法要の際やお盆の時期になると、お供えにお菓子を頂いたり飾ったりすることも多いでしょう。
しかし、日頃から毎日お供えするものではないお菓子は、どのように飾ればよいのか、何を選べばわからないと悩む方も多いかもしれません。
この記事ではお供えするお菓子の飾り方、選び方だけでなく贈る際に気を付けるべきマナーについてもご紹介します。
目次
仏壇にお菓子は毎日お供えするもの?
ここでは仏壇にお菓子を毎日お供えするのか、どのようなタイミングでお供えするのかを解説します。
基本のお供えは五供
お供えの基本は五供(ごくう)で、香・花・灯燭(とうしょく)・浄水・飲食(おんじき)の総称です。
その中でも毎日、お供えするものが浄水と飲食(おんじき)です。
浄水は水やお茶、飲食(おんじき)は仏飯・おもち・お菓子・果物のいずれかをお供えしますが、仏飯やお菓子が主なお供えです。
お菓子を供える場合、賞味期限の長いお菓子を選びましょう。
弔問や法要・お盆の際にはお菓子を供える
弔問や法要・お盆のときにはお菓子を供えることがほとんどです。
弔問や法要・お盆のときにお菓子を持っていくときは賞味期限が長いお菓子を選ぶだけではなく、個包装タイプのお菓子を選びましょう。
仏壇にお供えするお菓子の選び方とおすすめのお菓子
さまざまなお菓子が販売されていますが、仏壇にお供えするお菓子はどのように選べばいいのか迷うこともあります。
ここではお菓子の選び方とおすすめをご紹介します。
常温で置いておけるもの
まずは常温で置いておけるお菓子を選びましょう。
常温のお菓子であればしばらくお供えしたままにでき、特にお盆のときに室温を気にする必要がありません。
たとえば以下のお菓子です。
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昔は盆菓子とも呼ばれる落雁をよくお供えに使っていました。
落雁は砂糖でできていて、ハスや菊などいろいろな形に成型します。
洋菓子であれば以下のお菓子がおすすめです。
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お菓子をどのような環境に置くかはわからないこともあります。
そのため、痛みにくいお菓子を選んでお供えしましょう。
日持ちするもの
お供えするお菓子は常温で置いておけることのほかに、日持ちするものすなわち賞味期限が長いお菓子を選びましょう。
お盆や法事などのお供えは、来客にお下がりとして配ることもあるからです。
以下は日持ちがするお菓子の一例です。
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フードロスにしないためにも日持ちするものを選ぶか、賞味期限を確認して期限内に食べましょう。
個包装のもの
仏壇に供えるとき箱に入れたまま供えることもありますが、仏壇の中に供えるときは箱から出さなければいけません。
そのため、どのようなお供えの仕方にも対応できるように、個包装のお菓子がおすすめです。
個包装なら、お菓子同士を重ねてお供えができたり下げたあと配ったりもできます。
また食べる分だけ包装から出すため、衛生的です。
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詰め合わせで種類が複数入っているもの
法事やお盆のときなど、同じお菓子を頂くこともあります。
そのため、1種類だけのお菓子ではなく、いろいろな種類が入っている詰め合わせのお菓子もおすすめです。
種類が複数入っているといろいろな味を楽しむことができるうえに、好みがわからない場合も対応できるメリットがあります。
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仏壇のお供えには向かないお菓子
仏壇のお供えにおすすめのお菓子があれば、向かないお菓子もあります。
ここではお菓子の種類をご紹介するため参考にしてください。
ただし例外として、故人が好きなお菓子であれば問題はありません。
生ものなど常温保存できないもの
生ものをはじめとした常温保存できないものはお供えには向きません。
たとえば生クリームを使ったお菓子などです。
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ただし、故人が生クリームを使った洋菓子が好きだった場合はお供えすることもあります。
その際はお参りをしたらすぐに下げていただきましょう。
臭いがきついもの
故人が食べられるのは実際のお供え物ではなく、そこから漂う香りという考えがあります。
五供の一つに香があるように、線香をお供えしてその香りで供養します。
そのため、線香の邪魔をしないためにも、お供えする飲食は臭いがきつい食べものは避けましょう。
たとえば以下の食べものです。
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お供えに選ぶ食べものは臭いがきついタイプはありません。
それでも臭いがしないか気を付けることは大切です。
