近年では和室がない家も増えてきており、それに伴い仏壇をリビングに置く人も増えてきました。
では、実際にリビングに仏壇を置く場合、どのような種類の仏壇がよいのでしょうか。
今回はリビングに置く仏壇について紹介します。
目次
仏壇をリビングにおいても問題はない
結論から言うと、仏壇はリビングに置いても問題はありません。
その理由を以下でご紹介します。
仏間や和室のない家が増えた
セキスイハイムの調査によると、和室のない家は2010年で18.8%ほどでしたが、2016年には25.3%に増えています。
これは高齢化社会による影響が大きいと言えるでしょう。
というのも、高齢者の方は畳の上で座ったり立ったりするのがどうしても困難になりがちです。
そのため、椅子のある部屋のほうが高齢者の方には好まれやすい傾向にあるため、仏間や和室のない家が急激に増えているのです。
インテリア性の高い仏壇の増加
最近では、デザイン性の高い仏壇が増えています。
シンプルでスタイリッシュなデザインの仏壇もあるため、フローリングのリビングに置いても違和感はありません。
価格帯も幅広く、リーズナブルな価格で購入できる仏壇もあります。
このように選択肢の幅が広がったことも、仏壇をリビングに置く一つのきっかけになったと言えるでしょう。
リビングサイズ用の仏壇の増加
最近は仏壇のサイズも多様化しています。
従来のように広いスペースを必要としないコンパクトサイズの仏壇が増えているため、マンションなどのあまり広くない間取りでも、圧迫感なくご先祖様を祀ることができます。
小型の仏壇なら価格もお手頃のものが多いので、予算に不安のある方も安心です。
また、インテリアに馴染みやすいデザインが多いため、洋室を中心とした現代の日本の住宅にも無理なくマッチします。
リビングに置く仏壇はどんなものがおすすめ?
リビングに仏壇を置くときは、デザインとサイズに注目してみましょう。
モダン仏壇
モダン仏壇は、自然の木目を生かした洋風の仏壇です。
従来の仏壇のようにゴテゴテとした装飾は付いておらず、シンプルなデザインのため、フローリングのリビングにも違和感なく溶け込みます。
扉を閉めておけば少し高級なクローゼットに見えるため、来客がある場合でも安心です。
小型仏壇
小型仏壇は、コンパクトサイズの仏壇です。
タンスなど家具の上に置けるため、狭い間取りの部屋でも置き場所に困りません。
ウォールナット調やメイプル調など、さまざまな種類があるので、お部屋の雰囲気に合わせて選べます。
壁掛け仏壇
壁掛け仏壇は、壁に設置できるタイプの仏壇です。
奥行きが浅く、厚みもないため、仏壇を置くスペースがないマンションなどに適しています。
自由な高さに設置できるなど、利便性の高い仏壇です。
厚みがないとはいえ、きちんとお供えものや仏花を備えるスペースは用意されています。
ステージ型仏壇
ステージ型仏壇は、扉の付いていないタイプの仏壇です。
祭壇のようなカジュアルな見た目が特徴で、本格的な仏壇に比べると宗教的な雰囲気は薄くなるでしょう。
最近はピンクなどの可愛い色合いや、ハート型などのタイプもあるため、仏教のしきたりにとらわれずにお祈りできます。
仏壇をリビングに置くメリット
仏壇をリビングに置くことには、さまざまなメリットがあります。
お祈りしやすい
リビングは家族全員が使う部屋なので、自然と家族が集まってお祈りしやすいメリットがあります。
仏間に仏壇があると、行事以外では手を合わせる機会が少ないでしょう。
しかし、リビングなら日常空間なので、子どもも仏壇に親しんでもらいやすくなります。
最近は仏間のない住宅も増えているため、リビングに置いたほうが便利かもしれません。
管理しやすい
リビングはダイニングキッチンとつながっている間取りが多いため、ご先祖様に供えるご飯や水を用意するときに手間がかかりません。
お供えした花が枯れていたり線香をあげたあとの灯明が点きっぱなしだったりしても、すぐに誰かが気付けるでしょう。
仏壇の維持管理がおろそかにならないのも、メリットの一つです。
仏壇をリビングに置くデメリット
仏壇をリビングに置くと少なからずデメリットが生じます。
メリットだけでなく、デメリットも考慮したうえで仏壇をリビングに置くべきかどうか判断しましょう。
家族以外がお参りしづらい
月命日の法要に毎月お坊さまがいらっしゃるときは、リビングが使えなくなります。
法要が終わった後の接待もあるため、リビングが長時間使えなくなるのは悩ましい問題です。
お坊さんも他人の家庭の日常空間でお経をあげるのは、居心地が悪いかもしれません。
自宅で法事をしづらい
三回忌や七回忌のような節目の法要を行う場合、親族や故人の友人が来賓として参列することもあります。
法要が終わった後は会食もあるため、どこで来賓をもてなすかなど、法事の段取りをよく考えることが大切です。
仏壇をリビングに置く場合の注意点
ペットを飼っている場合、お仏壇を傷付けないように気を付ける必要があります。
最近は壁に固定できる仏壇も登場しているため、ペットが触れられないような場所に設置するとよいでしょう。
また、日当たり具合を考えることも大切です。
仏壇の素材は木材であることが多いため、直射日光が当たる場所や湿気の多い場所には置いてしまうと、素材が変色したり痛んでしまったりすることがあります。
他にも、熱を放つ電化製品や音の振動のあるオーディオ製品の上、高さにも注意する必要があります。
仏壇に手を合わせたときに仏壇を見下ろすことがないように、設置場所は慎重に選びましょう。
まとめ
仏壇を置く場所に決まりはありません。
最近はリビングに置きやすいデザイン・サイズの仏壇が増えています。
大事なことは置く場所よりも、ご先祖様を想う気持ちです。
リビングに仏壇を置けば、日常生活の中でご先祖様を身近に感じることができ、お祈りもしやすくなります。
日々の生活を考えて、無理のない場所に置きましょう。