お墓を建てるときによく耳にする言葉が「供物台」です。
とはいえ、具体的にどのような役割をもつものかわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、お墓の供物台について知りたい方に向けて供物台の読み方や概要を解説します。
お供え物の基礎知識も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
供物台とは
はじめに、供物台の読み方や役割のほか、供物台以外に必要なお墓の付属品について解説します。
供物台の読み方と役割
供物台とは供養のためのお供え物を乗せる台のことで、「くもつだい」と読みます。
供物台と一口に言ってもさまざまな種類がありますが、シンプルな供物台の場合は、墓石の手前部分の真ん中に置くのが一般的です。
その他に、供物台と香炉が一体化した供物台付き香炉や小物を納められる収納スペースが付いた供物台などもあるので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
供物台以外に必要なお墓の付属品
引用元:https://ryowa-boseki.co.jp/
お墓を建てる際に必要な付属品を紹介するので、供物台と併せて用意しておきましょう。
霊標(墓誌)
亡くなった人の戒名・俗名や、死亡年月日・行年を刻む石が霊標です。
家族墓では亡くなった順に右側から名前を刻んでいきますが、単独墓の場合には、故人が好んだ詩や名言を彫刻する場合もあります。
塔婆立て
塔婆立てとは、納骨や年忌法要のときに卒塔婆を立て掛けるための器具です。
卒塔婆とは縦長の木の板を指し、供養のための経文や題目を書いてお墓の後ろに並べます。
浄土真宗の場合は卒塔婆を立てる習慣はありませんが、他の多くの宗派では立てるのが一般的です。
納骨堂
故人の遺骨を骨壺に入れて安置するスペースが納骨堂です。
最も神聖な場所とされており、中には白い寒水石を敷きます。
お墓の下に穴を掘って作る「地下式」と、墓石と地面の間にスペースを作る「地上式」の2つに分類されます。
灯篭
灯篭はお墓に一対、または右側に一基設置するケースが一般的です。
お墓に眠る故人を灯火で供養する意味合いのほかに、暗闇を照らして邪気を払ったり、故人があの世で迷わないように道を照らしたりする意味合いも込められています。
灯篭について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
地蔵尊
地蔵尊は子どもの守り神とされており、亡くなったお子どもを供養するために設置する場合が多いとされています。
拝石・敷石・床
墓石の手前に埋める粒の大きな石を拝石、お墓の入り口から墓石までの通路に埋める石を敷石と呼びます。
その他の床の部分には、玉砂利や石板を敷いてお墓を仕上げるのが一般的です。
砂利
砂利はお墓の床に敷く装飾石です。
角がなく丸みを帯びているのが特徴で、色や粒の大きさにはいくつか種類があります。
砂利を敷くと雑草が生えにくくなったり見栄えがよくなったりするので、多くのお墓で使われています。
お墓に敷く砂利について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
名刺入れ
お墓参りに来た方に名刺を投函していただく場所が、名刺入れです。
名刺入れを置くと、墓守がその場に立ち会わなくても、お参りに来た方の名前が分かります。
香炉
線香をお供えする器を香炉と呼び、線香を砂や香皿の上に乗せて使用します。
正面には家紋を入れるのが一般的です。
昔は線香を立てて炊くのが一般的でしたが、風で倒れてしまうこともあるので、現在の香炉の形になったと言われています。
ろうそく立て
ろうそくを立てる器がろうそく立てです。
風よけの風防がついているため、火が消えにくくなります。
花立て
墓花を供える筒状の仏具を花立てと呼びます。
ステンレスや銅などさまざまな素材のものがあるので、メリット・デメリットを比較検討して選ぶとよいでしょう。
お墓の花立てについて詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
水鉢
故人に水を捧げるための器が水鉢で、正面には「浄水」「洗心」などの文字を刻みます。
水は重要なお供え物なので、常に綺麗な水を張っておきましょう。
す。
お墓の水鉢について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
おすすめの供物台≪3選≫
どのような供物台を揃えるべきか迷っている方に向けて、おすすめの供物台を3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
大島石の供物台
大島石で作られた、下場・背面以外は本磨きの供物台です。
お供え物を乗せやすく、置きやすいように下場が平らに切られています。
価格 | 25,080円 |
サイズ | 間口39cm×奥行17cm×高さ22cm(概略) |
材質 | 大島石 |
重量 | 約20kg |
供物台に使える!墓前用の物置台
供物台としても使用できる、墓前用の物置台です。
前側が両開きの扉になっており、中に小物を収納できます。
本磨きの御影石で作られており、設置方法は置くだけで簡単です。
価格 | 79,200円 |
サイズ | 幅375mm×高さ260mm×奥行240mm |
材質 | 御影石本磨き |
重量 | 27.6kg |
据え付けカンタン!墓石用の経机
据え付けが簡単にできる小さめの経机です。
重さも2kgほどなので、女性でも持ち運びできます。
手に入れやすい価格設定なので、お墓の付属品にかかる費用を抑えたい方におすすめです。
価格 | 19,580円 |
サイズ | 間口30cm×奥行12cm×高さ9cm(概略) |
材質 | 大島石 |
重量 | 約2kg |
【知っておきたい】お供え物はいつ・どこで買う?
