一般的に、三回忌の法要に参列される方からはお供え物をいただくため、参列していただいたことへの感謝も込めてお返しを用意するのがマナーです。
なお、お返しは法要の当日に参列者へ手渡すため、事前に用意しなければなりません。
本記事では、三回忌のお返しの相場やおすすめの引き出物を解説します。
お返しを渡すときのマナーや、よくある質問も解説しているので、マナーに不安がある方はぜひお役立てください。
目次
三回忌ではお供えのお返しが必要
一般的に、三回忌の法要に参列される方からはお供え物をいただくため、法要に参列していただいたことへの感謝の気持ちも込めてお返しを用意します。
三回忌のお返しには、飲食物や日用品などの後に残らない消えものを選ぶのが一般的です。
なお、お返しを「香典返し」と呼ばれることがありますが、四十九日の法要を終えてからいただいた金銭や品物は香典ではなく「お供え物」であるため、三回忌では香典返しではなく「お返し」「返礼品」「引き出物」などと呼びます。
三回忌のお返しの相場
三回忌のお返しの相場は、三回忌でのお返しの相場は香典返しと同様の考え方で、受け取った金額のおよそ3分の1から半分程度が目安です。
三回忌にいただくお供えは1万円前後が相場のため、3,000~5,000円程度の引き出物を用意するとよいでしょう。
受け取った金額ごとのお返しの相場は、以下を参考にしてください。
受け取った金額 | お返しの目安 |
50,000円 | 16,000円~25,000円 |
30,000円 | 10,000円~15,000円 |
10,000円 | 3,000円~5,000円 |
5,000円 | 1,500円~2,500円 |
なお、三回忌のお返しは法要の当日に参列者へ手渡すため、事前に用意が必要です。
そのため、もし相場を上回るお供えをいただいたら、後日あらためて不足した金額分のお返しを渡しましょう。
手渡しできない場合は郵送でも問題ありませんが、法要の規模や地域によって考え方が異なる場合があるので、不安な場合は親族に確認すると安心です。
法要後に会食を行う場合の相場
法要後に会食を行う場合、参列者は会食代を考慮した金額を包むのが一般的です。
そのため、お返しの金額は会食代を差し引いて計算します。
受け取った金額 | 5,000円の会食を用意した場合の お返しの目安 |
10,000円の会食を用意した場合の お返しの目安 |
---|---|---|
50,000円 | 15,000円~22,000円 | 13,000円~20,000円 |
30,000円 | 8,000円~12,000円 | 6,000円~10,000円 |
10,000円 | 1,500円~2,500円 | 1,000円程度 |
三回忌のおすすめの引き出物
三回忌のお返しは、以下のような消えものがおすすめです。
それぞれの選び方を含めて解説します。
お菓子
お菓子は幅広い年代の方に喜ばれやすく、三回忌のお返しでも定番の引き出物です。
たとえば、羊羹、饅頭、煎餅、カステラ、クッキー、ゼリーなどのような個包装の日持ちするものを選ぶと、相手の都合に合わせて楽しんでもらえます。
反対に、お祝いを連想させるケーキや、持ち帰りにくいものなどは避けましょう。
飲み物
お茶、紅茶、コーヒーなどの飲み物は日常で気軽に楽しめるため、三回忌のお返しにおすすめの引き出物です。
缶や瓶の重いものは持ち帰る際の負担になるので、ギフトセットや詰め合わせなどの個包装でかさばらないものを選びましょう。
日用品
石鹸や洗剤はどこの家庭でも使いやすく「悲しみを洗い流す」という意味合いがあるため、三回忌のお返しに選ばれています。
他にも「悲しみを拭う」という意味合いがあるタオルやハンカチも、引き出物におすすめです。
カタログギフト
カタログギフトは持ち帰りやすく、相手に好きなものを選んでもらえるため、三回忌のお返しにおすすめの引き出物です。
特に三回忌では、通夜、葬儀、四十九日、一周忌と参列されている方が多いので、定番のものを避けたい場合は選ぶ楽しみがあるカタログギフトを用意するのもよいでしょう。
なお、相手に金額がわかる商品券は失礼な印象を与えてしまう場合があるため、選ぶならカタログギフトのほうが無難でしょう。
三回忌のお返しの選び方
三回忌のお返しを選ぶときは、以下3点を意識すると喜ばれるでしょう。
消えものを選ぶ
先述の通り、三回忌のお返しは普段使いしやすい飲食物や日用品などの消えものを選びます。
「不祝儀を残さない」という意味合いがあり、相手の負担になりにくく、幅広い年代の方に喜ばれるのも理由です。
日持ちするものを選ぶ
三回忌のお返しに食べ物を選ぶ場合は、好きなタイミングで食べられるように日持ちするものを選びましょう。
賞味期限が短いものは急いで消費しなければならず、相手の負担になる可能性があります。
