な持ち物を紹介します。

また、お墓参りの作法服装順番お墓参りでしてはいけないことなど、幅広く紹介するので参考にしてください。

お墓参りに必要な持ち物をチェックしよう!

お墓参りの持ち物_線香

お墓参りに必要な持ち物は、一般的に以下の7つです。

  • お線香
  • お花
  • ろうそく
  • お水
  • お供え物
  • お供え物に敷く紙
  • 数珠

それぞれがもつ意味合いや用途について、詳しく紹介します。

お線香

お線香をお供えする理由は、以下のようないくつかの説があります。

  • ご先祖様にとって香りにはご飯の意味がある
  • お墓参りをする人の心身を清める効果がある

古代インドの仏教では、生前によい生き方をした人はよい香りを食べられるとされてきました。

お線香には多くの種類があって香りも異なるので、ご先祖様が好みそうな香りのお線香を選ぶとよいでしょう。

お花

お花は、ご先祖様やお墓参りをする人の心を安らかにするとされています。

最近ではお花屋さんだけでなく、スーパーやコンビニで手に入れることも可能です。

また、仏壇にお供えするお花を仏花(ぶっか)と呼ぶのに対し、お墓にお供えするお花は墓花(はかばな)と呼びます。

墓花の代表といえば菊の花ですが、長持ちしやすいトルコキキョウやカーネーションなども最適です。

お墓参りでお供えするお花について詳細を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

▼お墓参りでお供えするお花を紹介

ろうそく

お墓にろうそく立てがある場合は、ろうそくを持参します。

ろうそくのもつ意味合いは、以下の通りです。

  • お墓参りに来た人を照らし、ご先祖様に姿を見てもらうため
  • 煩悩を打ち消すため

ろうそくにも重要な意味合いがあるため、ろうそく立てがない場合でも持参して火を灯すとよいでしょう。

わざわざキャンドルスタンドなどを購入する必要はなく、小皿などで代用できます。

お水

お水にはご先祖様の飲み物としての役割以外にも、お墓参りをする人の心を清める役割があります。

きれいなお水を用意して、水鉢に注ぎましょう。

水鉢がないお墓の場合は、湯呑などでお供えしても問題ありません。

また、お墓の掃除にもお水を使うので、やや多めの量を用意すると安心です。

ただし、大量のお水は重くて持ち運びが大変ですので、施設に水場がある場合はそちらを利用しましょう。

お供え物

食べものをお供えするのはご先祖様のためでもありますが、お墓参りをする人が生きいることに感謝する意味もあります。

お供え物の品は故人の好物季節の果物が一般的ですが、普段のご飯やお供え用に販売されているお菓子などでも構いません。

なお、仏教では殺生を連想させる肉や魚はお供えしてはいけないので、注意してください。

お供え物に敷く紙

お供え物は墓石の上に直接置かず、半紙など紙の上に置きます。

半紙は三角に折り、お参りする人に角が向くように敷くのがマナーです。

なお、半紙がない場合は、コピー用紙折り紙でも代用できます。

数珠

よりよい供養をするために、数珠は欠かせません。

というのも、仏教のシンボルである数珠には、ご先祖様への功徳を何倍にも高める働きがあるとされているためです。

お墓参りに限らず、仏事で手を合わせる際は数珠を使うのがマナーとされています。

最近では手頃な値段で購入できるので、持っていない場合はこれを機に購入を検討してみましょう。

お墓を掃除するなら掃除道具の準備も必要

お墓掃除の準備

お墓参りでお墓の掃除をする場合は、以下のような掃除道具を用意しましょう。

掃除道具 用途や使い方
ほうき、ちりとり
  • お墓を含む周辺のゴミや落ち葉などを掃除する
軍手、草刈り鎌
  • 敷地内の草取りをする
  • 夏場は虫除けスプレーや日焼けグッズなども用意するとよい
雑巾
  • お墓をお水で洗うためのものと、乾拭き用のものを2枚以上用意する
たわし、スポンジ
  • 水鉢や墓石、花立てなどの頑固な汚れを落とす
  • 毛足のやわらかいたわしを使い、墓石を傷付けないように注意する
歯ブラシ
  • 目地などの細かい部分の汚れを落とす
  • 毛のやわらかい歯ブラシを使い、お水をかけながら洗うと汚れが落ちやすい
バケツ、柄杓
  • 墓石を水洗いする際に使用する
  • 施設で貸出していることもあるので、確認しておく
  • 柄杓がない場合は、ジョウロや空のペットボトルでも代用できる
ゴミ袋
  • 掃除で出たゴミを集めて捨てる
  • 施設によってはゴミステーションが設けられているが、持ち帰ることを前提にしておく

