終活中に遺書を残そうか考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
遺書は遺族に残す手紙のようなもので、遺言書とは違い法的効力がありません。
遺書に相続関係に明記しても法的には無効になるため注意が必要です。
相続関係を明らかにしたいのであれば、法的の専門家の指導のもと遺言書を作成しましょう。
ここでは遺書と遺言書の違いについて解説します。
▼エンディングノートについて詳しくはこちらの記事をお読みください
エンディングノートに記載する内容などを解説
遺書とは
自分の死後のために書き残した手紙
自分の死後に言い残したい言葉を「遺言」と言います。
対して、伝えたい想いや感謝の言葉を書き残した書面が「遺書」です。
遺書を書く際、決まった形式や内容は特にありませんが、遺族や知人に向けたプライベートな内容で、「別れの言葉」を書き残すことが一般的です。
書くタイミングとしては、死に直面した際に書かれることが多いようです。
決まった方式はない
遺書は直前に迫った死を知ってから、遺族や知人に向けて残されるものです。
一般的には手紙のような書面で残しますが、音声テープやメールなどで残すケースもあります。
文字量や文体の指定がないので、どのような形でどんな内容を残すかはその人の自由です。
そのため、英語では「note」や「letter」と書かれるくらい軽い意味合いを持ちます。
これまでの人生の総括をした感謝の意を述べる文章や、死を受け入れられないまま書き残されたメモのような文書もあります。
法的効力がない
遺書には法的効力がないため、相続内容を書き残しても無効になります。
また書かれている内容に関する権利や義務もないため、遺族は遺書に書かれた内容に従う必要がありません。
自由に書き残すことができるので、弁護士に相談も不要です。
遺言書とは
自分の死後に発生する相続の権利を記した文書
遺言書は、死後の相続に関してや、誰に内容を実行してほしいかを明記する法的な書類です。
そのため、英語で「will」と表記されるほど強い意味合いの文書になります。
また遺言書を作成することにより、相続人同士のトラブル防止につながるというメリットがあります。
なお、財産を譲りたくない相続人に対して、財産を渡さないと明記することも可能です。
遺言書は法的効力がある
遺書とは違い公的な文書になるので、法的に効力を持たせるためには規定通りに作成する必要があります。
法的効力を発生させることは、他人を拘束することになるため、遺書ほど内容を自由に作成することはできません。
法的効力が生じる範囲も、民法で定められている「遺言事項」のみです。
書かれた内容すべてに法的な権利や義務が発生する訳ではありません。
書式が民法で厳格に決められている
民法の定める形式に従っていて、法的効力が認められる形式としては5つの形式があります。
なかでも、以下の3種類の形式が主なパターンです。
自筆証書遺言
すべて自分で書く遺言書です。
パソコンや代筆ではなく、署名や日時からすべて自筆する必要があります。
3つの中で一番手軽に作成ができることや、費用が掛からないことがメリットとして挙げられますが、保管も自ら行うため、紛失や偽造されるリスクもあります。
また、必要な条件を満たさなければ、無効になるケースもあるので注意が必要です。
公正証書遺言
公証役場にて公証人に作成してもらう遺言書です。
原本は公証役場にて保管されるので、紛失のリスクはありません。
また、文字ではなく公証人役場で口述することでも遺言が可能です。
こちらも公証人に確認してもらうため、無効になるケースもありません。
ただし、費用が掛かることや内容が第三者に知られてしまうことがデメリットとして挙げられます。
秘密証書遺言
遺言書の中身を秘密にしたまま、存在だけを公証役場で証明する遺言書です。
そのため遺言執行までは誰にも知られないのが特徴です。
遺言書の作成に関しては、パソコンや代筆でも問題ありません。
ただし、公証役場で記録はされますが、公正証書遺言書のように保管はしてくれません。
そのため、利害関係のない弁護士や遺言執行人などに預ける方法が安心です。
遺言書でできること
相続分の指定
相続は「法定相続分」という法によって定められた取り分があります。
しかし、遺言書では法定相続分とは異なる割合で遺産の配分を指定することができます。
たとえば、子どもが2人いた場合に、兄に3分の2、弟に3分の1にするなどです。
ただし、必ずしも指定通りになるわけではありません。
愛人にすべての遺産を残すと書いた場合でも、遺留分を侵害することはできない点に注意しましょう。
遺産分割方法の指定
不動産や預貯金など複数の遺産がある場合、不動産は兄、預貯金は次男などの形で分割方法を指定することができます。
しかし、相続人全員が同意した場合は、遺産分割協議によって他の分割方法を決めることができます。
また、相続開始から5年以内であれば、遺産分割の禁止ができるため、分割方法でトラブルが起きそうな場合は指定しておくとよいでしょう。
遺贈の指定
法定相続人以外に財産を渡す方法として遺贈があり、遺言書では遺贈を指定することもできます。
たとえば、孫、お世話になった人、愛人、団体・法人などに遺産を渡したい場合は遺贈になります。
ただし、相続分の指定でも説明したように、遺言であっても遺留分を侵害して渡すことはできません。
相続人の廃除
遺言書では、特定の相続人から相続権を剝奪し、排除することができます。
ただし、認められるのは虐待を受けた、迷惑行為の被害を受けたなど、重大な理由がある場合です。
遺言執行者が家庭裁判所に申し立てをし、最終的に裁判所で可否が決定します。
後見人の指定
未成年の子どもがいる親が亡くなり、親権者がいなくなる場合、親権者の代わりとして未成年後見人を選任します。