お返しに不適切なものは避ける
以下のようなものは、三回忌のお返しに適していません。
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肉や魚は殺生を連想させるため、三回忌に限らず弔事ではマナー違反です。
また、お祝いを連想させるものもふさわしくないため、パッケージにも配慮しましょう。
三回忌のお返しのマナー
ここからは、三回忌のお返しを用意するときのマナーを解説します。
のしの書き方や水引の選び方にもマナーがあるため、ここで確認しておきましょう。
のしの書き方
前提として、のし紙は右上に飾り(のし)が付いている慶事用のかけ紙を指し、三回忌を含む弔事では飾り(のし)が付いていないかけ紙を使うのがマナーです。
三回忌のお返しのかけ紙には、表書きに「志」または「粗供養」などと書きます。
「志」はどのような宗教でも使える一般的な表書きで、「粗供養」は関西・四国・中国・九州地方などで使われる傾向にあります。
水引の選び方
一周忌までは黒白か双銀の水引を使いますが、三回忌以降は青白か黄白の水引を使います。
なお、神式やキリスト教式では黄白が使われます。
いずれの場合も水引の形は、一度結んだらほどけにくいことから「繰り返さない」という意味がある結び切りです。
三回忌のお返しの渡し方
ここからは、三回忌のお返しを渡すときのマナーを解説します。
渡すタイミング
三回忌のお返しは、会食後に参列者へ手渡すのが一般的です。
荷物になってしまうので、参列者に余計な負担をかけないよう配慮します。
手渡すときは1人1人にお礼を述べるのが望ましいですが、会食の最後に挨拶をして持ち帰ってもらったり席に置いてもらったりするのもよいでしょう。
会食が無い場合や会食に参加しない人がいるときは、参列者が帰るタイミングでお返しを渡します。
挨拶状の文例
三回忌のお返しには、三回忌の法要に参列していただいたことや、お供えをいただいたことに対して挨拶状やお礼状を添えると丁寧です。
<例文>
拝啓 ○○の候 皆様にはすこやかにお過ごしのこととお慶び申し上げます 過日 亡父○○ の三回忌に際しましては ご多用中にもかかわらず 遠路お運びくださいまして 誠にありがとうございました ささやかながら 御礼のしるしとして心ばかりの品をお贈りさせていただきます 略儀ながら 書中をもちましてご挨拶申し上げます 敬具 令和○年○月 〒000-0000 ○○県○○市○○町1-1 山田一郎 |
手書きする場合は、以下の点に注意しましょう。
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【Q&A】三回忌のお返しのよくある質問
三回忌のお返しに関するよくある質問にお答えします。
家族だけで三回忌を行う場合もお返しは必要?
三回忌を家族だけで行う場合、同居していない家族にはお返しを用意したほうがよいと言えます。
引き出物にはお供えをいただいたことや、参列していただいたことへの感謝の意味合いがあるためです。
三回忌に参列していない人にもお返しは必要?
三回忌に参列していない人にお供えをいただいた場合もお返しは必要です。
1~2週間以内に、手渡しまたは郵送で届けましょう。
法要が無事に終了したことの報告を兼ね、以下のようなお礼状や挨拶状を同封します。
<例文>
拝啓 ○○の候 ご尊家ご一同様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます この度は 亡母 ○○儀 三回忌に際しまして ご厚志を賜り 誠にありがとうございました ○月○日に法要を無事済ませることができました つきましては 供養のおしるしまでに粗品ではございますが 御受納下さいますよう御願い申し上げます まずは略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます 敬具 令和○年○月 〒000-0000 ○○県○○市○○町1-1 山田一郎 親族一同 |
後日郵送する場合はいつまでに送る?
三回忌のお返しを当日ではなく、後日郵送する場合は1~2週以内に届くよう手配するのがマナーです。
事前に相手の都合を聞いておくとより丁寧な印象になります。
まとめ
三回忌のお返しは、お供え物や参列に対する感謝の気持ちと、無事に法要が終了したという報告の意味合いがあります。
お返しの相場は半分~1/3程度、日持ちする消え物で個包装になっているものが理想です。
掛け紙は地域や宗教ごとのマナーを守り、挨拶状などを添えることも忘れないようにします。
マナーを守って故人の供養のために集まってくれた方々に失礼のないよう心がけましょう。
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