お墓の購入を検討しているものの、どうやって探せばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はお墓の探し方や選ぶためのポイント、購入までの流れや費用相場を解説します。
イメージ通りのお墓を見つけたい方や、後悔しないお墓選びをしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
お墓の探し方は7ステップ
理想のお墓をスムーズに探すためには、思い付きで動くよりも一定の手順に沿って行うことが大切です。
下記7つのステップで準備を整えれば、後悔のないお墓選びができるでしょう。
1.どんなお墓がよいか話し合う
まずは、家族間で「どのようなお墓にするのか」をしっかり話し合いましょう。
お墓は建立して終わりではなく、維持・管理をしていく後継者のことも考えなければいけません。
お墓に入る人の希望を叶えることはもちろんですが、管理方法なども合わせて考慮することが大切です。
たとえば「お墓を継承する人がいない」場合や「遠方で参拝にくるのが難しい」場合には、永代供養墓も候補にあがるでしょう。
また、予算もあらかじめ設定しておくと、金銭面のトラブルを防げます。
2.墓地・霊園を探す
おおよそのイメージが固まってきたら、墓地や霊園を探します。
インターネットでお墓専門のポータルサイトを利用して、希望する地域の墓地や霊園を検索しましょう。
ポータルサイトでは「ペットと一緒に入れるお墓」や「樹木葬」、「宗教不問」など細かい条件で絞り込めます。
資料請求もできるため、気に入ったお墓が見つかった場合は積極的に問い合わせましょう。
また、墓地を探しているエリアの石材店に相談するのも1つの方法ですが、霊園によっては利用できる石材店が限定されている可能性があります。
3.現地を見学する
希望に合った墓地や霊園が見つかったら、見学の予約をして現地に足を運びましょう。
雰囲気や交通アクセスなど、写真や資料だけでは得られなかった情報が得られます。
特に、以下に注目して見学するとよいでしょう。
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お墓を一度購入すると、墓地や霊園の管理者との付き合いは長く続きます。
管理者によっては、墓地内の設備が壊れていても放置していたり雑草が生い茂っていたりなど管理を怠たるケースもあるため、人柄や管理体制も重視して選びましょう。
4.区画を決める
墓地や霊園が決まったら、どの区画にお墓を建てるか決めなければいけません。
区画によって、大きさや値段などがそれぞれ異なるため注意しましょう。
さらには日当たりにも差があるため、晴れた日に選ぶのがコツです。
また理想のお墓が区画内に収まるのか、考慮することも忘れないようにしてください。
入り口から遠い場合は水桶などを運ぶのが大変になるため、お参りのしやすさもチェックしておくとよいでしょう。
5.石材店を探す
お墓を建てる区画が決まったら、墓石を購入するための石材店を探しましょう。
ただし区画を購入した墓地や霊園によっては、石材店を指定されている場合もあります。
石材店を指定された場合は、指定外の石材店では墓石を購入できません。
指定がなく石材店の探し方もわからない場合は、インターネットなどで近くの石材店を検索するとよいでしょう。
実際に足を運んで条件を伝えることも大切ですが、ネット投稿の口コミがあればそちらも参考にしてみてください。
6.墓石を決める
建てたいお墓のイメージに合った墓石を決めましょう。
同じ種類の墓石でも、使用されている石材で色や質感が大きく異なります。
使われる石材によって費用も変動するため、墓石の金額をよく確認して決めることが大切です。
また、墓石は家族のシンボルとして代々受け継がれていくものであるため、見た目のデザインも家族と話し合って決めると良いでしょう。
彫刻する文字の字体も、併せて相談しておくと購入がスムーズです。
「楷書」「行書」「草書」などさまざまな字体が選べますが、読みにくい字体の場合は継承時にお墓を探しにくくなる可能性もあるため注意してください。
7.石材店と契約する
購入する墓石が決まったら、石材店と契約を結びます。
お墓を建てるのは石材店のため、施工方法、期間、費用、アフターサポートなどは契約前にしっかり確認しておきましょう。
