神式の仏壇は祖霊舎!神棚や神具、お供えものについても解説します!

神式 仏壇 アイキャッチ

神社にお参りに行ったり初詣でおみくじを引いたり、他にもお守りを購入したりなど、神道は日本人にはとても身近な存在で、仏教に次ぐ日本の代表的な宗教です。

しかし、「神式の仏壇や位牌ってどんなもの?」「神棚について知りたい!」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、神式の仏壇や位牌について詳しくご説明します。

神式について

神道

私たちの日常生活と切り離すことができない神道ですが、どのようなものかを正しく理解している人は少ないでしょう。

この記事では、仏教と比較しながら神式の基本について解説します。

神式は神道の儀式

神式とは、神道の決まりに基づいて行われる儀式のことです。

日本で最も多くの人に信仰されている宗教は仏教ですが、この決まりに従って執り行われる儀式を「仏式」と呼びます。

神道や仏教など、信仰の違いによって葬儀やお祀りの仕方はさまざまです。

神道を信仰する人は、仏教とは異なる決まりごとを正しく理解してお祀りするようにしましょう。

神道とは

神道は日本独自の民族宗教で、古くから信仰されてきた自然信仰が起源と言われています。

神道では地上に存在するあらゆるものに神が宿ると考えられ、日本人は太古から山や火、岩などの自然を信仰してきました。

そこに先祖崇拝などの考えが加わり、現在の神道になったと言われています。

亡くなった人や祖先の御霊はその家の守護神となり、死後の世界から子孫を守っているというのが神道の教えです。

神式の仏壇、祖霊舎(それいしゃ)について

神式のお供え物

神道において祖霊舎は欠かすことができない存在です。

これから祖霊舎を安置する人は、事前にその目的や正しい祀り方、注意点などについて確認しましょう。

祖霊舎は、神式の仏壇にあたる祭壇

祖霊舎とは、神道を信仰する人が安置する祭壇のことです。

祖先の霊を祀るのが目的で「神徒壇」などとも呼ばれます。

仏教と神道の大きな相違点は、仏教では仏壇を安置して仏像をお祀りするのに対し、神道では祖霊舎を安置して家の守護神として祖先の霊を祀るという点です。

祖霊舎は「五十日祭」までに準備する

祖霊舎は、祖先の魂の依り代である「御霊代(みたましろ)」を、神職にお祓いしてもらう「五十日祭」までに準備をしておかなくてはなりません。

神式は仏教と違い、葬儀の後10日ごとに「霊祭(れいさい、みたままつり)」と呼ばれる法事を行い、五十日祭をもって故人を守護神として祀ることができます。

五十日祭とは仏教でいう四十九日にあたり、この日が忌明けとされています。

したがって、祖霊舎を新しく用意する場合は早めに対応したほうがよいでしょう。

安置の際の注意点

祖霊舎を安置する際は、方角・位置の2点に気を付けましょう。

祖霊舎は明るい方に向けて安置するのがよいとされており、南向きもしくは東向きに置くのが望ましいと言われています。

しかし特に決まりがあるわけではないので、必ずしも南向きや東向きでなくても問題はありません。

ただし、真北に向けて安置することは避けてください。

また、祖霊舎と神棚の両方を設置する場合は、祖霊舎を神棚よりもやや低い位置に安置することが大切です。

祀り方

祖霊舎にお供えする際には、神棚と同様に下のものを準備します。

榊は毎月1日と15日に新しいものと取り替えましょう。

それ以外のお供えものは、毎日取り替えるのが基本です。

お参りの作法

祖霊舎は、神社や神棚と同様に「二拝・二拍手・一拝」の作法でお参りします。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. 二拝:腰を90度に折り曲げ、2回深く頭を下げる
  2. 二拍手:胸の高さで両手を合わせ、2回拍手をしてから両手を合わせて祈念する
  3. 一拝:手を下ろし、もう一度深々と頭を下げる

