基本的にお墓参りはいつ行ってもよいため、時期に関する決まりはありません。
とはいえ、お盆やお彼岸をはじめ、お墓参りに適した時期は存在します。
本記事では、お墓参りに適した時期や時間帯を紹介します。
また、お墓参りの意味や服装、頻度など、基本のマナーも解説するので参考にしてください。
目次
お墓参りの時期は?いつが適している?
お墓参りはいつ行ってもよいですが、一般的に適した時期があります。
そのため、お墓参りに行く日程を迷っている方は、適している時期を知ることでスケジュールを立てやすくなるでしょう。
お盆(8月13日~16日)
お盆とは、日本に古くから伝わる風習で、先祖供養のために行われる行事です。
また、先祖の魂を迎え入れる意味を含んでいるため、この時期にお墓参りに行く方は多く見受けられます。
具体的な日にちは、8月13日〜16日です。
ただし、地域によっては異なる場合もあります。
お盆にお墓参りを検討している方は、家族や親戚に確認するとよいでしょう。
春・秋のお彼岸(3月・9月)
お彼岸とは、煩悩のない世界のことで、極楽浄土を意味します。
昼と夜の比率が半分になる春分と秋分の日は、あの世とこの世が最も近くなる日としてお墓参りの風習が広まりました。
具体的には春分の日は3月20日〜21日前後で、秋分の日は9月22日〜23日前後です。
正確な日は前年の2月に発表されるので、スケジュールに問題がなければお彼岸にお墓参りに行きましょう。
故人の命日(年または月に1回)
故人が亡くなった日を命日といいますが、故人を偲び弔う命日はお墓参りに適しています。
故人の眠るお墓で感謝の気持ちを伝えたり、思い出に浸ったりする方は多いのではないでしょうか。
命日には、「祥月命日」と「月命日」があります。
祥月命日 | 月命日 |
故人が亡くなった月と日 | 故人が亡くなった日 |
とはいえ、状況によってはその日にお墓参りに出向くのは難しいこともあるかもしれません。
そのような場合は、前倒しでお墓参りに行きましょう。
なぜなら、忘れたり後回しにしたりしてはならないと考えられているからです。
故人の命日は、この先も長く思い出される大切な日のため、行けるときはお墓参りに出向きましょう。
お正月(年末年始)
お正月も、お墓参りに適しています。
たとえば「昨年はこんなことがあった」「今年はこんなことがしたい」など、先祖に1年の報告と感謝を伝えるとよいでしょう。
また、年末年始は家族や親戚が集まりやすいので、みんなでお墓参りに行く方も多く見受けられます。
ただし、神道の神様は死を嫌うため、初詣とは別日に行きましょう。
なお、宗教や地域によっても考え方が異なるので、事前に家族や親戚に確認しておきましょう。
お正月のお墓参りは、清々しい気持ちで新年をスタートできるのでおすすめです。
回忌法要
回忌法要はご住職にお経を唱えてもらい故人を偲ぶ場となるので、お墓参りのタイミングに適しています。
回忌法要が行われるのは、四十九日や一周忌、三回忌などです。
ただし、法要を行う場所がお墓から遠いと出向けなくなる場合があるため、無理をせず可能な場合に行くとよいでしょう。
帰省のタイミング
帰省のタイミングも、お墓参りに適しています。
年末年始やゴールデンウィークなどのまとまった休みがあれば、ゆっくりとお墓参りができるからです。
とはいえ、なかなか帰省できない方も少なくありません。
頻繁に帰省できなくても忘れずにお墓参りすることで、先祖とのつながりを再確認できます。
お盆やお彼岸にお墓参りができない方は、帰省のタイミングを利用しましょう。
人生の節目
人生の節目にお墓参りへ行くのもおすすめです。
先祖に挨拶することで感謝を伝えられ、新しい環境でも見守ってくれるでしょう。
進学や成人、就職、結婚、出産などの機会にお墓参りに行く方は多く見受けられます。
また、人生の節目を迎えられるのは、周囲の支えも大きく影響しています。
先祖に報告する際は、家族や親戚が揃っているとさらに喜びを分かち合えるでしょう。
お墓参りに行ってはいけない日はある?
