浄土宗の仏壇に厳格な決まりはありません。
ただし、仏壇を飾る際の脇侍には2つパターンがあるため、仏壇の飾り方には注意をしましょう。
今回は、浄土宗の仏壇の選び方や飾り方について紹介します。
目次
浄土宗の仏壇の選び方
仏壇と聞くと、古くからある直置きタイプの大きい仏壇をイメージする人が多いかもしれません。
しかしその他にも、コンパクトなタイプのミニ仏壇や金仏壇・唐木仏壇など、さまざまな種類があります。
浄土真宗は金仏壇を安置するケースが多く、宗派や菩提寺などによっては仏壇を指定する場合もあるようです。
しかし、浄土宗は他の宗派に比べて寛容なのが特徴で、仏壇の種類やサイズ、形状などに厳格な決まりごとはありません。
したがって、自分のライフスタイルや好みに合わせて自由に仏壇を選ぶことができます。
浄土宗の仏壇を置く向き
最近では、仏壇を置くための仏間や床の間を設けている家が少なくなり、仏壇を置く向きに悩む人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような場合は、信仰する宗派が推奨する説を参考にするのがおすすめです。
浄土宗は「西方浄土説」を推奨しており、「西」に向かって拝むように仏壇を安置します。
つまり、仏壇の扉が東に向くように安置するのが「西方浄土説」の正しい置き方です。
しかし浄土宗では、仏壇を置く向きについても厳格に定められているわけではないので、あまり気にする必要はありません。
仏壇は、置く向きよりも設置する場所に注意したほうがよいでしょう。
というのも、仏壇は木製のため、湿気に弱くシロアリが発生することもあるからです。
できるだけ湿気が少なく、家族が集まりやすい明るい場所を選ぶと、供養もしやすくご先祖様も喜んでくれることでしょう。
浄土宗の仏壇のご本尊と脇侍について
浄土宗の仏壇は自由度が高く、縛りの少なさが特徴です。
ただし、お祀りするご本尊と脇侍には決まりごとがあります。
事前にしっかりと確認し、正しくお祀りしましょう。
ご本尊は舟立阿弥陀如来
浄土宗のご本尊は阿弥陀如来です。
阿弥陀如来の光背には「放射光」や「二重円光」などの種類から選びますが、浄土宗の仏壇には「舟立阿弥陀如来」という舟型の光背の前に立つ阿弥陀如来像を飾りましょう。
この「舟立阿弥陀如来」は、「立撮即行(りっさつそくぎょう)」といい、すぐに人を救おうとお立ちになった姿を表しています。
ご本尊の飾り方
浄土宗の場合、ご本尊は仏壇最上段の中央に飾るのが決まりです。
この位置に位牌が置かれていることもありますが、誤りですので注意しましょう。
脇侍は2つのパターンがある
ご本尊の両側に置く脇侍の飾り方には、2つのパターンがあります。
向かって左側 | 向かって右側 |
法然上人 | 善導大師 |
勢至菩薩 | 観音菩薩 |
どちらのパターンのほうがよいということはないので、どちらを選んでもかまいません。
ただし組み合わせは決まっているため、左右の脇侍が混同することがないように気を付けましょう。
浄土宗の仏具の飾り方
浄土宗の仏壇には、仏具や飾り方についても厳格な決まりはありません。
しかし、仏具が何もなければ供養ができないため、「三具足」「五具足」といった最低限必要となる仏具は用意しておきましょう。
三具足 | 香炉、花立、燭台 |
五具足 | 香炉、花立一対、燭台一対 |
以下では、浄土宗の仏壇に必要な仏具の種類とその飾り方を解説します。
ご飯の供え方
浄土宗の仏壇は、最上段に「弥陀三尊」であるご本尊と脇侍を配置します。
したがって、仏具を最上段に飾ることはありません。
中段の右側に位牌を安置し、ご飯は同じ段の中央右側にお供えします。
お水の供え方
お水は仏壇中段の左側、ご飯の隣にお供えします。
お花の供え方
お花は、仏壇下段にお供えします。
ろうそくの供え方
ろうそくも、お花と同じく下段に置きます。
お線香(香炉)のお供え方
お線香の配置も下段に置きます。
お線香の供え方は宗派によって異なりますが、浄土宗の場合は、1本を折らずに香炉の真ん中に立てるのが正しい方法です。
おりんの飾り方
おりんは最下段の右側に飾ります。
仏壇が2段以下の場合は、経机に乗せて仏壇の1番手前に置くと、毎日の供養がしやすいのでおすすめです。
まとめ
浄土宗の仏壇は比較的寛容で決まりごとが少ないため、種類や置く向き、仏具などは自由に選べます。
しかし、お祀りするご本尊や脇侍は決められているので、確認して正しく安置することが大切です。
決まりがないと反対に何を基準にしていいか迷ってしまうかもしれませんが、本記事を参考に毎日の供養に必要な仏具を揃えてみましょう。