未成年後見人は、遺言書でも指定できるほか、未成年後見人の職務を監督する「未成年後見監督人」も同様に遺言で指定することができます。
内縁の妻・非嫡出子の認知
婚姻関係にない相手との間にできた子どもは「非嫡出子」となりますが、遺言書で法律上の子どもとして「認知」することも可能です。
出産によって関係が明らかになる母親とは違い、父親は認知をしない限り親子関係が認められず、父親の戸籍に入ることができないため、原則として父親の遺産を相続することはできません。
よって、遺言書で認知をすることで、他の相続人と同様の相続権利を認められるようになります。
相続人相互の担保責任の指定
相続した財産に何らかの問題(瑕疵)があった場合、相続人全員で受けた損害を補償することを「相続人相互の担保責任」と言います。
これは、相続人間での公平性を守るための制度です。
仮に欠陥がある財産を相続した場合、他の相続人に対して不足分の請求や遺産分割協議のやり直しを請求することができます。
遺言執行者の指定・指定の委託
遺言書を残しても、場合によっては相続人間のトラブルでスムーズに相続が進まないことがあります。
遺言書の内容を確実に実行したい場合には、遺言執行者を指定したり指定の委託をしたりするとよいでしょう。
遺言執行者は、遺言書の内容に沿って財産目録を作成する、預貯金の名義を変更する、不動産相続登記を行うことになります。
遺言書でできないこと
結婚・離婚・養子縁組の指定
誰に対してでも、本人の意思を無視して誰かとの婚姻関係を指示することはできません。
結婚や離婚は夫婦が双方で考え、決めることです。
第三者が一方的に指示することはできませんし、仮に遺言書に書いたとしても無効になります。
養子縁組についても同様に、一方的に誰かを養子にすることを決定することはできません。
葬儀や納骨に関する希望
遺言書に葬儀や納骨についての希望を書こうと考えている人もいるのではないでしょうか。
葬儀や納骨に関する希望は遺言書に書いても法的効力を持ちません。
書くこと自体は可能ですが、あくまでも故人の希望という形で伝えられるので、必ず希望通りになるわけではないことを覚えておきましょう。
臓器提供・検体の希望
遺言書は医療現場で使用される書類ではないため、臓器提供や検体の希望を書くことは可能ですが、法的効力を持ちません。
もし、臓器提供や検体を希望する場合は、臓器提供の意思表示カードなどで示しておくようにしましょう。
遺族への希望・メッセージ
遺族に対して、希望やメッセージがある場合は「付言次項」という、形で残すことができます。
ただし、法的拘束力のない部分になるので、必ずしも希望通りになるわけではありません。
付言次項として記載されることが多いのは、親しい人へのメッセージ以外にも、遺言内容の説明や、ペットの世話の依頼などがあります。
あくまでお願いという形にはなりますが、トラブル防止の効果もあるので、有効活用しましょう。
終活では遺書はエンディングノートとして書くのがおすすめ
エンディングノートとは
エンディングノートとは「人生の終末」を記したノートです。
決して「死に向かう」というネガティブな意味合いの言葉ではありません。
自分がこの世を去った後に、遺族がスムーズに手続きが済ませられるように必要最低限の情報や、家族や知人に伝え残したいことなどを記載します。
遺族の負担を減らすだけでなく、資産や保険などの整理もできるため、現在の生活を見直すきっかけにもなります。
さらに、遺族への感謝の気持ちや思い出を書くことによって、遺族の宝物にもなるでしょう。
エンディングノートは遺言書と似ていますが、大きな違いは法的な強制力がないことです。
近年は遺書よりエンディングノートが主流
近年では「終活」が社会の風潮として広がっています。
遺書には自殺をする前に書かれることもあることから、ネガティブなイメージが持たれやすいです。
しかし、エンディングノートでは自らの人生の軌跡や、死後のことで希望したいメッセージなどを書くことができます。
今ではネットの通販やスマートフォンのアプリにも登場するほど、簡単に手に入ることも人気がある理由の一つです。
遺言書のように書式などを揃える必要もなく、自分の遺志を伝えることが1番の目的である以上、最も手軽で明確に遺族へ残すことができるでしょう。
遺言書は弁護士などの専門家に相談
遺言書は法律や書式に厳格なので法律の専門家に相談
遺言書には決まった書式や法に関する知識が不可欠なので、遺言書の作成には弁護士などの法律の専門家に依頼するのがおすすめです。
書類の作成に不備も起こりづらく、財産の調査から遺言書の実行までの流れもスムーズになります。
財産等の調査や相続に関しては、弁護士など法律の専門家に相談しましょう。
弁護士に頼むことでトラブルの防止にも
相続はトラブルがつきものですが、あらかじめ弁護士に依頼しておくことで、遺言書のトラブルになりやすい部分についてアドバイスをもらえます。
また弁護士には、過去のさまざまな判例についての知識や経験があるので、起こりうるトラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。
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まとめ
遺書と遺言書の違いは法的効力があるかどうかです。
違いを理解せずに相続に関する内容を遺書に書いてしまうと、相続のトラブルに発展する可能性もあります。
迷ったときは弁護士などの法律の専門家に相談しましょう。
また、家族へのメッセージなどは、遺書ではなくエンディングノートに書き残すのがおすすめです。
林商会では遺言書、エンディングノートの作成から生前整理などさまざまなサポートを行こなっております。
終活にお困りの際はお気軽にご相談くださいませ。
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