【お墓の開け方を構造別に解説】納骨室(カロート)は自分で開けてもいい?

お墓 開け方 アイキャッチ

「お墓の手入れをする人が近くにいないので改葬したい」「そろそろ墓じまいを考えている」というときは、遺骨を納骨室から出すためにお墓を開けます。

また、納骨室を掃除したいときなどに気になるのが、「どのように開ければいいの?」「お墓を自分で開けてもいいの?」ということではないでしょうか。

そこでこの記事では、お墓の開け方やお墓を開ける際に気をつけることなど、知っておきたいポイントを詳しく解説していきます。

お墓を開ける前に準備するもの

花が供えられたお墓

お墓を開ける前に、必要なものを準備しておきましょう。

  • 軍手
  • タオル
  • バール(2本)

この3つは、どのようなタイプのお墓を開ける場合にも必要です。

加えて、用意しておくと便利なものも紹介します。

  • 金づち
  • ヘルメット
  • 懐中電灯
  • たがね
  • 木切れ
  • いらない毛布

なかでも木切れやいらない毛布は、開けるお墓や近隣のお墓を傷つけないために用意しておくと役立ちます。

【構造別】お墓の開け方・手順

墓地

お墓の構造は地域やデザインによって差があり、開け方も異なります。

構造別に、それぞれの開け方や手順を見ていきましょう。

《関東式》お墓の開け方

関東式のお墓は中心に香炉があり、その下に石板があります。

排石と呼ばれる石板を外すとその下(地下)に納骨室(カロート)があるので、お墓を開けるためには排石を外さなければいけません。

香炉や排石はとても重たいので、業者に依頼する家庭も多い印象です。

開ける際は1人ではなく複数人で、安全に気をつけて作業しましょう。

開け方の手順

  1. 香炉を持ち上げて別の場所に置いておく
  2. 排石の隙間にバールを挟んで、排石を押し上げる

排石がコーキング剤で接着されている場合は、大きなカッターを使ってコーキング剤をカットして排石を外します。

《関西式》お墓の開け方

関西式のお墓は、骨壷が関東で使われているものよりも小さいことから、墓石の中に納める作りになっています。

開け方の手順

  1. 香炉や花台を左右のどちらかにスライドさせる

お墓の中に空洞があり、そこに骨壷が納められています。

重たい石を持ち上げたり強い力を加えたりする必要がないので、女性や高齢者でも1人で開けられるでしょう。

《沖縄式》お墓の開け方

沖縄のお墓は一般的なお墓とは異なり、5〜30m²ほどと大きく、まるで家のような形が特徴です。

開け方の手順

  1. 排石を外す

お墓が大きいので排石も大きく、2重になっている場合もあるので、複数人で作業を行なったり業者が請け負ったりします。

納骨室も広くて、人が中に入るための階段が設置されています。

《洋式》お墓の開け方

洋式のお墓を開ける方法は、関東式のお墓と似ています。

開け方の手順

  1. 香炉や花立を持ち上げて、別の場所に置いておく
  2. 排石を斜めにずらして、下に手が入るような隙間を作る
  3. 隙間に手を入れて排石を立てて、横にずらす

その他のお墓と同じく香炉や排石は重たいので、作業には十分注意しましょう。

納骨室は自分で開けてもいい?

お墓に水をかける

お墓の持ち主であれば、自分で納骨室を開けても問題はありません。

ただし、お墓を開けるときは、重たい石を持ち上げたり移動させたりする必要があります。

体力に自信がない方や1人で作業をしようと思っている方は、業者などプロにお願いするのがおすすめです。

勝手に開けてもいい?

お墓の持ち主であれば自分で開けても問題はありませんが、霊園やお寺によっては勝手に開けてはいけないと決められている場合もあります。

お墓を開けたいときは、事前に確認しておくと安心でしょう。

納骨室にフタがない場合は?