また、祖霊舎と神棚の両方がある場合は、神棚にお参りした後に祖霊舎に拝礼します。

自宅用の祖霊舎を選ぶポイント

祖霊舎にはさまざまな種類がありますが、自宅用を選ぶ際は毎日参拝することを念頭に置いて選ぶとよいでしょう。

祖霊舎の一般的な種類は以下の通りです。

祖霊舎のタイプ 特徴 高さ
小型 最もコンパクト 30cm程度
上置型 棚などの上に置くことができる 45~75cm程度
台付型 床に直接置くことができる 150~175cm程度
地袋付型 地袋付仏間に対応している 100~130cm程度

上記の中では台付型が最も種類も豊富ですが、他にも「モダン祖霊舎」などがあり、おしゃれでコンパクトなデザインが人気を集めています。

祖霊舎は長く使うものなので、しっかりと比較検討してご自宅に最適なものを選びましょう。

お手入れの仕方

祖霊舎の多くは、ヒノキやケヤキなどの木目が美しい素材を使用した白木造りです。

美しさを維持するためには日頃のお手入れが重要で、白木を傷つけないように優しくハタキをかけてホコリを取り除きます。

お手入れはこまめに行うのが望ましく、できる限り毎日、少なくとも3日に1回は行うようにしましょう。

仏壇と両方祀る際の注意点

祖霊舎と仏壇を同じ部屋で祀ること自体は、何ら問題ありません。

しかし、両者はできるだけ離れた場所に安置し、以下の2点に注意しましょう。

  • 仏壇は祖霊舎より低い位置に祀る
  • 仏壇と祖霊舎は向かい合わせにならないようにする

神様と仏様では、神様のほうが上位とされています。

この考えに基づいて配置するため、祖霊舎は仏壇よりも高い位置に祀らなくてはなりません。

また、仏壇と祖霊舎を向かい合わせに安置することを「対立祀り」と呼び、家相的によくないとされるため、避ける必要があります。

これは、どちらかにお参りする際にもう一方にお尻を向けることになり、神様・仏様に失礼にあたるためです。

神式の位牌、御霊代について

守護神

御霊代とは

御霊代とは仏教の位牌に相当するもので、「霊璽(れいじ)」とも呼ばれています。

仏教では戒名を位牌に記しますが、神道には戒名はありません。

その代わり、神社の神職から「霊号(れいごう)」をつけてもらい、御霊代に記します。

神道では、家庭に御霊代を祀ることで、故人や祖先が守護神となって子孫を守ってくれると考えられています。

御霊代は目に触れてはいけないもの

御霊代はとても神聖なもので、直接目に触れてはいけないとされています。

仏教の位牌は仏壇に祀っていつでも目にできますが、御霊代はより厳重に扱わなくてはなりません。

具体的には、祖霊舎に納める際は覆い(鞘)をかぶせ、中央奥に安置します。

さらに、内扉は常に閉めるか戸張をかけて、決して目に触れないようにしておきましょう。

御霊代の納め方

御霊代を納めるタイミングは、以下の2回です。

1回目は葬儀から「五十日祭」を迎えるまでの間で、仮祭壇にお祀りします。

2回目は「五十日祭」のタイミングで、ご先祖様の御霊代と一緒に祖霊舎にお祀りします。

神棚について

神棚

祖霊舎と神棚は似ていますが、お祀りするものや決まりごとなどに違いがあります。

神棚を祀る目的をしっかりと理解し、必要に応じて用意しましょう。

神棚とは

神棚は神様を祀る場所で、故人や祖先を祀る祖霊舎とは目的が異なります。

神棚には「宮形」と呼ばれる神社の本殿を模して、白木で造られたものを安置しましょう。

ちなみに、棚だけではなく上に安置した宮形も含めて神棚と呼びます。

神棚を祀る場所

神棚を祀る方角は、南向きもしくは東向きにしましょう。

そして、できるだけ高い場所がよいとされているため、家の最上階の天井近くに設置するのが理想的です。

しかし、家の間取りなどによっては難しいケースもあるので、必ずしもこだわる必要はありません。

可能な限り明るく清浄な場所に神棚を設置して、神様をお祀りしましょう。

神札と神棚の種類

