孤独死の原因は何?年齢に関係なくやるべき孤独死の対策

少子高齢化社会の日本では核家族世帯の増加に伴い、高齢者の単身世帯も増加しています。

孤独死は1970年代に独居老人が自宅で亡くなった報道で初めて使用されて以来、同様の事件が続いた1980年代からたびたび報道されるようになりました。

孤独死は元々、近所付き合いが希薄な都市部での発生が多かったものの、近年は都市部に限らず全国的に増加しています。

本記事では、孤独死が起こる原因孤独死リスクが高い人の特徴対策法について解説しますので、ぜひご一読ください。

孤独死が起こる原因

経済的困窮

2018年発行の論文「高齢単身者の貧困率の計測とその社会経済的要因の分析」によると、高齢者の単身世帯のうち23.1%が経済的困窮に陥っているとされていました。

つまり単身世帯の高齢者は4、5人に1人は経済的困窮をしており、費用がかかる老人ホームへの入居や通院などが制限されていることが予想できます。

経済的困窮は病気にかかるリスクも高くなりますが、単身世帯は周囲に助けを求めることが難しく、孤独死につながりかねません。

近隣住民との関係性が希薄

もし単身世帯でも、周囲に親しい人が住んでいれば異変に気付いてもらえる可能性があります。

しかし近年は、個人情報を守る観点や、SNSの普及により近所づきあいは減少している傾向です。

実際に内閣府による「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を見ると、「お茶や食事を一緒にする」「家事やちょっとした用事をしたり、してもらったりする」「病気のときに助け合う」関係があると回答した人は減少していました。

