警視庁により、2024年1~3月に自宅で死亡した一人暮らしの人のうち、65歳以上の高齢者が全体の約8割を占めるという集計結果が公開されました。
孤独死を防ぐには、日頃の対策が重要です。
本記事では、効果的な6つの孤独死対策を紹介します。
孤独死を防ぐサービスや孤独死が起こる原因も解説するので、自分に合った方法を検討してみてください。
目次
効果的な6つの孤独死対策
孤独死を防ぐには、以下の対策が効果的です。
できることから取り組んでみましょう。
1.仕事をする
社会で働いていると、人と接する機会が増えます。
仕事が自分自身の生きがいにもつながるため、身体が健康で元気なうちは働きに出るほうがよいでしょう。
最近では、高齢者であっても健康かつ意欲がある限り働き続けられるよう、国もサポート体制を整えています。
2.近所付き合いをする
日頃から挨拶したり交流したりなど、適度な近所付き合いを心がけましょう。
たとえば、毎日定時に外出し、近所の人と顔を合わしていれば、異変が起きた場合に気付いてもらえる可能性が高まります。
3.地域社会とかかわる
4.見守り家電を利用する
たとえば、電気ポットの場合は、利用状況が離れた家族に通知される機能が搭載されているため、利用されないことによって異変に気付けるというものです。
「監視カメラのように管理されたくない」「人と接するのが苦手で訪問による安否確認は気が進まない」という人でも、ストレスなく利用できます。
また、大げさに見守りする必要がないという場合にも、気軽に導入できるでしょう。
5.デイサービスや老人ホームを利用する
デイサービスや老人ホームを利用すれば、毎日、職員による安否確認・健康管理が行われます。
日常的に職員の見守りがあり、他の入居者とも交流できるため、自分自身も家族も安心して過ごせるでしょう。
孤独死対策というより、老後の人生をハツラツと生きるために利用する人も増えています。
6.健康的な生活を送る
孤独死を防ぐには、バランスのよい食事や無理のない運動を心がけ、健康的な生活を送ることも大切です。
孤独死した人のほとんどが、ごく普通の日常生活もままならない環境の中で亡くなっています。
歩いて買い物へ出かけるだけでも、体力の向上や他者とのかかわりを増やすことにも役立ちます。
孤独死を防ぐサービス
近頃は、多くの企業が孤独死を防ぐために見守りサービスを提供しています。
月額料金がかかりますが、少しでも不安を軽減できるよう利用を検討するのも一つです。
具体的なサービスは、以下のようなものがあります。
見守りサービス | 特徴 |
ALSOK みまもりサポート | ・緊急時の駆けつけ ・熱中症の注意喚起と緊急速報メールの受信(読み上げ) ・24時間の健康相談 |
セコム 親の見守りプラン | ・センサーによる安否確認 ・緊急時の駆けつけ ・救急通報サービス(室内のみ) ・24時間の健康相談 |
郵便局 みまもり訪問サービス | ・郵便局員による月1回の自宅訪問 ・家族への生活状況の報告 ・入院保障保険 ・24時間の健康相談 ・お困りごと・介護の相談 |
また、自治体が企業と連携し、随時見守り活動を行う地域もあります。
詳細は地域によって異なるため、万全に対策するためにも一度自治体へ問い合わせてみるとよいでしょう。
孤独死の見守りサービスを詳しく見たい方は、以下の記事をご参照ください。
孤独死のリスクが高い人
以下に当てはまる人は、孤独死のリスクが高いと言えます。
リスクが高まる原因も一緒にみていきましょう。
一人暮らしの高齢者
一人暮らしでは、異変が起きても気付かれにくく孤独死のリスクが高まります。
特に高齢者の場合、自宅での転倒により大けがをしても助けを求められないケースがあります。
なお、警視庁が公開した資料では、2024年1~3月に自宅で死亡した一人暮らしの人のうち、65歳以上の高齢者が全体の約8割を占めることがわかりました。
参考:令和6年第1四半期(1~3月分)(暫定値)における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)について
家事が苦手な男性
現役時代に仕事中心の生活をしていた男性は、料理や掃除など家事が苦手な人が多い傾向にあります。
そのため、妻との離婚や死別で突然一人になった場合、生活の質が急激に落ちてしまい、健康面の問題から孤独死のリスクが高まります。
人とのかかわりが少ない人
近所付き合いを含め人とのかかわりが少ないと、異変が起きても気にかけてもらえません。
また、生活環境や体調が悪くても、頼れる人がおらず改善できないケースがあります。
特に男性は女性よりもコミュニケーションが苦手な人が多く、自宅にこもりがちになり孤立しやすい傾向にあると言われてます。
金銭的に余裕がない人
金銭的に余裕がなく医療費を支払えない場合、病気が悪化してしまうことで孤独死のリスクが高まります。
高齢者に限らず、貧困生活をしている若年層が孤独死するケースがあるのも事実です。
金銭的に追い詰められてしまうと、生活面や健康面に多大な影響が生じ、孤独死につながります。
孤独死対策をすべき理由
孤独死の場合、発見までが遅れれば遅れるほど遺体の腐敗が進み、悲惨な状態となります。
腐敗することにより害虫が発生し、体液が漏れ、異臭に包まれた部屋は一気に汚染されてしまうためです。
また、部屋がゴミや遺品であふれているケースもあり、賃貸住宅の場合は高額な修繕費を請求されてしまいます。
賃貸でなくとも事故物件扱いになれば、相場で売却できない可能性があるでしょう。
安値でも手放すことができなければ、その不動産を相続した遺族は空き家のまま維持費を支払い続けなければいけないのです。
このように、孤独死は遺族だけでなく賃貸住宅の大家や管理会社、近隣住民の人に大きな影響を及ぼしてしまいます。
まとめ
昔と比べると現代は周囲とのかかわりが薄くなっているため、孤独死は誰にも起こり得ることだと言えます。
「若いから」「元気だから」とは言わず、誰であっても孤独死の対策が必要です。
特に一人暮らしの高齢者は孤独死のリスクが高いので、あらゆる目線から予防しましょう。
毎日を安心して過ごせるよう、まずはできることから取り組んでみてください。
また、終活に関するお悩みやお困りごとがあれば、終活のトータルサポートを行う林商会へお気軽にご相談ください。