仏壇に置く位牌は、安置するタイミングによって用意すべき種類が異なることをご存じですか。
また、位牌の素材にはいくつか種類があり、選ぶ際には素材やサイズに考慮して選ぶ必要があります。
今回は仏壇に置く位牌について詳しく紹介します。
目次
位牌とは?
![位牌とは_イメージ画像](https://syukatsukawaraban.com/wp-content/uploads/2022/02/位牌とは_イメージ画像.jpg)
位牌とは、故人の魂が宿る場所とされている木牌のことです。
そのため、私たちは仏壇に位牌を安置して供養を行います。
位牌に記されているのは以下の4つの項目です。
故人の戒名 (法名・法号) |
仏様の弟子になった証で、極楽浄土へ行けるようにとつけられる死後の名前 |
俗名 | 生前に使っていた本名 |
没年月日 | 亡くなった日 |
享年 | 故人が亡くなった際の年齢で、数え年で表す |
また、位牌はもともと儒教で使われており、鎌倉時代に中国から日本に持ち込まれました。
現在のように位牌を仏壇に祀るように変わったのは、江戸時代に入ってからと言われています。
仏壇に位牌を置く理由
![仏壇に位牌を置く理由_イメージ画像](https://syukatsukawaraban.com/wp-content/uploads/2022/02/仏壇に位牌を置く理由_イメージ画像.jpg)
位牌を仏壇に置くのには3つの理由があります。
仏教の発展に起因
本来、仏壇は信仰の中心となる本尊をお祀りし、仏様に捧げる場所です。
しかし、日本では「先祖を敬う考え方」が重要視され、この考えを信仰に取り入れた仏教が発展していきました。
そのため、本来は仏様をお祀りすべき仏壇が一般家庭に置かれるようになると、本来の役割に加えて先祖の位牌をお祀りすることが当たり前となったのです。
近代になって仏壇への考え方が変わった
時代の変化に伴い、自分が仏教徒であるという意識は薄れつつあります。
いつしか仏様をお祀りすることよりも先祖を供養するほうが大切だと考える人が増えていきました。
その結果、「仏壇は先祖の位牌をお祀りして供養する場所」という考え方が広まったと考えられています。
位牌を置かない場合も
仏壇に位牌を安置することは一般的ですが、浄土真宗のように位牌を置かない宗派もあります。
なぜなら、浄土真宗を信仰する人の生活と仏様は今でも深く結びついており、信仰の中心が仏様であるからです。
このような宗派では、位牌の代わりに過去帳を置くことがあります。
位牌の種類
![位牌の種類_イメージ画像](https://syukatsukawaraban.com/wp-content/uploads/2022/02/位牌の種類_イメージ画像.jpg)
位牌には、「白木位牌」と「本位牌」の2種類があります。
白木位牌
白木位牌とは、四十九日法要を迎えるまで使われる仮の位牌のことです。
白い木で作られることが多く、この名がつきました。
四十九日法要を終えたあとはお寺に納めて「お焚き上げ」などを行なって供養します。
また、白木位牌には以下のような種類があります。
野位牌 | 葬儀の際にお墓に持っていき、お墓に供える位牌 |
内位牌 | 四十九日法要まで遺体や遺影と一緒に白木の祭壇に祀る位牌 |
本位牌
本位牌とは仏壇に祀る正式な位牌のことで、四十九日法要の際に寺院で「魂入れ(開眼供養)」を行なってもらってからお祀りします。
白木位牌は葬儀社が用意してくれるのが一般的ですが、本位牌は遺族が用意しなくてはなりません。
3種類の本位牌を紹介しますので、本位牌を選ぶ際の参考としてご一読ください。
札位牌(板位牌)
札位牌とは、1基につき故人1人分の戒名が記された位牌のことです。
板位牌とも呼ばれ、台座に札板がついた形をしています。
また、夫婦で1つの位牌にする場合には夫婦位牌が用いられ、向かって右側に夫、左側に妻の戒名などを記すのが一般的です。
繰り出し位牌(回出位牌)
繰り出し位牌とは、戒名が記された札板を複数枚収められる位牌のことです。
位牌を10枚程度収められるように屋根や扉、または箱型になっているものなどがあり、ご先祖様の位牌をまとめるのに便利な作りになっています。
複数の位牌がある場合は札板を命日の早い順に重ねておき、命日が過ぎたら1番後ろに回して次に命日を迎える札板を1番前に並べる、というのが繰り出し位牌の正しい扱い方です。
寿牌(逆修牌)
生前につけてもらった戒名で作った位牌を寿牌と呼びます。
寿牌を作る理由で最も多いのが、配偶者が亡くなったタイミングで一緒に戒名をつけてもらうというものです。
このように本位牌にはいくつかの種類がありますが、宗派に関係なく、どの本位牌を選んでもかまいません。
本位牌に使われる素材について
![位牌の素材_イメージ画像](https://syukatsukawaraban.com/wp-content/uploads/2022/02/位牌の素材_イメージ画像.jpg)
本位牌に使用される素材は実にさまざまです。
本位牌を選ぶ際の参考にもなるので、素材の特徴を抑えておきましょう。
白木地
白木地は、「位牌」と聞いて多くの人が思い浮かべる黒塗りの位牌のことです。
白木地の表面を漆塗りで仕上げていることから「塗り位牌(ぬりいはい)」とも呼ばれており、金や蒔絵などの装飾が施されているため、厳かな雰囲気があります。
黒檀や紫檀
黒檀(こくたん)や紫檀(したん)などの美しい色合いや木目を特徴とする木材を使用している位牌です。
これらの素材は熱帯地方原産の高級木材「唐木(からき)」が材料であるため、「唐木位牌(からきいはい)」とも呼ばれています。
木材以外
位牌の素材は木材に限りません。
最近では、クリスタルや陶器、樹脂などの素材を使った位牌が「モダン位牌」として若い人から高い人気を集めています。
伝統にとらわれない新しいスタイルの位牌なので、暗いイメージを持たれやすい位牌や仏壇の印象を明るく見せてくれるのが魅力です。
位牌のサイズについて
![位牌のサイズ_イメージ画像](https://syukatsukawaraban.com/wp-content/uploads/2022/02/位牌のサイズ_イメージ画像.jpg)
位牌を選ぶ際にサイズを気にする人も少なくないようです。
昔は家のお仏壇や位牌のサイズを、故人やその家の社会的立場に合わせて選ぶ風習がありました。
しかし、現代ではそのような風習はほとんど残っていません。
位牌のサイズは特に指定がないため、住宅事情や好みを優先して選びましょう。
位牌のサイズで迷う場合は、以下のポイントを参考にして選ぶのがおすすめです。
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また、位牌のサイズは「寸」単位で表示されているのが一般的です。
1寸は約3cmで、この寸法は札の高さを指していますので、選ぶ際に気を付けましょう。
まとめ
![位牌に手を合わせる人](https://syukatsukawaraban.com/wp-content/uploads/2022/02/位牌に手を合わせる人.jpg)
位牌には故人の魂が宿るとされています。
故人の供養に欠かせない位牌にはさまざまな種類がありますが、宗派などに関係なく自由に選ぶことができます。
位牌の種類や素材、サイズなどを比較し、亡くなった故人を偲ぶのに適した位牌を選ぶことが大切です。