仏壇の掃除やお手入れはどうやってやればいい?ポイントや注意点について解説

仏壇 掃除  アイキャッチ

仏壇は定期的に掃除することで、美しい状態を長く保つことができます。

しかし、いざ仏壇を掃除するとなると、「どのように掃除をすればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

仏壇の掃除方法は日用品のお手入れとは大きく異なるため、注意点やポイントを理解しておくことが大切です。

そこで今回は、仏壇の掃除方法・お手入れについて詳しく解説します。

仏壇は自分で掃除できる?

扉が開放された金仏壇

仏壇を常に掃除してきれいな状態を保つことは、仏様やご先祖様への何よりの敬意とされています。

とはいえ、「大切に扱っている仏壇を素人が掃除してもよいのか」と心配する方や、「専門業者に依頼するほうがよいのでは?」と思う方も多いでしょう。

仏壇のお手入れや掃除は、ポイントさえ押さえておけば自分で掃除できます。

たしかに専門業者に依頼するのも一つですが、気軽に依頼できる価格ではありません。

それに、自分で掃除するほうがコストを抑えられるうえに、ご先祖様への感謝の気持ちを表すことにもつながります。

そのためにも、仏壇の掃除における注意点・ポイントをきちんと理解しておきましょう。

仏壇の種類別のお手入れ・掃除方法

仏壇のお手入れと掃除の方法は仏壇の種類によって異なるため、注意が必要です。

仏壇の種類には、大きく分けて「唐木仏壇(からきぶつだん)」と「金仏壇」があります。

それぞれの掃除方法を確認しておきましょう。

唐木仏壇の掃除方法

唐木仏壇とは、美しい木目を生かした仏壇のことで、厳密には「黒檀」や「紫檀」などの輸入銘木から作られた仏壇を指します。

しかし、ケヤキや桑などの国産銘木から作られたものや白木に塗装したもの、木目を印刷したものやシートを貼ったものなども含まれるのが一般的です。

唐木仏壇は日頃から小まめにお手入れをしていればホコリもたまりにくいため、掃除は比較的簡単です。

「唐木」や「塗り」の部分は水気をしっかり絞ったやわらかい布で拭き、細かい彫刻部分は毛ばたきでホコリを払いましょう。

取り外し可能な仏具は取り外し、仏壇掃除用の毛筆でホコリを落としてください。

真鍮製の仏具は研磨剤で磨き、仕上げに仏壇を乾拭きして仏壇クリームを塗れば掃除は完了です。

金仏壇の掃除方法

豪華な作りの金仏壇

金仏壇とは、全体に黒の漆塗りが施され、内部に煌びやかな金箔が張ってある仏壇のことです。

金仏壇の掃除は、唐木仏壇に比べて慎重に行う必要があります。

不用意に素手で触ると、金箔が剥がれてしまったり指紋が取れなくなったりする恐れがあるためです。

特に金箔が剥がれてしまうと、専門業者に依頼して貼り直さなければなりません。

修理費用が高額になる可能性もあるため、金箔の部分は毛ばたきでホコリを払う程度にしておきましょう。

また、塩分に弱くサビやすい金属部分は、素手で触らないように注意が必要です。

仏像や位牌、繊細な細工が施してある部分などは、仏壇掃除用の毛筆を使ってホコリを払ってください。

他にも、盛菊輪灯(もりぎくりんとう)や吊灯篭(つりどうろう)などの破損しやすい仏具は、自分で無理に取り外して掃除することは避けましょう。

仏壇を掃除する際のポイント

仏壇の掃除に使う道具

仏壇を掃除する際には、一般的な掃除道具や日用品、仏壇・仏具店で取り扱っている専門の道具などを使用します。

いずれも100〜1,000円程度で購入できるものなので、事前に用意しておくとよいでしょう。

便利な仏壇の掃除道具には、以下のものがあります。

道具名 用途・注意点など
ストッキング (使い古し) 仕上げに拭くことで光沢が出る
Tシャツや肌着 (使い古し) 毛羽立ちの少ない綿100%がおすすめ
綿棒 細かい部分の掃除に使用
ティッシュペーパー ちょっとしたホコリを拭き取る
新聞紙 取り外した仏具を置くのに使用
白手袋 薄地の布手袋(軍手はNG)
仏壇清掃用クロス 市販の化学雑巾でもよい
大小の毛ばたき (仏壇掃除用の筆) ホコリを払う
仏壇クリーム 仏壇にツヤを出す
ロウ落とし (ロウ取り用スプレー) ろうそくのロウを落とす
金属磨き 仏壇の金属部分、金属の仏具を磨く

