故人が亡くなり満2年程が経つと、親族や参列者の方へ法要の知らせを送る三回忌の案内状。
三回忌の案内状を実際に書く際に記載すべき内容やマナーが気になると思います。
また封筒とはがきの選び方や、案内状が届いた時の返信の仕方についても解説します。
三回忌について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼三回忌とはどんな法要?基本的なマナーについても紹介
目次
三回忌案内状に記載する内容
三回忌の案内状を送る際には、必ず記載すべき内容があります。
まずは、記載すべきポイントを押さえておきましょう。
敬具・時候の挨拶
三回忌の案内状には、「拝啓」と「敬具」、「時候の挨拶」を入れるのが基本的なマナーです。
まず、文章の最初に「拝啓」という挨拶を記載します。
そして、文章の一番最後は「敬具」という拝啓の対になる言葉で締めくくります。
「時候の挨拶」とは、季節や天候に合わせた心情などを表した挨拶のことです。
三回忌の案内状を出す季節に合わせて言葉を選びましょう。
春なら「陽春の侯」、夏なら「残暑の候」、秋なら「秋冷の候」、冬なら「厳寒の候」などの時候の挨拶があります。
冒頭は「拝啓 残暑の候 皆さまいかがお過ごしでしょうか」などが一例です。
故人の名前と三回忌のお知らせ
故人の名前と三回忌のお知らせであることは明確に記載する必要があります。
例えば「さて この度 亡〇〇の三回忌の法要を営みたく存じます」と書きます。
故人と施主の苗字が違うときは、故人の苗字も記載することを忘れないようにします。
「亡義父 〇〇〇〇の三回忌法要を営みたく存じます」が一例です。
日時と場所
三回忌の日時と場所も分かりやすく記載しましょう。
日時は、和暦を使う慣例があります。
法要を実施する年月日と曜日、時間を書きます。
「日時 令和〇年 〇月〇日(〇) 午前〇〇時より」
場所は、施設名と住所、電話番号を忘れずに書きましょう。
「場所 〇〇〇〇 ◻︎◻︎市◻︎区◻︎町〇〇-〇 電話番号」
法事の流れ
法要後に会食があるのかどうかについて記載しておくと、参列者も時間の目安をつけやすくなるので良心的です。
「法要後は〇〇にて粗宴を準備しております」
などと記載しておきましょう。
施主の連絡先
案内状には「◻︎◻︎市◻︎区◻︎町〇〇-〇 電話番号 施主の名前」と書き、何かあったときの連絡先を記しておく必要があります。
施主と故人の住所が同じ場合は、住所を省略しても問題ありません。
施主の名前は名字だけでなく、フルネームで記載します。
返信蘭
三回忌法要の場所の確保や会食の準備があるため、参列者の人数を把握する必要があります。
そのために、案内状には返信欄を明記しておきましょう。
返信の締め切りには、余裕を持たせた日にちを設定します。
以下が例文です。
「お手数ではございますが〇月〇日までにご都合をご返信賜りたくお願い申し上げます」
テンプレートとして使える三回忌案内状の文例
ここまでは、案内状に記載すべき内容についてお伝えしました。
では実際、三回忌の案内状を送るときの全体の例文をご紹介します。
内容にお困りのときは、テンプレートとして活用してください。
三回忌法要の案内状の文例
文例1
拝啓 陽春の候 皆さまいかがお過ごしでしょうか さて この度 亡〇〇の三回忌の法要を営みたく存じます つきましては左記日程により生前御懇情を賜りました皆さまに御参会いただきたくお願い申し上げます 敬具 令和〇年 〇月 記 日時 令和〇年 〇月〇日(〇) 午前〇〇時より 場所 自宅にて ◻︎◻︎市◻︎区◻︎町〇〇-〇 電話番号 法要後は自宅にて粗宴を準備しております ◻︎◻︎市◻︎区◻︎町〇〇-〇 電話番号 施主の名前 ※ お手数ではございますが〇月〇日までにご都合をご返信賜りたくお願い申し上げます |
文例2
拝啓 残暑の候 皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます さてこの度 左記日程にて亡父 〇〇の三回忌の法要を営むこととなりました つきましてはご多忙中大変恐縮ではございますが ぜひともご臨席のほどお願い申し上げます 敬具 令和〇年 〇月 記 日時 令和〇年 〇月〇日(〇) 午前〇〇時より 場所 施設名 ◻︎◻︎市◻︎区◻︎町〇〇-〇 電話番号 法要後は〇〇にて粗宴を準備しております ◻︎◻︎市◻︎区◻︎町〇〇-〇 電話番号 施主の名前 ※ お手数ではございますが〇月〇日までにご都合をお知らせ願います |
文例3
拝啓 秋冷の候 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます さて 来る〇月〇日は 亡母 〇〇の三回忌に当たります つきましては左記日程にて法要を営みたいと存じますので ご多忙中はなはだ恐縮ながらぜひともご臨席を賜りたくご案内申し上げます 敬具 令和〇年 〇月 記 日時 令和〇年 〇月〇日(〇) 午前〇〇時より 場所 施設名 ◻︎◻︎市◻︎区◻︎町〇〇-〇 電話番号 尚 法要後 近くの〇〇にて別席を設けております ◻︎◻︎市◻︎区◻︎町〇〇-〇 電話番号 施主の名前 ※ お手数ながら〇月〇日までにご返信賜りたくお願い申し上げます |
三回忌案内状を書く際のマナー
三回忌の案内状に書く内容はお分かりいただけたと思います。
ここからは、案内状での書き方のマナーについて確認しておきましょう。
