仏壇の打敷(内敷・敷物)とはどんなもの?種類や使い方について解説!

仏壇 敷物(内敷)(打敷) アイキャッチ (1)

仏壇に飾り付けられる打敷(内敷・敷物)ですが、種類によって形やサイズが大きく異なることをご存じでしたでしょうか?

また、打敷には飾るタイミングがあるため、常に飾りっぱなしにしないようにしましょう。

今回は、仏壇の打敷について解説します。

打敷について

お正月の仏壇-

打敷とは

打敷(うちしき)とは、仏壇を煌びやかに飾るための荘厳具の一つで、三具足を飾る卓(しょく)に敷く布のことです。

「内敷」「内布」「打布」と呼ばれることもあります。

打敷は金糸を用いた織物の金襴(きんらん)で作られており、形は宗派によって異なります。

法要やお彼岸などの際に、季節に合う生地を使った打敷を仏壇に飾るのが一般的です。

打敷の意味

打敷は「張る」「敷もの」という意味があり、仏壇の卓上に布をピンと張って敷く様子からその名前が付けられました。

もともとは、お釈迦様が石の上や地べたの上に座って説法をする際に、弟子が自分の着物を敷いたことが始まりと言われています。

打敷の種類について

東本願寺の仏壇の飾り-

三角打敷

逆三角形の形をしている三角打敷は、浄土真宗で使われる打敷です。

卓の幅よりも大きいサイズを選び、左右に少し垂れるように飾るのが正しいと言われています。

また、浄土真宗本願寺派であれば「下り藤」、大谷派の場合は「八つ藤」というように、宗紋をデザインした打敷を使う場合もあります。

四角打敷

浄土真宗以外の宗派や禅宗系では、長方形の形をしている四角打敷を使用します。

サイズは卓と同じ幅で、宗紋が入っているものや金糸銀糸を用いた織物など、さまざまなタイプのものがあります。

中陰用の打敷

中陰」という、亡くなった故人の四十九日を迎えるまでの期間には、白無地銀色の打敷を飾ります。

本来は専用のものを用意するのが望ましいですが、もし難しい場合は、お手持ちの打敷を裏返して白い面を表にして代用しましょう。

季節ごとの打敷の違い

6月頃から9月の彼岸入りまでの期間は、夏用の打敷を使用します。

絽(ろ)や紗(しゃ)といった薄手の生地が使われ、正絹だけでなく綿やポリエステルの素材もあるため、見た目にも涼しげなのが特徴です。

彼岸入りから5月までの間は、冬用の厚手の打敷がふさわしいでしょう。

使われる期間が長いことから種類も豊富で、機械刺繍で作られた安価なものから正絹の織物や手刺繍で作られた高価なものまで幅広く揃っています。

打敷の使い方

東本願寺の仏壇の飾り-

打敷を使うタイミング

打敷は法事や法要を行う際に、仏壇を普段よりも荘厳な雰囲気にするために使用するため、普段は使いません。

法要お彼岸月命日お正月お盆など特別なときに敷くのが一般的です。

しかし、なかには普段から打敷を飾り、法要や法事の場合にはいつもよりも豪華な打敷を飾るというご家庭もあります。

また浄土真宗では、宗祖である親鸞聖人の命日に行う法事の際に打敷を使用します。

打敷を飾る場所

宗派や仏壇によって打敷を飾る位置は異なりますが、前卓や上卓、机に飾るという点では共通しています。

前卓や上卓、机というのは三具足(もしくは五具足)を飾る場所です。

打敷を挟むための板があり、本体と板の間に打敷を挟んで飾りましょう。

打敷をかける方法

仏壇の中で打敷をかける作業を行うと、ぶつけたり落としたりなどのトラブルになりかねません。

そのため、まずは卓を仏壇から取り出しましょう。

卓の上にあるを外し、本体の上に打敷の白い布の部分を乗せます。

浄土真宗で使用する三角打敷の場合は、左右にはみ出す部分を斜めに折りこんで、前から見たときに下に下がるように整えます。

四角打敷は卓と打敷の幅が同じなのでそのまま垂らし、本体と板で挟んで完成です。

打敷をかけ終えたら卓を仏壇の中に戻し、具足を飾りましょう。

打敷を使う際の注意点

打敷は常に使うものではないため、あまり高価なものを選んでしまうと、もったいないように感じてしまうかもしれません。

また、基本的に洗濯はできませんので、汚れたりお線香やろうそくの火で焦げてしまったりした場合には、買い替える必要があります。

お釈迦様がお座りになる場所に敷いたことが由来である打敷は、常に綺麗な状態にしておきましょう。

打敷のサイズについて

メジャー

打敷のサイズを選ぶ際は、まず仏壇の卓の横幅を測ります。

浄土真宗の三角打敷は「代」、四角打敷は「寸」を単位に用いるのが基本です。

三角打敷のサイズ

三角打敷には名古屋寸京寸の2種類があり、実寸が同じでも表記が違っていることもあるので、選ぶ際は気を付けましょう。

卓の横幅 名古屋寸 京寸 打敷の横幅実寸
5寸以下(15.15cm) 5寸 15.2cm
6寸(18.18cm) 20代 24.2cm
7・8寸(21.21〜24.24cm) 30代 50代 27.3cm
9寸(27.27cm) 40代 70代 37.9cm
1尺(30.3cm) 50代 100代 42.4cm
1尺2寸(36.36cm) 70代 150代(小) 48.5cm
1尺4寸(42.42cm) 80代 150代(大) 53cm
1尺6寸(48.48cm) 100代 200代 62.1cm
1尺8寸(54.54cm) 150代 250代 79cm
2尺(60.6cm) 200代 300代 91cm

四角打敷のサイズ

卓の横幅 サイズ表記 四角打敷の横幅実寸
4.5寸以下(13.63cm) 5寸 15.2cm
5寸(15.15cm) 5寸 15.2cm
6寸(18.18cm) 6寸 18.2cm
7寸(21.21cm) 7寸 21.2cm
8寸(24.24cm) 8寸 24.2cm
9寸(27.27cm)  9寸 27.3cm
1尺(30.3cm) 尺0 31.8cm
1尺2寸(36.36cm) 尺2 36.4cm
1尺4寸(42.42cm) 尺4 42.4cm
1尺6寸(48.48cm) 尺6 48.5cm
1尺8寸(54.54cm) 尺8 54.5cm
2尺(60.6cm) 200代 65.1cm

打敷の相場は?

プライスカード

打敷は価格帯の幅が広く、数千~10万円前後まで、さまざまなタイプのものがあります。

価格の差は、正絹人絹のどちらの素材を使用しているかや、手作りと機械による大量生産の違いなどによるものです。

西陣織に手刺繍を施したような、工芸品としての価値が高いものだと数百万円ほどになる打敷も存在します。

とはいえ、打敷はお花の水や花粉、お供えもののほか、ろうそくやお線香などによって汚れやすく、洗えないことから消耗品だと考えられているため、実際には3,000円前後の打敷を選ぶケースが多いでしょう。

まとめ

仏花-

仏壇を荘厳な雰囲気に飾る打敷は、今までその由来を知らずに使っていたという人も多いのではないでしょうか。

普段から飾るものではありませんが、法事やお盆、お正月などにはご先祖様のために打敷を飾り、仏壇の前で手を合わせたいものです。

打敷は消耗品であるため、こまめに汚れなどを確認して、目立つ際には新しい打敷を用意してください。

宗派や仏壇に合わせた形やサイズの打敷で、大切な仏壇を飾りましょう。

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