洋風でおしゃれなお墓を建てたいと考える方も多くいるかもしれませんが、そんな方には「デザイン墓石」や「洋型墓石」がおすすめです。
この記事では、デザイン墓石や洋型墓石の特徴や選び方、費用相場などを詳しくご紹介していきます。
おすすめのデザインもご紹介するので、ぜひお墓購入の参考にしてみてください。
目次
【洋風のおしゃれなお墓を建てたい方におすすめ①】デザイン墓石
まずは「デザイン墓石」について詳しくご紹介します。
デザイン墓石とは
デザイン墓石とは、墓の形状やデザインにおいて自由度が高い墓石のことを指します。
デザイン墓石は好みのデザインを反映させることができるので、亡くなった方の個性を活かして自由な発想で墓石を設計できるのが特徴です。
そのため、デザイン性が高くおしゃれで現代的な仕上がりにしたい方におすすめです。
デザイン墓石が選ばれる理由
デザイン墓石は、どんな墓石にするかデザイナーと相談して決めるので、オリジナルの墓石を作ることができます。
故人のイメージに沿ったデザインや、お好きな石材など組み合わせは無限大なのです。
それぞれ詳しい理由を見ていきましょう。
故人のイメージや個性を活かせる
デザイン墓石は故人のイメージや個性を活かせるので、他の人と同じデザインのお墓は嫌だと感じる方におすすめの墓石です。
和型墓石や洋型墓石よりもデザインの自由度が高く、他のお墓と差別化を図ることができ、お墓参りの際にも見つけやすいという利点があります。
墓石デザイナーと相談しながらデザインを決めるため、山型や丸型などお好みのデザインを選べます。
豊富な色から選べる
デザイン墓石はデザインだけでなく、石材の色にも指定はありません。
赤や青などお好きな色や、なかにはガラスを使用した墓石にすることも可能です。
石材の産地などもお好きなところが指定できるので、完全オリジナルな墓石にしたい人はデザイン墓石がよいでしょう。
デザイン墓石の選び方
デザイン墓石を選ぶポイントは下記4つとなります。
|
詳しく解説していきましょう。
墓石の形から決める
1つ目は墓石の形から決める方法です。
好きなデザインを施せるので、デザイン墓石では故人の好きだったもののモチーフをイメージして作ることができます。
故人ならではのデザインにすれば、お墓参りのたびに生前の故人を思い返せることでしょう。
また、デザイン墓石だと地震に強いとされる背の低いデザインを選べるのも利点です。
石材の種類や材質から決める
2つ目は石材の種類や材質から決める方法です。
墓石は色だけでなく、模様や材質、産地などさまざまな選び方があります。
石材そのものによって耐久性なども異なるので、どんな石材を使いたいか決めてからデザインを決めるとよいでしょう。
文字や模様の彫刻内容から決める
3つ目は文字や模様、彫刻など、掘りたい内容から決める方法です。
生前故人が気に入っていた言葉やモチーフなど、故人ならではの彫刻が好まれる傾向にあります。
ただし、宗派や霊園、墓石の形によっては文字数が制限される場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
予算と費用相場の兼ね合いを検討する
4つ目は予算からできる範囲のデザインを選ぶ方法です。
デザイン墓石は、フルオーダーかセミオーダーかによって価格が異なります。
フルオーダーの場合は250万円ほど、セミオーダーの場合は150~250万円ほどが相場とされています。
デザイン墓石だから高いというわけではありませんが、特殊な加工を希望すると値段が高くなる場合があるので、予算を決めてからデザインを選んでもよいでしょう。
人気のデザイン墓石を紹介!
