終活年賀状をご存知でしょうか。
終活年賀状は年賀状じまいとも呼ばれ、年賀状でのやり取りを今後はしないことを文面で宣言することです。
年賀状じまいは終活を行うシニア世代の間で急増していますが、文面を間違えると絶縁宣言とも捉えられてしまうため注意が必要です。
ここでは終活年賀状を書くときの文例や書き方の注意点について解説します。
▼終活全般について詳しくはこちらの記事をお読みください
終活では何をする?スムーズに進めるコツをご紹介
目次
終活年賀状とは
今後の年賀状のやりとりを辞退する
終活年賀状とは、来年からの年賀状のやりとりを辞退することを知らせる、最後の年賀状のことです。
人生の終わりに向けて年賀状を送る習慣を終わらせることから「年賀状じまい」とも呼ばれ、終活をするシニア世代を中心に広まっています。
60~80代のシニア世代の間で急増
高齢を理由に年賀状のやりとりを終わらせる終活年賀状が60~80代で増えています。
シニア層で終活年賀状が広まる理由には、下記のようなものがあります。
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終活年賀状のメリット
人間関係の整理ができる
長年年賀状をやりとりしている人の中には、年賀状以外ではやり取りすることのない知人も少なくありません。
終活年賀状は、そういった人間関係を整理することができます。
残りの人生をより充実したものにするためには、自分にとって大切な人達に時間を使いたいものです。
終活年賀状は、そういった自分にとって大切な人を見分けるためにも有効です。
手間と費用の節約
年賀状の作成には、費用や手間がかかりますが、終活年賀状を出せばそういった苦労を少しでも減らせるでしょう。
忙しい年末年始に、年賀状を送る作業が無くなるというのは大きなメリットです。
終活年賀状のデメリット
絶縁宣言と勘違いされることも
終活年賀状は送る人が増えてきているとはいえ、まだまだ一般的とは言えません。
年賀状を送らないと宣言することで、絶縁宣言として受け取られてしまう可能性があります。
トラブルを減らすためにも、年賀状をやめるだけでこれからも親しくしていきたい、という気持ちが伝わるような内容で終活年賀状を作成することが大切です。
絶縁宣言と受取られないための注意点
今後も交流の意思があることを明記する
終活年賀状では、年賀状を来年から辞退することに加えて、これからも関係性は継続していきたいという意思を伝えましょう。
その意思を正しく伝えるためには、年賀状じまいする理由の書き方に十分注意しなければなりません。
新たな連絡手段を提示する
年賀状を辞める代わりに、他の方法で連絡を取ることを提案しましょう。
メールやSNSなど、新しい連絡手段を取り入れることで、今まで以上にコミュニケーションが盛んになる場合もあります。
個人に対してではなく全員に対して行っていることをアピールする
終活年賀状を受け取った人が、自分にだけに年賀状じまいを伝えていると勘違いをされるとトラブルの原因になります。
終活年賀状は、全員に同じことを伝えているとわかるような文面がよいでしょう。
文面のおすすめの書き方
1.挨拶の文
冒頭からいきなり年賀状じまいをするという内容を書いてしまうと、相手の気分を害する恐れがあります。
そのため終活年賀状であっても、普通の年賀状と同じように新年の挨拶から始めるようにしましょう。
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といった、年賀状の定番の挨拶をしっかりと書くことが大切です。
2.年賀状じまいの宣言や理由
年賀状じまいは長年年賀状のやりとりをしていた相手にとっては突然の申し出となるため、その理由をきちんと説明しましょう。
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など、相手に納得してもらえるように正直に伝えます。
3.今後の交流手段の提示
年賀状のやりとりをしなくなってからも、交流を続けたいということを伝えるために、具体的な連絡手段を書いておきます。
連絡手段の例は下記の通りです。
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新たな連絡手段を提示することで深いコミュニケーションが取れたり、詳しい近況報告ができたりするので、年賀状だけのつきあいよりも親しくなれるかもしれません。
終活年賀状の文例
定年を理由に年賀状じまいをする場合
新年あけましておめでとうございます 旧年中は大変お世話になりました私事ではございますが定年退職を迎える年となります 本年を一つの区切りとし 皆様への年賀状を今年で最後とさせていただくことにいたしました今後はメールや電話を使ってご連絡いただければ幸いです またSNSを使っての近況報告も行なって参ります皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます |
高齢を理由に年賀状じまいをする場合
新年のお慶びを申し上げます
みなさまお変わりございませんでしょうか そのため誠に勝手ながら本年をもって 長い間心温まる年賀状をいただきありがとうございました これからは電話やメールなどにて連絡をいただければ幸いです 今後も変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願いします |
終活を理由に年賀状じまいする場合
謹賀新年 旧年中は大変お世話になりましたさて私も寄る年波を感じるようになり誠に勝手ではございますが 本年をもちまして新年のご挨拶状をご遠慮させていただきたいと考えておりますこれからはメールや電話にてご連絡をいただければ幸いですまた時代の流れに合わせて最近はSNSも始めましたので そちらで近況報告をさせていただく所存です今後とも皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたしております |
まとめ
毎年続けてきた年賀状のやりとりを終わらせることは勇気が必要ですが、年賀状じまいをすることで人間関係を整理することは、終活にとって大きなメリットがあります。
本当に親しく付き合っていきたい人との新たな関係を築き上げるきっかけにもなるのでおすすめです。