終活に関する情報を発信するメディア「終活瓦版」を展開する株式会社林商会(本社:滋賀県大津市膳所、代表取締役 林達也)は、150人を対象に遺書やエンディングノートがなかったことで困った経験談を調査しました。
調査期間:2021年10月26日~11月09日 アンケート回答人数:150名 アンケート対象者:遺書やエンディングノートがなかったことで困った経験がある方 |
死後のための書き遺しておく遺書やエンディングノート。
「まだ若いから大丈夫」「縁起が悪い」などの理由から、遺書やエンディングノートを作成しないという方が多いようです。
実際に、55歳以上で遺書やエンディングノートを作成しているのは7%程度で、75歳以上のであっても、約10%の人しか遺書やエンディングノートを作成していないとされています。
(参考:公益財団法人 生命保険文化センターhttps://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/816.html)
遺書やエンディングノートが遺されていなかったことで遺族が大変な思いをした、という話は珍しくはないようです。
そこで、具体的にどのようなことで困ったのか、実際にトラブルを経験した150名を対象にアンケート調査を実施しました。
目次
・約半数は、親が遺書やエンディングノートを遺していなかったことでトラブルに!
(N=150名、単一回答。2021年10月26日~11月09日に実施したインターネット調査による)
親:70名
祖父母:49名
義親:21名
その他親戚:6名
義祖父母:2名
義兄弟姉妹:1名
その他義親族:1名
まずは、誰の遺書やエンディングノートがなかったことで困ったのかを調査した結果、約半数が親と回答し、続いて祖父母が32.7%という結果に。
ほとんどの方が、特に身近な方の遺書やエンディングノートがなかったことで大変な思いをしたようです。
親戚や義親族などの遠い親族になればなるほど、親や祖父母に比べるとトラブルになりにくいことがわかります。
・遺書やエンディングノートがないと、遺産分割や遺品整理でトラブルになりやすい!?
(N=150名、単一回答。2021年10月26日~11月09日に実施したインターネット調査による)
遺産分割:45名
遺品整理:41名
土地・不動産:21名
葬儀:18名
供養・埋葬:7名
仏壇:2名
その他:16名
次に、遺書やエンディングノートがなかったことでどんなことで困ったのかを調査しました。
最も多かった回答は遺産分割。
続いて遺品整理、土地・不動産という結果でした。
仏壇と回答した方は1.3%と最も少ないですが、全体的に大きな偏りがあるわけではないようです。
では、具体的にどのような内容で困ったのでしょうか。
以下では、グラフ順に内容を紹介します。
【遺産分割】
①遺産分割が進まなかったケース
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・突然父が亡くなり、少ないなりにも遺産分与でもめました。弟が、主導権を握ったために母の生活のためにと父が思っていた収入源も自分のものにしてしまっていました。分与も弟の言い分通りの分配になってしまいギクシャクしています。(40代女性)
・遺産を保持し、把握していた姉が、相続人の権利である遺産の開示を求めても話をはぐらかすばかりで遺産分割協議が進まずに困りました。(50代男性)
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遺産分割の中でも多く見られたのは、親が亡くなった際に兄弟姉妹間で揉めたケースです。
人が亡くなると、相続人が遺産分割について話し合う「遺産分割協議」が行われます。
遺産分割協議は相続人が全員参加し、話し合いで決まった内容について全員が合意しなければ相続手続きは完了しません。
また分割割合などで意見が割れてしまい、なかなか合意に至らない場合は裁判に発展することもあります。
上記は裁判には至らなかったようですが、兄弟姉妹のうち1人だけの意見が強引に通されたというケースは多いようです。
②遺産が把握できず、手間や時間がかなりかかったケース
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・証券口座や銀行口座が複数あり、家族が誰も把握していなかったので、手続きに苦労しました。生命保険については、証券が見当たらないものの、振替の履歴などはあり、どこの会社にどの契約が生きて残っているのか?を把握するだけでも時間を要しました。(50代女性)
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遺書やエンディングノートには、相続の希望が記載されることが多く、遺された財産の内訳が分かるようになっていることが多いです。
しかし、遺書やエンディングノートがなければ、そもそもどこにどの程度の遺産があるのか遺族が把握できません。
また、相続には故人の保険やカード、携帯電話などの支払い義務も含まれるため、財産を把握できないことで後々トラブルに発展することもあります。
上記のように、遺産や契約情報などを詳しく把握できていなければ、かなり時間や手間がかかってしまうようです。
【遺品整理】
最も多く見られたのは、以下のように遺品の分配や処分で困ったケース。
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・祖父は終活やエンディングノート等の知識は無かった為、一般的な方法でお葬式や遺産分割をしたんですが、祖父が残した遺品がかなりあり、どれを誰に渡していいのかどう処分すればいいのかとても困りました。(20代女性)