ここで人気のデザイン墓石をご紹介します。
デザイン墓石を希望している方は、今後の参考にご覧ください。
ガラス素材を使用したひかり墓
ひかり墓とは、強化ガラスの素材を加工した墓石のことを指します。
ガラスと聞くと墓石よりも脆そうに感じるかもしれませんが、実は墓石に使用される御影石と同等の強度があるのです。
水分の吸収がないため、経年劣化がほとんどみられません。
故人への想いが永遠に光り輝くという意味を込めて選ばれることが多いデザインです。
墓石上部が丸いデザイン
墓石の上部が丸く加工されているデザインも人気です。
伝統のある和型墓石では長方形の角ばったデザインとなるため、丸いデザインを好む方はデザイン墓石が適しているでしょう。
シンプルながらも個性の出せるデザインとして人気です。
ただし、丸みを出す加工は技術を必要とするため、費用が高くなりやすいという一面もあります。
奥行があるデザイン
墓石の高さではなく、奥行きを出すデザインも人気です。
奥行きを出すデザインとは、お墓の入り口から墓石までにさまざまな加工を行い、道を華やかにしたデザインのことを指します。
石畳ひとつでもこだわりを持ってデザインしたい方におすすめです。
デザインが決まらない場合の対処法
どうしてもデザインが決まらない場合は、人気のお墓をネットやデザイン集でチェックしてみるとよいでしょう。
最近はインターネットで検索するとさまざまなデザインを見つけられます。
また、石材店では独自のデザイン集をまとめている場合もあるので、参考までに見せてもらえるか確認してみましょう。
たくさんのデザインを見ることでインスピレーションを感じるかもしれません。
デザイン墓石の費用相場と費用を決める4つの要素
デザイン墓石と聞くと高く感じるかもしれませんが、デザイン墓石だからと言って必ずしも高いわけではありません。
基本的には使用する石材の種類や量によって価格が変動し、そこに加工内容などが上乗せされる仕組みです。
詳しい費用相場と、費用を決める4つのポイントを解説していきます。
デザイン墓石の費用相場
デザイン墓石の費用相場は、50~200万円が多く、高いと250万円程度となることもあります。
ただし、これらは石材の種類や使用料、加工の難易度によっても変動します。
石材の使用量
石材の使用量は、価格を決める一番のポイントと言っても過言ではありません。
当たり前ですが、使用する石材の使用量が多いほど墓石の費用は高くなります。
また見えない部分の石材を削れば安くはなりますが、耐震の強度が落ちるのでやめましょう。
石材の種類
墓石に使用できる石材の種類は多くあり、どの石材を選ぶかでも費用は大きく異なります。
最近では国産の石材はブランド化しているので、選ぶ石材によっては数十万円の違いが出る場合もあります。
とはいえ外国産の質が低いというわけではなく、国内産に対して実績が少なく耐久性が未知数なので比較的安く手に入るというわけです。
墓石の形・デザイン
墓石のデザインによっては値段が高くなる場合があります。
デザイン墓石だから値段が高くなるというわけではありませんが、加工の手間がかかるほどに値段は高くなるからです。
そのため、必然的に凝ったデザインが選ばれやすいデザイン墓石は高めの相場です。
彫刻
デザイン墓石では、他の墓石ではできないイラストの彫刻などを掘ることができます。
彫刻の量にもよりますが、約2~5万円上乗せとなるでしょう。
さらに高い技術を必要とする内容の場合は、その分高くなりやすい傾向にあります。
デザイン墓石を建てる手順と制作期間
デザイン墓石を建てるには、既製デザインから選ぶ方法と、オーダーメイドで建てる方法があります。
それぞれ建てる手順と制作期間が異なるため、建てる前に理解しておきましょう。
既製デザイン
既製デザインから選んで建てる場合は、既にあるデザインから選ぶので2~3ヶ月程度で建てられます。
既に制作済みの墓石を活用する場合は、1ヶ月程度とさらに短い期間で建てられるケースもあります。
オーダーメイド
オーダーメイドで建てる場合は、一からデザインを決めていくため、4ヶ月以上かかることがほとんどです。
デザインを決めるだけでなく、石材の確保や施工時間なども長くかかります。
特殊な加工を希望するほど制作時間は長くかかってしまうでしょう。
また、中国産の石材を選ぶ場合は、輸入状況などによっても遅れる可能性があります。
オーダーメイドで建てるのであれば、期間に余裕を持って注文しましょう。
おしゃれなデザイン墓石を建てる際の注意点
おしゃれなデザイン墓石を建てるには、下記注意点に留意しましょう。
|
耐久性や安全性を確認する
お墓を建てるには、デザイン性だけでなく耐久性や安全性にも注意する必要があります。
