日蓮正宗の仏壇の選び方とは?仏壇の種類や飾り方についても解説!

日蓮正宗 仏壇 アイキャッチ

日蓮正宗の仏壇は、他の宗派に比べて祀り方に対するルールの多さに特徴があります。

仏壇や仏具を選ぶ際には、ルールについてしっかりと確認をしておきましょう。

今回は日蓮正宗の仏壇を選ぶ基準のほか、種類や飾り方も解説します。

日蓮正宗の仏壇の選び方

蓮の花

日蓮正宗の仏壇は専門店で購入すべき

日蓮正宗は他の宗派とは考え方が違う点も多く、仏壇の飾り方にもさまざまな違いがあります。

宗派の違う仏壇を選んでしまったり、飾り方を間違えたりするのは、ご先祖様や仏様に対して大変失礼です。

ご本尊の祀り方や仏具の飾り方に関して詳しいスタッフがいる、日蓮正宗専用の仏壇を取り扱っている仏壇仏具店で購入しましょう。

厨子が内蔵されている仏壇を選ぶ

一般的な仏壇とは異なり、日蓮正宗の仏壇の中には「厨子(ずし)」というお社があります。

厨子は両開きの扉がついた長方形の箱で、屋根のあるタイプがほとんどです。

他の宗派で使われる厨子型の仏壇の場合、中にご本尊や位牌などを安置しますが、日蓮正宗では、厨子の中にはご本尊のみを納めます。

日蓮正宗の仏壇の種類

仏壇

厨子型仏壇

厨子型仏壇は、日蓮正宗の仏壇の中で最も一般的な仏壇です。

仏壇の中に厨子が内蔵されており、金色に装飾された厨子内部にご本尊を納めます。

デザインや機能にはさまざまなタイプがあり、仏壇の扉を厨子型にして簡略化したものや厨子扉がリモコンで稼働するものなどがあります。

家具調仏壇

家具調仏壇は、外から見ると家具のようなデザインになっているのが特徴です。

扉を開けると、厨子型仏壇と同様に金色の装飾が施された厨子が内蔵されており、ご本尊を安置できるようになっています。

扉を閉じているとタンスなどと同じような外観なので、リビングや客間などにも自然になじむのが魅力です。

コンパクト仏壇

コンパクト仏壇は台や家具の上に設置する上置型仏壇を指し、大きな仏壇を設置できないアパートやマンションなどにお住まいの方に支持されています。

なかには厨子扉がなく、厨子の前面がガラス張りになっていて外からご本尊にお参りできる仏壇もあります。

日蓮正宗の仏壇の本尊について

お参り

仏壇に安置するご本尊は仏像や掛け軸が一般的ですが、日蓮正宗のご本尊は他とは異なり「十界勧請の大曼荼羅」という曼荼羅図です。

この大曼荼羅は、開祖である日蓮大聖人の教え「南無妙法蓮華経」など迷いと悟りの世界を10領域に分けた十界の名前を描いたもので、世界に一つしか存在しません。

そのため、仏壇に祀るご本尊には、法主(ほうしゅ・ほっす)が直筆で大曼荼羅を書き写したものを使用します。

この紙に書かれた書写本尊を、表具を使って掛け軸にしつらえて安置しましょう。

またこの掛け軸は、基本的には菩提寺から貸し下げていただくことになっています。

日蓮正宗の仏壇で使用する仏具

香炉とおりん

三具足(五具足)

