全国に多くの信者を抱える創価学会ですが、仏壇の扱いについて、他の仏教の宗派とは異なる特徴があります。
今回は、創価学会の仏壇について紹介します。
目次
創価学会の仏壇の選び方について
まずは創価学会の仏壇の特徴や選び方などを紹介します。
仏壇の特徴
創価学会の仏壇は、故人を供養するためだけのものではなく、日々の「勤行」のために用いる信仰の対象でもあります。
そのため、創価学会を信仰する家庭で亡くなった方がいない場合にも、自宅に仏壇を安置して、ご本尊に向かって勤行を行います。
創価学会の「勤行」とは、朝と夕の1日2回「法華経」の二十八品のうち、「方便品(ほうべんぽん)」の節と「寿量品(じゅりょうほん)の自我偈(じがげ)」の二節を音読し、「南無妙法蓮華経」と題目を唱えることです。
一般的な仏教とは異なり、仏壇が「勤行」のために用いる信仰の対象というのは、創価学会の仏壇の大きな特徴と言えるでしょう。
種類に特に決まりはない
創価学会には、仏壇の種類や仕様に関する決まりはありません。
実際、古くから創価学会を信仰している家庭では、荘厳な雰囲気の「伝統型仏壇」を安置していることがほとんどです。
一方、マンションやアパートなどの住環境では、インテリアに馴染みやすい「モダン仏壇」やコンパクトな「上置きタイプ」、「壁掛けタイプ」の仏壇が選ばれています。
仏壇のカラーや材質についても特に決まりはないので、予算や住環境に合う仏壇を選べば問題ありません。
中古のお仏壇の購入や譲渡も可能
創価学会にご本尊はあっても、位牌のような魂入れをしたものは取り扱いません。
そのため、「ご本尊を自宅に安置したい」という気持ちがあれば、中古の仏壇でも問題なく供養できます。
また、後に仏壇が不要になった際には、創価学会専門の仏壇であれば専門業者に売り渡すことも可能です。
創価学会専門の仏壇店に足を運ぶ
一般的な仏壇仏具店では、創価学会専門の仏壇は店頭で扱っていない場合もあるため、注意しましょう。
創価学会専門の仏壇オンラインストアから選ぶこともできますが、長く使うことを考えると、専門の仏壇店に足を運んで実物を見てから選ぶことをおすすめします。
創価学会専門の仏壇店一覧
創価学会の仏壇は、以下の専門店から購入できます。
金宝堂 | https://www.sgibutsudan.com/ |
金剛堂 | https://kongodo.co.jp/ |
誓願堂 | https://soka-gakkai.jp/ |
広布堂 | https://www.kofudo.co.jp/ |
桜梅桃李 | https://www.oubaitori.com/ |
赤澤朝暘 | https://shop.akazawachoyo.co.jp/ |
創価学会の仏壇の本尊の飾り方
創価学会では「南無妙法蓮華経」と書かれたご本尊を仏壇の中央に祀り、お厨子で覆うのが特徴です。
実際にご本尊を祀っている方は、普段や掃除のときなどでもなるべくご本尊を触らないよう丁重に扱います。
このように、信仰の根本対象である「ご本尊」が安置された仏壇は、日々の信仰の対象です。
創価学会の仏壇の仏具などの飾り方
ここでは、創価学会の仏壇にお供えされる仏具などを紹介します。
おしきみ
創価学会の仏壇には花の変わりに「おきしみ」と呼ばれる植物をお供えします。
おきしみは「樒(しきみ)」という植物を丁寧に表現した言葉で、神棚で言うところの「榊(さかき)」です。
樒はこまめな水の交換が必要な植物なので、天然のもの以外に造花も販売されています。
創価学会の仏花は生花でなくてもよいため、植物が傷みやすい夏場は造花を使用する家庭も多いようです。
徳利(とっくり)
創価学会の仏壇にはご本尊をまつるお厨子の両脇に徳利を2本1組で飾ります。
徳利と呼びますがお酒を入れることはなく、創価学会のシンボルマークとして、八葉・鶴丸などが蓋の部分に施されているのが特徴です。
最近ではクリスタルやアクリルを使った徳利もあるため一見飾りのように見えますが、 本来はご本尊が動かないように固定する役目があります。
三色旗
旗が風によって右側になびいたときに、左に青・中央に黄・右に赤が見える創価学会の三色旗を仏壇にも飾ります。
三色は、それぞれ「平和(青)・栄光(黄)・勝利(赤)」を表し、一人ひとりの幸福と平和の実現を目指す創価学会の理念の象徴です。
仏壇の他にも、三色旗を屋外や商店などに飾る方もおられます。
位牌は飾らない
創価学会では、仏壇に位牌を飾りません。
そもそも、創価学会は「死者の霊魂は存在しない」という立場で、位牌を「ただの故人の名札だ」と言って否定しています。
これは、位牌には亡くなった人の霊魂が宿ると考え、日々手を合わせる対象としている一般的な仏教とは異なる点です。
まとめ
創価学会にとっての仏壇とは、故人を敬うためだけでなく「ご本尊」が安置された信仰の対象です。
そのため、創価学会を信仰する家庭で亡くなった方がいない場合にも、多くの方が自宅に仏壇を安置して、日々勤行を行います。
さらに、仏壇に故人の位牌は飾らず、仏花の変わりに樒をお供えするのも特徴です。
創価学会の仏壇は一般的な仏教の仏壇とは異なる役割がありますが、種類に関しては特に決まりがないため、予算や住環境に合う仏壇を選べばよいでしょう。