おめでたいイメージがあるもの
日持ちがするからと言って、昆布やかつお節などおめでたいイメージがあるものは向いていません。
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これらは慶事の引き出物で使われることが多いため、仏壇のお供え物に選ばないようにしましょう。
仏壇へのお菓子の供え方
お供え用のお菓子を用意したり貰ったりしたら、さっそく仏壇にお供えしましょう。
ここでは作法に従ったお菓子の供え方をご紹介します。
高坏や供物台
お菓子をお供えするとき、まずは箱や袋から出しましょう。
そしてそのまま仏壇にお供えするのではなく、高坏(たかつき)や供物台に盛ります。
高坏や供物台の違いは下記を参照してください。
高坏 |
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供物台 |
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高坏に盛るとき、奇数でピラミッドを作るようにすると見栄えがよくなります。
また、お供え物は高坏や供物台に直接置くのではなく、半紙を敷いたその上に置きましょう。
置く場所は仏壇の段の数で異なるため、注意が必要です。
たとえば、仏壇が上段・中段・下段と分かれている場合、高坏は中段に置きましょう。
また供物台があれば仏壇の前に設置し、お菓子をその上に置いてください。
宗派や仏壇のタイプによって置く場所や向きが異なることもありますが、多くの宗派では高坏の数や置く場所に決まりはありません。
そのため、ご自宅の仏壇に合わせた置きやすい場所に配置しましょう。
お供えが終わった後は食べてOK
お供えが終わったお菓子や果物などは、基本的に食べても大丈夫です。
お供えして下げたものはお下がりといいます。
仏様からのお下がりを食べることは、仏様と交流し、生かされていることを学ぶ行為と考えられています。
お供え物に個包装タイプが好まれるのは、お供えしやすいだけではありません。
お下がりを配布しやすかったり、持ち帰りやすかったりするからです。
お供え物はお参りに来てくれた方の気持ちです。
そのため、お下がりはお参りに来てくれた方とも分けて、みんなで楽しくおいしく食べましょう。
お供え物のお菓子などを選ぶときは、お下がりのことまで考えて持っていくと喜ばれます。
お供えにお菓子を贈る際のマナー
お供え物のお菓子を贈ることもあります。
贈る側になるとさまざまなマナーが気になりますが、意外と知らない方も多くいらっしゃるでしょ。
ここでは、お供えにお菓子を贈る際のマナーを解説するため、参考にしてください。
弔事用ののしをかける
通常、お菓子を持っていくとき包装紙の上にのしをかけます。
のしは故人への敬意を表しています。
のしには種類があるため、間違えることのないようにしましょう。
通夜・葬儀・法事・四十九日・一周忌ではのしや水引が違います。
以下の表で水引の違いや表書きを確認してください。
通夜・葬儀 | 法事 | 四十九日 | 一周忌 | |
水引の色 |
(全国共通) |
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のしの表書き |
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弔事用ののしは表書きを書いたら、その下に贈り主の氏名を書きます。
名前を書くとき、通夜・葬儀は薄墨、法事や四十九日は通常の黒の墨で書きましょう。
違いがある理由は、通夜・葬儀は「突然の不幸に対して墨に時間をかけずに急いで来ました」という意味があるからです。
一方、法事や四十九日などはあらかじめ予定が決まっているため、通常の墨を使って書きます。
また、お菓子を手渡しする場合は包装紙の上にかける「外のし」にしましょう。
宅配便で送る場合は包装紙の内側にかける「内のし」にしてください。
自分で直接仏壇に供えない
お供え物を持って来訪した場合、お供え物を自分で直接仏壇に供えてはいけません。
来訪した際に家族に「御仏前にお供えしてください」と言葉を添えて渡しましょう。
また、紙袋に入れて持参した場合は、渡すときに紙袋から出して渡すことがマナーです。
お供え用のお菓子の相場とお返しの相場
お供え用のお菓子の相場はシーンや関係性で異なります。
下記の金額を参考にしてください。
通夜または葬儀 | 2,000~3,000円 |
四十九日 | 5,000~15,000円 ※ただし、香典の金額込みのため、香典の金額を引いた額がお菓子の金額になる |
法事 | 5,000~10,000円 |
お盆 | 3,000~5,000円 |
またお返しの相場は貰った金額の3分の1から半分が目安です。
まとめ
お仏壇にお供えをする場合、さまざまなマナーがあります。
ここではそれらについて解説してきました。
失礼がないように守ることも大切ですが、お参りをしっかり行うことも大切です。
ここでの内容を参考にして、失礼のないようにお参りをしましょう。