お墓を掃除する方法

お墓を掃除する際は、以下の手順に従ってお墓をきれいにしましょう。

1.お墓周りを掃除する

まずは、敷地内の雑草を抜いたりゴミや落ち葉を拾ったりと、お墓の周囲から始めます。

お墓の掃除はお墓だけでなく、敷地内全体をきれいにすることが大切です。

ゴミ1つないお墓でお参りすれば、ご先祖様を丁寧に供養できます。

2.墓石を水洗いする

墓石を水洗いして掃除する際は、墓石の文字彫刻部分の汚れから落とします。

スポンジやたわし、歯ブラシなどにたっぷりお水を染み込ませ、凹んだ部分の汚れをしっかりと落としましょう。

次に、墓石全体を水洗いします。

墓石の上から柄杓などでお水をかけながら、雑巾で汚れを拭き取りましょう。

汚れが落ちにくい水鉢などはスポンジを使いますが、墓石を傷付けないように注意してください。

3.金属の小物類を洗う

最後に、お線香立てや花立てなど金属の小物類を洗います。

お線香の灰や枯れたお花などの頑固な汚れが付着しているので、取り外して歯ブラシなどで丁寧に洗いましょう。

仕上げにきれいなお水を墓石全体にかけ、乾いたタオルで拭き取ればお墓の掃除は完了です。

お墓参りは手ぶらで手を合わせるだけでもよい

手を合わせることが供養

お墓参りは、手ぶらで行ってご先祖様に手を合わせるだけでも構いません。

お墓参りで最も大切なのは、ご先祖様を偲ぶ気持ちです。

お墓参りは葬儀や法要と違い、厳格なマナーはありません。

持ち物の準備や掃除などが負担になり、お墓参りをしなくなってはご先祖様も悲しみます。

ふと故人を思い出したときや大切な報告があるときなど、気軽な気持ちでお墓参りに出かけてみましょう。

【基礎知識】お墓参りの作法・服装・順番

マナーを守ってお墓参りをする人

ここからは、お墓参りの作法や服装などの基本を解説します。

お墓参りの作法

お墓参りは、以下のような手順で行いましょう。

  1. ご本尊に一礼する(寺院境内の墓地の場合)
  2. 手桶にお水をくむ(お水を持参していない場合)
  3. お墓の前で手を合わせる
  4. 敷地内の掃除をする
  5. 墓石を洗う
  6. 花立てのお水を替えてお花を生ける
  7. 水鉢にきれいなお水を入れる
  8. お供え物を置く
  9. 線香に火を灯して供え、手を合わせる