掃除の流れ

仏壇の掃除前に手を合わせる人

仏壇を掃除する際の具体的な流れは、以下の通りです。

  1. 手を合わせてお参りをする
  2. 仏壇の写真を撮影する
  3. 仏壇の仏具をすべて出す
  4. 仏壇・仏具を掃除する
  5. 仏壇クリームを塗る
  6. 乾拭きをする
  7. 再び手を合わせ、ご本尊とご先祖様に掃除の終了を報告する

黙って掃除を始めるのはご本尊やご先祖様に対して失礼にあたるとされているため、まず仏壇に手を合わせてお参りをします。

日頃のお参りと同様に線香をあげて、「今からお仏壇の掃除をさせていただきます」と挨拶をしましょう。

次に、仏具の配置がわからなくなったときのために、仏壇の写真を撮影しておきます。

続いて仏具を取り外し、新聞紙の上に置いておきましょう。

仏壇のホコリを払う際は、基本的に上から下に向かって行います。

手が届きにくい部分は、毛ばたきを使ってホコリをきれいに払いましょう。

手が届く部分や細かい隙間部分などは、仏壇掃除用の毛筆を使ってホコリや汚れを落とします。

毛筆だけでホコリや汚れが落ちない部分は、仏壇掃除専用クロスや化学雑巾などを使ってきれいにしてください。

仏具は種類によって材質も違うため、掃除方法が異なります。

漆塗りやプラスチック塗装の仏具は、乾拭きで軽く拭き取りましょう。

金属製の仏具は金属磨きで磨くときれいになりますが、メッキ塗装の仏具は磨くことができません。

メッキ塗装されている仏具を見極めるのは難しいため、不安な場合は最寄りの仏壇・仏具店に相談するのがよいでしょう。

ある程度ホコリを払い終えたら、仏壇クリームを塗ります。

使い古しのTシャツにクリームを染み込ませると非常に塗りやすいですが、細かい隙間などは綿棒を使って塗りましょう。

仏壇クリームを塗り終えたら、やわらかい布や使い古しのストッキングなどを使って仏壇を乾拭きします。

仏壇の掃除が終われば、写真を確認しながら仏具を元の位置に戻してください。

最後にもう一度線香をあげて手を合わせ、ご本尊とご先祖様に掃除の終了を報告して完了です。

仏壇の掃除をするタイミングについて

仏壇の掃除は、「日常的に行う簡単な掃除」と「定期的に行う本格的な掃除」に分かれます。

日常的な掃除

仏壇を長くきれいな状態で保ちたいなら、日常的に掃除しておくことをおすすめします。

毎日掃除するのは大変だと思われるかもしれませんが、手を合わせる際に毛ばたきでホコリを軽く払う程度であれば継続しやすいものです。

「毎日は手を合わせない」という方は、数日に1度や週に1度でも問題ありません。

負担にならない頻度で、継続的に掃除することが大切です。

お盆やお正月に掃除をする

花柄の盆提灯

1年に数回は本格的な掃除を行うことで、仏壇は長持ちします。

正月やお盆など、親戚が集まって仏壇にお参りをする時期に合わせて掃除をするのがよいでしょう。

他にも、先祖や故人の命日や誕生日などに合わせて掃除をするのもおすすめです。

仏壇の掃除をする前に確認しておきたいこと

仏壇の掃除をする前に、以下の点を確認しておきましょう。

  • 掃除の前に仏壇の写真を撮っておく
  • 足場のがたつきがないか確認する
  • 天気を確認する

掃除の前に仏壇の写真を撮っておく

掃除をする前に、スマートフォンなどで仏壇全体の写真を撮影しておきましょう。

掃除後は仏具を元の位置に戻しますが、配置がわからなくなってしまうこともあるからです。

仏壇の写真を撮影しておけば、配置を忘れてしまったとしても写真を見ながら仏具を元の位置に戻せます。

足場のがたつきがないか確認する

足場の安定性を確認してから、仏壇の掃除に取りかかることも大切です。

大きい仏壇や高いところにある仏壇を掃除する際は、椅子や踏み台などの足場を用意しなければならない場合もあるでしょう。

しかし、この足場が不安定な状態で掃除を始めてしまうと、掃除の最中に倒れてケガをする恐れがあります。

不安定な椅子や踏み台を足場として使用しないように、くれぐれも注意してください。