・遺産の整理時、母が管理していた大量の着物が出てきました。その着物をどうするのか、残しておいた方が良いのか、捨てていいものか、はたまた売りに出しても良いのか、とっても迷いました。(30代女性)
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遺品整理は、遺族にとって精神的にも体力的にも負担が大きい作業です。
遺してほしいのか、誰かに持っていてほしいのか、処分してほしいのかなど…遺書やエンディングノートに詳しく記載されていなければ、遺族はかなり困ってしまいます。
また、相続人が複数いる場合、遺品の分配でトラブルになる可能性があります。
実際に、遺品整理中にトラブルが起こったという回答もいくつか見られました。
【土地・不動産】
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・祖父が複数の不動産を持っていたのですが、相続人を決めなかったため不動産の分割協議が大変でした。あらかじめ決めておいてくれればよかったです。(30代男性)
・祖父は農家をやっていて大規模な畑の土地をどうするか困りました。誰が引き継ぎ手入れをしていくのか決めるときに困りました。(20代女性)
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上記のように、遺書やエンディングノートがないことで土地・不動産をどうすればよいかわからず、困ってしまったというケースが多く見られました。
土地・不動産は、「引き継ぐのか」「処分するのか」で手続きは大きく異なります。
「誰がどの土地を相続するのか、遺書やエンディングノートに記載されていればスムーズに相続できたのに…」と苦労した方は多いようです。
また、管理が必要な土地・不動産を急に相続することになり、管理方法や手続きなどにかなり困ったという方もいました。
【葬儀】
以下のように、故人の葬儀の希望がわからず困ってしまったというケースが多く見られました。
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・宝くじより当たる確率が低い病気だった為、病名までは皆に知らせていませんでした。見た目も痩せて顔の感じやイメージも変わってしまった為葬儀でお別れに顔を見せていいものか?本人はこの状態を見られたくないのでは?と悩みました。(50代女性)
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葬儀は、故人に会える最後の機会と言えます。
遺族が「最後は故人が希望していたお別れをしたい」と思っていても、遺書やエンディングノートがなければ故人の希望通りの葬儀をできない可能性があります。
「故人の希望を叶えられたのかわからない」「生前に言っていた希望の葬儀内容にならなかった」と、悲しい思いをした遺族の方もいました。
また、以下のように遺影がなかなか決められず、困ってしまったというケースも。
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元気だった母親が突然のくも膜下出血でなくなりました。持病もなく元気だったために、亡くなった後のことを何も話していなかったことが悔やまれました。一番困ったのは遺影の写真です。お葬式でみんなが見る母の元気な顔、それをどの写真にするかはかなり重要です。残された者が気にいるのを選べば良いと言ってくださる人がいても、どうしても母ならどの写真を選ぶだろうと、考えてしまいました。(40代女性)
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故人のことを大切に思っているからこそ、希望を叶えてあげたかったという気持ちが伝わる回答でした。
【供養・埋葬】
葬儀のアンケート結果同様、供養・埋葬に関しても「故人の希望を叶えてあげられなかった」というのが最も多い回答でした。
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・祖父本人は生前から墓はいらない、散骨を希望、といっていたのに、家族がやっぱりお墓がないと、といいだした。散骨するにしても何処が良いのか、全く分からなくて困った。(30代女性)
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上記は、生前聞いていた供養の希望はあったが、具体的な内容がわからず故人の希望と異なる結果になってしまったケース。
供養や埋葬の方法にはさまざまあります。
たとえば上記の「散骨」は、粉状にした遺骨を海や山、故人の思い入れが強い場所などに撒く葬送方法です。
どこで散骨してほしいのかなどが詳しく遺書やエンディングノートに書き遺されていれば、故人の希望を叶えられたかもしれません…。
【仏壇】
以下は、宗教の違いから仏壇の扱いに困ったというケース。
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・母が創刊学会、父が浄土真宗のため、自宅にある仏壇の性根抜きをどっちにするかもめました。結果的に本家の浄土真宗の仏壇をのこしました。(40代男性)
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両親の死後、仏壇は子どもに引き継がれるのが一般的です。
しかし、両親がそれぞれ異なる宗教で仏壇が2つあるような上記の場合、どちらかの仏壇はお性根抜き(魂抜き)をし、処分するのが好ましいとされています。
生前に両親が仏壇をどうするのかを決め、遺書やエンディングノートに書き遺していなければ、トラブルに発展する可能性もあるようです。
・遺書やエンディングノートを作成予定・作成済みの方は94%!