契約時に確認を怠ると、後からトラブルにつながるケースもあります。
少しでも疑問点や違和感があれば、その場で確認しておくことが大切です。
お墓の購入について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
お墓探しで重視したい8ポイント
お墓を探す際には、ポイントを押さえることで自分に合ったものを選びやすくなります。
参拝のしやすさや維持・管理の質にも影響するため、しっかりチェックしましょう。
①宗教・宗派
お墓を選ぶ際には、あらかじめ墓地や霊園の宗教・宗派を調べておきましょう。
墓地や霊園によっては、特定の宗教・宗派のみしか受け入れを行っていない場合があります。
特に仏教の場合は宗派が多く、事前の確認が必須です。
最近では宗教不問で入れる墓地や霊園も増えているため、WEBサイトや電話で確認しておくと安心です。
②お墓の種類
お墓の種類によって費用や管理方法などが大きく異なるため、家族間でしっかり話し合ってどのような形態にするか決めておきましょう。
一般墓
一般墓は、多くの人がイメージする伝統的な墓石のあるお墓です。
手厚く弔えるイメージがありますが、お墓をきれいに保つためには掃除や草むしりなど、定期的なメンテナンスが必要になります。
お墓の後継者が明確に決まっている場合に適したタイプです。
納骨堂
納骨堂は、遺骨を安置して供養するための施設です。
屋内のため天候を気にせず参拝でき、墓石を必要としないため費用を抑えられるメリットがあります。
ただしロッカー式の納骨堂はスペースが狭いことや、蝋燭や線香などの使用が制限されている場合もあるため、規約の確認が欠かせません。
永代供養墓
永代供養墓はお墓の後継者がいない場合でも、墓地の管理者に供養してもらえるお墓です。
管理費を必要としない場合がほとんどですが、合祀(他の人の遺骨と一緒に弔う)の場合は後から個人の遺骨を取り出せません。
また個別の永代供養墓であっても、いずれは合祀となることを了承しておく必要があります。
樹木葬
樹木葬は、墓石の代わりにシンボルツリーなどの自然物を墓標としたお墓です。
自然に還ることをイメージさせる樹木葬は、費用も抑えられるため、近年増加傾向にあります。
しかし、自然の多い環境にあるため、雑草や落ち葉などの定期的なメンテナンスを行わなければなりません。
③運営主体
運営主体はお墓の将来性に直接かかわってくるため、以下3つの特性を比較したうえで検討しましょう。
寺院
寺院墓地はお寺の敷地内に建てられるため、お寺が管理しています。
手厚い供養が行える反面、行事時にはお布施などが必要です。
また寺院では、宗派が異なると受け入れてもらえない点も注意しましょう。
民営霊園
民営霊園は財団法人などが運営しており、宗教自由で管理が行き届いている傾向があります。
設備の利便性も整っていますが、石材店が指定されている点や費用が高めになる点も頭に入れておきましょう。
公営霊園
公営霊園は、市町村などの地方自治体によって管理されています。
運営に安定性があり、費用が抑えられることが特徴です。
石材店の指定もないため、自分の好きなデザインのお墓を選べるメリットもあります。
ただし申し込むには条件があるため、事前に条件を満たしているかどうかチェックしておきましょう。
また、人気のある霊園では定員を超えた時点で抽選制になるため、希望した霊園で必ず購入できるとは限りません。
④立地
墓地や霊園の立地も、よく確認してから購入しましょう。
参拝のしやすさは、交通の便によって大きく左右されます。
景観を優先してのどかな土地にお墓を建てたとしても、参拝しにくければ管理も容易ではありません。
加えて、周辺に休憩できる施設やお供物が購入できる場所があるかも確認しておくとよいでしょう。
⑤費用
お墓にどれくらいの費用がかかるのかも、必ず確認しておきましょう。
特に墓石代は高額になりやすく、気に入ったからといって即決するのはおすすめできません。
区画の永代使用料や管理料なども必要になるため、しっかり確かめてから購入するようにしてください。
また寺院の霊園を購入した際には、行事ごとにお布施が必要になる点も踏まえましょう。
⑥設備
墓地や霊園内の設備も、事前にチェックしておきたいポイントです。
手桶や柄杓といった掃除道具やバリアフリーの確認、駐車場の有無や広さも確認しましょう。
民営墓地や公営墓地には法要施設がない場合もあるため、法要施設の有無を調べておくことも大切です。
