最近は、洋風の部屋に合わせたおしゃれな仏壇が増えています。
現代風なモダン仏壇やナチュラルなミニ仏壇、コンパクトな手元供養ステージなどさまざまです。
そこで今回は、おしゃれな仏壇や選び方を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
おしゃれな仏壇とは?
おしゃれな仏壇が登場したことで、さまざまな部屋に仏壇を設置できるようになりました。
それまで仏壇といえば、仏間や床の間に設置することが一般的でした。
現在は住宅事情や生活スタイルの変化に合わせて、リビングや洋室にも設置する方も増えています。
しかし、昔ながらの大きな仏壇や金箔が貼られた仏壇は、洋風の雰囲気やインテリアに合いません。
そのため最近では、細かい彫刻が施されたガラスを使用している仏壇や、パステルカラーでかわいい雰囲気の仏壇などがあります。
さらに、サイズのコンパクト化やインテリアの一部に溶け込むデザインなど、さまざまな工夫がされていることが特徴です。
販売されているおしゃれな仏壇は「モダン仏壇」「ミニ仏壇」「手元供養ステージ」など種類が豊富です。
以下では、3種類の仏壇に関する特徴をご紹介します。
モダン仏壇
モダン仏壇は、リビングや洋室に設置しても違和感がないデザインになっている床置きタイプの仏壇です。
呼び方はモダン仏壇以外に、家具調仏壇や都市型仏壇とも呼ばれています。
以下のような特徴があります。
● 昔ながらの仏壇と違い障子・宮殿・欄間彫刻がない ● 仏壇の中の照明にLEDライトを使用している ● 椅子やガラスがついていて洋風の雰囲気になっている ● ウォールナット・メープル・チークなどの洋家具と同じ木材を使っている ● どの宗教でも使えるデザイン ● ピンクやパープルなどのパステルカラーやモダンなカラーを使用 ● タンスやローボードなどの上に置けるサイズ ● 洋風和室やリビングなどの洋間に馴染むデザイン |
従来の仏壇である唐木仏壇や金仏壇は、伝統工芸品にも指定されているため、値段が高い傾向にあります。
しかしモダン仏壇は、木目調のシートを貼ったり金箔を貼らなかったりなどの工夫をすることで価格を抑えており、50万円前後が相場です。
モダン仏壇はコンパクトサイズですが、中に仏具を配置して使用することが一般的で、配置の方法も従来の仏壇と同じです。
また、宗派によってご本尊は異なりますが、モダン仏壇も最上位に祀りましょう。
ミニ仏壇
ミニ仏壇とは、コンパクトで棚やタンスの上などの狭いスペースにも設置できる仏壇です。
家具の上に置くことから、上置き仏壇ともいいます。
以下の目安サイズを参考にしてください。
高さ | 幅 | 奥行き | |
一般的な仏壇 | 130~160cm | 50~60cm程度 | 50~60cm程度 |
ミニ仏壇 | 40~60cm | 30~45cm | 25~35c程程度 |
号数では20号を目安にしましょう。
仏壇は台が付いていれば床に置くことができますが、ミニ仏壇は台が付いていないため、直置きできません。
反対に、棚の上やタンス、ローボードなどの上に設置できるため、今まで仏壇を設置することに対して迷っていた方も購入しやすくなりました。
デザイン性も高く、仏具がたくさん収まるデザインや、一見仏壇とわからないデザインなどさまざまです。
そのため、部屋の雰囲気に合わせたデザインを選ぶことができます。
ただし、ほとんどのミニ仏壇がカタログやネット通販での購入となるため、仏壇・仏具屋に行ってもカタログを見て選ぶことになるでしょう。
ミニ仏壇の価格は台付き仏壇よりも価格が抑えられており、相場は3万円前後~20万円前後で購入できます。
手元供養ステージ
手元供養ステージとは、手元供養の飾り台のことで、先ほど紹介したミニ仏壇のうちの一つです。
手元供養は、遺骨や遺灰を自宅に置いて供養するため、自宅供養とも呼ばれています。
● 仏壇を置くスペースがない ● いつも故人を近くで供養したい ● 部屋の雰囲気に合わない |
上記のような理由で仏壇の購入を迷う方におすすめなのが、手元供養ステージです。
