亡くなった人の資産を相続する際に発生する税金が相続税ですが、あまりに高額な税率にあ然とする方も多いのでは?
また、多額の資産があるわけではないから自分には関係ないと思っていたのに、いざ相続が発生したときに高額な相続税を請求され、何の対策もしてこなかったことを後悔したという声も多く聞きます。
この記事では、相続税の減額に役立つ情報をご紹介します。
ぜひご自身にあった相続税対策の参考にしてください。
目次
これはマスト!全員知っておくべき相続税対策
年間110万円以下なら贈与税0!暦年贈与
財産を贈与した場合、毎年1月1日から12月31日の暦年ごとに贈与税が課せられますが、年間110万円以下の場合は基礎控除として非課税として扱われます。
暦年贈与とは、この制度を利用した相続方法で、年間110万円までの金額を贈与して、贈与税や相続税を支払うことなく子どもや孫に財産を残すことができる節税対策です。
注意点
毎年同じ金額を同じ人に贈与し続けると、連年贈与とみなされて贈与税が課せられてしまうので、以下の点に注意しましょう。
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また、相続発生時3年以内の贈与は相続財産とみなされる点にも注意が必要です。
節税対策で暦年贈与を行う場合は、早めに始めておくとよいでしょう。
1,200万円まで非課税?!住宅取得資金贈与
18歳以上の子どもや孫に住宅資金を援助する際に、一定の金額までが非課税になる制度が住宅取得資金贈与です。
対象になるのは住宅の購入やリフォームで、省エネ等住宅の場合は1,200万円までが非課税と認められます。
注意点
不動産を贈与された場合は、住宅取得資金ではないので非課税にはなりません。
また、以下のようなルールもあるので、不明な点は専門家に相談するとよいでしょう。
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また、贈与を受けた翌年の3月15日までに住宅の引き渡しを完了させる必要があります。
小規模宅地等の特例で評価額を80%減額
小規模宅地等の特例とは、被相続人の居住用宅地の評価額を80%下げることができる制度です。
居住用宅地に建っている住居に相続発生後も住み続ける配偶者や親族が、高額な相続税のために家や土地を手放さなければならなくなるリスクを回避できます。
注意点
宅地を相続するのが配偶者であれば、基本的には無条件に評価額の減額が認められますが、以下のような点に注意が必要です。
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また、同居していない親族でも適用されたり、同居していても認められなかったりするケースもあるので、専門家に相談しましょう。
生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の活用
生命保険の保険金は、一定額までが非課税です。
保険金の受取人は契約者が指定できますが、相続税の節税を考えた場合は相続人を受取人にすることで、一定額(500万円×法定相続人の数)が非課税にできます。
注意点
生命保険は保険料負担者、被保険者、保険金の受取人によって課税される税金の種類が異なるので、注意しましょう。
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保険金を複数の法定相続人が受け取った場合、その保険金の額によって非課税枠を分配します。
また、多くの保険金を受け取った配偶者が亡くなった場合、そのお金を相続する子どもの相続税の負担が大きくなる点も考えて、生命保険の取り扱いを検討しましょう。
お墓・仏壇など非課税財産の購入
お墓や墓地、仏壇、位牌などは相続税がかからない非課税財産です。
生前に用意しておくことで、財産を減らすことができ、相続税の節税ができます。
注意点
お墓や仏壇などを活用した節税対策には、以下のような注意点があります。
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支払いが残っているとマイナスの財産になってしまうので、お墓や仏壇を生前に用意する場合は、現金で一括払いしておくようにしましょう。
生前贈与を用いた相続税対策
収益不動産を贈与する相続時精算課税制度
相続時精算課税制度は、生前贈与した財産に対して2,500万円までは贈与税を課税させず、贈与者が亡くなったときに相続税の課税対象として精算する制度です。
この制度を利用できる条件は、60歳以上の親や祖父母が18歳以上の子や孫へ財産を贈与する場合に限定されています。
