仏壇のサイズ表記は、種類によって異なります。
自宅に合った仏壇を選ぶためには、サイズや種類について知っておく必要があるでしょう。
そこで今回は仏壇のサイズや選び方を紹介するので、仏壇選びにお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
仏壇の種類とは?
日本に古くからある仏壇には、主に3種類あることをご存知でしょうか?
自分で購入する機会がほとんどない仏壇ですが、実はさまざまなデザインや大きさなどがあります。
ここでは、それぞれの種類の特徴をご紹介します。
唐木仏壇
唐木(からき)仏壇は伝統型仏壇の一つで、シンプルなデザインで木目を活かし、日本の美意識である「わび・さび」を表現しています。
使用している木材は、黒檀(こくたん)・鉄刀木(たがやさん)・紫檀(したん)などです。
唐木とは中国から輸入された硬質木材のことで、最近では唐木だけではなく和睦(わぼく)も使用しており、屋久杉製の仏壇は最高級品とされています。
また、使用している木材は国産材だけではないため、値段は使用している木材の輸入先によって異なるのが特徴です。
なかには芯材に唐木以外の木材を使い、唐木を印刷したシートを使用しているタイプもあります。
安くする狙いのほかにズレや割れなどの劣化を防ぐことが目的です。
そのため、100%唐木製かシートを貼っているタイプかでも値段が変動します。
相場はミニサイズが10~30万円で、一般的なサイズが60~100万円、最高級品は200万円程度が目安です。
金仏壇
金仏壇には荘厳(しょうごん)造りが施され、彫刻・蒔絵・錺(かざり)金具といった日本伝統工芸の技術が集約されていることが特徴です。
そのため、経済産業大臣指定や都道府県知事指定の伝統工芸品に指定されている金仏壇もあります。
金仏壇に使用している木材は杉・檜(ヒノキ)・欅(ケヤキ)などの木材で、近年では(MDF)合板やボードといった材料も使用しています。
全体的に黒の漆・化学塗料・カシュールなどが塗られ、仏壇の扉を開けると金箔や金粉などで豪華に飾られている仏壇です。
その他には装飾や補強を目的とした錺金具や、欄間・障子・柱などには彫刻が施されています。
宗派は真宗高田派・浄土真宗本願寺派(西)、真宗大谷派(東)で分けられますが、宗派によって内部の造りや形状は異なります。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)
西本願寺にある阿弥陀堂を模した造りが特徴です。
宮殿 | 一重破風屋根 |
外柱 | 金箔張りの柱 |
真宗大谷派(東本願寺)
2つの建築物を模した造りで、黒柱は阿弥陀堂、二重屋根は御影堂です。
また、細かい部分でも地域によって異なる特徴があります。
宮殿 | 二重瓦屋根 |
外柱 | 黒漆塗りの柱 |
金仏壇の価格は上置き型で50万円から、台付き型は100万円からが目安です。
モダン仏壇
モダン仏壇は唐木仏壇や金仏壇と違い、現代のインテリアに合わせた仏壇です。
そのため、彫刻や本尊棚の屋根などの特徴的な部分がなく、コンパクトでデザイン性の高いものが豊富にあります。
モダン仏壇は別名、家具調仏壇や現代仏壇、リビング仏壇などとも呼ばれています。
唐木仏壇や金仏壇は和室に置くことが多いですが、モダン仏壇なら和室はもちろん、リビングなどの洋室に置いても違和感がありません。
現代の生活スタイルに溶け込むデザインが多いため、田舎よりも都会で生活している方に好まれるデザインと言えるでしょう。
また、LED電球を使用しているのも特徴の一つで、省エネになっているだけではなく、ライトによる日焼けも防げます。
モダン仏壇もウォールナットやナラなど、洋風の家具と同じ素材を使用しており、芯材に木材を貼ったり厚板張りや突板張りをしたりしています。
宗派はどの宗派でも使用可能で、価格は50万円前後が相場です。
仏壇のサイズについて
仏壇はデザインだけではなくサイズもさまざまです。
ここでは3種類に分けて、それぞれの特徴をご紹介します。
上置き仏壇
上置き仏壇とは、タンスやローボードなどの上に置くことができる仏壇です。
そのためサイズはコンパクトなものが多く、主に唐木仏壇とモダン仏壇に上置き仏壇があります。
配置は問いませんが、正座をしたときに祀られている本尊が目線より上にあるように、床に置いたり低い位置に置いたりすることはやめましょう。
サイズ表記は「号」と記載されていますが、基本的に「1号=3cm」程度です。
一般的にミニ仏壇と呼ばれるサイズは11~18号、高さが33~54cm程度です。
サイズは以下の通りです。
号 | 幅 | 高さ | 奥行き |
11号 | 19cm | 33cm | 19cm |
14号 | 30cm | 44cm | 25cm |
16号 | 32cm | 49cm | 26cm |
18号 | 42cm | 54cm | 29cm |
20号 | 48cm | 63cm | 34cm |
23号 | 54cm | 62cm | 37cm |
25号 | 58cm | 78cm | 40cm |
28号 | 72cm | 86cm | 50cm |
台付き仏壇
台付き仏壇とは、ろうそくや仏具などが収納できる引き出しが付いているタイプの仏壇です。
仏間に置くタイプで古くからあり、広いスペースがなければ設置することが難しいサイズです。
床に直接置くため「床置き仏壇」とも呼びます。