明治時代に建てられたお墓の中には、納骨室にフタがなく遺骨が土葬されているケースがあります。

この場合は、土を掘って遺骨を取り出さなければならないので、スコップを使った手作業やパワーショベルを使って掘り起こします。

墓石の真下を2mほど掘ったところに遺骨があるので、よく注意して掘り進めましょう。

お墓を開けたら行うこと

水田の中にある墓地

お墓は頻繁に開けるものではないので、開けたときにするべきことを先に確認しておきましょう。

納骨室内の空気を循環させる

納骨室は常に排石でしっかりと塞がれているので、中の空気が循環しないまま長い時間が経過しています。

簡単に開けられるものではないので機密性は高い一方で、雨や地面の湿気による影響で湿度が高くなっています。

そのため、お墓を開けたら納骨室内の空気を循環させましょう。

溜まった湿気を追い出して乾燥させることで、カビの発生が防げます。

骨壺に溜まっている水を抜く

骨壷の中に水が溜まっている場合があります。

お墓を開けたときに確認して、水が溜まっていればしっかり抜いておきましょう。

特に納骨室が地下にあるお墓は水が溜まりやすいので、確認が必要です。

そのままにしておくと、遺骨が傷んだりカビが生えたりしてしまいます。

骨壷から水を抜く際は、遺骨が骨壷から出てしまわないよう丁寧に作業を進めましょう。

納骨室内をきれいにする

納骨室内は、長い時間をかけて汚れカビが蓄積していることがあります。

汚れやカビを放置していると、やがて墓石が傷んでしまいます。

お墓を開けた際は、やわらかい布で丁寧に拭いて、きれいに掃除をしましょう。

業者に開けてもらう場合の費用

お墓とお金

業者にお墓を開けてもらうときの費用は、5,000円前後が一般的です。

作業に複数人が必要なお墓の場合は、費用が5,000円以上になると考えておくとよいでしょう。

また、お墓を開けるだけでなく骨壷の移動などの作業が発生する場合も、作業内容に合わせて加算されます。

墓じまいの費用相場

墓じまいは、墓石を取り壊して更地に戻し、その土地を手放すことを言います。

墓じまいには多額の費用がかかり、相場はおよそ30〜300万円程度です。

お墓に納められていた遺骨は、行政手続きを経て別の場所に安置します。

墓じまいで発生する費用の内訳は、主に以下の3つです。

  1. お墓を撤去するための費用
  2. 行政手続きの費用
  3. 新しい納骨先にかかわる費用

お墓を取り壊して終わりではなく、遺骨を新たに安置する場所に移動させなければいけません。

墓じまいの費用について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

▼墓じまいの費用相場や必要な手続きを解説

お墓を開ける際の注意点

放置されたお墓

お墓を開ける際に、気をつけておきたい注意点を紹介します。

1人では作業を行わない

お墓を開ける作業では、香炉や排石など重たい石を持ち上げたり他の場所に移動させたりといった重労働が発生します。

無理をすると、腰や手指をケガするなどの事故につながるので、作業は1人ではなく複数人で行いましょう。

また、万が一お墓の中に遺骨が入っていなかったり別のものが入っていたりといったトラブルが発生した場合も、1人では家族や親族に説明しても信じてもらえないかもしれません。

何かあった場合に証人となってもらう意味でも、人と一緒に作業するのがおすすめです。

汚れてもよい服装で行う

香炉を動かしたり納骨室の中を掃除したりといった作業をしていると、どうしても服が汚れてしまいます。

お墓を開ける場合は、動きやすくて汚れてもよい服を選びましょう。

周りに注意しながら行う

お墓を開ける際は、香炉や排石を周りの墓石にぶつけて壊したり、傷つけたりしてしまわないよう注意しなければいけません。

重たいものを持ち上げるときは、先に置く場所を確保してから作業すると安心です。

捨ててもよい毛布やタオル、使い捨ての緩衝材などを活用して、安全に作業を進めましょう。

手を合わせてから開ける

お墓は、ご先祖様が眠る神聖な場所です。

納骨室は、黄泉の国へつながる入り口と考えられているので、いきなり開けずに手を合わせて神聖な気持ちで開けましょう。

これからお墓を開けさせていただきます。」とお墓に声をかけてから作業を始めます。

墓じまい後の供養方法は?

お寺を歩く夫婦

墓じまいをしたら、遺骨は新たな納骨先を決めて改葬します。

  • 一般墓に改葬
  • 納骨堂に改葬
  • 手元供養
  • 永代供養
  • 散骨
  • 樹木葬

改装にはさまざまな方法があるので、親族間で相談をしたうえでどのようにするのか決めましょう。

墓じまいの流れや供養方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

▼墓じまいの流れや遺骨の供養方法を詳しく解説

まとめ

「墓じまいをしたい」「納骨室の様子を確認したい」「隅々まできれいに掃除をしたい」など、さまざまな理由でお墓を開けたい場面があるでしょう。

お墓は所有者であれば自分で開けても問題はありませんが、重たい石を扱うので難しい場合は業者に依頼するのもおすすめです。

特に墓じまいをする際は、お墓の撤去や改葬をしなければならないため、詳しい専門の業者にお願いしたほうが安全かつスムーズに作業ができるでしょう。

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