年間110万円の基礎控除額以上を贈与された場合の贈与税は最高で55%ですが、相続時精算課税制度を利用すると税率は一律20%になり、贈与税の節税効果が見込めるでしょう。
また、相続財産の総額が相続税基礎控除額の範囲内であれば、先に贈与された財産にかかる相続税は非課税になり、税を課せられません。
相続時精算課税制度が向いているケース
相続時精算課税制度を利用して収益物件を贈与した場合、非課税枠の2,500万円を超える額には贈与税が課税されますが、その分は相続税を支払う際に控除されます。
賃貸アパートやマンションなどの収益を生み出す不動産の場合、相続発生時の相続財産を減らすことができるほか、贈与後の不動産収入は贈与を受けた人のものとして扱われます。
また、地価が上がる見込みのある場所も、贈与したときの価格で相続税を計算するので大きな節税効果が期待できるでしょう。
注意点
収益物件を子どもや孫に渡す方法として、必ずしも相続時精算課税制度を利用したほうがよいとは言えないため、以下の点に注意が必要です。
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上記のように、贈与することで損をしてしまう場合もあるのです。
また、相続時精算課税制度を選んでしまうと、暦年贈与に戻すことができなくなる点も覚えておかなければなりません。
相続時精算課税制度で贈与をした子どもや孫に再び財産を贈与した場合、たとえ年間110万円以下であったとしても暦年贈与は適用されず、相続税の課税対象となってしまいます。
1,500万円まで非課税になる教育資金贈与
祖父母が孫の教育資金を負担する場合、多くは暦年贈与や都度贈与となり、非課税扱いになるでしょう。
暦年贈与の場合は年間110万円まで、都度贈与の場合は非課税の上限はありませんが、あくまで入学金や授業料などとして考えられる一般的な範囲内の金額までとされています。
それ以上のまとまった金額を教育資金として非課税で贈与したいのであれば、「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」を利用しましょう。
この制度を使って贈ることができる相手は29歳までの子どもや孫などで、1,500万円までが非課税として贈与できます。
また、このうち500万円までは、学校教育以外の習い事や塾などに使うことも可能です。
教育資金贈与が向いているケース
この制度は暦年贈与や都度贈与とは違い、まとめて大きな金額を贈与できる点が特徴です。
そのため、孫がまだ幼いうちに教育資金を渡しておきたい場合や、子どもに教育資金の援助という形で財産を渡したい場合に適しています。
また、決められた銀行や信託銀行に教育資金のための口座を開設し、使用目的がわかる領収書を提出してお金を引き出すシステムなので、教育資金以外に使われる心配がありません。
注意点
この制度は限定的なものであり、場合によっては課税対象になる点などに注意が必要です。
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年間110万円以上の暦年贈与でお得になるケースも
財産が2億円以上の場合、年間110万円以下の暦年贈与では亡くなるまでに財産を減らすことは困難です。
このような場合は、相続税の税率よりも低い税率で贈与税を支払う形で暦年贈与をすることで、節税対策ができます。
110万円以上の暦年贈与が向いているケース
相続税は財産が多くなるほど税率が高くなります。
たとえば、相続税が40%で課税される人は、40%以下の贈与税率の場合は贈与税を支払っても暦年贈与したほうが有利です。
遺産 | 相続税率 | 控除額 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
贈与税を支払ったほうが有利になる資産家に限り、110万円以上の暦年贈与は節税対策になると言えます。
注意点
この方法は多額の相続税が課せられる資産家に適した対策のため、さほど相続税率の高くない人が行うと不利になる場合があります。
本当に節税になるのか、いくら贈与するのが最も効果的なのかなど、税理士と相談をして進めるようにしましょう。
暦年贈与で受け取った110万円で生命保険に加入
暦年贈与によって非課税で贈与された110万円を使い、受贈者が契約者・受取人になって贈与者に死亡保険をかけ、保険料を支払います。
この方法は贈与者の資産を減らすことができ、なおかつ相続発生後の相続税対策として有効です。
生命保険に加入するとよいケース
毎年110万円を贈与するだけだと、受け取った子どもや孫がすぐに使ってしまうリスクを回避したい場合にこの方法が役立ちます。
暦年贈与を振り込む口座を作り、その口座から保険料を支払うようにしておくことで、お金を先に使ってしまう心配がありません。
