家の解体費用は、家の前を重機が通ることができるか、建物に使われている材料の分別が必要かどうか、などによって変わります。
とはいえ、自治体から支払われる補助金や助成金を利用すれば、費用を抑えることも可能です。
本記事では家を解体する際に必要な費用や、補助金制度について紹介します。
家の解体について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼家を解体すべき理由と解体に関するよくある疑問を解説
目次
家の解体費用が決まるポイントは?
まずは、家の解体費用を決めるポイントについて解説します。
建物の構造や広さ
家の解体費用は、建物の構造や広さによって大きく変動します。
まず、解体費用の大きなポイントとなるのが躯体(くたい)の構造です。
建物にはさまざまな構造様式があり、小規模アパートに多い木造建築やビルに多い重量鉄骨造、軽量鉄骨造や鉄筋コンクリートなどが挙げられます。
建物の構造によって固さが異なる為、強度のある構造で造られた建物ほど解体の手間がかかり、解体費用も高くなりがちです。
また、建物の階数も解体費用に影響します。
二階建ての場合、平屋よりも屋根や基礎面積が狭くなるため、実は二階建ての方が解体費用が安い、なんてことも。
というのも、平屋の基礎部分を解体する際には、廃材が多く出ることもあり、処分費として割高になることが考えられるのです。
さらに地下がある場合は、地下の埋め立て作業などのために地上階と同じ解体費用がかかってしまうため、倍以上の費用がかかることもあります。
重機が入るスペースなどの立地条件
「重機が入ることのできる道路幅かどうか」など、立地条件についても解体工事の作業費に含まれます。
解体工事は、重機や運搬車を利用することで手作業の手間を減らしますが、重機や運搬車が入れない立地の場合、どうしても手作業の工程が増えてしまいます。
その場合、作業員をより多く配置するために人件費がかさんでしまい、解体工事費用も大幅にアップしてしまうのです。
「解体工事を行いたい立地に接する道路が狭い」「住宅密集地で建物同士が隣接している」などの場合は解体工事費用が高くなると思っておいたほうがいいでしょう。
付帯工事費用
庭木や堀、倉庫などといった外構を撤去する場合は、別途付帯工事費用がかかります。
たとえば以下のようなものを撤去したり解体したりする場合に付帯工事が考えられます。
庭木・庭石 塀・フェンス ガレージ 倉庫・物置 井戸 外壁 |
庭木や引き抜いた植木は、幹の本数や直径によって単価がかわります。
相場では樹木1本で1万円以上の処分費用となっていることが多いですが、伐採だけでなく根から取り除く場合は1.5倍程度の費用がかかります。
また、庭石は重さによって処分費用が異なりますが、1tにつき1万円程度の費用が一般的です。
ブロック塀は面積によって費用が計算されますが、廃棄物の処理が金額に含まれているかどうかの確認をしておきましょう。
フェンスや門扉、倉庫や物置は材質や構造によって費用に差が出ますが、相場では2万円前後から個別に計上されます。
また、解体場所に井戸や池がある場合、埋め戻しの作業が必要になり、井戸の埋め戻しではお祓いを行うことが多いため、一式で約3万~5万円程度が費用に含まれていることが多いでしょう。
廃棄する建材の量
廃材の処理費用は解体費用の4割程度を占めており、廃棄量が多くなればなるほど運搬コストや処理コストが高まります。
たとえば木造家屋からは木くず、鉄骨家屋からはコンクリートの廃材が多く、鉄筋造りでは金属くずが多いです。
それ以外にも廃プラスチックやガラス、石膏ボードや床材など、構造体によって廃棄建材の量が大きく異なります。
また一般的に木造家屋は、鉄骨・鉄筋造りの家屋に比べて産業廃棄物の量が少なく済むことが多く、処分費用も比較的安いという傾向にあります。
処分費用の相場としては、石膏ボードや混合廃棄物、床材やガラスの費用が比較的割高です。
建物の種類の違い
同じ坪数や階数でも、住宅よりも店舗やアパートといった建物のほうが固有の理由によって解体費用が高くなる傾向にあります。
店舗の場合、テナントの内装や設備の解体が必要になります。
たとえば店内にショーケースや冷蔵庫、保温機といった室内残置物があれば、その分撤去費用や廃棄物処理費用が高くなってしまうのです。
店舗の事業形態によって内装の中身が変わるため、解体を進めるうえで必要な作業が増えてしまうこともあります。
アパートやマンションの場合、立地や廃棄物処理費、整地費などが含まれることが多くあります。
立地については、近隣との距離が密接している場合や密集地域の場合は、入念な工事が必要なため解体費用が高くなってしまいがちです。
また、樹木や砂利、階段や駐車場の撤去を伴うケースが多く、廃棄物処理に費用も大幅に上上乗せされます。
アパートの解体費用相場は、坪あたり3~10万円を目安に考えておくのがいいでしょう。
