葬儀保険とは、保険金により死亡後の葬儀にかかる費用の負担を軽減することができる保険です。
葬儀には多くの費用が発生し、遺族はその費用を負担しなければなりません。
遺族の負担を軽くするためにも、葬儀保険には入っておきましょう。
今回は、葬儀保険について詳しく紹介します。
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葬儀保険とは
自分の葬儀に備えるための保険には、死亡保険のほかに「葬儀保険」があります。
保険金額が少なく、保険期間も短いため「少額短期保険」とも呼ばれ、一般的な保険に比べて入りやすいのが特徴です。
遺していく家族に負担をかけたくないと考えている人から注目されている保険で、近年では終活の一環として入る人が増えています。
葬儀費用を把握しておく
葬儀費用は、基本的に喪主が負担することになっており、以下のような費用が発生します。
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平均して195万円の費用が必要になると言われています。
規模の小さい家族葬であれば、費用は90万円ほどですが、お墓や遺品整理などにも費用が発生するため、人が亡くなった際る時には多くの費用がかかることを覚えておきましょう。
葬儀保険のメリット
高齢の方も持病がある方も加入しやすい
生命保険と違い、少額短期保険は医師の診断書が不要の場合がほとんどです。
なかには、病歴や持病があっても加入できる葬儀保険や、健康告知が不要な保険もあります。
また、加入年齢の上限が比較的高めに設定されているので、高齢になってからでも保険の加入が可能です。
支払う保険料が安い
少額短期保険の葬儀保険は、生命保険などに比べて保険料が安く設定されています。
毎月の保険料が数百~数千円の場合が多いので、負担の少なさがメリットです。
また、受け取る保険金額に合わせて決められた保険料を支払うタイプ以外にも、年齢にかかわらず支払金額が一定の葬儀保険もあります。
支払いの負担や、受け取る保険金の額などのバランスを考えて、自分に合う葬儀保険を選びましょう。
保険金を受け取れるのが早い
生命保険の場合は、書類を送っても保険金を受け取るために5営業日ほど待つ必要があります。
しかし、葬儀保険の場合は翌営業日以内に支払われるケースが多いのも特徴です。
現在は、葬儀費用の支払いはクレジットやカードローンなど、支払い方法は増えてはいますが、現金での支払いが必要な場面も少なくありません。
そのような場合に、お金の問題から葬儀を簡略化しなければならないのは、遺族にとってもつらいことでしょう。
家族がお金の心配をせずに最期のお別れができるよう葬儀保険に入っておくことは、ぜひ行なっておきたい終活と言えます。
保険金受取人の範囲が広い
一般的な生命保険や死亡保険の場合、受取人は配偶者か2親等以内の親族を指定します。
しかし葬儀保険の場合は、3親等以内の親族や内縁関係である人、親しい人を指定できるケースもあります。
そのため、おひとりさまで血縁に受取人がいないという人でも、葬儀保険でいざというときに備えておきましょう。
また、葬儀会社に直接振り込める葬儀保険もあるので、受取人の指定が難しい場合も安心です。
葬儀保険のデメリット
保険金が支払われない場合がある
葬儀保険の保険金を受け取るために、虚偽の申告をしたり保険料の支払いが滞っていたりした場合には、保険金が支払われない場合があります。
その他、上限年齢を超えたことで契約が失効した場合も保険金は受け取れません。
生命保険控除にならない
少額短期保険業者が扱う葬儀保険は、確定申告の際、生命保険料控除の対象外とみなされます。
そのため、年末調整でも「生命保険料控除証明書」の発行はなく、確定申告で控除の申請はできません。
保険契約者保護機構の援助が受けられない
一般的な生命保険の場合は、保険会社が「保険契約者保護機構」に加入しているので、万が一会社が保険金の支払いができない状況になっても、保険契約は守られます。
しかし、少額短期保険業者が扱う葬儀保険は保護対象外のため、もし業者の経営が悪化して支払いが不可能になった場合、保護されません。
とはいえ、少額短期保険業者は事業を始める際に、もしものときに備えて法務局に最低1,000万円の供託金を預け、その後も事業が大きくなるのに合わせて供託金を増やしています。
いざというときにはきちんと契約者を守る仕組みは作られているので安心してください。
年齢を重ねると保険料も上がる
多くの葬儀保険では、年齢に合わせて保険料が高くなる仕組みになっています。
長く加入し続けると保険料が上がり、結局元本割れしてしまう可能性もあるので、支払いと受け取りの金額のバランスを考えて保険に加入する必要があるでしょう。
葬儀保険の選び方