また使い込む心配がなくても、保険料として払い込む金額よりも受け取る金額のほうが大きい場合も多いことから、贈与者が亡くなった場合を想定してもメリットが多い方法です。
注意点
生命保険に加入すると、生命保険控除で所得税が控除されます。
たとえ暦年贈与や生命保険の手続きを贈与者が行なっていたとしても、生命保険控除は必ず保険の契約者である受贈者が行いましょう。
不動産を用いた相続税対策
節税効果大!賃貸マンション・アパート建築・購入
賃貸マンションやアパートの建築・購入は、大きな節税効果が見込める方法です。
土地や建物を貸していると、売却などで自由に使うことができない状態のため、賃貸マンションやアパートの遺産としての評価が低くなるのです。
したがって、同じ金額の現金よりも相続税評価額が大幅に下がるので、相続税を減額できます。
注意点
賃貸マンションやアパートを建設するためには、多くの費用がかかります。
そして、賃貸物件を経営するときにつきまとうのが空室リスクです。
節税対策のためだけではなく、経営者や投資家として収益を出すつもりで経営しなければ、賃貸物件を建てるメリットは少ない点に注意しましょう。
相続税評価額が低いワンルームマンションを1部屋購入
不動産で節税をする場合、購入金額と相続税評価額の差が大きいほどその効果は高くなります。
そこで効率がよいと言われるのが、賃貸用のワンルームマンションを購入する方法です。
ワンルームマンションの場合、土地の権利の割合が少なくなるので、マンションやアパートを一棟丸ごと所有するよりも評価額が低くなり、相続税が少なくなります。
また、複数の部屋を所有した場合その所有権は1部屋ごとになるので、遺産分割がしやすいメリットもあります。
注意点
ワンルームマンションは、借り手がいないと資産価値が下がってしまいます。
そのため、人気のエリアや駅の近くなど、ニーズの高い場所にあるマンションを選ぶことが大切です。
実はお得?!タワーマンションの高層階購入
タワーマンションは一般的に高層階の部屋のほうが販売価格は高くなっています。
しかし、固定資産税評価額を見ると下層階と高層階は同額です。
相続税評価額は固定資産税評価額と同じなので、高層階も低層階と同じ相続税評価のため、相続税を節税できます。
またタワーマンションには多くの部屋があるので、土地の相続税評価額はそれに合わせて計算されることで低くなります。
注意点
タワーマンションの下層階と高層階の固定資産税評価額が同じであることが問題となり、評価の仕方が見直されています。
平成29年の税制改正では、タワーマンションの階数が上がるごとに固定資産税の負担を増やすことになりました。
今後、相続税評価についての税制改正も考えられるため、タワーマンションの高層階には節税効果が少なくなる可能性があります。
地積規模の大きな宅地の評価で大幅減税
広大な土地はそのままでは宅地として売却がしづらく、道路、公園などになることもあるため、宅地としての評価は低くなります。
このときに利用できるのが「地積規模の大きな宅地の評価」と呼ばれる制度です。
この制度は、大規模な土地を戸建て住宅用地として開発分譲する際に、主に面積が大きいことによって発生する価値の減少を反映した「規模格差補正率」を用いて評価額を決めます。
東京・大阪・名古屋の三大都市圏では500m²以上、それ以外の地域では1,000m²以上の土地で利用可能で、評価額を20~40%下げることによって相続税を減額することが可能です。
注意点
「地積規模の大きな宅地の評価」には、適用除外となる地域が定められています。
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土地の面積が適用条件を満たしているのか、また適用除外地域ではないかを正しく判断しなければならないため、専門家に相談することをおすすめします。
控除を活用することでも節税可能
未成年者控除
未成年者が相続人となった場合も、相続税の納税が必要です。
しかし、成人するまでに教育費や養育費が必要な未成年に高額な相続税を課すのは負担が大きすぎることから、以下のような未成年者控除が認められています。
未成年者控除の金額=(18歳-相続したときの年齢)×10万円 |
未成年者は、相続税額から上記の未成年者控除額を引いた額の相続税を納める必要があります。
適用要件
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また、未成年者の相続税額が控除額より少なく控除額が余ってしまった場合は、未成年者扶養義務者である他の相続人の相続税から差し引くことができます。
未成年者は法律行為ができないため、遺産分割の際には特別代理人の選任が必要な点には注意が必要です。
障害者控除