地震で倒れてしまわないよう、基本的には震度4~5へ耐えられるように作られているお墓がほとんどです。
しかし昨今では阪神大震災や東日本大震災などを経験し、今後南海トラフ地震も発生する恐れがあると言われているので、より高い耐震性が求められます。
倒れてから修復するには高額な費用が掛かるので、事前に耐久性や安全性の高いお墓を選ぶとよいでしょう。
家族や親族の了承を得る
お墓はお墓参りなどで多くの親族や家族が関わるので、デザインについても事前に了承を得ておきましょう。
建てた後にトラブルとなっては大変です。
事前に意見をすり合わせてから建てることをおすすめします。
墓地や霊園の規約を確認する
墓地や霊園によっては形やサイズに規定を設けている場合があるので、事前に規約を確認しておくとよいでしょう。
規定を設けている理由は、墓地や霊園の雰囲気を壊さないためです。
文字数も指定されている場合があるので注意しましょう。
メンテナンス方法を確認しておく
墓石はこまめなお手入れが必要です。
石材の種類によってはお手入れ方法が異なる場合もあるので、メンテナンス方法を確認しておくとよいでしょう。
デザイン墓石の実績豊富な石材店を選ぶ
デザイン墓石を建てる場合は、デザイン墓石の実績豊富な石材店を選ぶようにしましょう。
その名の通り「デザイン」を施すので、センスのあるデザイナーや技術者である必要があります。
デザインには好みもあると思うので、過去実績を見て好みのデザインを得意としている石材店か確認するとよいでしょう。
【洋風のおしゃれなお墓を建てたい方におすすめ➁】洋型墓石
続いてはデザイン墓石とは異なる「洋型墓石」について詳しく解説します。
洋型墓石はデザイン墓石とはまた違った良さがあるので、どちらが合うか検討してみてください。
洋型墓石とは
洋型墓石とは欧米風のおしゃれな墓石で、厚めの台石に横長の石碑を乗せた形が一般的です。
和型墓石が縦長なのに比べ、洋型墓石は横長で背が低いところに大きな違いがあります。
デザイン墓石と同じく好きな文字を彫刻できるところがメリットです。
洋型が増加中!その理由とは
芝生墓地やガーデニング霊園の増加
近頃、芝生の墓地やガーデニング霊園が増えてきており、洋型墓石が基準にされているケースが多く洋型墓石が増えてきているのです。
それは2023年9月に全優石が発表した調査結果でも「シンプルな洋型墓石を建てたユーザーは全体の52.4%」とのデータが出ています。
参考:一般社団法人全国優良石材店の会
こだわりや想いを反映しやすい
洋型墓石は故人のこだわりや想いを反映しやすい点が選ばれています。
昔と比べ、多種多様な人生観や死生観が尊重されるようになっているため、お墓にも個性を反映するケースが増えてきているようです。
安定感があり倒壊リスクが低い
縦長の和型墓石と比べると、洋型墓石は低く横長のため重心が低く安定感があります。
そのため耐震性が高く、地震大国の日本に適していると言えるでしょう。
洋型墓石の種類
ここでは洋型墓石の種類をご紹介します。
洋型墓石は大きく分けて下記6種類です。
|
洋一段ストレート型
洋一段ストレート型は、竿石がほぼ垂直に立った墓石(ストレート)で、かつ下台の上に直接竿石が重ねられたデザイン(一段)です。
そのため中台のないデザインとなります。
洋二段ストレート型
洋二段ストレート型は、竿石と下台の間に中台が挟まれることで二段式になったものを指します。
洋一段と比べて段数が異なります。
洋二段ストレート型(水垂加工・亀腹加工タイプ)
一般的な洋二段ストレート型の墓石に「水垂加工・亀腹加工」を施したタイプもあります。
水垂加工とは墓石の台の部分を斜めに加工して水はけをよくする仕上げのことを指し、水垂加工を施すことで、墓石の上に水や雨が溜まりにくくなります。
また、亀腹加工とは墓石の角を亀のお腹のようなふっくらとした曲線に削る加工のことを指します。
角に亀腹加工を施すことで衝撃による欠けなどを防ぐ効果があります。
洋一段オルガン型
洋一段オルガン型と呼ばれる洋型墓石は、竿石の前面が斜めに加工されており、オルガンのように見えることからそう呼ばれています。
段数に関しては洋一段ストレート型と同じく、中台がないタイプです。
洋二段オルガン型
洋二段オルガン型は、洋一段オルガン型と同じく竿石の前面が斜めに加工されており、かつ洋一段ストレート型と同じく中台があるタイプです。
下台の上に中台、その上にオルガン型の竿石が重ねられた状態となります。
洋二段オルガン型(水垂加工・亀腹加工タイプ)
洋二段オルガン型も、水垂加工・亀腹加工タイプがあります。
加工が施されていると強度や美しさが保たれます。
洋型墓石の費用相場