自分に合ったプランを選ぶ
葬儀保険に入る際には、以下のようなことを踏まえて自分に合ったプランを選びましょう。
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平均的な葬儀の金額に惑わされることなく、自分の葬儀の場合をシミュレーションしたうえで必要な金額を算出することが大切です。
また、差し当たって葬儀の費用を準備しておきたいのか、お墓や仏壇などの費用も残したいのかなど、家族のためにどれくらいの金額を用意しておきたいのかによっても葬儀保険のプランは変わります。
保険会社選びは慎重に
葬儀保険を取り扱う会社は数多くあります。
加入をする前に、まず金融庁のホームページで「少額短期保険業者」の登録がされているかを確認しましょう。
保険金を受け取る際に、保険会社が倒産して保険金が受け取れないという事態を避けるためにも、安心して加入できる業者なのか、事業運営内容や会社情報を見て判断することが重要です。
不安な点があれば、保険会社のカスタマーセンターや金融庁の金融サービス利用者相談室に問い合わせをしてみましょう。
おすすめの葬儀保険
健康年齢少額短期保険「やさしい終活保険」
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4つの告知に答えるだけで簡単に申し込みができるので、若い方はもちろん高齢の方でも申し込みがしやすい保険です。
また、保険金の申請から支給までがスムーズなので、いざというときに助かるでしょう。
お問い合わせはこちら:健康年齢少額短期保険株式会社
富士少額短期保険「ごあんしん共済」
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健康な人が加入できる手軽な保険です。
保険金は葬儀以外に使うこともできるので、目的に合った保証金額を選べるでしょう。
お問い合わせはこちら:富士少額短期保険株式会社
富士少額短期保険「おそうしき共済」
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高血圧や糖尿病といった持病があっても入りやすい、無配当引受基準緩和型死亡保険です。
お問い合わせはこちら:富士少額短期保険株式会社
くふう少額短期保険「はいれる終活保険」
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医師の診断や健康に関する告知が必要ないので、病気を持っている人でも加入できます。
お問い合わせはこちら:くふう少額短期保険株式会社
SBIいきいき少額短期保険「SBIいきいき少短の死亡保険」
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たとえば54歳の女性の場合、100万円コースで月々の保険料が490円とお手頃です。
保険料の使い道も自由なので、葬儀はもちろん、お墓や遺族の生活のために使うこともできます。
お問い合わせはこちら: SBIいきいき少額短期保険株式会社
アイアル少額短期保険「終活相談付き みんなの葬儀保険」
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55歳~59歳の場合、保険金額100万円のプランであれば、1か月の保険料が男性で870円、女性なら490円とお手頃です。
また、葬儀や相続などの終活に関することを気軽に相談できるサービスもあります。
お問い合わせはこちら:アイアル少額短期保険株式会社
エス・シー少額短期保険「あんしん葬儀保険」
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受け取る保険金に合わせて支払うプランと、支払額を一定にして負担を減らすプランがあるので、ニーズに合わせて選べます。
お問い合わせはこちら:エス・シー少額短期保険株式会社
ベル少額短期保険「千の風」
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保証される保険金額に合わせるタイプと、支払う保険料を一定にするタイプがあるので、無理せず金額に合わせて備えられます。
お問い合わせはこちら:葬儀保険 千の風
まとめ
葬儀保険は、家族には遺産としては何も残せないけれど、せめて葬儀やお墓などに関する負担を減らしたいという人にぴったりな保険です。
死亡保険を契約していても、実際に死亡してから支払いが行われるまでに数日かかってしまいます。
申請をして速やかに保険金を給付してもらえる葬儀保険は、遺族のためにもぜひ入っておくとよいでしょう。
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