よって、万が一の際にもなかなか気づいてもらえず、手遅れになってしまうようです。

未婚率の上昇

総務省の人口等基本集計結果によると、未婚率は男女ともに増加傾向にあります。

当然のことではありますが、未婚率が上昇すると単身世帯も増加し、万が一の際に頼れる人も少なくなるでしょう。

未婚率は今後も増加することが予想されており、孤独死に長期的な影響を与えることが懸念されています。

孤独死しやすい人の特徴

では、一体なぜ孤独死が起こってしまうのでしょうか。

孤独死しやすい人の特徴として、以下の4つが考えられます。

1.男性
2.人付き合いが苦手・少ない
3.貧困層
4.ストレスや不安を感じやすい

男性

一般社団法人日本少額短期保険協会の第8回孤独死現状レポートによると、孤独死のうち83.3%が男性であったとされています。

参考:一般社団法人日本少額短期保険協会の第8回孤独死現状レポート

家事を担ってくれていた配偶者と死別した場合、家事をうまくできず健康的な生活を送るのが難しくなる等の問題も原因となりかねません。

人付き合いが苦手・少ない

孤独死の原因として多いのが、人間関係が希薄であったことです。

そのため、人付き合いに消極的だとどんどん孤立化が進み、孤独死のリスクが上がってしまいます。

近隣に家族や親しい人がいない場合は、特に注意しなければなりません。

貧困層

原因でも挙げていた通り、貧困は孤独死に多い特徴でもあります。

体調を崩してもお金がかかることを不安に思い、病院にかからず、病状が悪化してしまうからです。

高齢者は体力的な衰えもあり、病気が悪化しやすいことに注意しなければなりません。

ストレスや不安を感じやすい

これは高齢者に限ったことではありませんが、ストレスや不安を感じやすいとネガティブな考えに陥りやすく、自死を選んでしまうことがあります

若年層の孤独死に多いのが自死ですが、親しい人がいないと孤独感や不安からうつ状態になりやすいため、年齢に関係なく気を付けねばなりません。

孤独死を防ぐためにすべき対策

近所付き合いの少なさや貧困などによって一人で亡くなってしまう孤独死ですが、孤独死を防ぐ方法はあります。

「周りの人ができること」と「本人がすべきこと」の2つの観点から、孤独死を防ぐ方法について解説します。

民間事業のサービスを利用する

最近は民間事業者が、高齢者を対象にしたサービスを展開しています。

民間事業者ごとにサービス内容が異なっているため、事前にどのサービス内容がいいかを比較しましょう。

具体的には、宅配の際の安否確認、定期的な訪問による見回り、緊急通報装置の設置などがあります。

地域住民とコミュニケーションを取る

地域の活動に参加することで、近隣住民との交流が生まれ、地域社会とのつながりができます。

親しい人ができれば、日頃から体調や安否を気にかけあうような関係になり、万が一の際に頼り合える仲になるでしょう。

また、コミュニティに参加することで孤独感が減り、前向きな気持ちになりやすくなります。

親族を頼る

親族がいる場合は、日頃から安否を気にかけてもらえるように相談してみましょう。

毎日の確認は負担になるかもしれませんが、週に2、3回決まった時間に電話をかけてもらうなどでも十分です。

電話以外にもメール、LINE、SNSなどさまざまなコミュニケーションツールがあるので、お互いに使いやすい手段を使うとよいでしょう。

地域の取り組みやサービスの利用

最近では自治体でも、孤独死を防ぐための取り組みをしているところがあります。

行政と民間事業者が連携し、見守りや生活支援を行なっていることがあるので、まずは所轄の自治体での取り組みについて調べてみましょう。

自分で調べるのが難しい場合は、地方自治体の窓口に相談してみてください。

介護施設への入居

介護施設への入居は、確実に孤独死を防ぐことができます。

ただし、まとまった費用が必要であったり入居に条件が設けられていたりするため、よく検討することが大切です。

また、入居まで時間がかかることもあるので、早めに相談しておきましょう。

家電製品による工夫

近年では家電製品にもさまざまな工夫がされており、見守り機能が付いたものもあります

例を挙げると、冷蔵庫の開閉、テレビの電源のオンオフなどを親族や知人に送信することで、問題なく生活していることを伝える機能です。

日頃から使う家電によって安否確認ができるので、手間もかからず、安心して暮らせます。

日本では孤独死が増加傾向にある

実は日本の孤独死に関する全国的な統計データはまだありません。

しかし、東京23区における65歳以上の高齢者の孤独死のデータでは以下の通りになっていました。

孤独死した人の数
平成15年 1,451人
平成16年 1,669人
平成17年 1,860人
平成18年 1,892人
平成19年 2,361人
平成20年 2,211人
平成21年 2,194人
平成22年 2,913人
平成23年 2,618人
平成24年 2,733人
平成25年 2,878人
平成26年 2,891人
平成27年 3,127人

また、一般社団法人日本少額短期保険協会の孤独死対策委員会が調査・発表している「孤独死現状レポート」 では、徐々に人数が増加しています。

このことから、日本では孤独死が増加しており、今後もさらに増える可能性は高いことが懸念されています。

孤独死することで起こる問題

孤独死してしまうと、後にさまざまな問題が発生します。

数ある中でも、とくに以下の2つは覚えておきたい問題です。

1.精神的影響
2.経済的影響

精神的影響

一般社団法人日本少額短期保険協会の孤独死対策委員会が調査・発表している「孤独死現状レポート」 によると、孤独死の発見は平均して18日でした。

割合的に見ると3日以内がもっとも多く、次いで4~14日が多い結果でしたが、高温多湿になりやすい夏場では、短時間で腐敗が進んでしまいます。

そのため、発見時には遺体の状態がひどく、発見した人や親族に大きな衝撃を与えかねません

遺体を見ていなくても、においや虫の発生などショックにつながる要因が多く、精神的影響は非常に大きいと言えます。

経済的影響

孤独死をした場合、現場の状態によっては専門家の力を頼らなくてはなりません。

現場となる自宅の広さや状態に応じて金額は異なりますが、床上の清掃、脱臭・消臭、害虫駆除など一部であれば数万円ですが、範囲が広いと数十万円もの費用がかかります。

孤独死現状レポートでは、原状回復費の相場は397,158円でしたが、なかには400万円以上かかったケースもあり、経済的影響も深刻です。

また、残留物処理費用も別途必要になることにも注意しなければなりません。

孤独死が起こってしまったときの対処法

本人はもちろん、周りの人の助けによって孤独死は防ぐことができます。

しかしながら、悲しいことに孤独死は増えているのが現状です。

それでは最後に、孤独死が起こってしまったときの対処法についてお伝えします。

①警察に連絡する

遺体を発見したら、まずは本当に亡くなっているかを確認します。

判断が難しい場合は、119番に電話して救急車を呼んでください。

明らかに亡くなっていることがわかる場合は、110番に電話して警察の到着を待ちます。

その際に、できるだけ遺体や周辺の物に触らないよう注意しましょう。

②警察による現場検証と遺族への連絡

警察が到着すると、発見現場の現場検証が行われます。

現場検証では誰が亡くなったのか、亡くなった場所との関連性、事件性の有無、死因などを調べなければなりません。

現場検証後は公的書類や契約書などを基に、血縁関係の近い順に警察から連絡をすることになります。

ただし、血縁者が見つからない、見つかっても遺体の引き取りを拒否されるケースもあります。

③遺体の引き取りと清掃や葬儀の依頼

遺体の引き渡し前にしておきたいのが、葬儀会社特殊清掃業者遺品整理業者探しです。

一般的に孤独死は遺体が腐敗していることが多く、すぐに現地で火葬し、お骨の状態で帰郷します。

そのため、引き渡しには時間がかかることがあり、早めに片付けるためにも、待ち時間の間に業者を探すことをおすすめします。

特殊清掃と遺品整理はそれぞれ別の業者に依頼するよりも、両方とも依頼できる業者のほうが手間がかかりません。

また、依頼前にはサービス内容などをしっかり確認し、希望する内容と合致しているか確認してください。

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また、業界最安値クラスでお見積り後の追加料金もございません。

お困りの際はお気軽にご相談くださいませ。

まとめ

本記事では、孤独死の原因や対処法について解説してきました。

日本においては、年々孤独死が増えているのが現状です。

高齢者の単独世帯の増加や貧困などが原因として考えられます。

今では、もはや他人ごとではない孤独死。もし身近に孤立している家族がいるのなら、早急に対応することが大切です。

周りのサポートによって、本人の孤立感がやわらぐケースも多いため、ぜひ本記事の内容をご参考ください。

 

孤独死について詳しく知りたい方はこちらの記事もお読みください。

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