霊園内に花や線香が購入できる設備や座って休憩できる場所があると、なお参拝しやすくなるでしょう。
⑦周辺環境
墓地や霊園の周辺環境も、よく確認しておきましょう。
日当たりや風通し、水はけのよさはお墓の汚れや傷みやすさに影響します。
日当たりや風通しが悪いと、湿気が溜まって地面がぬかるみ、カビの原因にもなるでしょう。
また、地盤が脆くなるため将来性にも不安が残ります。
自然に囲まれている霊園でも、周辺が雑草だらけの場合は害虫が多い可能性もあるでしょう。
特に夏場に蚊が多いと、参拝や手入れがしにくくなるため注意してください。
⑧管理体制
墓地や霊園の管理体制も、重要なチェックポイントです。
管理が疎かな霊園は、お墓全体が荒れてしまう恐れがあります。
判断基準としては、「敷地内の樹木が綺麗に剪定されているか」や、「清掃が行き届いているか」を目安にしましょう。
【種類別】お墓の費用相場
お墓は次の4種類に分けられ、種類ごとに弔い方や費用が大きく異なります。
一般墓
一般墓にかかる費用は、「100~350万円ほど」とされています。
一般墓は墓石自体が高額になりやすいことから、費用を多めに見積もっておく必要があります。
石の種類や産地によっても費用が異なるため、費用を抑えたい場合は石材店に相談してみるのがおすすめです。
納骨堂
納骨堂の平均費用相場は、「40~100万円」が目安とされています。
しかし、選ぶタイプによって費用の差が大きいことが特徴です。
ロッカータイプでは「20〜80万円」、仏壇タイプでは「50~150万円」が相場の目安となっています。
ロッカータイプは低額ですが、区画が狭いためお供物を置けるスペースが少ないことに注意してください。
永代供養墓
永代供養墓は2種類の埋葬方法があるため、それぞれの方法別に費用の相場を知っておきましょう。
合祀墓に埋葬する場合は「10~30万円」、個別墓で埋葬する場合は「70~150万円」が目安です。
しかし個別墓で埋葬した際にも、いずれは合祀墓に遺骨が移されます。
樹木葬
樹木葬の費用は「20~80万円」が目安です。
樹木葬では木や草花が墓標の代わりに使用されるため、一般的な墓石のあるお墓よりも費用を抑えられます。
また、1本のシンボルツリーの下に合祀で埋葬する方法を選ぶと、「10万円」ほどで埋葬できるのも魅力です。
お墓探しで失敗しないコツ
ここでは、失敗しないお墓の探し方を紹介します。
親族と話し合う
お墓を探し始める際には、親族としっかり話し合っておきましょう。
親族間でも、お墓に対する考え方が異なるケースがよくあります。
親世代が「お墓を持たなくてよい」と考えている場合であっても、子世代は「正式なお墓の形で供養したい」と思っていることもあり、樹木葬に対する考え方もさまざまです。
永代供養であっても個別墓を持つのか、最初から合祀にするのか決めておかなければいけません。
お墓にまつわる手続きでは、当人だけでなく親族の意向も踏まえることが大切です。
複数の墓地を比較検討する
お墓を選ぶ際には、複数の墓地を比較しながら検討しましょう。
気に入ったとしてもすぐに購入するのではなく、複数か所を比較して決めることで条件のよい墓地が見つかりやすくなります。
また実際に足を運んでみることで、写真で見たときと印象が異なるケースもあるでしょう。
よいイメージを持っていた墓地が実際はそれほどでもないケースや、逆に印象の薄かった墓地のイメージがよくなる可能性もあります。
気に入った墓地でお墓を建てられるよう、早めにお墓探しを始めるのがおすすめです。
専門家に相談する
自分の知識だけでお墓を探すのが不安な方は、専門家に相談するのも一つの方法です。
お墓探しをしているときには、石材店や霊園などから営業を持ちかけられるケースもあるでしょう。
しかし、お墓に関する知識が少ない場合は本当に信頼できるのか不安になってしまいがちです。
そんなときは、お墓に関する知識を持った人に相談するとよいでしょう。
実際にお墓を購入した人や、お墓のポータルサイトで相談窓口を利用するのもおすすめです。
まとめ
お墓探しで失敗しないためには、1人で決めずに親族としっかり話し合い、アクセスの良さや管理体制なども考慮しましょう。
お墓は1度購入すると世代を超えて受け継いでいかなければならないため、後継者への配慮も忘れてはいけません。
じっくり比較検討しながら、後悔のないお墓を選んでください。