「終活」という言葉が世間に浸透してきている現在では、終活の一環として旅行に行くという方も増えてきています。
終活で旅行に行くことにより、これからの人生について新たに考える上で、大きな意義を見いだすことができるかもしれませんよ。
今回は終活で行く旅行について紹介します。
▼終活でやるべきことについて詳しくはこちらの記事をお読みください
終活でやるべきことにはどんなものがある?チェックリストを参考にはじめましょう!
目次
終活旅行とは
終活に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「まだ、死ぬことなんて考えたくない」「静かに身辺整理だけすれば十分でしょ」など、ややマイナスのイメージをお持ちの方も少なくないかもしれません。
しかし、終活は最期の時を後悔なく迎えるための準備であり、残りの人生をあなたらしく生きることにつなげるものです。
最近では、そういった考え方を基にした終活旅行が注目を集めています。
終活旅行とは、終活について知識や理解を深めるための旅行のことです。
個人で行く終活旅行の場合は、夫婦や友達同士などで有名な神社やお寺、教会などを訪れたり、思い出の場所を再訪することが多いようです。
これまでの人生を振り返るような内容の旅行が、終活旅行として人気を博しています。
また、墓地や霊園を巡り、どのような墓地や霊園がいいのかについて考えるための旅行をする方も多いようです。
終活旅行のメリット
終活旅行のメリットには以下のようなものが挙げられます。
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終活旅行を通して自然とのふれあいや美味しい食事、楽しい会話などでリラックスできれば、満足感や幸福感を得ることができます。
自然と一体化できる時間は、死に対するマイナスのイメージさえも変えてくれるかもしれません。
終活旅行でエネルギーをチャージした心は、今後の人生への意欲となり、より健康で長生きするために大きな効果を発揮してくれることでしょう。
またこのエネルギーは、周囲の人にもプラスに働き、死と向き合いやすくなるという効果も期待できます。
終活旅行のおすすめの旅先
終活旅行は、普段の旅行よりも深い意味や思いのある旅行ですから、旅先の選び方も大切です。
ここでは、終活旅行におすすめの旅先を4つ紹介します。
思い出の場所に訪れる
終活旅行の旅先として人気なのが思い出の場所です。
誰にでも、もう一度訪れたい大切な思い出の場所があるのではないでしょうか?
思い出の場所を訪れることで、まるでタイムスリップしたような感覚になり、忘れていた記憶や感動が蘇ってくることがあります。
旧友がいらっしゃる場合には、連絡を取って昔話に花を咲かせるのもよいかもしれませんね。
気心の知れた仲間とじっくりと時間をかけて思い出の場所を巡り、これから先の人生について考えたり語り合ったりする時間は、これからのあなたの人生においてとても貴重な時間となるでしょう。
行ってみたかった場所へ行く
終活というタイミングだからこそ、行ってみたかった場所へ行くというのもよいでしょう。
憧れの場所や少しためらってしまっていた場所に思い切って行くことで、新たな発見や刺激を受けることができるかもしれません。
まずは、旅行パンフレットやインターネットからご自分の行きたい場所をピックアップしてみましょう。
これまでの人生を振り返り、これからの人生を考えるのにふさわしい場所はどこ?という視点で、ご自分に合う旅行先を探してみましょう。
各宗派の総本山に訪れる
終活だからこそという理由から、各宗派の総本山を旅先に選ぶ人もいます。
総本山とはその宗派の創始者が祀られている場所で、一つの宗派をまとめる役割を担っています。
このような場所を旅先として選ぶ多くの人は、ご自分が無宗教なため信仰する宗派を決めておきたい、あるいは、実家の宗派に関係なくご自分の好みで宗派を選びたいなどの事情をお持ちのようです。
各宗派の総本山は歴史的な建造物が多く、貴重な装飾品などが収められているため、伝統や文化を肌で体感することを目的として旅行するのもおすすめです。
霊園や墓地を見学しに行く
終活旅行先として、全国のさまざまなお墓や霊園を見学することを選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか?