手元供養ステージであれば専用のステージを置いて、そこに仏具と遺骨や遺灰を置くだけで仏壇が完成します。
手元供養ステージもミニ仏壇のように床に直置きするタイプではないため、ローボードやタンスの上などにステージを設置しましょう。
また、デザインや使用している材質はさまざまです。
たとえば、台と後ろ側に板が建っている立体的なタイプから下の台のみのシンプルなタイプまで揃っています。
仏具もステージに合わせてコンパクトでミニ骨壺やアクセサリーなどがあります。
どの宗教でも使用できるため、様式にとらわれることもなく気軽に設置できるのが特徴です。
価格は1万円以下からあり、高くても10万円程度です。
ただし、仏具は別売りになっていることが多いため、どこまで揃えるかで価格は変動します。
おしゃれな仏壇の選び方
仏壇はデザインだけでなく、サイズもいろいろあります。
そのため、購入する際には選ぶ基準が知りたいですよね。
ここではおしゃれな仏壇の選び方を見ていきましょう。
予算を決める
仏壇はデザイン・材質・大きさなどで価格が変わるため、最初に予算を決めましょう。
仏壇の平均の価格は30万円程度で、金仏壇や唐木仏壇などの高級品は数百万円します。
一方、モダン仏壇は10万円前後、ミニ仏壇は5~10万円前後で購入できます。
ただし、仏具を購入する場合は別で予算を組む必要があるでしょう。
サイズから選ぶ
サイズから選ぶことも大切な基準の一つです。
おしゃれ仏壇はコンパクトサイズのため、わざわざ部屋を用意する必要がありません。
ただし、設置する場所の高さ・幅・奥行きは異なります。
設置する場所のサイズに合った仏壇でなければ安定して設置できないため、デザインにこだわりすぎてサイズを見落とさないように注意しましょう。
また、購入時に参考とするサイズ表記は、仏壇の扉がしまった状態のサイズであることがほとんどです。
仏壇の扉は観音開きで、使用するときは扉を開けます。
扉は開けたままにしておくことも珍しくありません。
扉を開けたときに他の家具や壁などに当たらないかもチェックしましょう。
素材から選ぶ
おしゃれな仏壇に使用している素材は、ウォールナット・ナラ・無垢材などさまざまです。
さらに、使用している塗料も仏壇によって異なり、光沢の有無でも見た目が変わります。
部屋の雰囲気やインテリアに合った素材から選ぶことも方法の一つです。
たとえば、シックな雰囲気の部屋には落ち着いた色合いや光沢を抑えた仏壇などがおすすめです。
インテリアに合わせた素材にすることで、部屋の統一感を崩さずに仏壇を置くことができます。
宗派を確認して選ぶ
仏教には宗派があり、家庭ごとに宗派が決まっています。
そのため、宗派で決めている形の仏壇を購入するのが一般的です。
たとえば、浄土真宗の基本は金仏壇で、本願寺派は仏壇内に金柱があるタイプ、大谷派は黒い柱の仏壇を選ぶといった具合です。
しかし、おしゃれな仏壇は宗派を問わないタイプが多く、どの宗派でも使用できます。
このように仏壇に対する考え方も柔軟になっています。
ただし、ご本尊が目線より低くならないことや床に直置きしないことといった基本的な作法は守りましょう。
部屋の壁やインテリアの色に合わせて選ぶ
おしゃれな仏壇はカラーバリエーションも豊富です。
部屋に似合うおしゃれな仏壇を選ぶときは、壁や床、家具との色合いを合わせましょう。
たとえば、テーブルやフローリングの木目が強調されているタイプなら、ブラウン系のナチュラルなおしゃれ仏壇がおすすめです。
また、モノトーンやシックなデザインでまとめている部屋なら、黒やダークブラウンなどの黒系でまとめてあるスタイリッシュな仏壇が合います。
おしゃれ仏壇は従来の仏壇と比べるとコンパクトですが、部屋の雰囲気に合っていないと存在感が増してしまい、部屋の雰囲気を壊すこともあります。
そのため、可能な限り部屋の雰囲気に合う、または近い色のおしゃれ仏壇を選ぶことが大切です。
同じ黒でも光沢の有無によっても雰囲気が違うため、光沢の有無も合わせて検討しましょう。
おしゃれ仏壇はどこで買える?