お墓参りに行っては行けない日は、基本的には存在しません。
よく「仏滅」「友引」「年末年始の29日」などは縁起が悪いという理由で避けたほうがよいと言われていますが、絶対に避けなければならないわけではありません。
あまり日にちに捉われすぎず、頭の片隅に入れておくことをおすすめします。
お墓参りの時間帯は午前中が望ましい
お墓参りの時間帯は、午前中が望ましいと言われています。
なぜなら、お墓参りは自身の用事よりも優先すべきという考えがあるからです。
ただし、遠方であったりどうしても外せない都合があったりする場合は、午前中にお墓参りできないこともあるでしょう。
そのような場合は、神経質に考える必要はありません。
形に捉われるのではなく、故人への気持ちがこもっているかどうかが重要です。
【お墓参りのマナー】意味・頻度・服装など
お墓参りのマナーを守るには、意味や頻度、服装などを知っておくとよいでしょう。
ここからは、お墓参りの基本マナーを紹介します。
お墓参りの意味
お墓参りは故人を偲んで冥福を祈り、感謝を伝えるという意味があります。
また、心のつながりを感じる場所でもあります。
頻繁にお墓参りをしていても、慣例に従うのみで本来の意味を考えたことのない方がいるかもしれません。
しっかりと理解することで、今までとは違った心持ちでお参りができるでしょう。
お墓参りの頻度
お墓参りの頻度は、特に決まりはありません。
年に数回の方もいれば、毎月行く方など、個人や家庭によってさまざまです。
遠方であったり多忙であったりするとなかなか行けない方もいるかもしれませんが、。
あまり頻度は気にせずに自分のタイミングでお墓参りすることをおすすめします。
お墓参りの服装・持ち物
お墓参りの服装は、節度ある清潔な服装であれば自由です。
落ち着いた色のワンピースやジャケットなどを着用するとよいでしょう。
ただし、サンダルや大ぶりのアクセサリーをつけていると、ケガしたり墓石を傷つけたりする恐れがあるため注意しましょう
また、お墓参りの持ち物は主に以下の通りです。
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数珠は必需品ではありませんが、正式なマナーとしては必要です。
お墓参りの流れ
お墓参りの流れは、以下の通りです。
1.本堂にお参り | 仏様に敬意をもって参拝 |
2.掃除 | 枯葉や蜘蛛の巣などを取り払う |
3.お供え | 生け花やろうそく、線香など |
4.合掌 | 個人と親しい間柄の人から |
5.帰り支度 | お供え物は自宅に持ち帰る |
お墓参りに行く前は、今一度流れを確認しておきましょう。
実はNG!知っておきたいお墓参りのタブー
お墓参りには、実はしてはいけないことがいくつかあります。
無意識にやってしまわないよう、理由と併せて知っておきましょう。
お墓に水以外の飲み物をかける
お墓に水以外の飲み物をかけてはなりません。
なぜなら、墓石にシミが残ったり傷んだりする恐れがあるからです。
墓石にかけるのは、水だけにしておきましょう。
故人が好きだったからどうしてもお酒やジュースを飲ませてあげたいという場合は、供物台にお供えしましょう。
お供え物を置いて帰る
お供え物は置いて帰ってはなりません。
食べものを放置すると悪臭や害虫が発生する恐れがあるため、お参りが済んだらお供え物は自宅へ持ち帰りましょう。
お参りの後すぐ持ち帰ると故人に失礼ではないかと思われる方がいるかもしれませんが、実はお供え物を先祖や故人と分け合うことは、供養になると言われています。
そのため、お墓の前か帰宅後にいただくとよいでしょう。
ろうそく・お線香の火を吹き消す
ろうそくやお線香の火は、吹き消してはなりません。
仏教では、汚れた人間の息を仏様に吹きかけてはならないという考えがあるため、手で仰いで火を消すようにしましょう。
ただし、お線香の火が消えにくい場合は、お線香を立てて持ち、縦に振ると火が消えやすくなります。
なお、ろうそくやお線香の火を消したら、持ち帰るようにしましょう。
お墓参りに関するよくある質問
この章では、お墓参りに関するよくある質問を紹介します。
自身の気になる事柄と照らし合わせて、確認しておきましょう。
お墓参りは手を合わせるだけでもいい?
お墓参りは手を合わせるだけでもよいとされています。
時間をかけてお墓参りすることが重要と思われるかもしれませんが、先祖や故人を弔い想いを通わせることが供養になります。
そのため、ふと思い出したときに気軽に立ち寄って構いません。
反対に準備や掃除、マナーなど気にしすぎるとお墓参りから遠ざかってしまいます。
お墓参りに特別な作法はなく、
手を合わせることが先祖や故人への感謝の気持ちを表します。
お墓参りをする順番に決まりはある?
お墓参りに複数人で訪れている場合は、故人と縁の深い方からお参りをします。
まずは揃って合掌し、その後1人ずつお参りしましょう。
ただし、地域や家庭によって考え方は異なります。
そのため、事前に確認したうえで状況に合わせてお参りしましょう。
お墓参りのお供えにおすすめのお花は?
お墓参りのお供えにおすすめの花は、以下の通りです。
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特に指定の花はありませんが、なるべく明るい色がよいと言われています。
また、上記の花以外でも、故人の好きな花を供えることもおすすめです。
お供えする花が決まったら2か所に生けられるよう、同じ花束を2束用意しましょう。
なお、トゲのある花などは控える必要があります。
たとえば、バラや彼岸花などはお供えには向いていません。
まとめ
本記事では、お墓参りに適した時期や時間帯などについて紹介しました。
お墓参りには、厳しいマナーや作法は特にありません。
大切なことは先祖や故人を弔う想いのため、最低限のマナーを守って気軽な気持ちでお参りするとよいでしょう。
お墓参りに行くことで改めて感謝の気持ちを抱けたり、穏やかな気持ちになれたりするでしょう。