お墓の購入を検討する際に、区画の広さや墓石のサイズの決め方に悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、お墓の平均的なサイズや費用相場に加え、サイズを決めるための方法を解説します。
お墓の適切なサイズがわからない方や、お墓のサイズを決める基準を知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
お墓の平均的なサイズとは
一般的なお墓の広さやサイズを知れば、お墓選びの基準がわかります。
とはいえ、お墓の区画の広さやお墓のサイズはさまざまです。
以下で平均的なお墓の広さやサイズを解説するので、お墓選びの参考にしてください。
墓地区画の平均的な広さ
墓地区画の平均的な広さは、全国的に見ると2m²未満が大半を占めています。
1m²未満の区画も多く、3m²以上の広い区画をお墓に利用しているケースは珍しいでしょう。
また、区画の広さには地域差もあります。
一般的に都市部では区画面積が小さくなり、地方部では区画面積が大きくなります。
霊園の平均的な広さにしたい場合は、周囲の区画の広さを確認しましょう。
墓石の平均的な大きさ
墓石の平均的なサイズは東日本で9寸(27.27cm)、西日本で8寸(24.24cm)です。
この寸法は墓石の横幅を表すサイズなので、目安として覚えておくとよいでしょう。
和製墓で一般的に用いられる墓石には主に3つの種類があり、「8寸角」「9寸角」「尺角」があります。
右に行くほどサイズが大きくなり、お墓に存在感や重厚感を持たせられます。
ただし墓石を決める際には、区画の広さをしっかり把握しておかなければいけません。
区画に対して墓石が大きすぎると、希望の区画内に置けない恐れがあります。
お墓のサイズに用いる単位
お墓の正確な広さやサイズを調べるためには、どのような単位が使われているのか理解しておきましょう。
最近ではお墓を探す際にインターネットや資料など、現物を見ずに単位を参考にしながらお墓選びをする方法が主流になってきました。
単位の大きさがよくわかっていない場合は、お墓選びにも時間がかかってしまいます。
特に墓石の単位は一般的に使われている単位ではないため、聞いただけではイメージしにくいでしょう。
ここでは、墓地区画や墓石のサイズを表す単位について解説します。
墓地区画の広さを表す単位
一般的に、墓地区画の広さを表す単位には「m²」がよく使用されます。
しかし霊園によっては「霊地」や「聖地」、家同様に「坪」で表される場合もあるため、注意が必要です。
それぞれの単位によって広さが異なる場合もあり、イメージと実際の広さが一致しない可能性があります。
単位ごとの広さを以下にまとめたので、参考にしながら区画の広さを把握しましょう。
単位 | 1単位あたりの広さ |
m² | 100cm×100cm=1.0 m² |
霊地 | 100cm×100cm=1.0 m² |
聖地 | 90cm×90cm=0.81m² |
坪 | 90cm×180cm=1.62m² |
「霊地」は「m²」と同じ広さですが、「聖地」と「坪」は広さが異なるため少し注意が必要です。
1単位あたりの大きさで見ると、「坪」が大きく「聖地」が小さめなことがわかります。
関西では「聖地」を単位として使っている霊園も多いため、大きさのイメージを掴めるようにしておいてください。
より確実なのは、実際に現地に赴き区画の広さを目で見て確認することです。
気になる霊園や墓地がある場合は、実際に見学させてもらいましょう。
墓石の大きさを表す単位
和製墓の墓石の大きさを表す単位には、一般的に「寸」や「尺」が使用されます。
現在ではあまりこの単位を生活で使うことがないため、どれくらいの大きさなのかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。
寸や尺は長さを表す単位であり、1寸あたりの長さは約3.03cmです。
10寸で1尺となるため、1尺あたりの長さは30cmほどになると覚えておきましょう。
墓石を「寸」や「尺」で表す際には墓石の幅をみるため、一般的によく使われる8寸角や9寸角の墓石は、横幅が1尺の長さである30cm以下ということになります。
【サイズ別】お墓の費用相場
お墓の費用は、墓石のみの平均相場でおおよそ「70万〜250万円」とされています。
費用に幅があるのは、墓石のサイズによって使用する石材の量が異なるためです。
石材の種類や産地などでも費用に差が出やすく、同じ種類の石材でも日本産のものは高価になりやすいため、価格をよく調べて選びましょう。
また、墓石には彫刻などの加工費や設置工事費もかかるため、墓石本体の価格に追加費用が加算されます。
ここでは、墓石のサイズごとの平均相場を解説しているので、検討しているお墓の相場が知りたい方は参考にしてください。
8寸角
8寸角の墓石の大きさは横幅が約24cmで、墓石の中ではサイズが小さいことが特徴です。
購入時の平均費用は、工事費込みで「約35万~400万円」とされています。
9寸角や尺角の墓石に比べて少ない石材で造られるため、価格が低めに設定されています。
墓石の購入費を抑えたい方は、産地や種類などを見て低価格な石材を選べば、さらに費用を抑えられるでしょう。
また小さい区画でも設置できるため、区画購入費を抑えたい場合にも利用できます。
9寸角
9寸角の墓石は横幅が約27㎝で、8寸角よりも3cmほど大きいことが特徴です。
また8寸角よりも石材の使用量が多いため、その分費用が高額になります。
費用の相場は石材店によって差があるものの、1つの目安としては「8寸角の価格+5万円〜」を想定しておきましょう。