天気を確認する

晴れた青空と太陽

仏壇を掃除する際は、事前に天気を確認することが大切です。

仏壇は湿気に弱いため、湿気が室内に入りやすい雨の日や湿度が高い日は避け、湿度が低い晴れた日に掃除するのが望ましいです。

ただし、「その日しか時間が取れない」などの理由で、雨の日や湿度が高い日に仏壇の掃除をしなければならないこともあるでしょう。

その場合は、掃除をした後の乾拭きを丁寧に行い、エアコンや扇風機をかけて湿気を飛ばしてください。

仏壇の掃除をする際の注意点

仏壇を掃除する際は、以下の3点に注意しましょう。

  1. 水拭きは基本的にしない
  2. 金箔や金粉に注意する
  3. 配線に注意する

水拭きは基本的にしない

仏壇を掃除する際は、基本的に水拭きをしてはいけません。

金仏壇の場合、金箔が剥がれてしまったり漆部分に拭き跡が残ってしまったりするためです。

また唐木仏壇の場合は、木材に水が染み込んでカビが発生する恐れがあります。

仏壇の拭き掃除は、ストッキングなどのやわらかい布で乾拭きするようにしましょう。

ただし、なかには「花粉がこびりついた汚れ」や「水垢・手垢」など、乾拭きではなかなか落とせない汚れもあります。

「しつこい汚れを水拭きできれいにしたい」という場合は、水気をしっかり絞ったやわらかい布で水拭きし、すぐに乾いた布で拭き上げてください。

他にも、アルコールスプレーや洗剤を使用しないことも重要なポイントです。

金箔や金粉に注意する

金細工が施された仏壇の灯籠

仏壇の金箔が貼られている部分や、金粉が施されている部分は触らないようにしましょう。

金箔は非常に薄いため、軽く触れただけで傷が付いたり剥がれたりしてしまうためです。

また、汗や皮脂が付着することにより、金箔や金粉が剥げてしまう可能性もあります。

金箔や金粉が施されている部分は、強くこすったり磨いたりせず、毛ばたきや仏壇掃除用の毛筆などでホコリを払う程度で十分です。

配線に注意する

一般的に、仏壇の内部は外付けの電灯で灯されています。

仏壇を掃除する際は、電灯の配線にも注意が必要です。

配線に足をひっかけて自分が転倒したり、仏壇・仏具を倒してしまったりしないように細心の注意を払いましょう。

仏壇の掃除はプロに依頼することもできる

スマホを操作する女性の手

自分で仏壇を掃除するのが不安な場合は、プロ(専門業者)に依頼するのも一つの方法です。

専門業者に依頼すれば自分で掃除する手間が省けるうえに、品質が高い掃除を行なってもらえます。

依頼する費用

仏壇の掃除を専門業者に依頼した場合の費用は、5~20万円程度です。

専門業者の多くは、仏壇の大きさごとに異なる料金を設定しています。

小型の仏壇であれば5~6万円が相場ですが、高さが1mを超えるサイズの仏壇であれば12~15万円ほどかかると考えておいてください。

自分で掃除する場合に比べて費用は高くなりますが、落とすのが難しい汚れなども専門業者はきれいにしてくれます。

数年に1度くらいは、専門業者に仏壇を掃除してもらうほうがよいでしょう。

掃除だけでなく修復も依頼できる

専門業者に依頼できるのは、仏壇の掃除だけではありません。

通常の掃除に加えて、洗浄・クリーニング(お洗濯)・漆の塗り直しや金箔の貼り直しなどの完全修復も依頼できます。

仏壇を新品同様の状態に戻すことができるため、仏壇の経年劣化がひどい場合は修復を依頼するとよいでしょう。

まとめ

今回ご紹介した注意点・ポイントを押さえておけば、基本的に仏壇は自分で掃除できます。

定期的に掃除することで仏壇は長持ちするため、日常的なお手入れに加えて1年に数回は本格的な掃除をしてください。

ただし、繊細な作りの金仏壇については、清掃時に細心の注意を払う必要があります。

自分で掃除するのが不安な場合は、専門業者に依頼することも検討してみてはいかがでしょうか?

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