遺産を相続した人が障害者であった場合、相続税の負担を少なくするために一定額を減らすことができるのが障害者控除です。
控除額は、以下のように満85歳になるまでの年数を基準に定められています。
一般障害者の場合 | (85歳-相続開始時の年齢)×10万円=控除額 |
特別障害者の場合 | (85歳-相続開始時の年齢)×20万円=控除額 |
相続人の年齢が1年未満の期間は切り上げです。
たとえば55歳11か月の場合は56歳、40歳3か月の場合は41歳として計算します。
適用要件
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もしも相続が発生したタイミングで日本に住所がない場合でも、国籍が日本であったり相続発生5年以内に日本に住所があったりする場合は、障害者控除が適用されます。
相次相続控除
相次相続控除は、10年以内に2回以上の相続が発生した場合、相続税の金額から一定額を差し引く制度です。
たとえば、亡くなった祖父の遺産を相続した父が10年以内に亡くなり、その子どもが遺産を相続する場合など、同じ財産に相続税が2度課税されるケースが該当します。
上記のケースでは、父が支払った相続税の一部を子どもが支払う際に一部控除されます。
適用要件
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この制度は相続人に対して有効のため、遺言で相続をした場合には控除されません。
贈与税額控除
贈与税額控除とは、同じ財産に贈与税と相続税が二重に課税されてしまったときに、相続税から支払った贈与税の金額を控除できる制度です。
この制度で控除を受ける際には、自分で計算をして申告書を作成し、税務署に申し出る必要があります。
す. 万が一払い過ぎてしまった場合でも、申告期限から5年以内であれば請求が可能です。
適用要件
贈与税と相続税が二重に課せられるケースには、以下の2つがあります。
1つ目は、暦年贈与における贈与税額控除です。
暦年贈与では年間110万円までは贈与税が課せられませんが、それ以上の場合は贈与税が課税されます。
また、相続発生前から3年以内に贈与した財産には相続税が課せられるため、年間110万円を超える贈与に対して支払い済みの贈与税と二重に課税されるのです。
そしてもう1つは、相続時精算課税の制度を利用した場合が該当します。
相続時精算課税では2,500万円までの贈与は非課税になり、贈与者が亡くなったときに贈与した財産が相続税に加算される仕組みです。
つまり、2,500万円を超える財産には贈与税が課税され、相続が発生したときには相続税も課せられます。
外国税額控除
相続財産が国内だけでなく外国にもある場合、日本と外国の両方で納税が必要になるケースがあります。
外国税額控除は、1つの財産に対して二重に課税されることになってしまわないように、日本で払う相続税を控除する制度です。
「外国で払った相続税に準ずる税金」、もしくは「日本で払う相続税の中で外国の財産の割合」のいずれか少ない金額が控除されます。
適用要件
外国税額控除が適用されるのは、以下の両方の条件に当てはまる人のみです。
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また、日本で納税義務をもつ人のうち、外国の財産に対して課税されることがない制限納税義務者は外国税額控除の対象にはなりません。
その他の相続税対策
養子縁組を活用する
遺産を相続すると相続税が課せられますが、一部が基礎控除として非課税の対象です。
基礎控除額は相続する人数を元に計算します。
3,000万円+法定相続人の数×600万円=基礎控除額 |
つまり、法定相続人の数が多いほど基礎控除額が増えるため、養子縁組で法定相続人の数を増やせば基礎控除額が増え、遺産総額は同じでも相続税の額が少なくなります。
注意点
相続税法では、以下のように法定相続人に認められる養子の数が決められているので、たくさん養子を迎えればその分基礎控除額が減るというわけではありません。
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また、以下のように養子であっても実子とみなされるケースもあり、この場合は養子の人数制限に加えられません。
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実際に養子縁組をすることで節税は可能ですが、親族間の相続トラブルにつながる可能性もあります。
また、明らかに節税目的である養子縁組の場合、相続人として認められないこともあるので、養子縁組をする際は慎重に行いましょう。
相続税のない国に移住
世界には相続税のない国がたくさんあります。