購入費が多少増えてしまうものの、大きすぎず小さすぎないサイズ感は、さまざまな霊園の雰囲気に馴染みやすいことがメリットです。
墓石の大きさに迷った際や、無難なサイズのお墓を購入したい場合は、9寸角の墓石を選ぶとよいでしょう。
尺角
尺角の墓石は横幅が30cmになるため、8寸角よりも6cmほどサイズが大きくなります。
存在感や重厚感が増すのと同時に、費用も高額になるためよく考えて選びましょう。
石材の使用量が圧倒的に多いため、9寸角の墓石よりもさらに値段が上がります。
少なくとも「80万前後〜100万円以上」は見積もっておいた方がよいでしょう。
また尺角の墓石を選ぶ際には、購入する区画の大きさも考慮しておかなければいけません。
お墓の区画が小さい場合は、尺角の墓石が設置できない可能性があります。
お墓のサイズの決め方
お墓のサイズを決めるときには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
当人がお墓を気に入ることはもちろんですが、他にもさまざまな視点からお墓を見ることによって、後継者側にもメリットが得られるでしょう。
区画の広さから決める
区画の広さに合ったお墓を選ぶことで、区画内にぴったり収まるお墓が建てられるでしょう。
逆に、区画の広さを考慮せずに選んだお墓は、枠内に収まりきらずに建てられない恐れがあります。
また、霊園を決めた際に選べる区画には同じ区画サイズのお墓が並んでおり、平均的なお墓のサイズを実際に目で見て確認できます。
気に入ったお墓をサイズアウトで選び直さずに済むよう、区画の広さは事前に確認しましょう。
周囲の景観にあわせて決める
お墓のサイズは、周囲の景観にあわせて決めることも大切です。
あまりにも周囲とかけ離れた大きさのお墓は、霊園全体の雰囲気や景観を損ねてしまいます。
霊園は多くの人が故人を静かに偲ぶ場所であるため、なるべく周囲と馴染むサイズのお墓を選ぶようにしましょう。
また、本家と同じ霊園に分家のお墓を新たに建てる際には、本家よりも大きいお墓を建てないのがマナーです。
個性的なお墓にしたい場合は、すでにデザイン墓が多数建立されている霊園を選ぶとよいでしょう。
費用で決める
あらかじめお墓を購入するための予算を設定しておき、費用を予算内で収めるのも1つの方法です。
お墓は広さや大きさに比例して費用が上がりますが、各要素にこだわるほど費用が膨れ上がる側面もあります。
そこで、初めから予算を決めておけば費用のボーダーラインが明確になり、区画やお墓の大きさも決めやすくなるでしょう。
また霊園や石材店に予算を伝えることで、予算に見合ったものを効率的に紹介してもらえます。
デザインで決める
理想のお墓のイメージがはっきりしている場合は、デザインで決めるのも1つの方法です。
お墓のデザインに合わせて区画を選ぶことで、イメージした通りのお墓を作れるでしょう。
お墓は、墓石以外にも灯篭、外柵、低木、物置石などさまざまなオプションで自由にレイアウトできます。
配置したいものを先に決めておくと、どれくらいの区画が必要になるのか明確になるでしょう。
納骨人数で決める
納骨予定の人数も、お墓の大きさを決めるための判断材料になります。
お墓の床下には、カロートと呼ばれる納骨場所があります。
納骨人数によって必要なカロートの大きさも変わってくるため、お墓選びの際にはカロートも忘れずにチェックしましょう。
夫婦のみなど、納骨人数が少ない場合は小さい区画でも問題ありません。
しかし、家族全員が納骨する予定であればカロートを棚方式にするか、広い区画にカロートの大きいお墓を建てる必要があります。
建てたいお墓がすでに決まっている場合は、カロートの広さもしっかり確認しておいてください。
管理のしやすさで決める
お墓の大きさを検討する際には、管理のしやすさも考慮しましょう。
お墓が大きいほど立派な外観になりますが、その分管理にも手間がかかり、後継者が負担に感じてしまう場合があります。
また、区画が大きければ草むしりの範囲が増え、植栽をしている場合も定期的な剪定が必要です。
あるいは、墓石が大きいほど掃除する範囲が広くなり、綺麗にするまでに時間がかかるでしょう。
管理の負担が大きいと整った状態を維持できなくなり、景観を損なうほか、ゆっくり参拝する機会も減ってしまいます。
後継者の負担も考慮しながら、管理しやすいお墓のサイズを選びましょう。
最近は小さいお墓が人気?
一昔前までは大きいお墓が主流となっていましたが、最近では小さいお墓も人気です。
小さいお墓が支持される背景には、経済状況の低迷により、お墓にかける費用を抑える人が増加したことがあります。
また、核家族の増加や少子化が進み、広いカロートが必要なくなったことも理由の1つといえるでしょう。
小さいお墓は、使用する石材が少なく小さな区画に設置できるため、お墓の購入費を抑えつつ手入れもしやすいのがメリットです。
その反面、使用できるデザインや石の種類が限られる点はデメリットでしょう。
小さい区画は低価格で借りられますが、霊園の奥まったスペースにあることが多いことも覚えておきましょう。
駐車場から遠かったり階段の上にあったりと、気軽に参拝しにくくなる可能性があります。
このようなメリットとデメリットの両方を踏まえたうえで検討してください。
まとめ
お墓の広さや墓石のサイズを検討する際には、霊園の雰囲気に調和する大きさを選びましょう。
また、当人の希望だけでなく後継者の負担も考える必要があります。
お墓の大きさによってメリットとデメリットがあるため、よく比較したうえで決めるのがおすすめです。