神棚には神様をお祀りしますが、具体的には神社より授かった神札を納めます。

神札のサイズは統一されておらず、いただいた神札が収まる神棚を選ばなくてはなりません。

特に、高さは神札によって差があるため、事前に測ってから購入しましょう。

上記以外にも、神棚を選ぶときには以下の3点を意識するとスムーズです。

  • 神棚をお祀りするスペース
  • 神札の枚数や種類
  • 神棚の素材や金具

神棚は基本的に神札の大きさや枚数などを基準に選びますが、素材や金具の種類なども豊富なので、好みに合わせて自由に選びましょう。

神札の納め方

神棚には大きく分けて「三社宮」「一社宮」の2種類がありますが、おのおので神札の納め方が異なります。

三社宮の場合

三社宮とは、正面から見たときに扉が3か所ある神棚です。

中央に神宮大麻、向って右側に氏神神社、左側に崇敬神社をお祀りします。

一社宮の場合

一社宮とは、正面から見たときに扉が1か所ある神棚です。

お祀りする神札が1枚しかない場合や、設置スペースに限りがある場合などに選ばれています。

手前から神宮大麻、氏神神社、崇敬神社の順に重ねてお祀りします。

神式の仏具、神具について

神具

神式でお参りする際には、独自の神具が必要です。

以下で詳しく説明していきます。

神具とは

神具とは、神道の祭祀の際に用いられる道具のことです。

仏教では仏壇に仏具を備えてお参りしますが、同じように神道でもさまざまな神具を使って神棚や祖霊舎をお祀りします。

なお、神棚の神具は他のものと共用しないように注意が必要です。

基本的な神具

一般的な神具を6点紹介します。

水玉

水玉は新鮮な水をお供えするための器です。

神皿

神皿には塩とご飯を盛りつけてお供えします。

瓶子

瓶子は一対で用意し、お酒を入れます。

榊立

榊立も一対で用意し、榊を差してお供えします。

榊は花屋などで手軽に手に入りますが、人工のものでもかまいません。

神鏡

神鏡は神棚に置く鏡を意味し、荘厳な雰囲気の神棚に仕上げるために欠かせない神具です。

火立

火立とはろうそく立てを意味します。

神式のお供えものについて

神式では、お供えものにおいても決まりごとがあります。

お米・水・塩

米、水、塩の3つは神饌(しんせん)の基本となる大切なお供えものです。

毎朝お供えして夕方に下げるのが基本ですが、可能な範囲で行えば問題ありません。

毎日のお供えが難しいという場合は、「毎月5の付く日にお供えする」などのルールを決めてもよいでしょう。

大切なのは神様や守護神をお祀りする気持ちです。

榊は神と深い関わりがあるとされています。

たとえば、神様と人との境界を示す「境の木」という意味や、常に緑色で1年中生い茂っていることから「栄える木」という意味があるとされ、神棚や祖霊舎には欠かすことのできないものです。

榊は榊入れに差し、必ず一対でお供えしましょう。

お酒

お酒も瓶子に入れて一対でお供えします。

その他のお供えもの

神棚や祖霊舎には、祭事の際に以下のようなものをお供えします。

  • 野菜
  • 果物
  • お菓子
  • 初物や珍しいもの

ただし、ニンニクやネギなどの香りの強いものは避けましょう。

まとめ

神式とは自然信仰が起源の民間信仰で、仏教とは違い故人や祖先をお祀りするのが特徴です。

祖霊舎や神棚など神式独自に用意するものがあり、祀り方や神具なども決まりに従う必要があります。

祖霊舎や神棚にはさまざまな種類があるため、設置スペースやお祀りするものの大きさなどは事前に確認しておきましょう。

とはいえ、神式では決まりを守ることも大切ですが、毎日お祀りしてこそ意味があります。

ご自身にとってお祀りしやすい祖霊舎や神棚を選び、感謝の気持ちをもってお参りしましょう。

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