現代では、スマホやパソコンを使用して日常生活を送っている人がほとんどです。
そのため、その中に入っている個人情報や重要な情報などを整理しておかなければ、死後、家族がトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
そのような事態を避けるためにも、スマホやパソコンのデータは整理しておきましょう。
今回は、デジタル終活が必要な理由やデジタル終活の進め方について解説します。
▼終活における断捨離・整理について詳しくはこちらの記事をお読みください
断捨離・整理のコツや注意点をわかりやすく解説
目次
デジタル終活とは

終活という言葉は聞いたことがあっても、「デジタル終活」はあまり聞き慣れない言葉かもしれません。
終活とは、自分の死と向き合いながら、身の回りの整理や葬儀・お墓の準備などを行うことです。
デジタル終活も終活の一環で、スマホやパソコンなどに保存したデータを、生前のうちから整理しておくことを意味します。
今ではほとんどの人が何らかの電子機器を利用しているので、誰もがデジタル終活を始める準備をしておかなければなりません。
自分の人生を振り返るのと同時に、遺族の負担を減らすためにもデジタル終活に取り組みましょう。
デジタル遺品

デジタル終活を行ううえでまず確認しておきたいのが、デジタル遺品の対象についてです。
デジタル遺品には、大きく分けて「各種ID・パスワード・データ」と「金融系の情報」の2つがあります。
それぞれにおいて何が対象となるのかを詳しく見ていきましょう。
各種ID・パスワード・データ
デジタル遺品である「各種ID・パスワード・データ」には、以下のようなものがあります。
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デジタル終活において最近特に問題視されているのが、SNSやブログです。
スマホ本体のパスワードは、たとえ使用する本人が亡くなっても、携帯電話会社が第三者に開示することはありません。
つまりそのため、TwitterやFacebookなどのSNSや、ブログについてのログイン情報などはもスマホに残ります。
そのため、これらのデジタル遺品に対して対策をしておかなければ、遺族がスマホのロックを開けない、SNSの情報が漏れてしまうなどのトラブルが起こる可能性がでてきます。
また、スマホやデジタルカメラに放置している写真や動画なども、生前に整理しておきましょう。
特に、家族に見られたくないデータがある場合は、思い切って消去すると気持ちの整理もできます。
外付けのハードディスクにバックアップしたデータの整理は忘れがちなので注意しましょう。
金融系の情報
デジタル遺品である「金融系の情報」には、以下のようなものがあります。
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仮想通貨や電子マネー、ネット銀行を利用している人は、これらもデジタル遺品として整理する必要があります。
金融系の情報も同様に、家族であってもパスワードなどを簡単には教えてもらえません。
さらに、仮想通貨は「2段階認証」を推奨しているため、スマホ本体へのログインも含めると3回の認証を行う必要があり、より複雑になります。
仮想通貨を利用していることを知らせていなければ、家族はその遺産に気づくことすらできないでしょう。
金融系の情報は、遺された人の相続問題に大きく関わるので、漏れなく整理したうえで正確な情報を残しておくことが大切です。
デジタル終活が必要な理由

遺族の金銭的損失
インターネットやスマホのアプリを通じて定期購読などのサービスを利用している人も少なくないでしょう。
ほとんどのサービスは、一度契約すると毎月自動的に利用料を引き落とすシステムになっています。
そのため、契約者が契約を解除しない限り利用料を支払い続けることになり、無駄な損失を招くことにつながります。
また、ネット証券などを利用している場合は、相続した家族が負債や借金を抱えることになる可能性があるため注意が必要です。
相続トラブル
近年では、ネット証券やネット銀行などインターネット上でお金を管理・貯蓄する人も増えています。
これらも遺産に含まれるため、本人が亡くなった際はもちろん相続の対象です。
しかし、利用しているサービスに遺族がアクセスできないと財産が相続できず、受け取れるはずの遺産を相続できない可能性があります。
このような相続トラブルを避けるためにも、デジタル終活は進めておきましょう。
遺族の精神的苦痛
家族に知られたくない情報がデジタル遺品として残っていた場合、自分の死後、家族を傷付けてしまう可能性があります。
たとえば、過去の女性関係の写真が残っていた、高額な買いものをして誰かに貢いでいたなどの情報は、家族を悲しませてしまうでしょう。
家族を最後まで大事にしたいと思うのであれば、家族にとってマイナスな情報は確実に整理しておかなくてはなりません。
葬儀に呼ぶ人の連絡先が不明
スマホのロック画面を開くパスワードがわからない場合、葬儀に呼ぶ人の連絡先を知ることができず、遺族が困ってしまう可能性があります。
最近では、知人や友人の連絡先はスマホの連絡帳で管理するのが一般的です。
そのため、故人がお世話になった人を葬儀に呼ぶ際、故人が所有していたスマホは交友関係を把握するための大切なツールと言えます。
家族ぐるみで付き合いがあるような親しい関係性であれば、家族が連絡先を把握していることもありますが、それ以外の場合は故人のスマホを頼りに葬儀に呼ぶ人を決め、連絡を取らなくてはなりません。
その際に、連絡先を確認できなければ、遺族は葬儀に呼ぶ人や連絡先がわからず困ってしまうでしょう。
そういった事態を避けるためにも、デジタル終活は必要になります。
デジタル終活の進め方