洋型墓石の費用相場は100~250万円程度です。
ただし、使用する石材の質や量、加工量に応じて変動するので一概には言えません。
デザインや石材の種類など、どこを重要視するかで価格は大きく変わるので、事前に見積もりを出してもらったほうがよいでしょう。
【要確認!墓地・霊園の種類別】洋型墓石を建てる条件
洋型墓石を建てるには、墓地や霊園によって建てる条件が異なります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
公営霊園
公営霊園では、基本的にどんなお墓を建てても問題はありません。
洋型墓石で建てる際も特に支障はないでしょう。
宗教、宗旨宗派も不問となっています。
民営霊園
民営霊園の場合も宗教や宗旨宗派は不問とされるケースがほとんどですが、墓石を建てる際の規制や条件が決まっている可能性があります。
石材店も指定されているケースがあるので、事前に石材店へ洋型墓石も可能か確認しておくとよいでしょう。
寺院墓地
寺院墓地の場合は、寺院や墓地により洋型の墓石は断られる可能性があります。
信仰にこだわりがある場合は洋型のお墓だと仏教の思想が反映されないとの意見や、景観が損なわれるなどの意見もあるためです。
寺院墓地の場合は代々継承されているお墓が多いので基本的には和型墓石が多く、個性的なお墓はあまり見られません。
特に注意が必要なので事前にしっかり確認しておきましょう。
洋型墓石に彫刻する文字
洋型墓石に彫刻する文字は、家名や好きな言葉などが一般的です。
一言に好きな言葉と言っても、故人に対する感謝の言葉や、故人との関係を感じさせる言葉などさまざまな選択肢があります。
また、必ずしも日本語でないといけないわけではなく、故人が好きだった言葉や歌詞などを英語で刻むことも可能です。
宗派によって刻む傾向の多い文字などもあるので気になる方は調べてみるとよいでしょう。
洋型墓石のメリットとデメリット
洋型墓石のメリットとデメリットをご紹介します。
洋型墓石を検討している人は参考にしてみてください。
洋型墓石のメリット
まず洋型墓石のメリットは、デザインなどの制限がなくどの宗派でも建立できる点です。
墓地の区画が狭くても問題なく建てられるので、安く済ませたい人におすすめです。
また、墓石の高さがない分安定感があり、地震にも強いという利点があります。
洋型墓石のデメリット
反対に洋型墓石のデメリットは、石材店によっては対応していないところもあり、墓地や寺院によっては断られることもある点です。
建てられたとしても彫刻できる内容や文字数に制限がかかることもあるので、事前に建てたい洋型墓石が許可されるか確認しておく必要があるでしょう。
コンパクトでシンプルなデザインなので、区画が広すぎる場合はシンプル過ぎると感じるかもしれません。
洋型墓石をカタログで探す方法
洋型墓石を建てたい場合はカタログで探すとよいでしょう。
墓石カタログの種類
墓石カタログは多数の石材店のお墓がラインナップされたカタログと、特定の石材店から発行される総合カタログがあります。
一つの石材店に限らず多数のお墓がラインナップされたカタログでは、複数店のお墓をフラットな目線で見比べることができるので、ざっと比較したい人におすすめです。
一方特定の石材店から発行された総合カタログでは、他社と比較はできないものの、その石材店の魅力や営業マンの人となりも確認できることがあります。
大まかに複数社で比較したのちに、気に入った石材店のカタログを取り寄せて検討するとよいでしょう。
墓石カタログの入手方法
墓石カタログを入手するには、お墓探しのポータルサイトや、石材店の公式サイトから資料請求を行います。
また、石材店に直接訪問して資料をもらうこともできるので、近くにお住まいの場合は問い合わせてみてもよいかもしれません。
洋型墓石におすすめの石種
洋型墓石は特に色に指定はありません。
グレーや白、黒が定番のカラーですが、華やかな色を取り入れることも可能です。
1色である必要もなく、複数の色を組み合わせることもできます。
石材そのものの材質や特性も異なるので、どんなお墓を建てたいかで決めるとよいでしょう。
まとめ
おしゃれで洋風のお墓を建てたい人は、デザイン墓石か洋型墓石がおすすめです。
どちらも故人の好きなデザインや言葉を反映できるので、生前の故人の想いを活かしたお墓づくりをしたい方はぜひ検討してみてください。
ただし、それぞれ寺院や霊園によっては制限があり、デザイン墓石や洋型墓石は建てられない可能性もあります。
検討する際は、事前に希望通りのデザインで建てられるか確認しておく必要があるでしょう。
この記事を参考に、思い通りのお墓が建てられるとよいですね。