そのため、多額の相続税が課税されてしまう富裕層の中には、海外移住をして相続税から逃れようと考える人もいるでしょう。
注意点
日本の相続税を支払わずに済む方法には、いくつかの条件があります。
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まず、日本にある不動産などの財産を相続する場合は、必ず相続税が課せられます。
さらに被相続人と相続人のどちらかが日本在住の場合も、相続税を支払わなければならず、さらに日本を離れて10年経っていなければ相続税は発生するのです。
このように条件がかなり厳しいことから、相続税を回避するために海外に移住する方法は現実的とは言えません。
誤った相続税対策に注意
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)
おしどり贈与とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間での贈与に適用する特例で、居住用の不動産やその購入資金を2,000万円まで非課税で贈与できます。
たとえば夫婦の財産において、所有権の多くを夫がもっている場合、この制度を利用して妻に財産を贈与しておけば相続税の節税に有効です。
おすすめしない理由
夫婦が住んでいる自宅であれば、相続の際に小規模宅地等の特例でその土地の評価額は80%減額されます。
また、そもそも配偶者控除で相続財産が1億6,000万円以下の場合は相続税が課税されないため、おしどり贈与の申告の諸費用や手間をかけてまで生前贈与するメリットは少ないでしょう。
預金を現金に換え隠しておく(タンス預金)
財産をタンスや金庫、庭などに隠す「タンス預金」自体は問題ありませんが、申告せずに相続税を逃れるのは節税ではなく脱税行為です。
税務署の調査期間は5年間と決まっているので、その期間隠しきれれば相続税から逃れることはできます。
しかし、税務署は申告がなければ徹底して調査を行い、国民の財産を詳しく把握しているので、隠しきることは難しいでしょう。
おすすめしない理由
タンス預金が見つかって相続税の未納が判明すると、本来払うべき相続税に加えて以下の追徴課税が発生します。
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相続税の納付期限から時間が経つほど追徴課税は多くなり、悪質と判断されると逮捕される可能性もあります。
不正をするよりも、正しい方法で節税をして申告しましょう。
財団/社団法人を設立する
以前は、財団や一般社団法人を設立して資産を移すことで相続税から逃れることができました。
これは「社団節税スキーム」と呼ばれる方法で、社団法人へ財産の名義変更をすることで被相続人の財産に含まれなくなり、何代にも渡って非課税で財産を受け継ぐことができるというものです。
おすすめしない理由
相続税を節税するために財団や社団を作る人が増えたため、その対策として平成30年度の税制改正で一般社団法人にも相続税が課税されるようになりました。
したがって、現在は節税対策としての活用が難しくなっています。
現金を高価な時計や美術品に換える
高価な時計や美術品は、「家財一式」として相続税の課税対象です。
そのため、節税対策で現金を時計や美術品に換えても、節税にはなりません。
おすすめしない理由
こっそりと高価な品物を購入したとしても、直近10年以内であれば購入履歴が残っているので隠し通せるものではありません。
税務署はお金の流れを把握しているので、特に高価な時計や美術品の購入はすぐに知られてしまい、隠していると脱税と判断されてしまいます。
相続税対策に関するご相談は林商会の税理士にお任せください!
今回の記事では、相続税を減額できるさまざまな対策をご紹介してきました。
しかし、複雑な仕組みの制度や注意点も多く、難しいと感じられた方も多いのではないでしょうか。
そんな不安は、ぜひ相続のプロである林商会の税理士にお任せください。
小さなお悩みや疑問にも丁寧にお答えしながら、お一人ひとりに最適な対策をご提案させていただきます。
まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。
まとめ
相続税を少しでも減らすためには、暦年贈与や非課税財産の購入などで財産を減らす方法が有効です。
また、その他にも、相続税対策に役立つ控除も事前に詳しく調べておくようにしましょう。
相続税の節税対策は、亡くなる直前でできることはほとんどありません。
早くから準備を進めて、少しでも多くの財産を大切な家族に遺したいものです。
正しい方法で節税をするためにも、相続税に詳しい専門家に相談をして、相続税対策を進めましょう。