遺影写真は仏壇に飾っても大丈夫?飾り方や飾る際の注意点について紹介
故人の遺影写真を飾る場合は、飾り方や注意点があるため、しっかりと把握しておく必要があります。
特に、仏壇の中に遺影写真を置かないようにしなければなりません。
今回は遺影写真の飾り方について紹介します。
目次
遺影写真とはどんなもの?
祭壇や仏壇に飾られた遺影写真を目にしたことがあっても、遺影写真が飾られる理由や場所、期間などについて知っている方は少ないかもしれません。
遺影写真を誤った方法で飾らないよう、以下では、遺影写真の基礎知識についてご紹介します。
遺影写真とは
遺影写真とは、故人の亡くなる前の姿が写された顔写真または肖像画のことです。
遺影写真は亡くなった方を偲ぶために飾られるものであり、宗教的な意味は含まれていません。
また、遺影写真には故人の魂が宿らず、仏具にも分類されないため、葬儀で用いるかどうかは遺族が自由に決められます。
しかし、実際は故人の顔を思い出しながらお見送りできるようにと、ほとんどの遺族が葬儀で遺影写真を飾っています。
遺影写真を飾る場所と期間
遺影写真は、葬儀後四十九日が過ぎるまで「後飾り祭壇」に設置するのが一般的です。
故人の魂は四十九日の法要で次の世界に行くとされており、その間、後飾り祭壇は故人の魂を仮安置する場として使用されます。
後飾り祭壇は四十九日を過ぎたタイミングで片付けられるため、飾っていた遺影写真は、自宅で破棄もしくはお焚き上げで処分します。
もちろん、処分せずに自宅の仏壇付近や仏間に置いて、そのまま飾り続けることも可能です。
サイズについて
サイズについてのルールはありませんが、一般的には「祭壇用」と「仏壇用」で大きさが異なります。
祭壇用の遺影写真は、四つ切サイズ(254mm×305mm)やA4サイズ(210mm×297mm)など、遠くからでも故人の顔がはっきりと見えるような大判サイズが用いられます。
一方で仏壇用の遺影写真は、キャビネサイズ(130mm×180mm)やL版(89mm×127mm)など、自宅の仏壇に飾れるような小さめのサイズがよいでしょう。
遺影写真の飾り方
遺影写真はどのように飾ればよいのでしょうか。
以下では、遺影写真の正しい飾り方を詳しくご紹介します。
仏壇の側に飾る
遺影写真は、仏壇からできるだけ近い所に飾るのがよいとされています。
遺影写真を仏壇に直接置いてしまうと、仏壇の中に祀られているご本尊が隠れて見えなくなってしまうため、設置場所には注意が必要です。
仏間や床の間に飾る
仏壇の側に遺影写真を置くスペースがない場合は、仏間や床の間の利用もおすすめです。
仏間や床の間は、家の中で最も高い場所であり、高さのある場所に故人の写真を置くと、故人へ畏敬の思いが伝わると言われています。
また、ご先祖様の遺影写真が複数枚ある場合は、右から古い順に飾りましょう。
遺影写真を飾る際の注意点
遺影写真が、四十九日の過ぎた後もしばらく自宅に飾られる光景は、現代でもよく見られます。
遺影写真を自宅で飾り続ける場合は、以下の2点に注意しましょう。
仏壇の中に直接飾らない
遺影写真を仏壇の中に直接飾るのはマナー違反です。
仏壇は成仏した故人の霊が仏様となって降りてくる場所であるため、仏壇の中には遺影を置かないのが正しい飾り方と言えます。
よって、遺影写真は仏壇の近くに小さい机や台を置いてから飾りましょう。
仏壇に写真を置く場合は下段の手前に
仏壇の近くに机や台を置いて遺影写真を飾るのが難しい場合は、仏壇の下段の手前に飾っても問題ありません。
ただし、仏壇の中央に遺影写真を置くとご本尊や位牌が隠れてしまうため、左右どちらかに寄せて設置する必要があります。
また、遺影写真を仏壇の真上に設置すると、ご本尊を上から見下すことになってしまうため、仏壇の真上は避けるのが無難です。
遺影をおしゃれに飾る方法とは?
黒縁のイメージが強い遺影写真ですが、現在ではピンクや紫、ベージュなどのさまざまな色の額縁が展開されています。
また、遺影をデータ化して設置する「デジタル遺影」も登場しており、遺影写真を自宅のインテリアや部屋の雰囲気に合わせて飾ることも可能です。
以下では、遺影写真をおしゃれに飾る方法を3つご紹介します。
額縁やフレームをインテリアと合わせる
部屋の雰囲気を壊さずに遺影写真を飾りたい場合は、額縁やフレームの色をフローリングや壁紙に合わせるのがおすすめです。
額縁の色や素材の選び方に決まりはなく、自由なものを選べるため、インテリアに合ったものを選ぶとよいでしょう。
デジタル遺影を飾る
おしゃれに遺影写真を飾りたい場合は、デジタル遺影もおすすめです。
デジタル遺影のメリットは、デジタルフォトフレームやタブレットに写真を映し出し、スライドショー形式で表示できることです。
デジタル遺影であれば、サイズの大きい写真や複数枚の写真をコンパクトにまとめられるため、空間の邪魔になりません。
先祖代々の遺影を保存し、一緒に設置してもよいでしょう。
おしゃれな台や棚を作る
遺影写真用を置くために、おしゃれな台や棚を作るのもおすすめです。
仏壇の近くに置く台や棚に工夫を凝らすだけで、見た目の印象や雰囲気が変わります。
まとめ
遺影写真とは、故人を忘れないようにと飾られる写真や肖像画のことです。
遺影写真は四十九日まで後飾り祭壇に飾られ、四十九日を過ぎた後は処分をするかそのまま自宅に飾るかを選択できます。
遺影写真は黒縁のイメージがありますが、現在では色や素材などのバリエーションが豊かになり、インテリアや部屋の雰囲気を壊さずに飾ることが可能です。
遺影写真は仏壇の側や下段に正しく飾り、ご本尊や位牌が隠れないように注意しましょう。