故人を供養するために欠かせない仏壇ですが、仏壇の価格は種類によって異なります。
デザインや工法、素材によっても左右されるため、購入をお考えの方はしっかりと把握しておくようにしましょう。
今回は、仏壇の価格について紹介します。
目次
仏壇の価格について
仏壇の価格は高いもので数百万円、安価なものであれば数万円と幅広く設定されています。
必要なときに適正な価格で購入できるように、基本的な価格を知っておきましょう。
仏壇の価格を左右する要素は主に4つ
仏壇の価格を左右する要素は主に4つです。
購入する前に、以下の4つの要素を把握しておきましょう。
デザイン
仏壇は飾りが多いほど高額です。
唐木仏壇の繊細な彫りや金仏壇に使われる金などは、豪華な印象になる反面手間がかかるため、価格に影響します。
デザインだけで価格を判断するのであれば、シンプルなものは安い傾向にあると思ってよいでしょう。
工法
仏壇が作られている工法によっても、価格は変動します。
工法の種類は以下の通りです。
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突板貼りは薄く切った板を貼る工法で、最も安価なものになり、下に行くほど価格も上がります。
また、工法とは別に「~調」と言われる、木目模様を印刷したシートを貼り付けた、プリント加工の仏壇もあります。
印刷シートを施した仏壇は安価でお手頃ですが、耐久性が弱く、時間の経過とともに剥がれてしまうのが難点です。
材質
材質も仏壇の価格が変わる要素の一つです。
高級素材である黒檀を使ったものは数百万円しますが、材質にこだわらず安価なものを選べば、価格は安く抑えられます。
お目当ての仏壇がどのような材質を使っているのか知りたい場合は、品質表示カードなどで確認するとよいでしょう。
産地
仏壇が作られている場所が国内か海外かで、価格は大きく変わります。
海外製は価格が安い分、国産の仏壇に比べると品質が劣ります。
一方、国内で作られた仏壇は、作り手の希少性が高いこともあり、価格の張るものが多い印象です。
しかし、細部まで緻密に作られており職人技が光る仏壇が多くあります。
唐木仏壇
唐木仏壇の費用相場は70〜100万円ほどです。
主に使用している材質、工法、仏壇の大きさなどによって価格が大きく異なります。
材質
唐木仏壇で使用される代表的な材質は以下の通りです。
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使われている材質によって、価格は大きく変わります。
白木に塗装がされているものや、木目調のプリントを施しているものであれば、価格は大きく下がるでしょう。
工法
唐木仏壇で用いられるのは表面仕上げの工法です。
表面仕上げの工法は以下の3つに分かれていて、特徴もそれぞれ違いがあります。
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唐木仏壇と言っても、非常に高級なものから安価なものまで幅広いランクがあるため、無理のない範囲での仏壇選びを心がけましょう。
仏壇の大きさ
唐木仏壇のサイズ表記は「尺」や「号」で表します。
1号=1寸で、1寸は約3cmです。
1尺は1寸の10倍を示します。
ただし、横幅に関しては扉を閉じた状態のサイズ表記という点に注意してください。
仏壇には扉が付いているため、表記の幅ピッタリの場所に置いてしまうと扉が開かなくなってしまう恐れがあります。
サイズ表記よりも余裕を持ったスペースを確保するようにしましょう。
金仏壇
金仏壇の相場は100〜150万円です。
1番の特徴ともいえる金箔が内部に貼ってある点や、職人による組み立てが分業制という点も高額の要因です。
また金仏壇は、浄土真宗で推奨されていると言われていますが、他の宗派で使用するケースもあります。
モダン仏壇
近年、リビングのインテリアにも合うと人気の高いモダン仏壇ですが、相場は50万円前後です。
木材を使用したものからガラス素材のものまであり、おしゃれなデザインは洋室に置いても違和感がないことから、近年人気が高まっています。
全体的にシンプルなデザインなので、比較的安価な仏壇と言えるでしょう。