おしゃれ仏壇は主にネット通販または仏壇・仏具店で購入します。
ここでは2つの購入方法のメリットや注意点をご紹介するため、参考にしてください。
ネット通販
手軽に購入できる方法はネット通販です。
一般的なショッピングサイトはもちろん、仏壇・仏具店の通販サイトや仏壇メーカーのネット通販サイトもあります。
ネット通販のため、サイズ表記で大きさを確認します。
しかし、実物を見るのと画面上の写真と数字だけで判断するのとでは、届いたときにギャップを感じることがあるでしょう。
さらに、写真だと実際の色合いと多少異なることもあるため、購入後に思っていたのと違うことも珍しくありません。
ネット通販で購入する際は、購入後に返品できるか確認しておくことが大切です。
仏壇・仏具店
おしゃれ仏壇は仏壇・仏具店でも扱っていますが、ネット通販ほど種類が豊富ではありません。
そのため仏壇・仏具店で購入する場合も、ほとんどがカタログから選ぶことになるでしょう。
ただし、少なからずおしゃれ仏壇を展示していることもあるため、実際に目で見て大きさ・品質・雰囲気を確認できます。
その他に仏壇の手入れ方法や作法などわからないこともその場で確認することも可能です。
おしゃれ仏壇の購入先を決めるポイント
購入場所はネット通販や仏壇・仏具店ですが、さらに購入先を決めるポイントをご紹介します。
全宗協加盟店かどうか
「全日本宗教用具協同組合加盟店」とは、経済産業省が認可を出している宗教用具業界で、唯一全国に展開している法人の組織です。
北海道から沖縄まで加盟している店舗があり、全日本宗教用具協同組合の認定店には組合員証が発行されます。
さらに「仏事コーディネーター」検定試験を実施しています。
これは仏事コーディネーター資格審査協会が実施している資格試験で、仏教・仏壇仏具・仏事などに関する知識が豊富にあることを証明している資格です。
そのため、有資格者に仏壇の相談をすると、疑問の解決を手伝ってくれます。
仏壇公正取引協議会加盟店かどうか
仏壇公正取引協議会は、消費者庁と公正取引委員会が認可・承認している組織で、先に説明をした全日本宗教用具協同組合とは別の団体です。
団体の目的は、購入者が安心して仏壇や仏具を購入できることです。
たとえば、原産国・原木の種類・価格などを正確に記載することなどを定めています。
また不当な二重表示を防止するために、品質表示と原産国表示にルールを決めています。
ルールは業界関係者で定めた後、消費者庁と公正取引委員会がチェックをして認めた内容です。
組合の店舗には協議会会員の証明になる会員証書と店頭ステッカーを配布しているため、購入者は店頭ステッカーがある店舗を選んで購入することが可能です。
仏壇をおしゃれに飾ろう!
仏壇の周りや仏具を変えると、おしゃれ度が増します。
ここではどの部分をおしゃれにするといいのかポイントをご紹介します。
おしゃれなお供え花を選ぶ
従来の仏壇は、宗派のルールに則って切り花をお供えします。
しかし、おしゃれ仏壇はどの宗派でも可能なため、ブーケタイプやガラスドームタイプのお供え用の花がおすすめです。
ブーケタイプはそのまま花瓶に入れるだけのため、長さを切りそろえたりバランスを考えたりする必要がありません。
またガラスドームタイプは、プリザーブドフラワーになっているタイプもあるため、いつまででもきれいな状態でお供えしておくことができます。
カラーも豊富にあるため、仏壇や部屋の雰囲気に合わせて選びましょう。
仏壇の周りにも気を配る
唐木仏壇や金仏壇は、仏間や床の間など専用のスペースに設置します。
しかしコンパクトサイズの仏壇は、日常生活の中で使用する部屋に設置するため、仏壇の周りも気を配ることがポイントです。
せっかくおしゃれな仏壇を購入しても、日常感が漂っていると台無しになってしまいます。
そのため、仏壇の周囲は何も置かないようにして、すっきりとした状態を維持しましょう。
遺影を変えてみる
遺影といえば黒いフレームに正面を向いた写真を入れるのが一般的です。
しかし、モダン仏壇やミニ仏壇などおしゃれ仏壇に同じタイプの遺影を飾ると、違和感が出てしまいます。
おしゃれ仏壇に使用する遺影は、後ろ姿や横顔はもちろん、家族と一緒に撮影した笑顔の写真など明るい雰囲気の写真を飾るのがおすすめです。
