核家族化が進み孤独死のリスクは高まりましたが、現在はさまざまな孤独死対策のサービスが提供されています。
本記事では、孤独死対策に役立つサービス7選を紹介します。
選び方のポイントも解説するので、離れていても家族全員が安心して過ごせるようじっくり検討してみてください。
目次
見守りサービスとは?大きく分けて3種類
見守りサービスは、人感センサーの取り付けや、電話や訪問を行うことで高齢者の状況を知らせるサービスです。
家族に代わって高齢者をサポートしてくれるので、一人暮らしの高齢者には心強い味方でしょう。
「接触型」「非接触型」「対面型」の大きく3種類に分けることができるので、順を追ってご説明していきましょう。
接触型
高齢者の自宅に機器を設置し、何か異常を知らせたいときに本人がボタンを押すとセキュリティ会社などに通知が届くシステムを「接触型」といいます。
また、高齢者が毎日指定されたボタンを押したり、自動音声の番号に電話をかけたりして安全を知らせるタイプも接触型に含まれます。
ただし、突然倒れてしまった場合や、転倒などをしてボタンまで手が届かない場合には異常を知らせることができないというデメリットがあります。
接触型は高齢者に動作が伴うので、どうしても「高齢者扱いされている」「監視されている」と感じてしまう方もいます。
予め使うことに抵抗がないか確認してから導入したいですね。
非接触型
接触型とは異なり、高齢者が何かの動作を行う必要はありません。
高齢者の自宅に監視カメラや人感センサーを設置して感知する方法や、電気メーターで安否確認をする方法が非接触型です。
センサーが感知すると、家族のPCやスマートフォンに通知がいくので24時間体制で見守りができます。
さらに「いつもと違うかもしれない」と、緊急事態の可能性があると家族が判断した場合には高齢者の自宅までホームセキュリティ会社が駆けつけてくれるサービスもあります。
センサーが感知した場合だけでなく、センサーが長時間感知しなかった場合にも「高齢者が自宅で倒れているかもしれない」と予測できます。
監視カメラや人感センサーは、リビングやトイレ、浴室など各部屋に設置するのが一般的です。
そうなると、機器設置のための初期費用が数万円かかってしまう可能性があることは覚えておきたい点ですね。
対面型
対面型のサービスは、専任のスタッフが高齢者の自宅を訪問したり、食事や郵便物の宅配時に安否確認を行うものです。
最近では、自動配信のテレビ電話などもあります。
対面型のメリットは、高齢者の安否だけでなく、些細な体調や表情の変化まで把握することができる点にあります。
しかしその反面、高齢者自身が人と関わりたくない場合はストレスとなり得るので注意が必要です。
また、対面型は訪問する頻度が少ないと次の訪問まで間隔が空いてしまい、本当の緊急時には対応ができない…といったことも。
見守り対象者の生活スタイルや性格に合わせたものを選びたいですね。
見守りサービスの選び方
見守りサービスは種類が多すぎて、どれを選ぶべきか分からないという声をよく聞きます。
大切なのは料金面のほか、緊急時の対応の有無と利用者が受け入れてくれるかです。
また、見守りサービスは介護保険の適用外で、導入・維持費用はすべて自己負担になるため、予算を決めてから導入してください。
自治体によっては、補助が受けられる場合もあります。
緊急時に対応してくれるか
セキュリティ会社などが提供する見守りサービスであれば、緊急時に高齢者の自宅まで駆けつけてくれるものもあります。
見守り対象の高齢者と家族が離れて暮らす場合は、このような見守りサービスを選ぶと安心できます。
利用者が受け入れてくれるか
見守りサービスの導入に最も大切と言っていいのが、利用者の意思です。
「高齢者扱いされたくない」「ボタンや電話の操作が覚えられない」「監視されているようで落ち着かない」など、利用者の性格なども踏まえて選ぶ必要があります。
トラブルを防ぐためにも、家族でよく話し合ってから導入するサービスを選ぶとよいでしょう。
孤独死対策としておすすめの見守りサービス
ここからは、各企業の見守りサービスを紹介します。
先述のポイントを踏まえて決めましょう。
ALSOK【みまもりサポート】
月々1,870~3,069円で利用でき、プランによっては初期費用がゼロなものも用意されています。