上置き仏壇
上置き仏壇の一般的な価格は、30万円前後です。
幅30cm程度の小さなサイズは数万円から販売されており、逆に幅50cm程の大きめサイズでは30万円ほどします。
デザインや材質によっては50万円を超えるものもありますが、仏壇の中では比較的手にしやすい価格です。
上置き仏壇は、近年のライフスタイルに合わせて設計されていて、フローリングの部屋に設置してもしっくり馴染むように小型化が進んでいます。
仏具セットの価格の相場
仏壇は、仏具を買い揃えて飾ることで使用可できます。
仏具の費用の内訳は、仏壇や納まる仏具の大きさによっても異なりますが、仏壇価格の1〜2割ほどと考えておけばよいでしょう。
また、仏具はバラバラに購入するよりも、セット販売されているものをおすすめします。
仏具セットであればコーディネートしやすいうえに買い漏れの心配もなく、単品で購入するよりもリーズナブルに揃えることができます。
仏壇の購入方法
いざ仏壇を買おうと思っても、どこで購入すればいいのかわからない人もいるかと思います。
仏壇は2通りの方法で購入可能です。
仏壇・仏具店で購入する
基本となるのが、現物を確認できる仏壇・仏具店で購入する方法です。
ただし、近場に仏壇・仏具店がない場合には、少し足を延ばしてお店を探す必要があります。
または、葬儀会社やお寺で聞いてみましょう。
他にも葬儀社との打ち合わせ中に、購入の話が出ることもあります。
お店選びでは、品揃えや質がよいのはもちろんのこと、店員や店の雰囲気も重要なポイントです。
仏壇や仏具の相談に乗ってくれるような、感じのよい店を選ぶと気持ちよく購入できるでしょう。
インターネットの通販サイトで購入する
インターネットの通販サイトは、メーカーや卸問屋が直接運営していることも多く、実店舗で購入するよりもお得に購入できる可能性があります。
また、種類が多く在庫も確認できるため、自分の理想の仏壇を見つけられるでしょう。
わざわざお店まで足を運ばなくとも、自宅でいつでも購入できるのは魅力的です。
仏壇を購入する際の注意点について
仏壇を購入する際には、注意しておきたい点がいくつか存在します。
困った事態に陥らないためにも、しっかりと確認しておきましょう。
仏壇を置く場所のスペースや位置を確認する
まず、仏壇を置くスペースを確保し、サイズを測っておきます。
確保していたスペースより仏壇のほうが大きければ置くことができなくなってしまうため、注意が必要です。
幅・奥行き・高さを測ったらお店に行き、測ったサイズよりも小さい仏壇を探しましょう。
仏壇のサイズは家具や棚の上などに置く場合でも、安全に設置するための大事なポイントです。
宗派の違いを確認する
仏壇を購入する際には、宗派の確認が重要です。
特に、伝統型仏壇を購入する際には必ず確認しましょう。
たとえば、浄土真宗は金仏壇、本願寺派は一重破風屋根で金箔張りの柱といったように、宗派ごとに使用する仏壇が異なったり特徴があったりします。
他にも地域によってさまざまな決まりがあるため、もしわからない場合は地域の人に聞いてみるとよいでしょう。
納期について確認する
仏壇の多くは受注生産という形を取っているため、購入したからといってすぐに手元へ届くわけではありません。
もし四十九日までに設置したいという場合は、その日までに配送が間に合う仏壇を選ぶ必要があります。
気に入った仏壇を選ぶ場合は、納品がいつになるのか確認しておくと安心でしょう。
仏壇の購入時期に決まりはないため、生前に選んだり購入しておいたりしても問題ありません。
また、四十九日に必ず用意しておかなければならないルールもないため、焦って用意する必要もないでしょう。
ただし「四十九日や一周期など節目までに買う」というようにあらかじめ決めておくと、仏壇選びをスムーズに進めることができます。
まとめ
仏壇は大きな買いものなので、自分が求めるポイントを明確にし、値段の相場を把握して、焦らずに選びましょう。
最近の仏壇はデザインやサイズが豊富で選択肢も増えているため、住宅環境に合ったものを選べます。
末長く愛用できる仏壇を買えるよう、今回の内容を参考にしてみてください。