また、フレームの色も写真に合ったデザインにすると統一感がでて、さらにおしゃれになるでしょう。
おすすめのおしゃれ仏壇
ここからは仏壇の特徴ごとに分類して、おすすめのおしゃれ仏壇をご紹介します。
購入する際の参考にしてください。
ナチュラルな雰囲気に合う仏壇
ナチュラルな雰囲気の部屋におすすめの仏壇を3つご紹介します。
仏壇自体もナチュラルな雰囲気のため、どの部屋にも合わせやすいデザインです。
『ルミエール』 モダンミニ仏壇 パルテ ナチュラル 14号
観音開きではなく、押し込み式の扉が特徴の仏壇です。
そのため、扉を開けたときのスペースをあまり気にする必要がありません。
また、スリムでコンパクトサイズのため、幅の狭いローボードの上にも収まります。
収納用の引き出し付きで、スライドできる内部段を備えています。
可能な限り省スペースでお参りができるおしゃれ仏壇です。
『村上クラフト』 Rin(リン)モダンメープル 仏具セット
アパートや限られたスペースにも設置でき、美しく機能的なミニ仏壇です。
扉の部分に細いスリット線が入っていて、ホワイトガラスを使用しているステージに光が当たると凛とした雰囲気がより一層際立ちます。
ガラスステージは移動式です。
『メモリアル仏壇』 モダン仏壇サフラン 桜 15×40号
花梨の木を使い、前面に桜の花がデザインされている仏壇です。
明るく華やかで和室と洋室のどちらにも合うでしょう。
丸みがあるデザインのため、優しい雰囲気です。
モノトーンな雰囲気の仏壇
ここからはモノトーンな雰囲気の仏壇をご紹介します。
『ルミエール』 スタイリッシュ仏壇 「アーテル」 20号
光沢のあるブラックカラーの仏壇で、スタイリッシュな雰囲気が漂う上置きタイプです。
通常、扉を閉めてしまうと中は見えませんが、こちらの仏壇は扉の真ん中がガラス張りになっているため、扉を閉めても中が見えるのが特徴です。
中のLEDライトを付けると、光沢のある仏壇がさらに光輝き、幻想的な雰囲気を醸し出します。
『山田平安堂』 ミニ仏具セット
黒の漆が美しい、手元供養ができる仏壇です。
シックな写真立て・花生け・おりん・香炉などがすべてセットになっているため、統一感を崩してしまう心配はありません。
白基調のモダンな仏壇
ここからは「白」を基調にしたモダンな仏壇をご紹介します。
『村上クラフト』 コンパクトモダン Cubic(キュービック) シルキーアイボリー
シルキーアイボリーのため、やわらかい雰囲気が漂います。
また、外観はシャープな印象のデザインが施されているため、仏壇には見えないのが特徴です。
中はガラス製の段とスライド式のトレーでできています。
『未来創想』 ミニ仏壇 祈りのステージ・アリーナ ピュアホワイト(仏具セット)
オープンタイプのミニ仏壇で、オブジェのようなデザインが特徴です。
花生けと写真立てが一体型になっているため、見た目もすっきりします。
お祈りをするスペースが限られている方におすすめです。
アンティーク調のリビングに合う仏壇
アンティーク調のリビングに合う仏壇も見ていきましょう。
『ルミエール』 アンティーク調仏壇 ボヌール クラシック 脚付き&椅子付き
アンティーク家具専門の家具メーカーが製作した仏壇のため、扉を閉めると一見仏壇とはわかりません。
ヨーロッパのアンティーク家具をモチーフにしているため、木目が美しく、使用している金具もアンティーク加工を施しています。
和の雰囲気に合う「和モダン」仏壇
和風の部屋でもおしゃれな仏壇を設置したい方におすすめが「和モダン」です。
『メモリアル仏壇』 モダンミニ仏壇 月の雫 16号
扉は格子戸になっているため、京都の町屋を連想できるモダンなミニ仏壇です。
扉は観音開きではなく上下に開閉するため、省スペースの部屋にも設置できます。
『ルミエール』 和モダン仏壇 光彩 紫檀 上置きタイプ
古くから使われている高級木材の紫檀を贅沢に使用した仏壇です。
和と洋をバランスよく組み合わせているため、和室にも洋室にも合い、設置場所を問いません。
まとめ
少しずつ仏壇への考え方が変わり、さまざまなデザインや大きさのおしゃれ仏壇が販売されています。
そのため、宗派にこだわる必要がなく、住環境や生活スタイルに合わせて選ぶことができます。
さまざまな種類があるため、今回の記事を参考にして管理しやすいおしゃれ仏壇を選びましょう。