台付き仏壇のサイズは「尺」で表記されていて、「1尺=30cm」です。
しかし、購入する際に参考になるサイズ表記は、〇-〇号や〇号-〇尺など省略して記載されていることもあるので注意してください。
サイズは以下の通りです。
サイズ | 高さ | 幅 | 奥行き |
47-16号 | 約136cm | 約48cm | 約50cm |
43-18号 | 約130cm | 約54cm | 約48cm |
53-18号 | 約160cm | 約54cm | 約56cm |
56-20号 | 約170cm | 約70cm | 約60cm |
金仏壇
金仏壇のサイズは「代」で表記します。
金仏壇はご本尊や脇侍の掛け軸を3枚掛けます。
そのため、どの大きさの掛け軸を掛けることができるかわかるようにするために「代」を使っているのです。
サイズは以下の通りです。
サイズ | 高さ | 幅 | 奥行き |
30代 | 約131cm | 約66cm | 約50cm |
50代=三尺間用 | 約152~155cm | 約64~79cm | 約55~61cm |
70代=三~四尺間用 | 約156~170cm | 約80~84cm | 約60~69cm |
100代=四~五尺間用 | 約171~180cm | 約85~96cm | 約70~75cm |
150代=五~六尺間用 | 約175~180cm | 約97~111cm | 約76~79cm |
200代=六尺間用 | 約180~192cm | 約112~138cm | 約80~81cm |
仏壇の選び方
宗派やサイズで選ぶ以外の仏壇の選び方をご紹介します。
住宅事情や仏壇に対する考え方などはさまざまであるため、生活スタイルなどに合った仏壇を選びましょう。
設置場所に合わせて選ぶ
仏壇を設置する場所の広さは住宅事情によって異なります。
たとえば、仏間の広さや奥行き、リビングの大きさなどです。
そのため、仏壇の大体の大きさを決めてから木材やデザイン、上置き仏壇や台付き仏壇などの種類を決めましょう。
仏間・床の間に置く場合
仏間や床の間に置く場合、ほとんどの家庭が唐木仏壇または金仏壇を置きます。
特に仏間に置く場合は、仏間の広さを考慮することがポイントです。
以下は仏間ごとの目安として参考にしてください。
仏間 | 仏壇 |
一間仏間・半間仏間 | 床置き型の唐木仏壇または金仏壇 |
半床仏間 | 上置き仏壇 |
地袋付仏間 | 地袋型仏壇 |
リビングに置く場合
リビングは部屋の雰囲気が洋風である場合が多いため、モダン仏壇を置くのが一般的です。
また、タンスやローボードがあれば上置き仏壇、スペースが限られる場合は壁掛け仏壇、どの宗教でも使えてデザインが豊富な仏壇であればステージ仏壇もあります。
部屋の雰囲気や好みなども考慮して選ぶことも方法の一つです。
タンスや棚の上に置く場合
タンスやローボード、棚の上などに置くなら、上置き仏壇が一般的です。
上置き仏壇といってもデザインはさまざまあるため、部屋の雰囲気や置く場所の雰囲気に合わせることができます。
インテリアの一部になるように選ぶのもよいでしょう。
インテリアやライフスタイルに合わせて選ぶ
仏壇にはさまざまな種類がありますが、設置する部屋の雰囲気やインテリアに合わせてデザインや木材などを決めるのもおすすめです。
部屋の雰囲気と合わない仏壇を設置すると、仏壇の存在が目に付きやすくなります。
しかし、部屋の雰囲気に合う仏壇なら部屋の雰囲気に溶け込み、違和感がありません。
洋間やリビングに仏壇を設置するときは、デザイン性の高いモダン仏壇なら調和が取りやすいでしょう。
宗派で選ぶ
デザインやサイズなども大切ですが、宗派で選ぶことが一番大切です。
宗派によっては仏壇を問わないタイプもありますが、仏壇の種類が決められている宗派もあります。
そのため、代々の宗派がある家庭は宗派に合った仏壇を選ぶ必要があります。
たとえば浄土真宗なら、ご本尊の阿弥陀如来がいる極楽浄土を表現している金仏壇が基本です。
仏壇のサイズや種類を選ぶ際のポイント
仏壇のサイズや種類を選ぶ際に、見落としがちなポイントを2つご紹介します。
購入してから後悔しないためにも必ずチェックしておきましょう。
扉が開いた状態での大きさも考慮する
仏壇は扉を開けて使用しますが、購入する際の参考にするサイズは扉を閉めている状態のサイズです。
仏壇の扉の多くは観音開きタイプで、基本的に開いた状態で使用します。
そのため、他の家具に当たらないかなども確認しておきましょう。
位牌を置く場合は、奥行きや高さに注意する
仏壇の中にはご本尊だけではなく位牌も置きます。
このとき、位牌がご本尊より高い位置にならないように注意しましょう。
また、先祖代々の位牌がある場合、位牌が大きかったりすべてを仏壇の中に入れるのが難しかったりします。
宗派は限られますが、先祖代々の位牌にまとめる「繰り出し位牌」や、位牌の代わりに供える「過去帳」などの方法もあります。
どの方法にするかは家族や菩提寺と相談して決めましょう。
三十三回忌または五十回忌の弔い上げのタイミングで行います。
まとめ
一生のうちに一度、購入するかしないかの仏壇にはさまざまな種類やルールがあります。
宗派や設置する場所などで選ぶ仏壇が異なるため、まずはそれぞれ事前に確認が必要です。
そのうえでライフスタイルに合ったデザインや種類、サイズを検討しましょう。
購入する際はぜひ参考にしてお選びください。