一周忌で使うのし(熨斗)表書きの書き方やマナーは?香典袋・お供え・お返しの引き出物別に宗教宗派、地域に合わせて解説

一周忌のお供え香典お返しには、用途に合わせてのしを使います。

「〇〇用ののしを付けてください」と言えば適切なものを用意してもらえますが、宗教や宗派、地域によってのしの選び方や書き方が異なる場合があるため、相手に不快な思いをさせないようマナーを知っておきましょう。

本記事では、一周忌に使うのしのマナーを、お供え、香典、お返しの用途別に解説します。

一周忌法要に参列する予定の方も、お返しの用意を控えている施主も、ぜひ参考にしてください。

のし(熨斗)とは

のし(熨斗)のイメージ

のしとは、神事で供えられた「のしあわび」が由来で、のし紙やのし袋(祝儀袋)の右上に付いている色紙で作った添え物を指します。

前提として、のしは慶事に用いられるもので、弔事には使いません

一周忌のお供えやお返しに使うのし紙にはのしが付いていないため、本来は「かけ紙」が正しい名称でした。

ただ、現在はのしの有無にかかわらず、総じてのしまたはのし紙と呼ばれることが一般的です。

一周忌で使うのしに共通する書き方のマナー

一周忌で使うのしには、共通するマナーがあります。

薄墨ではなく濃いインクのペンで書く

通夜や葬儀の香典袋を書く際は悲しみを表現するために薄墨を使いますが、一周忌では薄墨ではなく濃いインクのペンを使います。

なお、ボールペンやマジックペンではなく、筆ペンまたは毛筆で書きましょう。

数字は旧字体の漢数字で書く

数字を書く際は、旧字体の漢数字を使います。

以下、アラビア数字と漢数字と旧字体の漢数字をまとめた表です。

アラビア数字 漢数字 旧字体漢数字
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 拾・什
100
1,000 仟・阡
10,000

香典袋の中袋に書く金額は、数字の前に「」と書き、円は「」としてください。

2万円の場合には「金弐萬圓」もしくは「金弐萬圓也」と書きます。

【参列者】一周忌のお供えに使うのしのマナー

掛紙が巻かれたお供えもの

一周忌のお供えに使うのしの選び方や書き方を解説します。

のしの選び方

一周忌のお供えには、双銀もしくは白黒の水引が印刷されたのしを選ぶのが一般的です。

関東では一周忌まで白黒の水引を使う地域もあり、関西なら白黄の場合もあります。

また、不幸ごとが何度も起こらないようにという思いから、水引はほどけにくい形である結び切りを使いましょう。

表書きの書き方

お供えに使うのしの表書きには、お供え物を表す「御供」もしくは「御供物」と書きます。

水引の下に、贈り主の名前をフルネームで書いてください。

連名でお供え物を贈る場合は、代表者の名前を書いた横に「他○名」等と書き加えましょう。

会社やグループで贈るなら「会社名」や「○○一同」などと書いて、贈り主がわかるようにしてください。

お供えの渡し方

一周忌のお供えを贈る際は、施主に挨拶をして「どうぞ御仏前にお供えください」と一言添えてから手渡しします。

渡すタイミングは、法要前がよいでしょう。

【参列者】一周忌の香典に使うのしのマナー

手のひらと香典

一周忌の法要に参列する際は、香典を用意しなければいけません。

一周忌の香典に使うのし(香典袋)の選び方や書き方を解説します。

香典袋の選び方

香典袋の水引は、包む金額によって使い分けましょう。

「見栄えがよいから」と豪華な水引を選んでも、中身が少ないと失礼な印象を与えかねません。

1万円未満 白黒の水引が印刷された香典袋
1万円以上5万円未満 白黒の水引がかけられた香典袋
5万円以上 双銀の水引がかけられた中金封

香典袋の書き方

香典袋の表書きは、宗教によって書き方が異なります。

仏教 御仏前、御佛前、御香料、御香典
神道 御榊料、御玉串料、神饌料
キリスト教 御花料

また、香典袋の中袋には、金額住所氏名を書きましょう。

なお、中袋を使わない地域や香典袋に中袋がない場合は、香典袋の表面に名前を書き、裏面に住所と金額を書き加えます。

詳しい書き方は、以下の記事でも解説しています。

【一周忌】香典袋の書き方や選び方がわかる!地域の違いや包む金額も解説

香典の渡し方

香典は袱紗に包んで持参して、施主に挨拶をしたら袱紗から取り出して渡すのが正しい作法です。

香典袋の正面を相手に向け、お悔やみの言葉を添えて手渡しします。

なお、香典を2回に分けて渡すようなことは、不幸が重なるという意味でマナー違反となります。

【施主】一周忌のお返しに使うのしのマナー

引き出物のイメージ

一周忌法要の参列者から御香典やお供えをいただいたら、施主はお返しとして引き出物を用意します。

一周忌のお返しに使うのしの選び方や書き方を解説します。

のしの選び方

一周忌のお返しに使うのしは、白黒の水引が印刷されたものを選ぶのが一般的です。

ただ、関西や北陸では白黄の水引が使われる場合もあります。

また、不幸ごとが何度も起こらないようにという思いから、水引はほどけにくい形である結び切りを使ってください。

表書きの書き方

お返しの表書きには、気持ちという意味合いの「」や、法要のお返しを表す「粗供養」と書きます。

水引の下には、施主の名字またはフルネームを書きましょう。

お返しの渡し方

参列してご香典やお供え物を用意し、故人を悼んでくれた参列者に向けてのお返しが引き出物です。

そのため、施主はお礼の言葉とともに引き出物を渡すようにしましょう。

当日は忙しく立ち回らなければいけないため、渡しやすいよう事前に紙袋へ入れておき、参列者が帰る際に挨拶して渡します。

また、会食を行う場合はそれぞれの席に置いておくと手間がかかりません。

まとめ

一周忌は故人を弔い、遺族が喪から明けるための大事な法要です。

マナーを守らない香典やお供え物でご遺族や関係者、参列者に不快な思いをさせてしまうようなことは避けなければいけません。

のしの選び方や書き方などのマナーをしっかりと守って、一周忌に参列しましょう。

 

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