水で落ちないお墓の汚れには、墓石用洗剤を使用するのがおすすめです。
この記事では、墓石用洗剤で落とせる汚れの種類や正しい掃除方法を紹介します。
さらに、お墓掃除でやってはいけない注意点も紹介しているので、お墓の汚れが気になる方はぜひご覧ください。
目次
墓石には「墓石用洗剤」の使用が基本!
水洗いで落ちない墓石の汚れには、墓石用洗剤を使いましょう。
墓石の表面には細孔という目に見えない小さな穴が空いており、家庭用の掃除用洗剤や食器用洗剤などを使用すると細孔に入って墓石が変色する原因となります。
墓石用洗剤はホームセンターや墓石店などで購入できますが、さまざまな種類があるため、石材の種類や汚れに合ったものを選びましょう。
石材によっては、墓石用洗剤を使っていても傷やシミの原因となる場合があります。
初めて墓石に洗剤を使う場合は、見えにくい部分から試してみるとよいでしょう。
重曹で代用できる?
墓石用洗剤の代わりに、重曹を使用しても問題はありません。
ただし、重曹には研磨効果があるので、重曹をそのまま吹きかけてこすると墓石が傷つく恐れがあります。
重曹で代用する際は水またはぬるま湯で薄め、スプレーボトルなどに入れて使うのがおすすめです。
なお、重曹はアルカリ性のため酸性の汚れには強い一方、水垢などのアルカリ性の汚れには向いていないので注意しましょう。
クエン酸で代用できる?
重曹で落とせない水垢には、クエン酸が効果的です。
水垢の主成分は、アルカリ性の性質をもつミネラルやカルシウムであるため、酸性の性質をもつクエン酸を使うときれいに落とせます。
ただし、大理石やコンクリートなどに使用すると、酸化して劣化を早めてしまうので注意が必要です。
墓石の素材がわからない場合は、目立たないところで試したうえで使うことをおすすめします。
墓石用洗剤で落とせる墓石の汚れ
ここでは、墓石用洗剤で落とせる汚れの種類を詳しく紹介していきます。
水垢
水垢は雨水が乾いて残ったもので、放置すると固まってしまうため、こすっても落ちません。
墓石の表面以外にも、墓石の継ぎ目や花立の周辺など水分が溜まるところにできやすい汚れです。
固まった水垢は墓石用洗剤で溶かすと、落としやすくなるでしょう。
サビ
墓石に含まれている鉄分が経年劣化によって酸化すると、赤サビに変わります。
表面のサビは水洗いでも落ちますが、時間が経って染みついてしまうと、墓石用洗剤でなければ除去が難しいでしょう。
また、花立などの金属部分のサビが墓石に移る場合もあるので、注意が必要です。
墓石の一部が赤みがかっている場合はサビが原因と考えられるため、墓石用洗剤を準備しましょう。
コケ
コケは、根ごと落とさなければまた生えてくる可能性があるため、墓石用洗剤とブラシを使ってきれいに取り除きましょう。
放置すると、墓石を風化させてしまいます。
コケむした様子も風情がありますが、お墓を長持ちさせるためには取り除いたほうがよいでしょう。
シミ
水で流すだけでは落ちなかったシミも、墓石用洗剤を使えば消える可能性があります。
シミは、お供物や鳥の糞尿、落ち葉の腐食などが墓石に染みついてできる汚れです。
墓石の一部が変色していたら、シミ汚れかもしれません。
シミを見つけたら、なるべく早く墓石用洗剤を使ってシミ抜きしましょう。
【汚れ別】墓石の正しい掃除方法を解説
ここでは、汚れ別に必要な道具や掃除の手順について紹介します。
なお、墓石用洗剤でも石材によっては墓石を傷めてしまう恐れがあるため、購入前にホームセンターや石材店のスタッフに相談すると安心です。
水垢の落とし方
【必要な道具】
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【掃除の手順】
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赤サビの落とし方
【必要な道具】
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【掃除の手順】
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コケの落とし方
【必要な道具】
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【掃除の手順】
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コケの落とし方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
黒ずみの落とし方
【必要な道具】
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【掃除の手順】
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黒ずみの落とし方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
お墓掃除でやってはいけないこと
お墓掃除でやってはいけないことを3つ紹介します。
家庭用洗剤を使用する
掃除用洗剤や食器用洗剤などの家庭用洗剤は、傷や変色の原因となるため使用を控えましょう。
水で落ちない汚れは、墓石用洗剤を使うときれいに落とせます。
墓石用洗剤は、ホームセンターや墓石店などで、汚れ全般に使用できるタイプの他に水垢・サビ・コケ・シミなど汚れの種類に特化した洗剤が販売されているため、汚れに合ったタイプを選びましょう。
硬いたわしやブラシを使用する
硬いたわしやブラシでこすると、墓石に傷がつく恐れがあります。
特に、表面を鏡面磨きで仕上げたお墓は注意が必要です。
墓石の表面に傷がつくと、そこに汚れが付着しやすくなり、お墓の風化を早めてしまいます。
墓石を磨く際は、雑巾やタオル、スポンジなどやわらかいものを使いましょう。
墓石を濡らしたままにする
墓石を磨いた後は、しっかりと水分を拭き取りましょう。
濡れたままにしていても水は蒸発しますが、水道水に含まれているカルシウムやミネラルは残るため水垢の原因となります。
また、濡れているところにはホコリや花粉、落ち葉などが付きやすく、放置するとシミになるため、きちんと水分を拭き取ることが大切です。
墓石の汚れや掃除に関するよくある質問
墓石の汚れや掃除に関する疑問点を確認しておきましょう。
墓石に洗剤を使用する際の注意点は?
墓石に洗剤を使用する際は、以下の点に注意しましょう。
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墓石用洗剤で落ちない汚れはどうする?
墓石用洗剤を使用しても落ちない頑固な汚れには、高圧洗浄機を使うのも有効です。
しかし、狭い場所では使いにくいため、慣れていないと難しい場合があります。
自分で汚れを落とすことが難しい場合は、業者に依頼するのもおすすめです。
お墓のクリーニングについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
お墓を掃除する時期や頻度は?
お墓の掃除は春秋のお彼岸や、お盆にお墓参りをするタイミングで行うのがおすすめです。
時期や頻度に決まりはありませんが、頻繁に通うことは難しいでしょう。
お彼岸やお盆のお墓参りの際にしっかり掃除をすることで老朽化を防ぎ、お墓を長持ちさせることができます。
まとめ
墓石の汚れには、家庭用洗剤ではなく墓石用洗剤を使いましょう。
墓石用洗剤にはさまざまなタイプがあり、選ぶものによっては汚れが落ちなかったり墓石にシミができてしまったりするので、お墓に合った洗剤を選ぶことが大切です。
自分で落としきれない汚れは、業者に依頼してきれいにしてもらうのもよいでしょう。