(N=150名、単一回答。2021年10月26日~11月09日に実施したインターネット調査による)
作成する予定:127名
作成しない予定:14名
既に作成済み:9名
将来遺書やエンディングノートを作成する予定・作成済みと回答した方は94%。
ほとんどの方が遺書やエンディングノートの作成に前向きなようです。
一方で、作成しないという方は9.3%でした。
では、それぞれ詳しい理由を見ていきましょう。
【作成する予定】
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・残された人が困らないようにしてあげたい。形式的なことさもちろん、感謝の気持ちもしたためておきたいから。(30代女性)
・私は親の遺産を受け取るのにだいぶ苦労したので、子供たちに適切に遺産を配分したいと思うからです。(50代男性)
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上記のように、「遺族に迷惑をかけたくない」「感謝の気持ちも伝えたい」という理由から、遺書やエンディングノートを作成する予定と回答した方が多く見られました。
やはり、遺書やエンディングノートがなかったことで苦労した経験から、同じ思いをしてほしくないという方が多いようです。
【既に作成済み】
作成予定の方と同じように、遺族が困らないようにと既に遺書やエンディングノートを作成した方がほとんどでした。
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・突然の事故や病気で死亡した場合、残された遺族は何から手をつけていいのか分からず、保険の加入や預貯金なども不明だったりと、大変なのがよく分かりました。もしもの時に家族が困らないよう、死後の手続き、葬儀のこと、預貯金や保険のこと、全て紙ベースで残し、そのありかも明確に伝えてあります。(40代女性)
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上記の方は、ご自身の経験から既に細かく遺書、またはエンディングノートを作成したようです。
また、「遺族のことを大切に思うなら、遺書はしっかり準備しておくべき。それが親としての本当の愛情だ」という回答もありました。
遺族の辛さや苦労を考え、遺書やエンディングノートを作成する方がほとんどのようです。
【作成しない】
遺書やエンディングノートを作成しないという回答の中で最も多く見られたのは、以下のような回答です。
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・子供達が揉めるほど遺産、財産がないので今のところは何も考えていないので作成していない。(30代女性)
・自分は子供もおらず、おそらく夫よりは長生きするので看取る人は誰もいないため、書き残しても仕方ない。自分で片づけておくしかないと思っている。(40代女性)
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「大した遺産がない」「配偶者や子どもがいない」などの理由から、遺書やエンディングノートを遺しておく必要性を感じないようです。
また、このような回答も見られました。
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・まだ30代ということもあり、現段階では遺書やエンディングノートが必要だと感じていないからです。(30代女性)
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「遺書やエンディングノートは自分が高齢になったときに書く」という認識の方が多いようです。
「人生100年時代」と言われている今の時代に、若いうちから死後のことは考えにくいものですよね。
しかし、遺書やエンディングノートの作成に早い遅いはありません。
また、大した遺産がないと思っていても、その遺産を遺族が詳しく把握しきれていない場合があります。
そのような場合、遺族がすべて一から探し出す必要があるため、時間や手間がかなりかかってしまうでしょう。
さらに、遺書やエンディングノートに書くのは遺産のことだけではありません。
保険やカードなどの契約情報、感謝の気持ちなど…書き遺しておくべきことはたくさんあるはずです。
自分のためにも遺族のためにも、遺書やエンディングノートは書いておくべきではないでしょうか?
「遺書やエンディングノートの書き方がわからない」「何から始めればよいかわからない」という方は、一度株式会社林商会にご相談ください。
株式会社林商会には、生前/遺品整理の専門家、相続診断士、終活カウンセラーだけでなく、弁護士や司法書士などの専門家が多数在籍しています。
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「いつか来る死に向けて」というネガティブなものではなく、「今後の人生をよりスマートに過ごすため」早めに整理を行いたいというポジティブな考えからです。
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