中には、歴史上有名な人物のお墓を訪れる人もいます。
霊園や墓地を見学する目的は、ご自分の「最後の住処」を選ぶことです。
そのためには、以下のようなポイントに気をつけて見学し、ご自分の理想とするお墓を具体的にイメージしてみましょう。
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終活旅行にはツアーもある
まだあまり知られていませんが、終活旅行にはツアーもあります。
「なかなか1人では終活旅行の計画を立てられない」「旅行に行っても本来の目的を忘れてしまい終活ができない」という方も珍しくありません。
そんな方にはツアーがおすすめです。
また、これから終活を始めるという人にとってもツアーは良いきっかけとなっているようです。
ここからは、終活旅行のツアーについてわかりやすく解説します。
終活ツアーの日程
終活ツアーにはさまざまなプランがありますが、ここでは一般的な内容について紹介します。
終活ツアーの日程は、まず、駅周辺でツアーコンダクターや他の参加者と集合することから始まります。
移動は主にバスで、休憩や食事を挟みながらお寺や墓地、納骨堂などの目的地まで行きます。
日帰りコースや宿泊コースもありますが、ほとんど一般的なバスツアーと変わりません。
終活ツアーが一般的なバスツアーと異なるのは、主に以下の2点です。
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また、終活ツアーは「終活」という同じ目的を持つ人が集まるツアーなので、他の参加者との交流も深まり、ご自分の終活をより充実したものにしてくれるに違いありません。
終活ツアーに必要な料金は?
終活ツアーに必要な料金の目安は、1人あたり1万円程度となります。
終活だからといって特別高額になるわけではありませんのでご安心ください。
料金の内訳は、通常のバスツアーと同じように交通費や食事代などです。
1回で2~3か所の施設を見学できるツアーがほとんどなので、料金設定としては良心的といえるでしょう。
おすすめの終活ツアー体験
より終活を具体的にイメージしたい、実際に体験したいという方には終活ツアー体験がおすすめです。
こんな体験ができるの?と驚かれる方もいるかもしれませんが、このような体験は貴重であり、参加者の満足度も高いので安心して参加できます。
ここでは、おすすめの終活ツアー体験を2つ紹介します。
入棺体験
入棺体験では、本物の棺に入ることができます。
実際に棺に入った人の中には、恐怖感をおぼえる人もいる一方で、「死生観をもう一度考えたいという気持ちになった」「今までの自分から脱皮したような清々しい気持ちになった」などと感じた人もいるようです。
入棺体験では、この他にも下記のようなことを体験することができます。
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どれも普段ではできない特別な体験ばかりです。
今までの自分、そしてこれからの自分に向き合う大きなチャンスとなります。
海洋散骨クルーズ
最近では、終活旅行に海洋散骨クルーズのコースを選ぶ人も増えています。
海洋散骨とは、家族もしくは代行サービスを請け負う会社が、ご本人の遺骨を海に還すことを指します。
これまでは、家族は一つのお墓に入るのが当たり前とされてきました。
しかし近年では、お墓の継承者がいない、維持管理が困難などの理由から、樹木葬や永代供養などお墓の多様化が進んでいます。
海洋散骨も多様化するお墓事情に沿った供養の方法であり、特に「自分が死んだら自然に還りたい」と考える人から選ばれています。
海洋散骨を希望する人が増えているため、実際にクルーズに乗って散骨を体験できるプランを提供しているツアー会社も増えているようです。
海洋散骨クルーズのツアーを利用される場合は、参加料金がやや高くなる場合がありますので、事前にツアー会社に問い合わせてから参加するようにしましょう。
終活旅行の大事なポイント
終活旅行の大事なポイントは、ご夫婦やご家族で意見を交えながら進めるということです。
終活旅行は、ご自分のために行うのが目的ですが、一緒に暮らす夫や妻、家族のために行うものでもあります。
可能であればご家族と一緒に旅行し、これまでの思い出話や旅で感じたこと、余生や死後に対する考えをみんなに共有しましょう。
「お葬式は家族だけで」「今あるお墓は墓じまいして散骨にしてほしい」など、素直な気持ちと希望を伝えることが大切です。
家族と終活旅行をすることで終活がよりいっそう有意義なものになり、家族との絆が深まり、ご本人の死が決してマイナスのことではないことに気づかされるでしょう。
まとめ
終活旅行にはさまざまなメリットがあり、旅先の選び方やツアーの利用、終活ツアー体験を取り入れることが大切なポイントであることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
しかし、より意味のある終活旅行にするためには、何よりも大切なご家族と共に終活旅行に行き、感じたことや思いを共有することです。
これからの充実した人生のために、ぜひ終活旅行であなたらしい生き方とは何かについて考えてみてください。
▼終活全般について詳しくはこちらの記事をお読みください
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