【木造/鉄骨/鉄筋】20・30・40坪の解体費用相場一覧
解体費用については、「木造→鉄骨造→鉄筋コンクリート」の順に費用が高くなります。
ここでは、具体的な建物別の解体工事費用相場について説明します。
【建物別】解体工事費用目安
建物の構造によって解体工事費用には大きな差があります。
以下は、それぞれの解体工事費用目安です。
20坪 | 30坪 | 40坪 | |
木造 | 62~130万円 | 120~150万円 | 124~260万円 |
鉄骨 | 68~140万円 | 180~210万円 | 136~280万円 |
鉄筋 | 70~160万円 | 180~240万円 | 140~320万円 |
建物の造りや立地などさまざまな要因によって、同じ坪数でも費用が倍以上違うという場合もあります。
付帯工事費用目安
付帯工事にかかる費用の目安は総費用の約20%といわれており、以下のような費用が予想されます。
20坪 | 30坪 | 40坪 | |
木造 | 12.4~26万円 | 5~15万円 | 24~52万円 |
鉄骨 | 13~28万円 | 36~42万円 | 27~56万円 |
鉄筋 | 14~32万円 | 36~48万円 | 28~64万円 |
建物の種類や整備に必要な作業の量など、該当箇所の状態によって大きく変動します。
家を解体する際の注意点
家を解体する際は「解体業者選び」「事前準備」「明確な見積書の把握」の3つの点について注意しておきましょう。
解体業者選び
解体業者を選ぶ際は、ホームページや料金の内容、レスポンスの早さなどをチェックしておきましょう。
ホームページで、極端に安い見積りをアピールしている会社の場合は、安値の理由をチェックしておく必要があります。
費用が安いのは嬉しいですが、利用者を獲得するために廃棄物の処理代を浮かせて、不法投棄をするような業者もいるのです。
このように業者が不法投棄をした場合、依頼人の責任になってしまうこともあるため、注意しなければいけません。
解体費用の坪単価は、地域によって2~3万円程度であることが多いので、それ以下の場合は少し警戒しておきましょう。
ホームページの充実度から会社の規模もわかるので、業者の雰囲気を知りたい方はぜひチェックしておきましょう。
また、担当者に連絡がつきやすいかどうかも重要です。
一般的に優良な業者であればレスポンスは早く、電話が繋がらなくてもその日中には折り返しの連絡をします。
担当者や会社へ電話が繋がらない場合、依頼者は信用に欠ける対応に不快感を覚えます。
多額の費用をかけて行う工事ですので、誠実な対応をしている業者に解体工事を依頼するようにしましょう。
信用問題という点においては、連絡のつきやすさはもちろん、解体業者の第一印象も判断材料のひとつになってくるでしょう。
解体業者選びに不安がある場合は、解体工事に必要な許可や保険の加入など、業者が然るべき対応をしているかどうかを尋ねるのも一つの方法です。
事前にできる処分は行う
事前にできる処分を行っておくことで、付帯工事費用を抑えることができます。
室内や敷地内にある残置物は、撤去や廃棄に費用がかかるので、できるだけ空っぽの状態にしておくのがおすすめです。
たとえば家具の処分も業者に任せることが可能ですが、大型の家具は処分の費用がかさんでしまいます。
ゴミ収集車が回収するような一般的なごみは「一般廃棄物」として扱われ、誰でも処分することができます。
一方で、産業廃棄物は有資格者による廃棄のみが認められているので、事前の廃棄は不可能です。
また、廃棄物の中にはリサイクル可能なものもあります。
地域の処分方法やリサイクルの可否について調べておけば、解体費用を削減することができるでしょう。
解体する家に残った家具の処分について詳しくはこちらの記事をお読みください。
▼家具や家電の処分方法と費用について
明確な見積もり書をもらう
解体工事の内訳がわかる見積もり書を提示してもらうことで、お互いに信用しながら工事を進められます。
一方で、長年解体工事を行っている業者や不誠実な業者の場合、簡素過ぎる見積もりで一般の方が見積もり内容を把握できないというケースもあります。
見積もり書の内容がよくわからない場合は、解体工事各項目についての明細を出してもらいましょう。
反対に、複雑な書き方をして必要以上に高額にしたり、工程を怠ったりということも考えられます。
必ず見積書だけでなく契約書も発行してもらい、安心安全の取り交わしによって工事を依頼してください。
業者選びで迷っている際には、複数の会社から見積もりを取るというのも一つの方法です。
補助金・助成金制度を活用しよう
家屋を解体する場合に受けられる補助金・助成金制度を紹介します。
老朽化した家屋の場合
老朽化した家屋であれば給付要件を満たす場合があります。
地方によって異なりますが、いくつかある給付要件のひとつに「耐震診断の結果」が挙げられます。