法事やお墓参りの経験がないと、お供え物をいつどこで買えばよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この章では、お供え物を買うタイミングや購入場所などお供え物の基礎知識について解説します。
お供え物を買うタイミング
お供え物は1週間~3日前を目安に購入し、手元に用意しておきましょう。
ネットショップで購入する場合は届くまでに時間がかかるので、さらに余裕をもって準備しておくことをおすすめします。
1週間~3日前に手元に届いていれば、足りないものがあったり間違いがあったりしても慌てずに対処できるので、安心です。
お供え物を買う場所
お供え物を買うのにおすすめの場所を紹介します。
お墓参りや法事などの用途や、お供えする相手に合わせて選びましょう。
百貨店
会社の上司や目上の方へのお供え物の場合は、百貨店で購入するのがおすすめです。
年齢を重ねている方は、百貨店に対して高級で華やかなイメージをもっている場合が多いので、百貨店で購入したという事実だけでも喜んでもらえるでしょう。
百貨店には高級な商品が揃っているので、品質に関しても安心です。
お供え物に詳しいスタッフが多いので、何を贈るか迷ったときは相談してみてもよいでしょう。
専門店
品質にこだわったお供え物を選びたい場合は、専門店で購入しましょう。
値段は高いケースが一般的ですが、最高級のお供え物が手に入ります。
果物の場合は、フルーツマイスターがいる千疋屋やフルーツバスケットが充実している新宿高野がおすすめです。
お供え物を置いていないような和菓子や洋菓子の専門店も、相談すれば予算に合わせて作ってくれる場合があるので、確認してみましょう。
スーパー
家族のお墓参りや親しい身内の法事用のお供え物を買う場合は、スーパーを利用するのも1つの方法です。
ただし、ギフトサービスを行なっていないスーパーもあるので、事前に確認し、サービスカウンターで進物を取り扱っているスーパーを選びましょう。
家族のお墓参りの際にお供え物をする場合は包装の必要がないので、バラ売りで果物を購入すれば経済的です。
ネットショップ
お供え物の値段を抑えたい場合は、楽天などのネットショップで購入するのもおすすめです。
値段の割には豪華に見えるギフトセットが豊富に販売されているほか、弔事用のラッピングも行なってくれるので安心です。
また、先方に直接お供え物を届ける方法も選べるので、遠方で法要に足を運べない場合にも最適でしょう。
お供え物の基礎知識
知っておくと便利な、お供え物の意味や基礎知識について紹介します。
お供え物の意味
お供え物には、故人やご先祖様を供養する意味合いのほか、命あることへの感謝の意味合いも込められています。
自分の命に感謝し、生かしてくれているご先祖様を偲びながら、心を込めてお供え物をしましょう。
お供え物の基本「五供(ごく・ごくう)」
仏教におけるお供え物の基本は「五供(ごく・ごくう)」と呼ばれ、「香」「花」「灯燭(とうしょく)」「浄水」「飲食」の5つを指します。
「香」はお墓参りをする人の身を清めるお線香のことで、香りは故人の食べものでもあります。
「花」は故人が宿るとされている墓花のことです。
マナー違反になるので、毒をもつ花のお供えは避けましょう。
「灯燭」はろうそくを指し、故人が進む道を照らして慈悲を表す意味合いが込められています。
「浄水」は重要なお供え物です。
場や身を清める役割があるので、新鮮な水を用意しましょう。
「飲食」は飲みものや食べものを指します。
故人が好きだった果物やお菓子、お酒やタバコをお供えしましょう。
まとめ
供物台をはじめとするお墓の付属品には、さまざまな種類があります。
お墓を建てる際には、故人やご先祖様を偲びながら慎重に選びましょう。
せっかく立派なお墓を建てても、顔を見せに行く頻度が少なければ、亡くなった人やご先祖様も寂しい思いをします。
供養の気持ちを込めてお供え物を選び、お墓参りに行く機会を作りましょう。