一周忌:会食時の献杯の挨拶はどうすればいい?故人との関係別に例文やマナー・流れを紹介します。

一周忌挨拶献杯アイキャッチ

一周忌など法事での会食の場で行われる献杯。

これは故人への敬意や供養のために行われるもので、「必ずこのように行わなければならない」といった、決まりなどはないものの注意すべきマナーが存在します。

また、献杯の挨拶は必ず施主が行うとは限らず、故人と親しい間柄だった人であれば施主から挨拶を任されることも大いにあり得ます。

そのため、突然挨拶を任されたといった際に慌てることのないよう、しっかりとマナーや流れを予習しておくことが大切です。

 

喪主が行う挨拶全般についてはこちらの記事をご覧ください。
▼一周忌の挨拶、マナーや例文をご紹介

一周忌などで行われる献杯とは

お墓の写真-2

ここからは、一周忌で行われている献杯について紹介します。

献杯は乾杯とは違う!その意味とは

献杯(けんぱい)とは、故人に敬意や畏敬の念を表し杯を差し出し捧げることを指します。

必ず行わなければいけないという決まりはなく、地域の風習によって献杯を行わないこともありますので、事前に確認しておきましょう。

また、献杯は飲み会などで行われる乾杯とは違い、葬式などの儀式の中で行われる行為で厳粛に行われます

献杯の後に拍手が起こることもありません。

間違った認識をしてしまうと、マナー違反になってしまうこともあるので注意しましょう。

献杯の挨拶は施主や遺族がするとは限らない

献杯の挨拶を行うのは、喪主や遺族だけではありません。

「誰が行わなければいけない」などの決まりはなく、親族以外にも親しかった友人や同僚などが行う場合もあります

喪主以外の方が献杯を行う場合は、故人との関係性や簡単なエピソード、自己紹介などを献杯の挨拶に付け加えます。

また、献杯を依頼する場合は、事前にその旨を伝えておきましょう。

当日にいきなり頼んでしまうのは失礼に当たります。

献杯を行うタイミングはお斎(会食)のスタート時

献杯が行われるタイミングは、法要が終わり、お斎(おとき)がスタートする時とされています。

食事の前に行われるので、長引かせてしまうと場の雰囲気を乱してしまう可能性もあります。

できるだけ手短に行うようにしましょう。

一周忌で献杯の挨拶を行う流れ

お線香の写真-2

ここからは、一周忌の法要で献杯を行う流れを具体的に紹介します。

献杯は一周忌だけでなく、法事のお斎の際には毎回行われます

ここで流れをマスターしておきましょう。

故人にお酒を捧げる

一周忌で行われる献杯の挨拶で、最初に行われる工程が「故人にお酒を捧げる」こと。

参加者全員が席に着いたことを確認してから、位牌の前にお酒を捧げます。

その後、一周忌に出席している方同士でお酒を注ぎ合います。

自分でお酒を注ぐことはタブーとされていますので、注意しましょう。

施主から参列者への挨拶

参加者全員にお酒を注ぎ終わったら、施主が参加者に感謝の気持ちを込めて挨拶します。

一周忌で施主が参加者へ挨拶できる場は限られています。

伝えたい思いなどは、こちらで伝えていきましょう。

献杯の挨拶を務める人の紹介

施主が、前もって依頼していた方を紹介します。

ここで、故人とどのような関係性であった人なのかを紹介しておくと、より親切です。

献杯の挨拶

施主より紹介されたら、献杯を行う場所へ速やかに移動します。

場所に着いたら施主に一礼をし、参加者の方に身体を向けて挨拶を行います。

ここで行う挨拶は、長くとも5分以内に収まるようにしましょう

献杯の挨拶が終わったら、グラスを手に持ち静かに「献杯」と発声します。

ここでお酒を飲みますが、グラスに入っている飲み物を一気に飲む必要はありません

ここでの献杯は、「乾杯」とは違いますので、間違っても大声で叫ぶことはないようにしましょう。

合掌もしくは黙祷

献杯の挨拶の後は、合掌を行います。

このタイミングで黙祷を行う場合もあるので、周囲に合わせて行動しましょう。

間違えても拍手は行ってはいけません。

お斎(会食)