地方自治体は、老朽化した建物による震災被害の減少などといった、地域性も含む目的によって給付要件を挙げています。
つまり地域によっては、古民家などは補助の対象になる場合が多いということ。
また、「人が住んでいるかどうか」「建て替えか解体のみか」など建物に付随する状況によっても補助の有り無しが異なります。
アスベストを調査する場合
アスベストが建築物に含まれているかを調査する場合に補助金・助成金が出ます。
古くからアスベストは優秀材料として建築に採用されていましたが、近年ではアスベストに発がん性や有害性が確認されています。
被害を最小限に抑えるべく、アスベストを取り除く工事が行われているのです。
家屋にアスベストがあるかどうかわからないという場合も、調査をするだけで結果に関わらず最大25万円の補助金を受取ることが可能です。
もちろんアスベストの除去工事にも助成金や補助金は出ます。
アスベストの除去工事費用はとても高く、20~100万円近い費用がかかることもあります。
地方自治体の助成金・補助金制度を利用して無理なく工事を依頼しましょう。
空き家を解体する場合
自治体によって、空き家解体を補助するための助成金や補助金制度が拡充されています。
空き家の解体費用を負担する所有者が解体を躊躇するケースもあり、全国的にも空き家が増えています。
空き家を解体することによる納税額の変動や、「思い出の家がなくなってしまう」といったことも空き家解体に至らない背景のひとつです。
解体によるメリットを増やすために、制度を活用することを視野に入れてみましょう。
ブロック塀の撤去や生垣の設置をする場合
倒壊による災害防止や緑化の推進を目的として、ブロック塀の撤去や生垣設置の補助が出ることがあります。
地方によってさまざまですが、基本的にはブロック塀の危険性を考慮した制度です。
町ぐるみで住環境を改善するための取り組みであり、撤去や修繕などを促進するものです。
家の解体にまつわる補助金・助成金制度について、こちらの記事をお読みください
▼家の解体で補助金や助成金を受け取るために必要な手続きや条件とは
解体費用はローンを組める
解体費用ローンを活用することで、銀行から融資を受けることができます。
ここでは、家屋の解体に関連するローンを紹介します。
住宅ローン
解体後に新築工事をする場合は、住宅ローンを組むことが可能になります。
既存の家の解体から、新築工事までをまとめて住宅ローンを活用したいという方もいます。
この場合、住宅ローンを組むには解体から新築までを、同じ業者に依頼しなくてはいけない場合があります。
同じ業者と言えど、解体については別会社などに依頼するケースがあるので、結果として割高になる可能性もあるでしょう。
フリーローン
解体のみ行う方はフリーローンを利用することが可能です。
既存の家を解体したあとに新築を建てる予定がなければ、フリーローンで支払いを抑えながらローンを組みましょう。
フリーローンの利用目的は自由なので、解体費の支払をサポートすることができます。
ただし、金利は低いですが審査が厳しいともいわれているローンです。
空き家解体ローン
空き家の解体費用の捻出が難しい方には空き家解体ローンがおすすめです。
近年、全国的に放置されている空き家の件数が問題視されており、原因のひとつとして解体費用が挙げられます。
空き家解体ローンは、JAや地方銀行で独自に取り扱っていることがあり、原則担保や保証人が必要ないのも特徴です。
家を解体するメリットとデメリット
ここでは、家を解体するメリットとデメリットについて紹介します。
解体するメリット
古家を解体しておくことで、買い手が付きやすくなることがあります。
解体する手間が省かれた土地の方が、買い手からすれば購買意欲が沸くからです。
なるべく早く土地を手放したいという方は、建物の解体を視野に入れましょう。
解体するデメリット
解体するデメリットは、更地にすることで固定資産税が上がってしまうということです。
土地の家に家屋が建っていることで固定資産税が6分の1になっているため、解体した途端に納税額が上がってしまいます。
家の解体なら林商会へ
家を解体したいけど、費用面の不安や複数の業者で見積もりを取るのが大変で、どうすればいいかわからない…。
そうお困りの方は、ぜひ林商会へご相談下さい!
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まずは無料相談、無料お見積りからお待ちしております。
まとめ
家の解体は高額な工事になるので、解体業者選びは大事な選択のひとつになります。
ホームページを見て事前に、情報を出来る限り知っておきましょう。
信頼できる業者に、現在の状況や悩みについて相談してみるのも一つの手です。
また家の老朽化の度合いによっては、補助金や助成金を受けられることも覚えておきましょう。