終活中の方の中には葬儀費用の積立を検討しておられる方も多いでしょう。
葬儀費用の積立には互助会というシステムがおすすめです。
ここでは互助会のメリットや注意点、大まかな費用について解説します。
▼終活に関するお金のことについて詳しくはこちらの記事をお読みください
終活に関わるお金についてまとめて紹介
目次
葬儀の積立は互助会がおすすめ
互助会とは
互助会とは、結婚式や葬儀などの冠婚葬祭に備えて、月々小額から費用を積み立てることができるサービスのことです。
戦後、まだ日本が経済的に安定していない時代に誕生したシステムで、急な出費に備えて事前にお金を積み立てておく仕組みのことを言います。
自分の人生の終わりに向けてさまざまな準備を進める終活の一つとして、利用する人が多いサービスです。
全国にネットワークがある
始まった当初は珍しさがあった互助会ですが、その便利さから徐々に全国へと広がっていきました。
現在では日本中に200以上の企業が互助会として活動していて、全国にたくさんの斎場があります。
また、互助会は経済産業省に許可された事業であり、正しい指導や管理を受けているので、万が一互助会を運営している企業が倒産した場合も、支払い済みの掛け金の半分が保証されるので安心です。
互助会は全国にあるので、転勤や終活で引っ越しをした際にもきちんとサービスが受けられるのも信頼できるポイントの一つです。
満期になると相応のサービスを受けられる
互助会は毎月お金を積み立てますが、満期時に受け取るのは現金ではなく、契約した金額に応じた冠婚葬祭のサービスです。
積立金の利用だけでなく、会員専用の施設やレストランなどの割引サービスが受けられるのも魅力の1つです。
また、終活で互助会に入った本人だけでなく、家族も利用できるサービスなどお得な会員特典は満期になる前から利用できます。
互助会のメリット
葬儀費用の一部を補填できる
葬儀の費用は規模や地域などによって変わりますが、その額は小さいとは言えません。
互助会に入会することで前もって葬儀費用を積み立てることができ、費用の補填ができます。
いざという時の大きな出費を抑えることができる便利なサービスですが、あくまで一部ですので、葬儀費用の全額を補填できるわけではありません。
葬儀を会員価格で受けられる
互助会の会員は、葬儀を会員価格で執り行うことが可能です。
会員用に組まれたプランでは、一般の葬儀よりも3~5割ほど安く利用できるケースもあります。
互助会に入会する時には、自分の希望に合うプランを取り扱っているかどうかを確認しておくことが大切です。
積立途中で亡くなった場合
会員が満期を迎える前に亡くなってしまった場合は、差額を支払うことで契約を結んだサービスを受けることができます。
反対に先に積立金を支払った場合は、亡くなるまで会員としてサービスを受けられます。
万が一、家族に互助会に入っていることを知らせずに亡くなってしまった場合、他の葬儀場で葬儀を行なってしまったり支払いを滞納してしまったりすることも考えられるでしょう。
そうならないために、家族や配偶者には積立の途中であっても、終活として互助会に入会していることを説明しておく必要があります。
葬儀の積立の注意点
積立には無理のない費用を選択する
互助会の積立の総額で最も一般的なのが24万円、そのほか互助会によっては20万~50万円などさまざまな金額のプランがあります。
また、毎月支払う積立金は1,000~5,000円ほどが中心です。
支払いは60~120回と長い期間になるので、無理なく支払えるプランを選びましょう。
もし、加入者が満期前に亡くなってしまった場合は、支払いは残された家族が引き継ぎます。
そのような場合も考えて、家族に負担となってしまうようなプランを選ばないことも大切です。
途中解約は違約金がかかる
互助会に入会した後に、気持ちや状況が変わって積立が不要になった場合には、解約できます。
ただし、互助会の途中解約には解約手数料が発生するのを理解しておくことが必要です。
解約手数料は、最大で契約した完納金額の15〜20%くらいが請求されるため、本当に解約をした方がよいのか十分に検討してから手続きを始めましょう。
また、解約には本人の連絡が必要です。
それが難しければ、加入者の委任状を用意しましょう。
加入者が亡くなった後に解約したい場合は、加入者の除籍謄本や代理人の戸籍謄本を提出することで、解約の手続きができます。
葬儀のプランの融通が利きにくい
実際に葬儀を行うことができるのは、互助会が所有している葬儀場やセレモニーホール限定です。
葬儀を行いたい葬儀場や場所などがある場合には、それに合う互助会を選ぶ必要があります。
また、互助会の会員が利用できる葬儀プランと、自分の思い描く葬儀が合うかどうかも確認しておきましょう。
互助会は古くから長く続くシステムということもあり、昔ながらの比較的大きな葬儀を想定したプランが豊富です。
オプションを省くことが認められない場合もあり、請求される総額を積立の金額でまかないきれないこともあります。
葬儀の積立にかかる費用
一般的な葬儀にかかる費用
葬儀にはさまざまな費用が発生します。
2020年に行われた全国調査によると、式場の使用料や火葬場使用料、人件費といった基本的な葬式費用の全国平均は119万円でした。
また、葬儀の規模によっても変わりますが、飲食や返礼品、宗教者へのお礼などで90万円程度必要になると見ておくとよいでしょう。
そのため葬儀を執り行うには、トータルで150万~200万円ほど必要です。
積立の費用はプランによってさまざま
積立金額の総額や1か月の支払い金額は、さまざまなプランから選ぶことができます。
積立の支払い期間が長く続くことで負担になってしまいそうな場合には、1回の支払い金額を少なめのプランにするのがおすすめです。
反対に、長期間払うよりも短期間で払い終わってしまいたい場合には、1回の支払い金額が高めでも支払い回数が少ないプランを選びましょう。
互助会の積立は小さな金額ではありません。
途中解約になって違約金を支払うようなことにならないように、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。
また、一括払いだと割引などの特典がある場合があります。
お得に葬儀の準備ができるので、入会をする前にきちんと確認しておきましょう。
分割払いのおおよその金額
月々の支払いは1,000~5,000円が中心で、支払い回数は60~120回くらいになるでしょう。
積立金の総額は大体20万~50万円くらいが目安です。
互助会の葬儀プランの多くは参列者の多い一般葬で、家族葬のような小さなお葬式を選ぶことはできません。
そのため、積立金だけで葬儀を執り行うことは不可能な場合があります。
互助会の積立は、葬儀費用の一部をまかなうものだという認識で、積立以外にも費用を用意しておきましょう。
まとめ
自分の死後、残された家族の負担を少なくしたい人に選ばれているのが互助会です。
互助会に加入すると、会員のための葬儀プランを割安で利用できるなど加入者特典がいろいろあるので、うまく活用してみましょう。
解約の際に手数料が発生するので、互助会のプランで葬儀をあげるという気持ちが固まってから、契約を進めることをおすすめします。
▼終活全般について詳しくはこちらの記事をお読みください
終活では何をする?スムーズに進めるコツをご紹介