献杯が終わると、会食が始まります。

献杯が終了する前に料理や飲み物に手をつけることはマナー違反とされていますので、注意してください。

閉式の挨拶

参加者の食事が終わったことを確認したら、施主が閉会の挨拶を行います。

献杯の挨拶:故人との関係別の例文

お花とお墓の写真-3

いざ献杯の挨拶を任されると困ってしまうのが、挨拶の内容。

ここからは、実際に「施主」、「親戚・遺族」、「友人」、「仕事関係者」の立場に分けて献杯の例文を紹介します。

長くとも5分程度の長さに収まるように、心がけましょう。

施主が献杯の挨拶を行う場合

本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
故人の長男の〇〇でございます。
本日はたくさんの方にご参列していただき、母も喜んでいることでしょう。
私どもが穏やかに一周忌を迎えられたのも、一重に皆様のお心遣いと励ましのお陰でございます。
ささやかですが、お食事を用意させていただきましたので、どうぞ気がねなくお召し上がりください。
献杯。
ありがとうございました。

親戚・遺族が献杯の挨拶を行う場合

故人の兄の〇〇と申します。
本日はお忙しい中、ご参列いただきまして、誠にありがとうございます。
皆様のおかげでこうして無事に一周忌を迎えることができました。
弟も皆様の元気で変わらないお顔を見て、うれしがっていることでしょう。
それでは、まずは献杯のご唱和お願い致します。
献杯。
本日はありがとうございました。

故人の友人が献杯の挨拶を行う場合

ご紹介をいただきました、〇〇の高校からの友人〇〇と申します。
出会った時から共に遊び、学んできた心の友でございます。
早いもので、〇〇さんがご逝去し1年が経ちました。
本日はここに集まった皆様と共に、亡〇〇を偲びながら思い出でもお伺いできればと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。
献杯。

故人の仕事関係者が挨拶を行う場合

ご紹介をいただきました、〇〇さんの上司の××株式会社〇〇と申します。
この度は、同僚の代表として献杯の挨拶を担当させていただきます。
〇〇さんとは、公私に渡り良くしていただき、とても尊敬しておりました。
今でも彼が残した言葉を良く思い出し、励まされています。
本日この場に集まった皆様と〇〇さんの思い出話などを語り合いながら、故人を偲んでいければと思います。
それではこれより献杯と致します。
献杯。
ありがとうございました。

献杯の挨拶をする際のポイント

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ここからは、献杯の挨拶を行う際に、注意してほしいポイントを紹介します。

一周忌は数ある法要の中でも重要度が高い年忌法要です。

ここでマナーを確認して、正しく献杯の挨拶を行いましょう。

故人を偲ぶための挨拶を意識

献杯は、故人を偲ぶために行われる儀式です。

そのため、必ず乾杯の挨拶を行う時は、故人を追悼する気持ちを込めましょう

お悔やみの言葉も合わせて盛り込んでおきましょう。

短く簡潔な挨拶を心がける

献杯の挨拶は、お食事の前に行われます。

挨拶が長くなってしまうと、式自体が長くなってしまうだけでなく場の雰囲気も乱してしまうこともあります。

ここで故人との思い出を長く語るようなことは避け、手短に済ませるようにしましょう

注意!献杯の挨拶でマナー違反になる言葉

ここからは、献杯の挨拶を行う上で、マナー違反となってしまう言葉を紹介します。

忌み言葉・重ね言葉

献杯を行う際は、「追って」などの忌み言葉は縁起が悪く、忌み言葉を使用した挨拶では気分を害される方もおられます。

「くれぐれ」や「ますます」などの重ね言葉は「不幸が重なる」とされているため使用を避けましょう。

気づかぬ内に使用していることもあるので、献杯の挨拶を考える際は発言する予定の言葉に、忌み言葉や重ね言葉が使用されていないか確認することが大切です。

直接的な表現の言葉

献杯の挨拶には、「死」を連想させるような直接的な言葉を使用してはいけません

また、「不幸」を連想させてしまう言葉も避けるようにしてください。

遺族の気持ちを尊重して言葉を選ぶようにしましょう。

宗教別:注意すべき言葉

・神道
「冥福」や「成仏」などの言葉は仏教用語であることから、神道では使用してはいけません。

・キリスト教
仏教に関連する言葉は使用しないようにしましょう。

また、キリスト教の場合、献杯は行われません。

まとめ

この記事では献杯の挨拶についてご紹介しました。

記事内でも解説した通り、献杯の挨拶は必ずしも施主が行うとは限りません

親しい方の一周忌に参列される際はぜひ本記事をご参考に、故人を偲ぶ素敵な献杯の挨拶を行ってください。

一周忌について詳しくはこちらの記事をお読みください。
一周忌とは?マナーや準備について解説

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