機器に相談と緊急のボタンがついていて、気軽な体調相談から緊急時の通報まで幅広く対応。
何かあればALSOKの警備員が駆け付けてくれるのも安心ですね。
セコム【親の見守りプラン】
月々3,410~5,060円で利用できます(初期費用別)。
室内にセンサーを取り付け、一定時間動作を検知しない場合はセコムに通知され駆けつける仕組みです。
また、離れた家族は在宅・外出状況が把握できます。
エッセンシャルエナジー【見守り電気】
月々990円で利用できます。
機器の設置なども一切不要なので、良心的な価格で始めやすいですね。
平常時の電気使用量をAIが分析し、起床していない可能性など、いつもと違うパターンが発見されると家族に通知するサービスです。
メールやLINEなど、家族が使いやすい通知方法を選択可能。
東京ガス【暮らし見守りサービス】
月々980円で利用できます。
冷蔵庫やトイレのドアなどに開け閉めセンサーを設置し、扉の開閉を感知すると家族のスマートフォンに知らせるサービスです。
オプションで、外出・帰宅や施錠確認用のセンサーも設置可能です。
万が一のときは、電話一本で自宅まで駆けつけてくれます。
自治体により、初期費用の一部が補助される場合もあるので、契約前に一度確認してみましょう。
※現在、このサービスは新規の申し込みを停止しています。
郵便局【みまもり訪問サービス】
月々2,500円で利用できます。
みまもり訪問サービスとは、見守り対象の高齢者の自宅に、近くの郵便局員が定期的に訪問してくれるものです。
具体的には、毎月1回30分程度滞在し、全10問の質問を行います。
基本項目には食事、睡眠、外出状況など、選択項目には通院、服薬、喫煙状況など、具体的な質問があり、その結果と生活状況を写真付きの報告書としてメールなどで共有してもらえます。
もし見守り対象者がケガをして入院することになった場合、日額3,000円の保険金が支払われるので医療保険としても活躍。
さらに、専門スタッフに健康・医療・介護に関する電話相談を無料でできるなど、手厚いサポートが受けられます。
ダブミリ【ごえん】
月々150円から利用できます。
毎朝、起床後に電話をかけて天気予報を聞くことで無事を知らせるサービスです。
もし平均の起床時間から一定時間経過しても電話がない場合、確認の電話が発信されます。
それでも起床が確認できなかった場合は緊急連絡が発信され、事前に登録された緊急連絡先に連絡がいくというシステム。
天気予報を聞く電話の発信時に5円/回、確認電話と緊急電話の発信時に100円/回が消費されます。
事前に1ポイント1円でポイントを購入し、ポイント残高を使用していく形式のサービスです。
象印【みまもりほっとライン】
初期費用が5,000円、月々3,300円で利用できます。
無線通信機を内蔵した「iポット」という給湯器を利用することで、一人暮らしの高齢者を見守るサービスです。
ポットの電源や給湯など、利用状況を1日3回家族にメールで通知してくれます。
また、ポットに搭載されている「おでかけ」ボタンを利用者が押すことで外出と帰宅の通知も可能です。
お茶を飲む機会の多い高齢者を、さり気なく見守ることができるサービスです。
アプリによる見守りサービス
近頃は高齢者でもスマートフォンをもっていることが多く、便利なアプリを導入して孤独死対策する人も増えてきています。
アプリなら無料で使えるものもあるため、まずは手軽なものからと考えるならアプリを利用してみてはいかがでしょうか。
おすすめのアプリは、以下の記事で詳しく紹介しています。
孤独死を防ぐには周りの見守りが大切
核家族化が進む現代では、遠くで一人暮らしをする親がいることも多いでしょう。
いつもそばで見守れないのは不安ですが、孤独死対策のサービスを利用すれば緊急時や異変が起こった際にいち早く気付けます。
しかし、何より大切なのは周りにいる「人」による見守りであることを覚えておきましょう。
サービス以外の孤独死対策を知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
まとめ
書くサービスにメリットデメリットがあるため、導入前に利用者と家族で相談してみてください。
必要であれば、2つ以上のサービスを組み合わせて利用するとより安心ですね。
親の終活に関するお悩みやお困りごとがあれば、終活のトータルサポートを行う林商会へお気軽にご相談ください。