普段のお参りには「香炉花立ろうそく立て(燭台)」の三具足(みつぐそく)を使用します。

三具足は、ご先祖様や仏様に、香りと美しい花、そして灯りをお供えする仏具です。

法要や法事などの公式の場では、花立とろうそく立てを一対にした五具足(ごぐそく)を使用して、より豪華に仏壇を飾るのが好ましいとされています。

なお、日蓮正宗では、花瓶には「しきみ」という植物をお供えします。

仏飯器・茶湯器

仏飯器は、自分たちが食べるより前に、ご本尊に炊きたてのご飯をお供えするために使う器です。

また茶湯器は、「朝の汲み始めの水」をご本尊にお供えするための仏具です。

他の宗派では水以外にお茶・お湯などでもよいのですが、日蓮正宗では「水のみ」と決まっています。

そのため、お店によっては茶湯器ではなく「水入れ」と呼んでいる場合もあります。

日蓮正宗の仏壇の飾り方

しきみ

仏像と位牌は使用しない

他の宗派では、仏壇の中にご本尊の仏像や掛け軸を安置するのが一般的です。

しかし、日蓮正宗では大曼荼羅をご本尊として祀るため、仏像は存在しません。

これは日蓮正宗の教えの中で、「仏様の体や遺骨を拝むことはよくないこと」と記されているためで、仏様は法華経の中に存在すると考えられているからです。

そのため、仏像ではなく大曼荼羅をご本尊として祀ることになっています。

同様に、他の宗派とは異なり、日蓮正宗では使用しないのが本位牌です。

葬儀では白木位牌を使用しますが、四十九日に納骨をする際に白木位牌はお寺に納めます。

位牌の代わりに過去帳を利用するため、普段のお参りにも問題はありません。

没年月日や戒名、俗名、死亡年齢などを記した過去帳を仏壇の最下段の中央に置き、朝と夕方のお参りを行いましょう。

仏壇を置く向き

仏壇を設置する向きに関しては、日蓮正宗では特に決まりはなく、どの方向でも問題ありません。

そのため、仏壇やご本尊が傷まないように、直射日光や雨風が当たらない場所に仏壇を設置するとよいでしょう。

また、日々のお参りのしやすさや法要などで来客があるときのことも考えて、設置場所を決めるのがおすすめです。

飾り方や並べ方

まずは厨子の中にご本尊を安置します。

そして、ご本尊の前に仏飯器茶湯器を設置しましょう。

上段に置けない場合には、一段下の中央に置いても問題ありません。

中段中央には前机を置き、三具足または五具足を飾ります。

法事などの正式な場では、より格式の高い飾り方が望ましいため、前机には「打敷き」という四角形の布を掛けてから仏具を置きます。

下段中央には過去帳、その外側にお供えの果物やお菓子を乗せた高杯一対を設置し、さらにその外側に生花を入れた花立一対を飾ります。

日蓮正宗でお供えする花瓶に飾ってよいのは「しきみ」という植物だけなので、その他の仏花などをお供えしないようにしましょう。

そして、仏壇の前には経机(きょうづくえ)を置き、香炉などお参りに使用する仏具を並べます。

日蓮正宗では線香は寝かせて焚くため、長方形の角香炉を使用してください。

香炉を中央に置き、左側にはマッチ消しや線香立て、右側には経典や数珠、おりんを置きます。

日蓮正宗とはどんな宗教?

お坊さん

日蓮正宗は、建長5年(1253年)に日蓮大聖人が宗旨を建立したことにより始まり、弟子の日興(にっこう)が開創した宗派の一つです。

開創以来750年の歴史をもち、由緒正しい仏教の宗派と位置付けられています。

総本山は多宝富士大日蓮華山大石寺で、宗祖である日蓮大聖人の妙法蓮華経の教えを信仰しています。

お釈迦様の教えだけが残り正しい行いや悟りがなくなった末法の世において、日蓮大聖人を仏と考えるのが日蓮正宗で、日本だけでなく海外でも広まっている宗派です。

まとめ

大石寺の桜

日蓮正宗は、仏壇の選び方や仏具の飾り方が他の宗派と違う部分も多く、仏壇仏具店の中には日蓮正宗向けのものを取り扱っていないお店も少なくありません。

また、名前が似ている日蓮宗も日蓮大聖人が開いた宗派ではありますが、釈迦を本仏としており、考え方やご本尊、仏壇、仏具なども異なるので間違えないようにしましょう。

ご先祖様や仏様に日々のお参りをするために仏壇を購入する際は、日蓮正宗の仏壇を専門的に取り扱っているお店に相談して決めるのがおすすめです。

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