お墓の清掃は毎回でなくて構いませんが、手を合わせる前にお墓をきれいにしておくと気持ちよくお参りできます。

お墓参りの服装

法要などに伴うお墓参りでなければ、服装は基本的に普段着で構いません。

ただし、人によって普段着の幅が異なるので、以下のポイントに注意してお墓参りの服装を選びましょう。

  • 黒やグレー、紺、茶などの落ち着いた色味の服装
  • シンプルなデザインの服装
  • 肌の露出が少ない服装
  • 毛皮をあしらった服装は避ける

お墓参りの服装について詳細を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

▼お墓参りに適した服装を解説

お墓参りの順番

親族や家族など、複数人でお墓参りをする際はお参りの順番にも気を付けましょう。

まずは、お墓参りに来た全員でお墓に手を合わせます。

その後は、故人と血縁や関係性が深い人から順番にお参りするのが一般的なマナーです。

お墓参りのタブーとは?してはいけないこと

お墓参りでタブーなこと

お墓参りではタブーとされていることがあるので、確認しておきましょう。

お供え物を置いて帰る

お供え物を置いたままにしてはいけません。

食べものを放置しておくとラスなどが荒らし、お墓を汚してしまいます。

お供え物はお墓参りの後に敷地内でいただくか、家に持ち帰りましょう。

ろうそくやお線香の火を吹き消す

ろうそくやお線香の火は口で吹き消さず、手で仰いで消します。

仏教では、口は穢(けがれ)と考えられているためです。

ついついやってしまいがちな行為ですが、マナーに反するので気を付けてください。

水以外の飲み物を墓石にかける

お供え物にジュースアルコールを持参するケースも少なくないでしょう。

なかには、これらの飲料を墓石にかける人もいます。

ご先祖様に好きな飲み物を飲んでもらいたいという気持ちの表れかもしれませんが、この行為もしてはいけません。

お水以外の飲料は墓石の変色やツヤを消す原因となるので、万が一墓石にかけてしまった場合はすぐにお水をかけて洗い流しましょう。

毒やトゲのあるお花をお供えする

お墓にお供えするお花は、基本的にどのような種類でもよいとされています。

しかし、以下のお花はお供えとして相応しくないので避けましょう。

  • トゲのあるお花:殺生を連想させるため
  • 毒をもつお花:ご先祖様に毒をお供えする意味になるため
  • 香りの強いお花:周辺に迷惑をかけてしまうため

お墓参りの持ち物やマナーに関するよくある質問

よくある質問

最後に、お墓参りの持ち物やマナーに関するよくある質問を紹介します。

友人のお墓参りでは何をお供えする?

友人のお墓参りでは、友人の好物をお供えするとよいでしょう。

親しい関係だからこそ知っている好物をお供えするのが1番の供養です。

お墓参りに適した時期はいつ?

お墓参りはいつ行っても構いませんが、お参りに適した時期があります。

時期 具体的な期間や意味など
お盆
  • 7月盆の場合は7月13~16日
  • 8月盆の場合は8月13~16日
  • ご先祖様の霊をお迎えし、供養を行うため
お彼岸(年2回)
  • 春彼岸:3月の春分の日を中日とした7日間
  • 秋彼岸:9月の秋分の日を中日とした7日間
  • ご先祖様への思いが伝わりやすいとされているため
命日・月命日
  • 祥月命日:年1回の故人の命日
  • 月命日:月1回の故人が亡くなった命日
  • 現代では祥月命日のお墓参りが一般的
年末年始
  • ご先祖様に、1年の報告と新年の挨拶をするため
  • 親族が集まるタイミングでもあるため、揃ってお墓参りができる
帰省時
  • ゴールデンウィークや年末年始など
  • 遠方の親族が集まりやすいので、揃ってお墓参りができる
回忌法要
  • 三回忌など、節目の年に行う
  • 法要を行う場所とお墓の場所が違う場合は、必ずしもお墓参りをする必要はない
人生の節目
  • 進学や成人、結婚、出産など、自分や家族の人生の節目
  • 報告とともに感謝の気持ちを伝えるため

お墓参りの時期について詳細を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

▼お墓参りの時期を詳しく解説

知人のお墓参りに行く際のマナーは?

知人のお墓参りに行く際は、家族のお墓参りより改まった対応が求められます。

故人の家族に失礼のないよう、以下のポイントを守りましょう。

  • お墓参りをする前に、電話や手紙などで事前に知らせる
  • 納骨が済んだ四十九日以降で、初盆は避ける
  • シンプルかつ清潔感のある服装でお参りする

まとめ

お墓参りの持ち物は基本的に決まっているため、いつでもお墓参りに行けるよう覚えておくと便利です。

お墓の掃除を行う際は、いつもの持ち物に加えて軍手や雑巾などの掃除用具も準備しましょう。

また、お墓参りは普段着で行きたいときに行って構いません。

ただし、最低限の配慮をし、お墓参りの作法や順番、してはいけないことなど基本のマナーには注意が必要です。

どのようなシーンでも困らないよう、マナーを守って故人を供養しましょう。

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