ここでは、デジタル終活の進め方を具体的に紹介します。
デジタル終活は、以下の3つの手順で進めていきましょう。
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デジタル終活は特別難しいものではなく、手順や内容はいたってシンプルです。
ただし、短時間でできることではなく、焦ってしまうと漏れやミスが起こり、正確な整理ができません。
デジタル終活は、じっくりと時間をかけて行いましょう。
デジタル遺品を洗い出す
まずは、デジタル遺品の対象になるものをすべて書き出してみましょう。
重要なデータかどうかは考えず、とにかく対象となるものをすべて洗い出すことが大切です。
考えることが多いと洗い出しが正確に行えず、漏れが起こりやすくなってしまいます。
ここでは、整理すべきものを洗い出すことに集中しましょう。
データを分類する
すべての洗い出しが終わったら、必要なものと不要なもの、家族に知らせる必要があるものとそうでないものに分類します。
家族にさえ知られたくないものは隠すのではなく、思い切って消去しましょう。
結局誰かに見られたり永遠に見つかることがなかったりしても、隠すことに意味はありません。
また、データの中に仕事の情報が含まれている場合は、会社の誰かにデータを引き継ぎ、個人のパソコンやスマホには残さないようにしましょう。
遺産などの情報は、1つずつ丁寧に分類することがポイントです。
エンディングノートを活用する
「残す必要がある」「家族に知らせる必要がある」と判断したデジタル遺品は、エンディングノートに記録しましょう。
インターネットに詳しい方の中にはクラウド管理を検討している方もいるかもしれませんが、放置されたり情報が流出したりする恐れがあるため、あまりおすすめしません。
エンディングノートには、デジタル遺品の対応方法を具体的に記録します。
記録する項目は以下の通りです。
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エンディングノートの存在を家族に知られたくないという方は、生前は見られないよう大切に保管しておきましょう。
生前から家族に引き継ぎたいという方は、エンディングノートを活用しながら家族と話し合っておくと、デジタル終活がスムーズに進みます。
デジタル終活には終活ソフトを利用しよう

デジタル終活の新しい形として、終活ソフトが注目されています。
ここでは、終活ソフトについて解説します。
終活ソフトとは
終活ソフトとは、自分の死亡時に他人に見られたくないデータを自動で削除できるという便利なソフトです。
以下のような方は、終活ソフトの利用をおすすめします。
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終活ソフトや便利ツール
最近では終活という言葉が広まったこともあり、以下のような終活ソフトや便利ツールが増えています。
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利用するソフトによって仕組みや機能が異なりますが、どれもデジタル終活を行う際に役立つものばかりです。
以下では、ソフトの機能の一部を紹介します。
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このような機能があれば、本人が急に亡くなった場合でも遺族がパソコンにアクセスでき、葬儀や相続などをスムーズに進められるでしょう。
また、「追悼アカウント」という便利なツールもあります。
これは、FacebookやTwitterなど故人が使用していたSNSのアカウントを遺族や友人に共有できるサービスです。
追悼アカウントを利用すれば、SNSアカウントの乗っ取りを避けられるだけでなく、いつでも故人を思い出せるでしょう。
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スマートフォンを含むデジタル機器をつかったデータ整理も、近年では終活における必須項目のような位置づけになっています。
とはいえ、終活では他にもすべきことが多く、自分ひとりでちゃんとできるのか不安…。
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まとめ

個人情報や重要なデータは、放置しておくと漏洩して悪用される可能性があります。
そのようなトラブルに家族が巻き込まれないようにするためにも、デジタル終活は進めておきましょう。
また、デジタル終活を始める際は、焦らず自分のペースで確実にデジタル遺品を整理することが大切です。
これまでの歩みを振り返りながら整理を進め、定期的に見直して最新の情報を更新しておきましょう。
▼終活全般について詳しくはこちらの記事をお読みください
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