頭語・結語
頭語は文章の最初に使う挨拶のことを、結語は文章の最後を締めくくる言葉のことをいいます。
「拝啓」で始めたときは、対になる「敬具」で締めくくります。
他にもさまざまな頭語と結語があります。
「謹啓」で始めたときは「謹白」で終わります。
謹啓と謹白の組み合わせは、拝啓と敬具の組み合わせより深い敬意が込められています。
時候のあいさつ
頭語の次には時候の挨拶を記載します。
時候の挨拶は、各月ごとに決まった慣用句があるので、案内状を送付する時期に合わせたものを使いましょう。
気に入った慣用句がなければ、自作したものを使用しても良いでしょう。
句読点は使わない
三回忌法要の案内状には、句読点を使わないことがルールです。
それには三つの理由があります。
一つ目の理由は、法要が滞りなく済むように、という思いを込めて文章には途切れる意味のある句読点を使わないようにしているからです。
二つ目の理由は、元来から毛筆で書く手紙には句読点が使わない慣わしだったからです。
そして最後に、句読点は読み手の補助をするために使っているため、その力を備えている人に対して句読点を使うことは失礼に当たるからという理由です。
「ついうっかり、案内状に句読点を入れてしまった!」とならないように、完成した文章を見直してみましょう。
日時や場所は詳しく記載
日時や場所は忘れずに、詳しく記載します。
「いつ、どこで、何時から行うのか」はとても大切な内容です。
記入漏れのないようにしましょう。
封筒とはがきの選び方
三回忌の案内状を送る際には、封筒とはがきの選び方にも注意が必要です。
ここからは、三回忌の案内状に適している封筒とはがきの選び方をご紹介します。
封筒+案内状
適しているのは、白い無地の封筒に、案内の書状を入れて送付するという方法です。
ここで注意したいのが、三回忌法要の案内状に二重封筒は使わないということです。
白い封筒の中に、色の付いた紙が貼られているのが二重封筒です。
二重の封筒には、相手に丁寧な印象を持ってもらえるという特徴があります。
しかし、法要などのお知らせの手紙としては、不幸が重なることを連想させるため二重封筒の使用は不向きです。
往復はがき
近年では略式として、封筒を使用せずに往復はがきで案内状を出すケースも増えています。
会場や会食の準備のために、法要の数日前に正確な人数を把握しておく必要があります。
そのため往復はがきは、出欠の返信をもらうのに大変便利なのです。
略式とはいえ、マナー違反ではないので問題なく使用できます。
ただ、往復はがきは受け取った人が半分に切り取って返信する必要があるので注意が必要です。
稀に切り取らずポスト投函される方もいるため、「半分に切り取ってからポストへ投函お願いします」と一言添えておくと親切です。
三回忌の案内状が届いたら
ここからは、三回忌の案内状が届いたときの注意点や出欠の返信の方法について詳しくご案内していきたいと思います。
なるべく早く返信する
法要の会場や会食準備が必要なため、出欠の返信はなるべく早く行うのがマナーです。
万が一欠席する場合は、遺族側も会食などをキャンセルする必要があるためできるだけ早く連絡しましょう。
住所・氏名・出席の御を消す
案内状には、「御住所」「御氏名」「御出席」という欄があると思います。
しかし、自身に対して「御」という敬語表現を使うことは不適切なので消す必要があります。
黒のボールペンや筆ペンで「御」の字を二重線で消してから、「出席」もしくは「欠席」を丸で囲みます。
出席する場合は欠席という文字を二重線で消し、欠席する場合は出席という文字を二重線で消します。
「御」など一文字のものは斜めに二重線を、「出席」や「欠席」など二文字以上のものは行の方向に沿って二重線を引きます。
行を様に変更する
施主に返信する際、「行」と印字されている文字を、相手を敬うために「様」に書き換えることがマナーです。
施主の名前の下に記載されている、「行」という文字を斜めの二重線で消し、横に「様」と書き加えます。
もしも、裏面にコメント欄や余白があれば、「御連絡をいただきありがとうございます。当日は皆さまとともに亡〇〇様を偲び、ご冥福をお祈りしたく願います」と添えておくのも良いでしょう。
スペースがなければ、無理に記入する必要はありません。
欠席するときのお詫びの文例
欠席する際には、返信はがきの裏面のコメント欄や余白にお詫びの文を書き添えておきましょう。
また、はがきに書き添えるだけではなく、お詫びの手紙を添えて欠席の旨をお伝えする方法もあります。
その際に、テンプレートとして使える文例を一つご紹介します。
この度は、法要の御案内をいただき誠にありがとうございます。 ご遺族の皆さまとともに、お世話になった〇〇様のご冥福をお祈りしたかったのですが、諸事情により出席がかないませぬことをお許しください。 大変申し訳ございません。 ご家族の皆さまもどうかお体をご自愛ください。 |
まとめ
三回忌法要の案内状は出す機会も少ないので、知らなかったことなども多いのではないでしょうか。
ここでは、案内状に書くべき内容やマナーについて詳しくお伝えしました。
今回ご紹介したテンプレートを参考に、ご自身に合わせた案内状作成に役立てていただければ幸いです。
目上の人に出すこともあるため、封筒とはがきの選び方なども、失礼がないようにしっかり確認しておいてくださいね。